このページは、労災死亡/第三者行為災害と求償権・控除の実務について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 通勤中・業務中の交通事故は第三者行為災害として労災給付対象
- 労災保険は加害者に求償権を行使。受給者は二重取り不可
- 示談前に労基署への「第三者行為災害届」提出が必須
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第三者行為災害とは
第三者行為災害とは、業務上または通勤途上で、被災労働者と事業主以外の第三者の行為(典型的には交通事故の加害者)によって被災した労災事故を指します。
例:(1)業務での外回り中に交通事故で死亡、(2)通勤途上の交通事故、(3)工場で第三者業者の作業ミスで死亡、(4)他人による暴行で死亡。これらは労災保険からも加害者からも給付・賠償を受けられる事案です。
労災給付と加害者賠償の関係
第三者行為災害では、(1)労災保険から給付、(2)加害者・加害者保険会社からの損害賠償、の両方を受けられますが、二重取りは認められません。調整方法は二つ:
(A) 求償:労災保険が先行給付し、その後労災が加害者へ求償(労災保険法12条の4第1項)
(B) 控除:加害者賠償を先行受領した場合、その額を労災給付から控除(同条第2項)
どちらを選ぶかで実質的な受領額・タイミングが変わります。
求償方式のメリット・デメリット
求償方式(労災を先に受給):
(A) メリット:労災給付が早期に開始(葬祭料は3〜6ヶ月、年金は半年〜1年)。加害者保険会社との交渉が長期化しても生活費を確保できる
(B) デメリット:労災が加害者に求償するため、加害者保険会社との交渉余地が狭まる。慰謝料増額交渉が困難になることがある
控除方式(加害者から先行受領)
控除方式(加害者賠償を先に受領):
(A) メリット:弁護士介入で加害者保険会社から赤本基準満額(数千万円〜1億円超)を受領できる。慰謝料・逸失利益を完全に確保
(B) デメリット:示談まで時間がかかる(半年〜2年)。その間の生活費は他の手段で確保する必要
実務では、(1)弁護士が加害者保険会社と交渉、(2)和解金で控除分を労災に通知、(3)残額をご遺族受領、というルートが取られます。
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第三者行為災害届の提出
第三者行為災害として労災請求する場合、通常の請求書類に加えて「第三者行為災害届」を労基署に提出する必要があります(労災則22条)。
届出書類:(1)第三者行為災害届、(2)交通事故証明書(交通事故の場合)、(3)念書・誓約書(示談したらその内容を労基署へ通知する旨)、(4)示談書(示談済みの場合)。
注意:示談前に労基署に届出をしないと、後日労災給付を受けられないリスクがあります。必ず弁護士に相談してから示談しましょう。
示談時の落とし穴
第三者行為災害で加害者と示談する際の落とし穴:
(1) 低額示談:労災給付を受けているので少額で済むと考えがちですが、慰謝料・逸失利益は赤本基準で請求すべき。労災給付は逸失利益の一部しかカバーしない
(2) 労災給付の控除合意:示談書に「労災給付分は控除済み」と明記しないと、後日労災から求償される
(3) 後遺障害から死亡:交通事故後に労災給付を受けて療養→ 死亡した場合の後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の併存
(4) 労災が確定する前の示談:労災給付額が未確定のまま示談すると損
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ブライトの第三者行為災害サポート
弁護士法人ブライトは、第三者行為災害事案で(1)労災請求・第三者行為災害届の作成支援、(2)加害者保険会社との損害賠償交渉、(3)求償・控除方式の最適選択、(4)示談時の労災との調整、(5)遺族年金との整理、を一括サポートします。
労災と加害者賠償の二重支援は、適切に整理すれば最大1〜2億円規模の補償になります。「労災があるから示談はそこそこで」と考える前に、必ず弁護士にご相談ください。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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