このページは、労災死亡/派遣・下請労働者の労災死亡と元請会社への責任追及について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 派遣社員の労災は派遣先(指揮命令者)の安全配慮義務違反で請求
- 下請労働者の労災は元請の労安法上の総括責任で請求
- 複数会社への並行請求で賠償回収可能性を最大化
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派遣・下請労働者の労災事案の特殊性
派遣社員・下請労働者の労災死亡では、雇用主(派遣元・下請会社)と現場で指揮する会社(派遣先・元請)が異なるという複雑な構造があります。誰に何を請求するかの法的整理が必須です。
本記事では、派遣社員・下請労働者の労災死亡で、(1)労災保険給付、(2)派遣元・派遣先・元請各社への損害賠償、を整理します。
派遣社員の労災事案
派遣社員(労働者派遣法に基づく派遣)の労災死亡事案では:
(1) 労災保険給付:派遣元(雇用主)の労災保険から給付。給付請求は派遣元労災として手続き
(2) 派遣元への請求:雇用主としての安全配慮義務違反(派遣前の安全教育・派遣先選定の注意義務)
(3) 派遣先への請求:実際の指揮命令者としての安全配慮義務違反(派遣法44条の準用、判例も派遣先責任を肯定)
判例(最判平成17年10月25日等)は、派遣先にも労働契約に類似する安全配慮義務を認めており、派遣元・派遣先の双方に並行請求するのが標準実務です。
下請労働者の労災事案
下請会社の労働者が現場で死亡した場合:
(1) 労災保険給付:下請会社(雇用主)の労災保険から給付
(2) 下請会社への請求:直接の雇用主としての安全配慮義務違反
(3) 元請への請求:労働安全衛生法上の総括安全衛生管理義務違反、または現場での実質的な指揮監督関係に基づく安全配慮義務違反
(4) 注文者への請求:建設業等で特定事業の場合、注文者責任
元請責任の判例展開
元請への損害賠償請求は、当初は「雇用関係がない」として消極的でしたが、近年判例は元請責任を広く認めています。
(1) 大林組事件(最判平成3年4月11日):元請の現場安全管理責任を肯定
(2) 三菱重工神戸造船所事件(最判平成3年4月23日):労働者保護義務を元請にも認める
(3) 鹿島建設事件(最判平成12年3月24日):建設現場の安全管理責任は元請にも及ぶ
これらの判例により、元請への損害賠償請求は実務的に確立されています。
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労災保険のメリット制度との関係
派遣・下請労働者の労災事故では、雇用主(派遣元・下請会社)は労災給付額に応じて翌年以降の労災保険料が上がる「メリット制」が適用されます。これが原因で「労災を使いたくない」と圧力をかけてくる事業主もいますが、ご遺族は躊躇せず労災申請すべきです。
事業主が労災申請を妨害・拒否した場合、(1)労基署に直接申請、(2)社労士・弁護士の介入、で対応できます。労災隠しは労安法100条1項違反で罰則対象です。
複数被告への並行請求の実務
派遣・下請労災では、(1)派遣元/下請会社、(2)派遣先/元請、(3)注文者、を共同被告として一括訴訟するのが効率的です。
メリット:(1)各被告が責任を擦り付け合うのを防ぐ、(2)裁判所が責任分配を判断する、(3)賠償金回収のリスク分散(1社が支払不能でも他社から回収可)
但し、各被告の責任根拠(雇用契約・指揮命令関係・労安法・民法715条等)が異なるため、訴状作成は専門的。経験豊富な弁護士に依頼することが重要です。
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ブライトの派遣・下請労災死亡サポート
弁護士法人ブライトは、派遣・下請労働者の労災死亡事案で(1)雇用関係・指揮命令関係の整理、(2)派遣元・派遣先・元請の責任分配主張、(3)複数被告への共同訴訟、(4)労災隠し対応、(5)遺族年金との損益相殺最適化、を一括サポートします。
派遣・下請労災は責任関係が複雑で、ご遺族個人での対応は事実上困難です。早期に弁護士へご相談ください。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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