このページは、死亡事故×相続/内縁の配偶者は賠償金を受け取れる?特別縁故者・固有慰謝料の活用について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 内縁配偶者は法定相続人にならず、損害賠償請求権の相続もできない
- ただし民法711条「近親者慰謝料」は内縁配偶者にも認められる判例あり(最判昭和49年12月17日類推)
- 相続人不在の場合は「特別縁故者」(民法958条の3)として遺産受領の道もある
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内縁配偶者と法律上の地位
内縁関係(事実婚)は、当事者に婚姻意思があり、社会的に夫婦と認められる共同生活を営んでいる関係をいいます。実態としては婚姻と変わりませんが、戸籍上の届出がないため、法律上の「配偶者」とは扱われません。
結果として、(1)法定相続人にならない、(2)遺族厚生年金は条件付きで認められるが遺族基礎年金は不可、(3)税法上の配偶者控除も使えない、という不利益があります。死亡事故では特にこの「相続人になれない」問題が深刻です。
損害賠償請求権の相続は不可
死亡した内縁配偶者の損害賠償請求権(治療費・慰謝料・逸失利益)は相続財産です。これを承継できるのは法定相続人(被害者の親・兄弟姉妹・子)であり、内縁配偶者は承継できません。
長年連れ添ってきた内縁配偶者が、賠償金を一切受け取れず、被害者と疎遠だった親族(兄弟姉妹)が全額取得する、という不公平な結果になることもあります。
内縁配偶者固有の慰謝料(民法711条類推)
民法711条は「他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない」と定めています。条文上は「配偶者」(=法律婚)ですが、内縁配偶者についても類推適用が判例で認められてきました。
金額は法律婚配偶者の慰謝料とほぼ同等(500万〜2,000万円程度)。これは「相続」ではなく内縁配偶者「固有の権利」なので、相続人が誰であろうと内縁配偶者が直接請求できます。
相続人不在のときの「特別縁故者」
被害者に法定相続人がいない場合、家庭裁判所に「特別縁故者」として申立てれば、相続財産(賠償金を含む)の分与を受けられる可能性があります(民法958条の3)。
特別縁故者として認められる要件:(1)被相続人と生計を同じくしていた、(2)被相続人の療養看護に努めた、(3)その他特別の縁故があった、のいずれか。長年同居していた内縁配偶者は(1)に該当しやすく、認められれば相続財産の全部または一部を取得できます。ただし、相続人不存在の確定(公告期間)に時間がかかる手続きです。
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生前準備:遺言書で確実に承継
内縁配偶者に確実に財産を残すには、生前に「遺言書」を作成するのが最も確実な方法です。「全財産を内縁の妻●●に遺贈する」と公正証書遺言で明記すれば、死亡事故後も賠償金(相続財産化したもの)を遺贈の対象として承継できます。
遺留分(法定相続人の最低取り分)には注意が必要ですが、被害者の子・親が遺留分を主張しなければ、内縁配偶者が全額取得できます。事前準備の有無で「ゼロか、全部か」が決まる典型例です。
遺族厚生年金は内縁にも支給可
遺族厚生年金は、内縁配偶者にも支給されることがあります(厚生年金保険法3条2項)。条件:(1)生計維持関係(被保険者の収入で生活していた)、(2)同居の事実、(3)住民票・健康保険等での「夫(未届)」記載、などを総合判断。
労災死亡の場合の遺族補償年金も同様で、労災保険法16条の2は「事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む」と明記。労災年金は内縁配偶者が第一順位になります。
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ブライトの内縁配偶者支援
弁護士法人ブライトは、内縁配偶者の死亡事故・労災死亡対応で、(1)固有慰謝料請求(民法711条類推)、(2)遺族年金請求の社労士連携、(3)特別縁故者申立て、(4)相続人との交渉、(5)生前準備(遺言・任意後見)を一括サポートします。
「内縁だから」と諦めず、まずはご相談を。長年連れ添ったご遺族の生活を守るのが、弁護士の責務です。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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