「もう半年近く家賃が入っていない。督促しても居留守を使われる。裁判しかないと思うが、費用をかけて結局1円も回収できないのではないか」——そこまで来てしまった賃貸オーナー・貸主の方に向けた記事です。
先に結論をお伝えします。家賃滞納で法的手続に進む場合、建物明渡しの請求と未払賃料の請求は1つの訴訟にまとめて起こすのが実務の定石です。そしてオーナーにとっての「回収」の実体は、過去の未払分を取り戻すことよりも、滞納が積み上がり続ける状態を早く止めることのほうが金額のインパクトが大きいのが通常です。
月10万円の物件で明渡しが半年遅れれば、それだけで60万円が新たに積み上がります。「回収できるか分からないから様子を見る」という判断が、実は最も損失を膨らませている——これがこの類型で最も多いパターンです。本記事では、明渡し訴訟に賃料請求を併合する意味、強制執行の実際と残置物の扱い、そして相手の資産状況ごとに「どの回収手段が現実的か」を、時効(5年)や自己破産まで含めて整理します。督促段階からの全体像は家賃滞納で強制退去させる手順の記事、解除の要件は家賃滞納で立ち退かせる方法の記事をご覧ください。
この記事でわかること
- 明渡しと未払賃料を1本の訴訟にまとめるのが定石である理由
- 強制執行の実際=明渡しの催告と断行、残置物がどう処理されるか
- 相手の資産状況別に見た回収手段の比較(保証会社・保証人・敷金・給与差押え)
- 家賃債権の時効は5年。滞納者が自己破産したら未払賃料と明渡しはどうなるか
- 公正証書があっても明渡しの強制執行はできないという、誤解の多いポイント
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結論:明渡しと未払賃料は「1本の訴訟」でまとめて請求する
家賃滞納でオーナーが取りうる法的手続には、建物を明け渡させることと未払いの賃料を払わせることという2つの目的があります。実務では、この2つを1つの訴訟の中で同時に請求します。
「まず賃料だけ請求して、ダメなら明渡し」は最も損をする進め方
よくあるのが「いきなり追い出すのは気が引けるので、まず未払賃料の支払督促や少額訴訟だけ」という進め方ですが、多くの場合オーナーに不利に働きます。
- 賃料だけの判決を取っても、相手は建物に住み続けたままです。滞納は判決後も毎月増え続けます
- 改めて明渡し訴訟を起こすことになり、訴訟の手間と費用が二重にかかります
- 解決までの時間が延びるぶん、回収不能額そのものが増えます
これに対し、明渡し訴訟の中で未払賃料も請求しておけば、判決は「建物を明け渡せ」と「未払賃料◯◯円を支払え」の両方について同時に出ます。1回の裁判で、明渡しの債務名義(強制執行の根拠となる文書)と金銭の債務名義の両方が手に入るのです。
請求に必ず入れておくべき「賃料相当損害金」
もうひとつ実務上重要なのが、契約解除の日から明渡し完了の日までの賃料相当損害金です。解除された時点で相手は賃借人ではなく無権原の占有者になるため、解除後の期間について請求するのは「賃料」ではなく「賃料相当額の損害金」という整理になります。
訴状では「明渡し済みまで1か月あたり◯◯円の割合による金員を支払え」という形で請求します。判決時点では明渡しの日が確定していないため、この「将来分を含む」書き方によって、裁判が長引いた分・執行までにかかった分も債務名義に含められます。ここを落とすと、判決後に増えた損害を回収する根拠がなくなります。
なお当事務所では、提訴準備と並行して不動産仲介業者に近隣相場の賃料査定を取り、損害金の根拠を早い段階で固めます。相手が「高すぎる」と争ってきたときに客観的な資料があるかで結論が変わるためです。
訴訟の前に「解除」が成立していることが大前提
明渡し訴訟は、賃貸借契約が有効に解除されていることを前提にした手続です。前段階として相当の期間を定めた催告 → 期間内に支払いがなければ解除という手順を、内容証明郵便で確実に踏んでおく必要があります。ここを飛ばして訴訟を起こすと、解除が認められず請求そのものが通らないことがあります。解除の判断枠組み(いわゆる信頼関係の破壊)や滞納月数の目安は、末尾の関連記事で整理しています。
裁判から強制執行まで:流れと期間の目安
督促から強制執行の完了までを時系列で並べると、次のようになります。
| 段階 | やること | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ① 催告・解除 | 内容証明郵便で相当期間を定めて催告し、応じなければ解除を通知する | 2週間〜1か月 |
| ② 訴訟提起 | 明渡し+未払賃料+損害金を1本の訴状で請求する | 準備に2〜4週間 |
| ③ 審理 | 第一回期日は提訴の1か月以上先。争わなければ1〜2回で結審する | 1〜3か月/争えば半年以上 |
| ④ 判決・確定 | 判決言渡し後、控訴がなければ2週間で確定する | 2週間〜1か月 |
| ⑤ 執行申立て・催告 | 執行文の付与を受け執行官へ申立て。現地で断行日を告知し公示書を貼る | 1か月前後 |
| ⑥ 断行 | 催告から原則1か月後に、業者とともに強制的に搬出・鍵交換を行う | 催告から約1か月 |
相手が争わなければ、催告から明渡し完了までおおむね半年前後が目安です。占有権原を主張して本格的に争われると、判決までに半年〜1年、執行でさらに2か月前後になることがあります。この「期間」がそのままオーナーの損失額です。手続の一般的な流れと費用の総論は明渡し訴訟と強制執行の流れの記事で扱っています。
【重要】鍵の交換・荷物の撤去・無断立入りは違法です
滞納している借主に対し、オーナーが自分の判断で次の行為を行うことは法律上認められていません(違法な自力救済にあたります)。裁判で不利になるだけでなく、住居侵入罪・器物損壊罪などの刑事責任や、借主からの損害賠償請求を招くおそれがあります。
- 無断で鍵やシリンダーを交換する
- 留守中に室内へ立ち入り、家財を運び出す
- 電気・水道・ガスをオーナー側で止める
- ドアや駐車場を物理的に封鎖する
- 「滞納時は明け渡したものとみなす」旨の条項を根拠に実力行使をする
契約書にどのような特約があっても、建物から人と物を出す権限を持つのは裁判所の執行官だけです。当事務所でも、相手方の占有がほぼ失われて見えるケースで「もう出ていったと考えてよいか」を検討した際、自力救済と評価されるリスクを慎重に見極めて方針を決めています。動く前にご相談ください。
強制執行の実際:明渡しの「催告」と「断行」
判決が確定しても、それだけで借主が出ていくわけではありません。任意に退去しなければ執行官に強制執行を申し立てます。建物明渡しの強制執行は2回の現場作業で構成される点が特徴です。
1回目=明渡しの催告:断行日を予告して公示書を貼る
申立てを受けた執行官は現地に行き、室内を確認したうえで「引渡し期限」(=断行日)を告知します。玄関などに公示書が貼られ、その日までに退去しなければ強制的に搬出する旨が明示されます。この期限は原則として催告の日から1か月後です。
この段階でオーナー側の代理人と引越業者も同行し、家財の量を見て断行に必要な人員・トラック・保管スペースを見積もります。実務上、この催告が分岐点です。公示書を貼られて初めて事態を現実と受け止め、期限までに自主的に退去する借主も相当数おり、その場合は断行の大きな費用が発生せずに済みます。
2回目=断行:執行官の立会いのもとで搬出し、鍵を交換する
引渡し期限までに退去しなければ、断行日に執行官・業者・代理人が現地に入り、室内の物をすべて搬出し、鍵を交換して建物をオーナーに引き渡します。借主が室内にいても執行官の権限で退去させられます。この日をもって明渡しが完了し、賃料相当損害金の計算も打ち止めになります。
残置物はどう処理されるのか
借主が置いていった家財(法律上は「目的外動産」)を勝手に捨てることはできません。原則として次のいずれかになります。
- その場で借主に引き渡す(借主が立ち会っている場合)
- 執行官が保管し、後日売却する(期間内に引取りがなければ売却手続へ)
- 断行日にその場で売却する(実務上はオーナーが買い受けて自ら処分する形が多い)
オーナーにとって現実的な負担がこの部分です。搬出・運搬・保管・処分の費用は、いったんオーナーが負担するのが原則で、家財の量によっては数十万円、事業用什器が大量なら百万円規模になることもあります。法律上は借主に請求できますが、家賃を払えない相手ですから回収できるとは限りません。
もっとも、店舗・事務所では残置物が交渉材料になることもあります。当事務所が扱った事案では、元借主が厨房設備を残して連絡を絶つ一方、次の借主がその設備を買い取りたいという事情がありました。そこで金銭清算を切り離し、「設備の譲渡」と「新しい賃貸借契約」を先に成立させる順序で交渉をまとめ、約2か月で解決しています。
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未払賃料はどこまで回収できるか:手段別の比較
ここがこの記事の中心です。判決で「支払え」と命じられても、相手にお金がなければ現金は入りません。回収の成否は判決の有無ではなく、相手の資産状況と、あらかじめ確保していた保全手段で決まります。
| 相手の資産・契約状況 | 取りうる打ち手 | オーナーの費用の性質 | 回収可能性の目安 |
|---|---|---|---|
| 家賃保証会社が付いている | 保証会社へ代位弁済を請求する(訴訟費用まで負担する契約類型もある) | 持ち出しはほぼ発生しない | ◎ 限度額の範囲で確実性が高い |
| 連帯保証人がいて資力がある | 借主と連帯保証人を同じ訴訟の被告に加える | 訴訟を1本にまとめられるため追加負担は小さい | ◎ 資力があれば実効性が高い |
| 敷金・保証金を預かっている | 明渡し時に未払賃料・損害金へ充当する | 追加費用は不要 | ◯ 預かり額の範囲では確実 |
| 安定した給与収入がある | 確定判決をもとに給与を差し押さえる(手取りの原則4分の1まで) | 執行申立ての実費が中心 | ◯ 少額ずつ継続的に回収しやすい |
| 預貯金や勤務先が不明 | 財産開示手続・情報取得手続で調査してから差し押さえる | 調査と執行の実費がかかる | △ 空振りに終わることもある |
| 資産も収入も見当たらない | 金銭回収は深追いせず明渡しを最優先する | 執行費用はオーナー負担になる | △ 「早く出させること」自体が実質の回収 |
| 借主が自己破産した | 開始前の滞納分は原則免責される。連帯保証人・保証会社へ請求する | 追加費用は限定的 | △ 保証ルートの有無で決まる |
最も確実なのは「契約時に用意していた保全手段」
回収可能性が高いのは訴訟後に頑張る手段ではなく、契約時点で用意されていた手段です。家賃保証会社、連帯保証人、敷金——この3つの有無で結果はまったく変わります。
連帯保証人については、2020年4月1日以降に結ばれた個人の根保証契約では、極度額(保証の上限額)を書面で定めていなければ保証契約自体が無効になります。古い雛形を使い続けていると、いざというときに請求できない事態が起こりえます。
保証人がいる場合は訴訟の段階で借主と一緒に被告に加えるのが定石です。後から別に訴えるより時間も費用も節約でき、保証人から借主へ退去を促す圧力も働きます。実務上、音信不通の借主本人より先に連帯保証人が反応するケースは珍しくありません。
判決後に相手の財産を調べる手続もある
預金や勤務先が分からない状態でも、確定判決などの債務名義があれば、裁判所を通じて調査できます。
- 財産開示手続:債務者本人を裁判所に呼び出し財産を陳述させる手続。正当な理由なく出頭しない・虚偽の陳述をした場合は刑事罰の対象になりうるとされ、実効性が高まっています
- 第三者からの情報取得手続:金融機関から預貯金口座を、市町村や年金機構から勤務先の情報を取得できる手続
勤務先が判明すれば給与を差し押さえられます。差押えは手取り額の原則4分の1が上限ですが、相手が働き続ける限り毎月継続して回収できる点で、一括では払えない相手への手段として現実的です。
無資力なら「早く出させること」が最大の回収になる
調査しても財産も収入も見当たらないケースは実際にあります。この局面で考えていただきたいのは「取り戻す金額」ではなく「これ以上失わない金額」です。月10万円の物件なら明渡しが3か月早まるだけで30万円の損失を回避できます。ご相談でも、全額回収にこだわって長引かせるより、一部免除と引き換えに早期の合意退去をまとめたほうが手残りが大きくなる場面が多くあります。
家賃の時効は5年:放置した滞納は古いものから消えていく
未払賃料の債権にも消滅時効があります。現行の民法では、権利を行使できることを知った時から5年で時効にかかります。家賃は毎月の支払期日が決まっていますから、各月の賃料について支払期日ごとに5年のカウントが進み、古い月の分から順に時効で消えていくことになります。「いつか払ってもらおう」と長期間放置していると、請求できる範囲が静かに縮んでいくわけです。
時効を止める(完成猶予・更新する)方法
- 訴訟の提起:時効の完成が猶予され、勝訴判決が確定すれば時効期間は確定時から10年に伸びます
- 内容証明郵便による催告:催告から6か月間、完成が猶予されます。ただし時間を稼ぐだけの措置で、6か月以内に訴訟等を起こさなければ効果は失われます
- 相手による債務の承認:一部でも支払ってもらう、念書を書いてもらうといった行為があると、時効はそこからやり直しになります
「時効が近い月がある」という状態は、それ自体が着手を急ぐべき理由です。ご相談の際は、いつから滞納が始まったか分かる入金記録をご用意ください。
滞納している借主が自己破産したらどうなるか
督促の途中で、借主本人や代理人弁護士から「自己破産の準備に入った」と連絡が来ることがあります。「もう何も取れないのか」と不安になる場面ですが、お金の話と建物の話は分けて考えるのが整理の仕方です。
未払賃料は、原則として免責の対象になる
破産手続開始の決定より前に発生していた未払賃料は破産債権として扱われ、免責許可の決定が出れば借主本人に請求できなくなるのが原則です。ただし連帯保証人や家賃保証会社への請求は、借主の免責の影響を受けません。ここでも、契約時に保証の手当てをしていたかどうかが結果を分けます。
明渡しは進められる
一方、明渡し自体は破産によって当然に止まるわけではありません。開始前に賃料不払いを理由とする解除が有効に成立していれば、その効力は残ります。相手に代理人が付くことで、かえって連絡がつき日程調整が進みやすくなる場面もあります。
なお、「借主が破産したら契約は当然に解除される」といった趣旨の特約は、裁判例において効力が否定されることがあります。破産そのものを理由に解除するのではなく、賃料不払いという事実を理由に、催告と解除の手順をきちんと踏んでおくことが実務上の要点です。管財人が選任されている事案では、明渡しの時期や敷金の精算を管財人と協議して進めることになります。
よくある誤解:公正証書があっても「明渡し」の強制執行はできない
賃貸借契約を公正証書で作成し、強制執行認諾文言(「直ちに強制執行を受けても異議がない」旨の条項)を入れているオーナーの方がいます。「裁判をしなくても追い出せる」と理解されていることが少なくありませんが、これは誤りです。
強制執行認諾文言付きの公正証書が債務名義になるのは、一定の額の金銭の支払いなどを目的とする請求に限られます。建物の明渡しはこれに当たりません。
- できること:未払賃料について、裁判を経ずに預貯金や給与の差押えに進む
- できないこと:公正証書を根拠に明渡しの強制執行を申し立てる
つまり公正証書があっても、建物を明け渡させるには改めて明渡し訴訟を起こして判決(または和解調書)を得る必要があります。「公正証書があるから安心」と着手を遅らせると、そのぶん滞納が積み上がります。
なお、裁判上の和解調書や調停調書は明渡しについても債務名義になります。訴訟の途中で「◯月末までに明け渡す」という和解が成立すれば、判決を待たずに執行の根拠を確保できます。
弁護士の実務では:着手前に見ている3つのこと
滞納のご相談を受けたとき、私たちが最初に確認しているのは法律論そのものよりも次の3点です。
① 誰を相手にするのか(当事者の確定)
意外に手間がかかるのがここです。借主が亡くなっていれば賃借人の地位は相続人に承継されるため、相続人全員を調査して特定しなければ訴訟を起こせません。相続人の一人から「解約します」と通知が来ても、建物は空かず滞納も止まりません。当事務所でもそうした事案を相続人調査から着手しています。相続がからむ居座りは相続した実家に居座られている場合の記事もご覧ください。
② どの法律構成を主位に置くか
建物明渡しの請求は、賃貸借契約の終了を理由とする構成と所有権に基づく構成のどちらでも組み立てられます。実務では前者を主位的主張とし、所有権は予備的に置くことが多くあります。立証を整理しやすく、未払賃料の請求とも接続しやすいためです。なお建物が古く登記の表示と現況が食い違って見える場合は、現況が登記の範囲に収まっているかを先に確認します。曖昧なまま進めると、執行の段階で建物の特定が問題になりかねません。
③ 交渉で終わらせるか、訴訟に切り替えるか
任意の交渉でまとまるならそのほうが早く、費用も抑えられます。もっとも、相手が「弁護士に相談中です」といった曖昧な返答を繰り返す段階に入ったら、待つ実益はほとんどありません。時間がそのままオーナーの損失になるため、当事務所では交渉を打ち切って粛々と訴訟へ移行する判断をとることが多くあります。
一方で、弁護士名義の内容証明郵便が届いた途端に態度が変わる相手も少なくありません。オーナー本人の連絡は無視していた相手が代理人の通知には応じる展開は実際によくあり、訴訟の前に代理人名義の通知を一度挟む価値はここにあります。
実務の勘所:オーナーが今日できる3つの準備
- 入金記録を時系列で揃える:いつからいくら滞納しているかが分かる資料。時効の判断にも請求額の確定にも必要です
- 契約書と保証関係の書類を確認する:連帯保証人の有無と極度額の記載、家賃保証会社の有無と保証の範囲。ここで結果の大半が決まります
- 催告と解除の記録を残す:メッセージアプリだけでなく内容証明郵便で残す。解除の有効性を支えるのはこの記録です
よくある質問
家賃を何か月滞納したら裁判を起こせますか
法律に明確な基準はありませんが、実務上は3か月分程度の滞納が、信頼関係が破壊されたと評価されるかの目安とされています。ただし月数だけで機械的に決まるものではなく、過去の支払状況や催告への対応も総合して判断されます。
裁判をしても相手にお金がなければ無意味ではありませんか
金銭回収の点だけを見ればそのとおりの場合もあります。しかし訴訟の主目的は建物を取り戻し、損失が増え続ける状態を止めることにあり、明渡しの判決は相手の資力と関係なく執行できます。物件が戻れば次の借主に貸せ、そこから収益が回復します。「回収できないかもしれないから動かない」という判断が、結果的に損失を最も大きくします。
借主が「自己破産する」と言ってきました。明渡しは止まりますか
明渡し自体は破産で当然に止まるわけではありません。開始前に賃料不払いを理由とする解除が有効に成立していれば、その効力は残ります。一方、開始前の未払賃料は免責許可の決定が出ると借主本人へ請求できなくなるのが原則です。連帯保証人や家賃保証会社への請求は別枠で残りますので、そちらのルートの確認が重要になります。
家賃保証会社が付いていれば、弁護士に依頼する必要はありませんか
保証会社の代位弁済があれば金銭面はかなりの部分がカバーされます。もっとも保証には契約上の限度(保証期間や上限額)があり、超えた分はオーナーの負担に戻ります。明渡し手続をどこまで担うかも契約類型で異なりますので、まず保証委託契約を確認し、カバーされない範囲を把握したうえで法的手続の要否をご判断ください。
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家賃滞納は、放置している間も損失が積み上がり続けるトラブルです。訴訟に進むか、合意退去でまとめるか、回収の見込みはどの程度か——ご相談の段階で見通しをお伝えし、費用のお見積りを明示します。大阪・関西の賃貸オーナー・貸主・地主の方は、お気軽にご相談ください。
お電話:06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
監修:弁護士法人ブライト 代表弁護士 和氣良浩
大阪弁護士会所属。弁護士法人ブライト代表。不動産トラブル・企業法務・相続を中心に、大阪・関西の案件を幅広く取り扱う。「みんなの法務部」コンセプトを提唱し、中小企業・個人の法律問題に対応。