このページは、高齢者×死亡事故/無職・年金生活者の逸失利益はどう計算?年金収入の扱いと家事従事者性について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 高齢者の年金収入も逸失利益の基礎収入として認められる(生活費控除50%)
- 無職でも家事従事者性を主張すれば賃金センサス女性平均で計算可
- ライプニッツ係数は年齢別の平均余命基準で計算
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高齢者の逸失利益計算の基本式
逸失利益とは、被害者が生きていれば得られたはずの収入のことです。死亡事故の場合、(基礎収入 × (1 – 生活費控除率) × ライプニッツ係数) で計算します。
高齢者の逸失利益では、(1)基礎収入をどう設定するか(給与・年金・無収入)、(2)生活費控除率(独身は50%、扶養家族あり男性は40%)、(3)就労可能年数(67歳までかつ平均余命の半分)、が論点になります。
年金収入の逸失利益性(最判平成5年9月21日)
年金(老齢厚生年金・老齢基礎年金)も逸失利益の基礎収入として認められます(最判平成5年9月21日)。年金は本人の生活保障のための収入であり、被害者の死亡で消滅するため、賠償の対象です。
但し、年金は本人の生活費に充てられる性質が強いため、生活費控除率は給与より高く50%程度が標準。例:年金年額200万円・85歳・平均余命7年のケース:200万円 × (1 – 0.5) × 5.7864(7年ライプニッツ)≒ 578万円。
遺族年金は逸失利益にならない
注意点として、遺族厚生年金・遺族基礎年金は被害者本人の権利ではなく、遺族の生活保障のため新たに発生する権利です。よって被害者の逸失利益にはなりません(最判平成16年12月20日)。
逆に、遺族年金は受給する遺族にとって新たな収入源なので、加害者賠償との損益相殺対象となるかが論点。判例は「労災遺族年金は損益相殺対象」「遺族厚生年金は損益相殺対象外」と分かれているため、専門家への確認が必要です。
無職・専業主婦の家事従事者性
無職・専業主婦の高齢者でも、(1)家事労働を担っていた、(2)被害者の家事貢献を金銭評価できる、と認められれば、賃金センサス女性平均賃金(約400万円)を基礎収入として逸失利益が認められます。
例:80歳の専業主婦が死亡事故で死亡(夫・子と同居・家事担当)→ 賃金センサス女性平均400万円 × (1 – 0.4) × 平均余命半分のライプニッツ係数 = 数百万円。家事従事者性を主張せず無収入扱いで請求すると、この金額が0円になってしまうため、必ず主張すべき項目です。
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就労可能年数と平均余命の半分ルール
高齢者の就労可能年数は、原則として67歳までですが、67歳を超える被害者の場合、(平均余命の半分) と (67歳到達まで) の長い方が採用されます。
例:75歳男性の平均余命は約12年→ 半分の6年が就労可能年数。85歳女性の平均余命は約8年→ 半分の4年が就労可能年数。これを年金収入の逸失利益計算にも適用します。
高齢者特有の慰謝料増額事由
高齢被害者の死亡事故では、本人慰謝料(赤本基準2,000〜2,800万円)に加えて、以下の事情で増額されることがあります。
(1) 加害者の悪質性(飲酒・無免許・著しい速度違反・ひき逃げ等)
(2) 被害者の身体的・精神的苦痛が長期化(即死でなく長期入院後死亡)
(3) 家族との関係性(長年の介護をしていた配偶者等)
(4) 加害者の事故後の不誠実な対応
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ブライトの高齢者死亡事故×逸失利益サポート
弁護士法人ブライトは、高齢者の死亡事故・労災死亡事案で(1)年金・家事従事者性を含めた逸失利益最大化、(2)平均余命と就労可能年数の最適計算、(3)慰謝料増額事由の主張、(4)相続税申告との連携、を一括サポートします。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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