LINE相談

相続(遺言作成・遺産分割等)の基礎知識

KNOWLEDGE

相続不動産の評価で揉める——固定資産税評価・路線価・実勢価格・鑑定はどれが正しい?弁護士が解説

このページは、相続不動産の評価が相続人どうしで割れて揉めるケースについて、芦屋・阪神間の相続不動産のご相談を取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、実務の視点から整理した解説記事です。

はじめに|「同じ土地」なのに、値段が兄弟で倍近く違う

相続した不動産を分けようとしたとき、こんな場面で話が止まっていないでしょうか。

  • 実家の土地を「これくらいの価値」と自分は考えているのに、相手はその半分ほどの金額を主張してくる
  • 「固定資産税の評価額はこの金額だから」と言われたが、それが本当に妥当なのか分からない
  • 代償金(不動産を取得する代わりに他の相続人へ払うお金)の額が、評価しだいで数百万円〜数千万円変わってしまう
  • 相手が持ってきた評価が低すぎる気がするが、どう反論すればいいのか見当がつかない

不動産の評価で揉めるのには、はっきりした理由があります。一つの土地に、性質の異なる「公的な価格」が複数存在するからです。しかも、その価格は基準ごとに数倍の差が出ることがあります。取得したい側は低い価格を、受け取る側は高い価格を主張しがちで、どちらも「公的な数字」を根拠にできてしまう——ここが相続不動産の評価紛争の正体です。

とりわけ芦屋・阪神間のように地価の高い地域では、評価の差が生む金額のインパクトが大きくなります。1割の評価差でも、数千万円の土地なら数百万円の開きになります。だからこそ「どの価格が正しいのか」「どう決めるのか」は、遺産分割・共有解消の結論を大きく左右する論点になります。

この記事では、4つの評価基準の違いと使いどころ、揉めたときの決め方の道すじ、そして「安い評価で丸め込まれない」ための実務を、弁護士が解説します。

相手の出してきた評価額に「なんとなく低い気がする」と感じたら、その直感はしばしば正しいものです。判を押す前に、一度だけ法律の目を通してください。
初回相談無料/LINEでも受け付けています(お電話:06-4965-9590

無料で問い合わせ

LINEで無料相談

1. なぜ不動産の「評価」で揉めるのか

1-1. 一つの不動産に、複数の"公的な価格"がある

現金や預金であれば、金額に争いは生じません。ところが不動産は違います。同じ一筆の土地に対して、目的の異なる複数の価格が公的に用意されています。

  • 固定資産税を計算するための価格
  • 相続税・贈与税を計算するための価格
  • 国が土地取引の指標として公表する価格
  • 実際に市場で売買される価格
  • 専門家が個別に算定する価格

これらは「どれかが正しくて、どれかが間違っている」わけではありません。それぞれ別の目的のために、別の方法で作られた、別の数字です。目的が違うので、金額も違います。相続の場面では、この複数の価格のうち「どれを基準に分けるか」で相続人どうしの利害が正面から対立します。

1-2. 立場によって「得な価格」が真逆になる

不動産を取得したい側(実家に住み続けたい、収益物件を引き継ぎたい)にとっては、評価額は低いほうが有利です。他の相続人に払う代償金が減るからです。

逆に、不動産を受け取らず現金(代償金)で解決したい側にとっては、評価額は高いほうが有利です。受け取れる金額が増えるからです。

つまり、同じ数字を巡って、双方が正反対のインセンティブを持ちます。しかも双方とも「固定資産税評価額という公的な数字」「不動産鑑定士が出した専門的な数字」といった、それらしい根拠を手にできます。感情の対立ではなく、それぞれが合理的に自分の利益を追った結果として、評価が割れるのです。

実際の相続紛争でも、取得を望む側が固定資産税評価額や相続税評価額といった「低めに出る基準」を持ち出し、受け取る側が不動産鑑定による実勢価格を主張して、土地の総額で2倍前後の開きが生じることは珍しくありません。この状態から交渉が始まります。

1-3. 「評価が決まらない」と、その先が全部止まる

評価の対立が厄介なのは、それが解決の入口を塞いでしまう点です。代償分割にするか換価分割(売却して分ける)にするか、遺留分の金額はいくらか、といった議論は、すべて「不動産をいくらと見るか」を前提にしています。

土台となる評価額が固まらないと、その上に乗るはずの分割方法・金額計算がいつまでも決まりません。相続人どうしが評価の一点で膠着し、分割協議そのものが年単位で進まなくなる——これは実務でしばしば目にする光景です。だからこそ、評価の論点は後回しにせず、早い段階で「どう決めるか」の道すじを描いておく必要があります。

2. 4つの評価の違いと使いどころ

相続不動産でよく登場する評価基準を、性質の違いとともに整理します。同じ土地でも数字が変わる理由が見えてきます。

2-1. 固定資産税評価額|もっとも低く出やすい"課税のための価格"

市区町村が固定資産税・都市計画税を課すために定める価格です。3年に一度評価替えが行われ、毎年届く固定資産税の納税通知書や、役所で取得する固定資産評価証明書で確認できます。

特徴は、4つの基準の中でもっとも低めに出やすいことです。課税の安定性を重視した基準であり、市場の実際の取引価格とは開きが生じやすい性質を持ちます。

不動産を取得したい側が「固定資産税評価額でいいでしょう」と提案してくるのは、この"低く出やすい"性質を踏まえてのことです。手に入れやすい数字ですが、これをそのまま分割の基準にしてよいかは、慎重な検討が必要です。

2-2. 相続税路線価(相続税評価額)|相続税を計算するための価格

国税庁が毎年公表する「路線価」をもとに算定される、相続税・贈与税の課税のための価格です。路線価は道路ごとに1平方メートルあたりの価額が定められており、これに土地の面積や形状の補正を加えて評価額を出します。固定資産税評価額よりは市場価格に近いものの、なお実勢価格より低めに出る傾向があります。

ここで重要な注意点があります。相続税を実際にいくら納めるかという個別の判断は、税理士の専門領域です。この記事では遺産分割・共有解消の交渉における評価基準の一つとして路線価に触れていますが、あなたの具体的なケースで相続税がいくらになるか、どの特例が使えるかは、必ず税理士にご確認ください。弁護士が扱うのは「相続人どうしで不動産をいくらと評価して分けるか」であり、税額の計算そのものではありません。

2-3. 地価公示価格・実勢価格|"実際に売れる値段"に近い価格

地価公示価格は、国土交通省が全国の標準地について毎年公表する、正常な取引価格の指標です。都道府県が公表する基準地価も同様の性質を持ちます。これらは市場の実勢を反映することを目的とした価格であり、固定資産税評価額や路線価よりも高く、実際の取引に近い水準になります。

そして実勢価格とは、まさに「今この土地を売ったら、いくらで買い手がつくか」という市場価格そのものです。不動産会社の査定書は、この実勢価格を近隣の成約事例などから見積もったものです。査定は比較的手軽に、しかも複数社から取れるため、交渉の初期に「相手の低い評価が実態と合っているか」を確かめる有力な材料になります。

2-4. 不動産鑑定評価|専門家が個別に算定する"最も精緻な価格"

不動産鑑定士が、対象の土地・建物を個別に調査し、法律に基づく手法で価格を算定するものです。取引事例・収益性・再調達原価などを総合して、その不動産固有の適正価格を導きます。

4つの中でもっとも精緻で、交渉や裁判で高い証拠力を持つのが鑑定評価です。査定書が「参考の目安」だとすれば、鑑定評価書は「専門家が責任を持って算定した価格」です。ただし、鑑定には費用がかかります。対象不動産の規模や種類にもよりますが、一般に一物件あたり数十万円程度からの費用を見込むのが通常です。時間も、調査から鑑定書の完成まで一定の期間を要します。

だからこそ鑑定は、「評価の対立が金額的に大きく、鑑定費用をかけてでも適正価格を確定させる意味がある」場面で使う——という費用対効果の判断とセットになります。

2-5. 同じ土地で数倍の差が出る——一覧で見る

ここまでを整理すると、同じ一筆の土地でも、どの基準を採るかで金額の水準は大きく変わります。おおまかな高低の関係は次のとおりです。

評価基準主な目的金額水準の傾向主な入手方法
固定資産税評価額固定資産税の課税もっとも低く出やすい納税通知書・固定資産評価証明書
相続税路線価相続税・贈与税の課税低め国税庁の路線価図から算定
地価公示・実勢価格取引の指標・実際の売買実際に売れる水準に近い公示価格・不動産会社の査定
不動産鑑定評価個別不動産の適正価格算定個別に精緻(証拠力が高い)不動産鑑定士へ依頼(有料)
相続不動産の4つの評価額(固定資産税評価額・相続税路線価・地価公示/実勢価格・不動産鑑定評価)を低い順から高い順に横並びで比較した図。各評価の目的・金額水準・入手方法と、取得したい側が低い基準を、受け取る側が高い基準を主張しがちな構図を示す

取得したい側が上の行(低い基準)を、受け取る側が下の行(高い基準)を主張する——この構図を理解しておくだけで、相手の提案が「どの立場から出てきた数字か」が見えてきます。

相手が「固定資産税評価額で」と言ってきたら、それは一つの立場からの提案にすぎません。その数字に乗ってよいかどうか、判断の材料をお渡しします。
初回相談無料/LINEでも受け付けています(お電話:06-4965-9590

無料で問い合わせ

LINEで無料相談

3. 揉めたときは、どう決めるのか

評価が割れたとき、最終的にどうやって一つの金額に収束させるのか。実務上の道すじを、段階を追って説明します。

3-1. 第1段階:協議での評価のすり合わせ

まずは相続人どうしの話し合いです。固定資産評価証明書・路線価の計算・不動産会社の査定書などを持ち寄り、「なぜその金額なのか」を根拠ベースで詰めていきます。

このとき、双方が折衷案を模索することもあります。たとえば「相続税評価額を0.8で割り戻して実勢価格に近づけた金額で折り合おう」といった提案が相手方から出ることもあります。折衷自体は糸口になり得ますが、その割戻しが本当に実態を反映しているかは吟味が必要です。安易に相手の設定した計算式に乗ると、結果的に低い評価に引き込まれることがあります。

3-2. 第2段階:遺産分割調停での評価のすり合わせ

協議でまとまらなければ、家庭裁判所の遺産分割調停に移ります。調停は、裁判官と調停委員という第三者を交えた話し合いの場です。ここでも評価は主要な争点になり、双方が提出した資料をもとに、中立的な立場からの整理が進みます。

調停の場に第三者が入ることで、当事者だけでは動かなかった評価の議論が前に進むことは少なくありません。ただし、調停はあくまで話し合いであり、双方が評価額に納得しなければ成立しません。ここで評価の溝が埋まらない場合、次の段階に進みます。

3-3. 第3段階:裁判所が選任する不動産鑑定

協議でも調停でも評価が折り合わないとき、最終的な決め手になるのが裁判所が選任した不動産鑑定士による鑑定です。当事者の一方が用意した鑑定書は「自分に有利に依頼したもの」と相手に警戒されがちですが、裁判所が選任する鑑定人は中立・公正な立場で算定するため、その結果は評価紛争の実質的な決着点になります。

実際、評価をめぐって長期化した相続事件でも、依頼者側が「裁判所選任の中立・公正な鑑定士による鑑定を希望する」と方針を定めるのは、この中立性ゆえです。当事者どうしが低い評価と高い評価をぶつけ合って膠着した状態を、第三者の専門判断で断ち切るわけです。

ただし、裁判所鑑定にも費用(当事者の負担)と時間がかかります。だからこそ、鑑定に至る前の協議・調停の段階で、複数の査定や私的鑑定を材料に「鑑定を取ればこの水準になる」という見通しを相手に示し、鑑定なしで妥当な評価に着地させる——という交渉が現実的な選択肢になります。

3-4. 「一人が取得して、他はお金で受け取る」全面的価格賠償

評価が固まると、次は分割方法です。共有・相続不動産をめぐる裁判所の手続では、「共有者の一人(または特定の相続人)に不動産を取得させ、他の共有者・相続人には適正な価格の賠償金を支払わせる」という解決方法が認められています。これを全面的価格賠償と呼びます。

この方法は、共有物分割について最高裁判所の判例で一定の要件のもとに認められることが確立し(最高裁平成8年10月31日第一小法廷判決・民集50巻9号2563頁)、2023年4月施行の改正民法では、共有物分割訴訟における「賠償分割」として明文化されました(民法258条2項)。遺産分割の手続でも、一人が不動産を取得し他の相続人に金銭を渡す「代償分割」という同様の枠組みが用意されています(遺産分割は共有物分割とは別の手続ですが、考え方は共通します)。なお、相続開始から10年を経過した遺産共有については、共有物分割訴訟で処理できる場面も広がりました(民法258条の2)。

ここで決定的に重要なのが、賠償されるべきは「適正な価格」だという点です。安い評価のまま賠償分割になれば、不動産を手放す側は本来受け取れるはずの金額を取り損ねます。全面的価格賠償という枠組みがあるからこそ、その前提となる評価をいかに適正な水準へ引き上げるかが、依頼者の利益を左右するのです。

「鑑定まで争うべきか、それとも折り合うべきか」の分岐は、金額と費用のバランスで決まります。あなたのケースでの見通しをお伝えします。
初回相談無料/LINEでも受け付けています(お電話:06-4965-9590

無料で問い合わせ

LINEで無料相談

4. 「安い評価で丸め込まれない」ための実務

ここからは、実際に評価で不利を被らないための具体的な備えを、当事務所で扱った事案から固有の情報を除いて一般化してお伝えします。

4-1. 早い段階で、複数の査定・鑑定を取る

もっとも効果的なのは、交渉が本格化する前に、自分の側の評価根拠を用意しておくことです。相手が固定資産税評価額を持ち出してから慌てて反論するのではなく、あらかじめ複数の不動産会社の査定書を揃え、金額の大きい物件については私的鑑定も検討しておく。「相手の低い数字」に対抗できる材料を先に持つことで、交渉の主導権を握れます。

実務では、相手方が固定資産税評価・相続税評価という低めの基準を主張してきたのに対し、こちらが不動産鑑定士による実勢価格を根拠に対置することで、低い提示額から適正な水準の上限帯へと評価を引き上げて着地させた事案があります。根拠資料を段階的に積み上げるほど、相手の「低い評価でいいはず」という前提は崩れていきます。

4-2. 金額インパクトの大きい論点に絞って詰める

相続紛争では、評価以外にも使途不明金・過去の賃料の精算・遺留分など、複数の論点が同時に絡むことがあります。すべての論点で全面的に勝とうとすると、時間も費用も膨らみ、かえって解決が遠のきます。

実務で私たちが意識するのは、金額インパクトの大きい論点に力を集中することです。相続財産の中核が高額な不動産であれば、そこの評価をどう固めるかが結果の大半を決めます。細かい論点で消耗するより、評価という土台の一点に資源を投じるほうが、結果的に依頼者の取り分を最大化することが多いのです。

4-3. 相手の「お金がない」に、評価を下げて応じない

代償分割の場面では、不動産を取得する側が「代償金を払う資力がない」「だから評価を下げてほしい」「長期の分割払いにしてほしい」と主張してくることがあります。ここで評価そのものを下げてしまうのは、多くの場合、得策ではありません。

適正な評価は評価として維持したうえで、相手の資力の問題は別の出口で解決する——たとえば「資金がないなら、対象の不動産を売却して現金化すればよい(換価分割)」という方向に議論を運びます。実際、相手方に代償金の支払能力への疑義がある事案では、代償分割ではなく換価分割を選ぶことで、適正価格での現金化を実現する道が開けます。

また、相手が長期の分割払いを求めてきた事案で、「その条件は受け入れられない」と毅然と示し、訴訟提起の準備に入る姿勢を見せたところ、相手が一括に近い条件へ譲歩したという経験もあります。評価と支払条件は切り分けて考え、評価では譲らない——これが「丸め込まれない」ための要諦です。

4-4. 感情の対立が深いときこそ、代理人を間に立てる

評価の交渉は、単なる数字の話に見えて、実は相続人どうしの積年の感情が噴き出す場面でもあります。過去のやり取りへの不信や、直接対峙したくないという思いから、当事者だけでは冷静な評価の議論ができないことがあります。

こうしたとき、弁護士が代理人として間に立つことで、感情を切り離した数字の交渉が可能になります。当事者同士では感情がぶつかって動かなかった評価の話が、代理人を通すことで前に進む——これは実務でしばしば経験するところです。

相手と直接話すのがつらい、けれど安い評価では引き下がれない——その両方を、代理人が引き受けます。
初回相談無料/LINEでも受け付けています(お電話:06-4965-9590

無料で問い合わせ

LINEで無料相談

5. 評価の対立は、共有・遺産分割全体の一部にすぎない

実際の相続では、評価は共有・遺産分割という大きな流れの中の一つの論点にすぎません。評価が固まっても、次は「どの分割方法を選ぶか」「共有をどう解消するか」という問題が続きます。

  • 相続した不動産が共有名義になっていて、その解消方法を知りたい方は、相続した不動産の共有状態を解消する方法をご覧ください。評価はこの共有解消の各手段(持分売買・代償分割・換価分割など)に共通する土台になります。
  • 話し合いがまとまらず、共有物分割請求を検討する段階に進む方は、共有物分割請求の流れ・費用・期間で手続きの全体像を確認できます。裁判所選任の鑑定や全面的価格賠償は、この手続きの中で登場します。

評価だけを単独で解決しようとするより、共有・遺産分割の出口(誰が取得し、いくらで、どう払うか)まで一体で設計するほうが、期間も費用も圧縮できます。評価の対立に直面したら、その先の分割方法までを見据えて動くことをおすすめします。

6. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 相手が「固定資産税評価額で分けよう」と言っています。応じるべきですか?

慎重に判断してください。固定資産税評価額は4つの基準の中でもっとも低く出やすい価格です。これをそのまま分割の基準にすると、不動産を受け取らず代償金で解決する側は、本来受け取れるはずの金額を取り損ねるおそれがあります。まずは不動産会社の査定などで実勢価格の水準を確かめ、固定資産税評価額との差がどれくらいあるかを把握してから返答するのが安全です。差が大きい場合は、路線価・査定・鑑定と根拠を積み上げて交渉することになります。

Q2. 不動産鑑定は、必ず取らなければいけませんか?

必ずではありません。鑑定には費用(一物件あたり数十万円程度から)と時間がかかるため、評価の対立が小さい、あるいは対象不動産の金額が大きくない場合には、複数の査定書で足りることもあります。一方、評価の開きが大きく、その差が数百万円〜数千万円に及ぶような場合は、費用をかけてでも鑑定を取る意味が出てきます。協議・調停で折り合えないときは、最終的に裁判所選任の鑑定で決着することになります。「鑑定を取るべきか」は費用対効果の判断であり、個別の状況を見て設計します。

Q3. 相続税の申告と、遺産分割の評価は同じ金額でよいのですか?

いいえ、目的が異なるため一致するとは限りません。相続税の申告は相続税路線価などをもとにした課税評価で行われますが、相続人どうしで不動産をいくらと見て分けるか(遺産分割・遺留分の評価)は、原則として時価(実勢価格)を基準に考えます。同じ不動産でも、税務上の評価と分割上の評価は別物として扱われる場面があります。相続税の具体的な金額・特例の適用は税理士の専門領域ですので、税額については必ず税理士にご確認ください。私たち弁護士は「相続人間で不動産をいくらと評価して、どう分けるか」の部分を担います。

7. まとめ|評価は「早く・複数の根拠で・出口まで見据えて」

  • 相続不動産の評価が揉めるのは、一つの土地に固定資産税評価・相続税路線価・実勢価格・鑑定という性質の違う複数の"公的な価格"があり、立場によって有利な数字が真逆になるからです
  • 4つの基準は「どれが正しい」ではなく目的が違うだけで、同じ土地でも数倍の差が出ます。取得したい側は低い基準を、受け取る側は高い基準を主張しがちです
  • 揉めたときは、協議→遺産分割調停でのすり合わせ→最終的に裁判所選任の鑑定という道すじで決めていきます。分割方法としては、一人が取得し他は適正価格の賠償を受ける全面的価格賠償が用意されています(最判平成8年10月31日・民法258条2項)
  • 「安い評価で丸め込まれない」ためには、早めに複数の査定・鑑定で自分の根拠を用意し、金額インパクトの大きい論点に絞り、評価と相手の支払条件を切り分けて詰めることが有効です
  • 評価は共有・遺産分割全体の一部です。出口(誰が取得し、いくらで、どう払うか)まで一体で設計するほうが、結果的に早く・有利に解決できます

弁護士法人ブライトでは、相続不動産の評価の対立から、共有解消・遺産分割の出口までを見据えたご相談をお受けしています。芦屋・阪神間にお住まいで、不動産の評価額が相手と大きく食い違って話が進まないという方は、芦屋・阪神間の相続不動産のご相談はこちらからお問い合わせください。

評価の数字で判を押す前に、一度だけ法律の目を通してください。その一手間が、数百万円の差を分けることがあります。
初回相談無料/LINEでも受け付けています(お電話:06-4965-9590

無料で問い合わせ

LINEで無料相談

監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・大阪弁護士会所属)
弁護士歴20年以上。企業法務(顧問先130社以上)から相続・不動産まで幅広く手がける。芦屋在住。地元・芦屋および阪神間の相続不動産事情に通じ、評価が割れて膠着した相続不動産の交渉を、根拠資料の積み上げと出口設計で動かす実務を数多く手がけている。
▶ 芦屋・阪神間の相続不動産のご相談はこちら

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。

事務所概要

事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 0120-931-501(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、相続(遺言作成・遺産分割等)、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、相続(遺言作成・遺産分割等)、相続(遺言作成・遺産分割等)、相続(遺言作成・遺産分割等)、相続(遺言作成・遺産分割等)、相続(遺言作成・遺産分割等)、IT関連のご相談、相続(遺言作成・遺産分割等)など)、個人向け(相続(遺言作成・遺産分割等)・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-4965-9590

※受付時間 9:00-18:00

※無料相談は、事前のヒアリング内容をもとに対応可否を判断させていただく場合がございます。お力になれないと判断した場合は、相談をお断りすることがございますので、あらかじめご了承ください。

法務ドックで経営が変わる

あなたの会社を法的トラブルから守る
弁護士法人ブライト (著)
多くの企業は法的トラブルを未然に防ぐ対策を講じておらず、顧問弁護士も不在です。本書では「法務ドック」を活用し、リスク回避を図る「みんなの法務部」を提案します。
多くの企業は法的トラブルを未然に防ぐ対策を講じておらず、顧問弁護士も不在です。本書では「法務ドック」を活用し、リスク回避を図る「みんなの法務部」を提案します。

顧問弁護士

経営者のための弁護士「活用」バイブル
弁護士法人ブライト (著)
顧問弁護士はトラブル対応だけでなく契約書作成など実務も担う身近な存在となりました。本書では顧問弁護士の活用メリット、自社に合う選び方、法的リスクのマネジメントについて解説します。
顧問弁護士はトラブル対応だけでなく契約書作成など実務も担う身近な存在となりました。本書では顧問弁護士の活用メリット、自社に合う選び方、法的リスクのマネジメントについて解説します。