工場の機械に手を巻き込まれ併合9級──「本人の操作ミス」と主張する会社から約2,000万円台の賠償を実現した解決事例(訴訟上の和解)

事案の属性
| 相談者 | 50代・女性(製造業の工場で勤務) |
|---|---|
| 業種・規模 | 製造業(工場での機械作業) |
| 相談ジャンル | 労働災害(機械巻き込まれによる手指の後遺障害・会社への損害賠償請求) |
| 後遺障害等級 | 併合9級(可動域制限+神経症状) |
| 解決額 | 約2,000万円台(訴訟上の和解) |
| 解決までの期間 | 約1年半 |
ご相談時の状況
工場内で機械を操作していたところ、右手を巻き込まれる事故に遭われた事案です。治療を続けても指の動きの制限と痛みが残り、「この手で仕事に戻れるのか。後遺症が残ったら、この先の補償はどうなるのか」という強い不安を抱えておられました。
さらに、会社は事故の原因を「本人の操作ミス」と強調し、労災の手続にも非協力的な姿勢でした。「会社が味方になってくれない中で、適正な補償を受けられるのだろうか」──そうした不信感と不安から、インターネットで労災に強い弁護士を探し、当法人のWebサイトをご覧になってご相談くださいました。
争点・難しさ
本件では、次の点が争いになりました。
- 安全配慮義務違反の有無──機械の安全対策や定期メンテナンスが十分だったか。会社側は「安全装置は設置済みで、安全教育も尽くしていた」と主張しました
- 過失割合──会社側は「原因は本人の操作ミス」として、3割の過失相殺を主張してきました
- 後遺障害等級の獲得──症状固定後に適切な等級が認定されるかどうかで、賠償額が大きく変わる状況でした
- 逸失利益の算定──基礎収入をどの水準で計算するかも争点となりました
ブライトの方針・対応
当法人は、労災認定の確保から等級獲得、会社への賠償請求まで、段階を追って布石を打ちました。
- 会社が非協力でも労災申請を前進──労災申請は事業主の証明がなくても進められるため、会社の協力を待たずに申請を進めました。あわせて、事故状況について同僚から話を聞ける可能性を早期に探り、証拠保全に動きました
- 後遺障害等級の緻密な設計──症状固定の時期を見据えて医師との面談を行い、後遺障害診断書の内容を精査。可動域制限と神経症状のそれぞれで等級を主張し、併合9級の獲得につなげました
- 過失相殺への反論──同種機械の事故事例やメンテナンス記録の不備を突き、会社の安全配慮義務違反を立証することで、「本人の操作ミス」一辺倒の主張に反論しました
- 交渉から訴訟への切り替え──交渉で引き出せる金額に限界が見えた段階で訴訟を提起。遅延損害金も含めた解決を目指し、早期に裁判所へ当方の主張を尽くす方針で臨みました
結果
訴訟上の和解により、併合9級の後遺障害を前提に約2,000万円台の支払いを受ける内容で解決しました(期間は約1年半)。ご本人からは「会社から自分のせいにされ、どうしていいか分からなかった。手続や交渉をすべて代わりに進めてもらい、納得のいく金額で解決できた」との言葉をいただきました。
担当弁護士(労災部統括弁護士・笹野皓平)のコメント
機械の巻き込まれ事故では、会社が「本人の操作ミス」を強調し、労災手続にも消極的な対応を取るケースが少なくありません。しかし、労災申請は会社の証明がなくても進められますし、機械の管理状況やメンテナンス記録を掘り下げれば、会社側の落ち度が見えてくることも多くあります。また、手指の障害は「可動域」と「痛み(神経症状)」の両面から等級を主張できるかどうかで金額が大きく変わります。会社の対応に不信感を抱いたら、一人で抱え込まず、早めにご相談ください。
関連情報
- 労災事故の被害者専用サイト(弁護士法人ブライト)
- 製造業の機械事故(巻き込まれ・挟まれ)で労災認定と損害賠償を勝ち取るための手順
- 労災の後遺障害と逸失利益|等級別の計算方法と弁護士が増額した事例
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※本事例は当時の個別事情に基づく解決例であり、結果を保証するものではありません。