目撃者のいない転落死亡事故──「私病で倒れた」と主張する会社のゼロ回答から約3,000万円台の訴訟上の和解に至った解決事例

目撃者のいない転落死亡事故──「私病で倒れた」と主張する会社のゼロ回答から約3,(解決事例アイキャッチ)

事案の属性

相談者 運送会社に勤務していた男性(トラック運転手)のご遺族
業種・規模 運送業
相談ジャンル 労働災害(トラック荷台付近からの転落による死亡事故・会社への損害賠償請求)
結果 死亡事案
解決額 約3,000万円台(訴訟上の和解)
解決までの期間 約2年半

ご相談時の状況

トラック運転手として働いていた男性が、勤務中、トラックの荷台付近で頭部から出血して倒れているところを発見され、その後亡くなられた事案です。事故の瞬間を見ていた人はおらず、荷台からの転落なのか、病気で倒れたのか、はっきりしない状況でした。

会社側は「業務中の事故ではなく、持病などの私病で倒れたものだ」と主張し、損害賠償には一切応じない「ゼロ回答」の姿勢。ご遺族は「本当に病気だったのか、納得がいかない。しかし、目撃者もいないのに、どうやって会社と争えばいいのか」という思いを抱え、法的手段による解決を求めて当法人にご相談くださいました。

争点・難しさ

本件の最大の難関は、目撃者のいない事故の原因立証でした。

  • 転落か、私病か──会社側は「荷台に上がる必要のない作業だった」「発見時の状況は転落では説明がつかない」などと具体的に指摘し、脳の病気などで倒れたものだと主張しました
  • 安全配慮義務違反の有無──仮に転落だとしても、昇降設備や保護帽の指導など、会社の安全対策に落ち度があったといえるかが争われました
  • 過失相殺・生活費控除──会社側は被災者側に大きな過失があると主張し、逸失利益の計算でも当方より不利な数字を主張してきました

ゼロ回答から出発し、事故状況そのものを一から立証しなければならない、極めてハードルの高い事案でした。

ブライトの方針・対応

当法人は、交渉での解決が見込めないため訴訟を提起し、発見時の客観的状況を徹底的に分析して「転落」であることの立証を積み上げました。

  • 発見状況の科学的な分析──「平らな地面で倒れただけなら、頭部に裂傷は生じにくい」「ヘルメットが離れた場所に転がっていたことは、転落時の複雑な姿勢を示す」など、現場の状況一つひとつを転落と整合的に説明できるよう理論を組み立てました
  • 専門家の知見の活用──人が荷台から転落する際の姿勢について専門家の知見を取り入れ、「発見時の体勢は転落では説明できない」という会社側の主張に反証しました
  • 安全対策の不備の指摘──荷台への昇降設備や保護帽の適切な使用指導など、会社の安全配慮義務違反を具体的に主張しました
  • 和解局面の交渉術──裁判所との和解協議の局面でも、当方が和解を急いでいるという誤ったメッセージを相手方に与えないよう慎重に立ち回り、金額水準の維持を図りました

結果

ゼロ回答から出発した事案でしたが、粘り強い立証活動の結果、約3,000万円台の支払いを受ける内容で訴訟上の和解が成立しました(期間は約2年半)。ご遺族全員に手続と分配の内容を丁寧にご説明し、納得を得たうえでの解決となりました。

担当弁護士(労災部統括弁護士・笹野皓平)のコメント

「目撃者がいないから泣き寝入りするしかない」と諦めてしまうご遺族は少なくありません。しかし、発見時の状況・負傷の部位・現場に残された物の位置など、客観的な手がかりを丁寧に積み上げれば、事故状況を合理的に立証できる場合があります。本件のように会社が「病気で倒れただけ」と主張してゼロ回答を貫くケースでも、訴訟でひっくり返せる可能性はあります。会社の説明に少しでも疑問を感じたら、証拠が散逸してしまう前に、できるだけ早くご相談ください。

関連情報

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仕事中の事故でご家族を亡くされた方、会社が労災を認めず対応に困っておられる方は、労災に注力する弁護士法人ブライトにご相談ください。

※本事例は当時の個別事情に基づく解決例であり、結果を保証するものではありません。