現場で働く個人事業主が昇降設備から転落し重い後遺障害──元請側から約1億円台の賠償金を獲得した解決事例(示談)

現場で働く個人事業主が昇降設備から転落し重い後遺障害──元請側から約1億円台の賠(解決事例アイキャッチ)

事案の属性

相談者 男性(会社に雇用されず、個人事業主として現場作業に従事)
業種・規模 建設・設備関連の現場作業
相談ジャンル 労働災害(昇降設備からの転落による重い後遺障害・元請側への損害賠償請求)
後遺障害 重篤な後遺障害(労災保険から障害給付を受給)
解決額 約1億円台(示談による解決)
解決までの期間 約1年

ご相談時の状況

作業先の現場で、元請側が設置した昇降設備から転落し、日常生活にも支障が残るほどの重い後遺障害を負われた事案です。労災保険から障害給付は受けられたものの、「以前のように働くことはもうできない。労災保険だけで、この先の生活と介護をまかなえるのか」という切実な不安を抱えておられました。

個人事業主として働いていたため、「雇われている社員ではない自分が、元請の会社に賠償を求めることなどできるのか」という疑問もお持ちでした。労災保険の給付だけでは填補されない損害について、元請側への損害賠償請求ができないかと、当法人にご相談くださいました。

争点・難しさ

本件には、大きく三つの難しさがありました。

  • 事故状況の立証──事故の瞬間を見ていた目撃者がおらず、転落の経緯や設備の危険性をどう立証するかが課題でした
  • 過失相殺──元請側は、保護具(ヘルメット)の着用状況などを理由に、被災者側にも相当の過失があるとして賠償額の減額を主張してきました
  • 損害額の算定──個人事業主のため、確定申告上の所得を基礎収入とすべきか、経費をどこまで控除するかで金額が大きく変わるうえ、将来にわたる介護費用をどこまで認めさせるかも争いになりました

賠償額が大きくなればなるほど、相手方は一つひとつの項目を厳しく削りにきます。高額事案ならではの緻密な損害立証が求められる事案でした。

ブライトの方針・対応

当法人は、初期段階から「強気の責任論」と「緻密な損害論」を両輪とする方針を立てました。

  • 設備自体の危険性を突く──問題の昇降設備が安全上の配慮を欠くものであったことを具体的に指摘し、「そもそも保護具では防ぎようのない転落だった」という構成で、過失相殺の主張に正面から反論しました
  • 生活実態を映像等で立証──就労がおよそ困難であること、日常的に随時の介護が必要であることを、生活の実情がわかる資料を積み上げて立証し、将来介護費の必要性を裏付けました
  • 基礎収入の適正化──確定申告の数字を鵜呑みにせず、売上から「本当に必要な経費」だけを控除した実態ベースの基礎収入を主張しました
  • 訴訟を見据えた交渉──仮に訴訟となれば事故時からの遅延損害金や弁護士費用相当額も請求することになる点を明示し、示談段階から相手方に適切な水準の提示を促しました

相手方から損害の試算が示された後は、過失割合・将来介護費・労災年金の控除範囲について当方の考える着地点を数字で具体的に提示し、交渉を主導しました。

結果

交渉の結果、過失相殺を小さく抑えたうえで、将来介護費を含む損害が広く認められ、約1億円台の賠償金で示談が成立しました(労災保険給付とは別に受領)。解決後、ご本人がご挨拶に来てくださるなど、円満な解決となりました。

担当弁護士(労災部統括弁護士・笹野皓平)のコメント

個人事業主(いわゆる一人親方のような働き方)の方は、「雇われていないから会社に請求できない」と誤解されがちですが、現場の安全を管理すべき立場にある元請側に対して損害賠償を請求できる場合があります。また、賠償額が大きい事案ほど、過失相殺や基礎収入、将来介護費といった各項目で厳しい減額主張がなされます。一つひとつに証拠と理屈で反論できるかどうかで、最終的な金額は大きく変わります。重い後遺障害が残る事故に遭われた方は、労災保険の給付だけで諦める前に、ぜひご相談ください。

関連情報

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仕事中の転落・墜落事故で重い後遺障害を負われた方、一人親方・個人事業主として働いていて元請への請求をお考えの方は、労災に注力する弁護士法人ブライトにご相談ください。

※本事例は当時の個別事情に基づく解決例であり、結果を保証するものではありません。