このページは、労災葬祭料と遺族特別支給金の相続について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 労災葬祭料:実際に葬儀を行った遺族へ
- 遺族特別支給金:300万円の一時金(年金受給者へ)
- 遺族特別年金:ボーナス相当の年金加算
- すべて非課税で税金心配なし
- 受給者選定は労災独自ルール
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はじめに:労災死亡で支給される複数の給付
業務中・通勤中の交通事故などで労災死亡となった場合、ご遺族は労災保険から複数の給付を受給できます。
| 給付名 | 金額 | 受給者 | 性質 |
|---|---|---|---|
| 遺族補償年金 | 給付基礎日額×日数 | 受給順位による | 年金 |
| 葬祭料 | 31.5万円+給付基礎日額30日分(または給付基礎日額60日分)の高い方 | 葬儀を行った遺族 | 一時金 |
| 遺族特別支給金 | 300万円 | 遺族補償年金受給者 | 一時金 |
| 遺族特別年金 | 算定基礎日額×日数 | 遺族補償年金受給者 | 年金(ボーナス相当) |
本記事では、年金以外の一時金・特別支給金の整理と相続実務を解説します。
葬祭料の詳細
葬祭料は、ご遺族または葬儀を行った人に支給される一時金です(労災保険法17条)。
金額:以下の高い方
- 31.5万円+給付基礎日額30日分
- 給付基礎日額60日分
例:給付基礎日額1万円
- パターン1:31.5万円+30万円=61.5万円
- パターン2:60万円
- 支給額:61.5万円(高い方)
受給者:実際に葬儀を行った人。配偶者がいない場合は子・父母・兄弟姉妹など。葬儀を行った人が労災受給順位に関係なく受給できる点が特徴です。
遺族特別支給金(300万円)
遺族特別支給金は、遺族補償年金(または遺族補償一時金)の受給者に対して一括300万円が支給される一時金です。
これは「労災事故への弔意」として支給される性質のもので、給付基礎日額や家族構成に関係なく一律300万円。すぐに葬儀費用や生活費に充てられるよう、申請から1〜2ヶ月で支給されます。
受給者:遺族補償年金の受給順位に従う(配偶者→子→父母…)。複数の遺族がいる場合は人数で按分しません(最上位の受給者のみ)。
遺族特別年金(ボーナス相当)
遺族特別年金は、被害者が死亡前にボーナス(賞与)を受給していた場合に支給される年金です。
- 算定方法:算定基礎日額×日数
- 算定基礎日額:事故前1年間の特別給与(賞与)の総額÷365
- 日数:遺族補償年金と同じ(家族構成による)
例:年間賞与200万円の被害者の場合
- 算定基礎日額:200万円÷365=5,479円
- 遺族2人なら年金額:5,479円×201日=110万1,279円/年
遺族補償年金とは別に支給されるため、合計年金額が増えます。
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遺族補償一時金(年金受給者がいない場合)
労災受給順位に該当する家族がいない場合(独身で両親も既死亡など)、または年金より一時金を選択する場合は、遺族補償一時金が支給されます。
- 金額:給付基礎日額の1,000日分
- 例:給付基礎日額1万円→1,000万円
受給順位は遺族補償年金と異なり、より広範囲(55歳未満の父母なども含む)。
税務上の取扱い:すべて非課税
労災から支給される給付はすべて非課税です(労災保険法12条の6)。
- 所得税:非課税
- 住民税:非課税
- 相続税:非課税(相続財産にならない)
- 受給時の税務申告不要
受け取った金額がそのままご遺族の手元に残ります。
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申請の実務フロー
労災死亡の給付申請の実務フロー:
- 事故から1ヶ月以内:労災保険給付請求書(遺族補償年金・遺族特別支給金)を労基署へ提出
- 同時:葬祭料請求書も提出
- 労基署で審査(業務起因性・遺族要件):1〜3ヶ月
- 認定後:年金は毎年6回(偶数月)に分けて支給開始、特別支給金300万円は一括振込
- 葬祭料は別途振込
必要書類:
- 戸籍謄本(被害者・遺族)
- 住民票(生計維持要件立証)
- 死亡診断書または死体検案書
- 葬儀領収書(葬祭料用)
まとめ:労災給付は複層的・すべて非課税
労災死亡では、遺族補償年金のほかに葬祭料・遺族特別支給金・遺族特別年金など複数の給付があり、合計で数百万〜数千万円規模になります。
- 葬祭料:61.5万円程度
- 遺族特別支給金:一律300万円
- 遺族特別年金:賞与相当の年金
- すべて非課税
- 申請は事故から1ヶ月以内が望ましい
ブライトでは労災給付の申請から加害者賠償請求まで一括サポートします。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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