工場の機械に手を巻き込まれ指3本を切断──「本人の不注意」と主張する会社から約3,000万円の賠償を実現した解決事例(併合7級)

事案の属性
| 相談者 | 50代・男性(関西の製造業の工場で勤務) |
|---|---|
| 業種・規模 | 製造業(工場での機械作業) |
| 相談ジャンル | 労働災害(機械巻き込まれによる指切断・後遺障害) |
| 後遺障害等級 | 併合7級 |
| 解決額 | 約3,000万円(示談による解決) |
| 解決までの期間 | 約1年半 |
ご相談時の状況
工場で作業中、機械に左手を巻き込まれ、指3本を切断するという大きなけがを負われました。労災保険からの給付は受けられたものの、「この手では前と同じようには働けない。これからの生活はどうなるのか」という不安を抱えておられました。
さらに追い打ちをかけたのが、会社側の姿勢でした。会社は事故の原因を「本人の不注意」と説明し、責任を認めようとしませんでした。「けがをしたのは自分のせいだと言われて、悔しいが、どう反論すればいいのか分からない」──そのような状態で、労災保険とは別に会社への損害賠償請求ができないかと、当事務所にご相談くださいました。
争点・難しさ
本件の最大の争点は、過失割合でした。会社側は「マニュアルにない危険な操作を本人が行ったことが原因」「安全装置は正常に作動しており、安全教育も十分だった」と主張し、依頼者側に8割の過失があるとして、賠償額の大幅な減額を求めてきました。仮にこの主張が通れば、受け取れる賠償金は大きく目減りします。
また、後遺障害の逸失利益(将来得られたはずの収入の損失)をどの基礎収入で計算するかも争いとなり、「会社の安全配慮義務違反をどう立証するか」「過失割合をどこまで圧縮できるか」「逸失利益をどう積み上げるか」の三つを同時に戦う必要がある事案でした。
ブライトの方針・対応
初動の段階で、当事務所は「会社の『安全装置は正常だった』という主張は、本当に現場の実態と一致しているのか」という点に狙いを定めました。具体的には、次の証拠収集を進めました。
- 同僚の陳述書──事故当時の実際の作業状況・作業慣行について、現場を知る同僚から陳述書の取得を検討・実施
- 機械のメンテナンス記録の開示請求──安全装置が書類上「正常」とされていても、点検・整備が形骸化していなかったかを検証
- 安全教育・管理体制の裏付け確認──会社が主張する「十分な安全教育」の実態を精査
交渉では、これらの証拠をもとに会社側の「本人の過失8割」という主張に徹底的に反論し、過失割合を大幅に圧縮。さらに逸失利益の基礎収入についても上乗せを主張し、最終局面では「この水準で合意できなければ訴訟も辞さない」という姿勢を明確に示して、示談交渉をまとめにいきました。
結果
約1年半の交渉の結果、過失割合は当初の会社主張(8割)から3割まで圧縮され、併合7級の後遺障害を前提に約3,000万円の賠償金で示談が成立しました。依頼者からは「ここまで取ってもらえると思わなかった」との言葉をいただきました。
担当弁護士(労災部部長・笹野皓平)のコメント
機械の巻き込まれ事故では、会社が「本人の不注意」を強調してくるケースが非常に多くあります。しかし、安全装置の管理やメンテナンス、安全教育の実態を掘り下げると、会社側の落ち度が見えてくることは珍しくありません。本件でも、同僚の陳述やメンテナンス記録という「現場の実態を示す証拠」を早期に押さえたことが、過失割合の大幅な圧縮につながりました。会社から「あなたのせいだ」と言われても、それを鵜呑みにせず、まずは弁護士にご相談ください。
関連情報
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※本事例は当時の個別事情に基づく解決例であり、結果を保証するものではありません。