執筆:笹野 皓平(ささの こうへい)弁護士
弁護士法人ブライト|労災事故部統括/パートナー弁護士
/大阪弁護士会/京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了
注力分野:労災事故・安全配慮義務違反・使用者責任・人身損害賠償
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト代表/弁護士歴平均13年以上のチームを統括
- 労災事故で会社を訴えるには2つのルートがある。①会社自身の義務違反を問う「安全配慮義務違反(労働契約法5条・民法415条)」、②従業員の行為について会社の責任を問う「使用者責任(民法715条)」。実務では2つを並列で主張する
- 労災保険給付とは別枠で慰謝料・逸失利益の差額を請求できる。労災認定だけで終わらせると「取れたはずの補償」を失う
- 会社が「あなたの不注意が原因」と主張しても、過失相殺を減らす反論ができる。上司の危険な指示・設備不備・人員不足などが立証できれば、会社側の責任の方が重くなるケースがほとんど
- 会社が加入する使用者賠償責任保険(労災上乗せ保険)の存在を把握すると、交渉戦略が変わる
- 損害賠償請求の時効:損害及び加害者を知った時から5年(民法724条の2)
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目次
1. [労災事故で会社を訴える2つの法的根拠](#chap1)
2. [安全配慮義務違反の3つの立証要素](#chap2)
3. [「上司の指示で起きた事故」でも会社の責任を問える理由](#chap3)
4. [「あなたの過失」という会社の主張への反論方法](#chap4)
5. [使用者賠償責任保険とは何か|会社の保険を使った解決の実態](#chap5)
6. [労災保険給付と損害賠償の計算構造(損益相殺の仕組み)](#chap6)
7. [証拠収集の優先順位と保全方法](#chap7)
8. [解決までの流れ(受任→交渉→訴訟)](#chap8)
9. [当法人の解決事例(3件)](#chap9)
10. [弁護士に依頼するメリット|ブライトの判断基準](#chap10)
11. [よくある質問(FAQ)](#chap11)
12. [まとめ:等級認定はスタートライン](#chap12)
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1. 労災事故で会社を訴える2つの法的根拠
業務中に事故やケガを負ったとき、多くの方が最初にたどり着くのは「労災申請」です。しかし、その先にある「会社への損害賠償請求」にたどり着けないまま、保険給付だけで終わらせている方が後を絶ちません。
労災事故で会社を訴える法的根拠は2つあります。
根拠①:安全配慮義務違反(債務不履行責任)
労働契約法5条は、使用者に対し次の義務を課しています。
> 「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」
この義務を会社が果たさなかった場合、民法415条(債務不履行) に基づく損害賠償責任が発生します。安全配慮義務の法的根拠は、最高裁判所第三小法廷 昭和50年2月25日判決(昭和48年(オ)第383号・損害賠償請求事件/判例秘書 L03010017)で確立され、最高裁判所第三小法廷 昭和59年4月10日判決(昭和58年(オ)第152号・損害賠償請求事件/判例秘書 L03910054)で雇用主の労働環境整備義務が明文化、2008年施行の労働契約法5条で立法化されました。
根拠②:使用者責任(不法行為責任)
民法715条は、被用者(従業員・作業員)が業務の執行に際して他者に損害を与えた場合、使用者もその責任を負うと定めています。
たとえば「同僚・上司の不注意な行為」「会社のフォークリフトが引き起こした事故」でも、それが「業務の執行について」なされたものであれば、会社は使用者責任を免れません。
なぜ2つを並列で主張するか
実務では、安全配慮義務違反(民法415条)と使用者責任(民法709条・715条)を同時に主張するのが基本です。時効の起算点や立証の角度が異なるため、どちらか一方が崩れても残る主張で勝てるリスクヘッジになります。
| 根拠 | 根拠条文 | 時効(原則)| 立証の起点 |
|:—|:—|:—|:—|
| 安全配慮義務違反(債務不履行)| 労契法5条・民法415条 | 損害認識から5年(民法166条1項1号)| 会社側の体制・設備の不備 |
| 使用者責任(不法行為)| 民法709条・715条 | 損害認識から5年(民法724条の2)| 加害者(被用者)の故意・過失 |
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2. 安全配慮義務違反の3つの立証要素
安全配慮義務違反を立証するには、次の3要素をそれぞれ証明する必要があります。
① 予見可能性(事故が予見できたか)
会社が、その種の事故が起こりうることを事前に予見できたか。過去の類似事故・ヒヤリハット報告書・行政の是正勧告・業界ガイドラインの存在などが「予見可能性あり」の証拠になります。
多くの記事は「予見可能性が必要」と書いて終わりにします。しかし実務で重要なのは、「予見できなかったという会社の言い訳を崩す証拠の探し方」です。労働基準監督署への過去の申告記録・是正指導票・同種事故の労災補償記録は保有個人情報開示請求で取得可能です。
② 結果回避可能性(回避のための措置を取れたか)
合理的なコストで事故を防ぐことができたか。「墜落制止用器具(安全帯)を支給するだけで落下事故は防げた」「2人作業を徹底するだけで腰椎骨折は防げた」という構図を作れれば、結果回避可能性が認められます。
③ 因果関係(措置不備と損害との因果関係)
「会社の体制不備がなければ、この事故は起きなかった」という因果の連鎖を組み立てます。医学的因果関係(労災認定の要件)とは別に、法的因果関係として独立した立証が必要です。
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3. 「上司の指示で起きた事故」でも会社の責任を問える理由
一次ソース論点①:上司の危険指示事案(実案件由来)
当法人が相談を受ける案件の中で、「上司から墜落制止用器具なしで作業するよう口頭で指示された」「人員不足を理由に1人で重量物を移動させられた」という類型が少なくありません。
こうした事案で会社が最初に主張するのは「上司個人の逸脱行為であり、会社は指示していない」という責任転嫁です。
しかしこの主張は通りません。 民法715条の「使用者責任」は、被用者(上司・同僚)の行為が「事業の執行について」なされていれば、会社も連帯して責任を負います。上司が業務時間中・業務場所内で部下に指示を出す行為は、いかなる場合でも「事業の執行について」に該当します。
> 【ブライトの判断基準①】
> 「上司の指示だから会社は関係ない」という主張を会社がしてきたとき、ブライトはまず指示の具体的な内容・日時・場所・目撃者の有無を整理します。業務時間中の上司の行為で被害を受けた場合、使用者責任は原則的に成立します。「会社の責任ではない」を崩すのは、立証困難な話ではありません。
「上司の危険な指示」を3ステップで立証する方法
STEP 1:指示の具体性を確認する
上司から口頭で受けた指示は証人(同僚)の陳述書で立証します。作業日報・業務指示書・メッセージアプリの履歴も有力な証拠になります。
STEP 2:安全規程との乖離を示す
会社の就業規則・安全衛生規程・作業標準書と、実際の指示内容との齟齬を対比表で示します。「規程では2人作業とされているのに1人でやらせた」という事実があれば、予見可能性と結果回避可能性が一気に立証されます。
STEP 3:監督体制の欠如まで問う
「上司1人の逸脱ではなく、会社全体の監督体制が機能していなかった」ことを示します。定期的な安全講習の実施記録・KY活動記録・ヒヤリハット報告の仕組みが存在していたかを確認します。
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4. 「あなたの過失」という会社の主張への反論方法
労災事故で会社を追及すると、ほぼ例外なく「被害者にも過失がある(過失相殺)」という主張が来ます。この主張を通されると損害賠償額が大幅に減額されます。
過失相殺とは
過失相殺とは、損害の発生に被害者側にも一定の「過失(不注意)」があった場合に、賠償額を按分して減額する制度です(民法418条・722条2項)。
たとえば「過失割合:会社8・被害者2」と認定された場合、本来の損害額の80%しか受け取れません。
会社の典型的な過失相殺主張
| 会社の主張 | 実態 |
|:—|:—|
| 「墜落制止用器具を着用しなかったのは本人の不注意」 | 墜落制止用器具が配布されていなかった・不適合品だった事実があれば崩せる |
| 「作業標準書に記載の手順を無視した」 | 作業標準書の存在自体が形骸化していたなら、会社の管理体制不備 |
| 「ヘルメット未着用は本人の判断」 | 現場でヘルメット着用が徹底されていなかった慣行があれば会社の管理責任 |
| 「熟練者に教わっていたはずだ」 | 適切な教育・訓練を実施した記録がなければ、指導体制の不備として反論可 |
ブライトの反論戦略
「過失相殺ゼロ」を目指すのが理想ですが、実務では「会社側の過失が主因」を立証し、過失相殺を極力抑えることが目標になります。
具体的には:
1. 会社の体制不備を先に立証する(設備の欠陥・教育の不備・人員不足)
2. 被害者の行為が組織的な慣行だったことを示す(上司も同じ方法でやっていたなら「本人の不注意」ではない)
3. 墜落制止用器具等の適合性・供給状況を確認する(形式的に支給されていても不適合品では不備と主張できる)
> 【ブライトの判断基準②】
> 会社の「あなたにも過失がある」という主張に対し、ブライトは「その行為が誰の指示で、どんな慣行のもとで行われていたか」を先に確認します。被害者の行為が「慣行化した不安全行動」である場合、それを放置した会社の管理体制こそが問われます。「個人の不注意」で終わらせない。それがブライトの立場です。
過失相殺の主張は会社の常套手段です。証拠次第で大幅に減らすことができます。
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5. 使用者賠償責任保険とは何か|会社の保険を使った解決の実態
一次ソース論点②:使用者賠償責任保険(実案件由来)
当法人の労災損害賠償案件では、交渉相手が「会社の担当者」ではなく「会社が加入する使用者賠償責任保険(労災上乗せ保険)の保険会社」になるケースが実務上多数あります。この事実を知らないと、交渉を有利に進めることができません。
使用者賠償責任保険とは
使用者賠償責任保険(Employer’s Liability Insurance)は、会社が従業員の業務上の死傷に対して負う損害賠償責任をカバーする任意保険です。建設業・製造業・運輸業では比較的加入率が高い保険です。
| 項目 | 内容 |
|:—|:—|
| カバーする損害 | 慰謝料・逸失利益・後遺障害補償など民事損害賠償の全般 |
| 加入主体 | 使用者(会社)・元請会社 |
| 保険金支払相手 | 被災労働者・遺族 |
| 交渉相手 | 保険会社の担当者(会社社員とは別) |
| 特徴 | 保険金額上限がある(事案によっては不足することも)|
保険会社が交渉相手になる意味
保険会社は「示談屋」的な立場で被害者との交渉に臨み、支払額を抑えようとします。保険会社担当者は損害賠償の交渉のプロです。弁護士なしで交渉すると、正当な賠償額を大幅に下回る示談書に署名させられるリスクがあります。
また、保険金の上限額(保険限度額)を超えると、超過分は会社の自己負担になります。このとき、会社が支払能力を欠く場合に備えた別の手当て(仮差押・任意整理等)も視野に入れる必要があります。
「保険から1,000万円」でも示談してはいけないケース
当法人の実案件では、保険会社から「1,000万円を提示する」という連絡が被災者の方に来ていたケースがあります。しかし弁護士が関与して計算したところ、後遺障害等級・逸失利益・慰謝料を正確に積み上げると本来の損害額は2,000万円台後半でした。
保険会社の提示額は「払える最大限」ではなく「とりあえず提示してみた額」です。弁護士が入ることで、この差を取りに行くことができます。
> 【ブライトの判断基準③】
> 「保険会社から連絡がきた」という段階で、まず弁護士に確認することを強く勧めます。保険会社の提示額は、ほぼ例外なく弁護士基準の慰謝料・逸失利益より低く設定されています。一度署名した示談書は、原則として覆せません。
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6. 労災保険給付と損害賠償の計算構造(損益相殺の仕組み)
労災事故では、労災保険給付と民事損害賠償が別制度として並立します。ただし「同一損害項目」については二重取りにならないよう調整(損益相殺・調整)が行われます。
損害項目ごとの整理
| 損害項目 | 労災保険給付 | 民事損害賠償 |
|:—|:—|:—|
| 治療費 | 全額(療養補償給付)| 労災でカバー済み(重複請求不可)|
| 休業損害 | 給付基礎日額の60%+特別支給金20% | 差額40%分を会社に請求できる |
| 後遺障害 | 障害補償年金・一時金(等級別)| 逸失利益・後遺障害慰謝料を会社に請求(労災給付額を控除)|
| 慰謝料(入通院)| 支給なし | 全額請求可(労災と重複しない)|
| 慰謝料(後遺障害)| 支給なし | 全額請求可 |
| 死亡慰謝料 | 支給なし | 全額請求可(遺族固有の慰謝料含む)|
| 葬儀費 | 葬祭料 | 葬祭料を超える実費を請求可 |
重要:特別支給金(休業特別支給金・障害特別支給金)は、最高裁判決(最高裁判所第二小法廷 平成8年2月23日判決(平成6年(オ)第992号・損害賠償請求事件/判例秘書 L05110018))により損益相殺の対象外とされています。特別支給金分は控除せずに損害賠償額に上乗せできます。
計算の流れ(例:後遺障害12級の場合)
| 項目 | 計算 | 金額(目安)|
|:—|:—|:—|
| 入通院慰謝料(弁護士基準)| 治療期間に応じて | 約100〜180万円 |
| 後遺障害慰謝料(弁護士基準・12級)| 弁護士基準 | 約290万円 |
| 逸失利益 | 基礎収入×労働能力喪失率(14%)×就労可能期間ライプニッツ係数 | 年収500万円・40歳なら約850万円 |
| 休業損害 | 実収入×休業日数(労災との差額)| 約100〜200万円 |
| 損害合計 | | 約1,340〜1,520万円 |
| △労災障害補償給付(控除)| 12級・既支払分 | △ 約100〜200万円 |
| 会社への請求額(目安)| | 約1,100〜1,300万円台 |
※ 上記はあくまでも一般的な目安です。実際の賠償額は事案ごとの個別事情(等級・年齢・基礎収入・過失割合・使用者保険の有無)により大きく異なります。同様の金額を保証するものではありません。
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7. 証拠収集の優先順位と保全方法
損害賠償請求を成功させるには、証拠は早期に確保することが不可欠です。退職後・症状固定後では入手できなくなる証拠があります。
優先度:高(在職中に必ず確保)
- 事故現場の写真・動画(スマートフォンで即時撮影)
- 診断書・受診記録(初診から全て保管)
- 同僚・目撃者の連絡先と証言メモ(時系列で書いたもの)
- 業務指示メッセージ・メール・LINE(スクリーンショットで保存)
- 作業日報・タイムカード・シフト表(コピーを手元に)
優先度:中(弁護士経由で取得可能)
- 労働基準監督署の調査復命書・是正勧告書(保有個人情報開示請求)
- 就業規則・安全衛生規程・作業標準書(在職中に入手、または開示請求)
- 過去の労災記録・ヒヤリハット報告書(会社保管の記録)
- 健康診断記録・産業医面談記録
- 工事施工計画書・現場写真・足場点検記録(建設業の場合)
証拠保全の注意点
退職や解雇後は会社への立入り・書類閲覧が難しくなります。在職中に手元に置けるものはできる限り確保してください。また、労基署へ労災申請した際の全提出書類のコピーを必ず手元に残すことも重要です。
労基署の調査記録は「保有個人情報開示請求(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律)」で取得でき、相手方(会社)の説明内容・調査員の所見が記載されており、損害賠償の証拠として機能することがあります。
証拠の取り方を間違えると後で使えなくなるリスクがあります。まず弁護士に相談し、何を取るべきかを確認してください。
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8. 解決までの流れ(受任→交渉→訴訟)
ステップ1:初回相談・受任判断(1〜2週間)
まず弁護士が事案を聴取し、安全配慮義務違反の立証可能性・損害額の試算・費用対効果を判断します。ブライトでは「受任できない案件はそう伝える誠実さ」を大切にしています。費用倒れになる案件に時間とお金を費やすことのないよう、最初に見立てをお伝えします。
ステップ2:証拠収集・症状固定の確認(1〜3か月)
受任後は証拠収集に入ります。並行して、後遺障害等級の認定に向けた準備(診断書の指導・追加検査の提案)を行います。症状固定前に弁護士が関与することで、等級認定が有利に進みます。
ステップ3:損害額の計算・内容証明送付(1か月)
症状固定後に損害額を確定させ、会社(または会社の保険会社)に内容証明郵便で損害賠償請求書を送付します。
ステップ4:示談交渉(3〜6か月)
保険会社または会社との交渉を進めます。多くの案件はこの段階で解決します。交渉が決裂した場合は訴訟提起に移行します。
ステップ5:訴訟・労働審判(6か月〜2年)
示談交渉が決裂した場合は、民事訴訟または労働審判を提起します。判決・和解で解決します。
解決期間の目安:軽度後遺障害(12〜14級)で受任から約6〜12か月、重度後遺障害(1〜5級)・死亡事案では1〜2年以上になることがあります。
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9. 当法人の解決事例(3件)
> 下記の事例は依頼者・遺族の特定を防ぐため、業種・年代・事故態様を抽象化しています。解決額は「○○万円台」のレンジ表示を使用しています。同様の結果を保証するものではありません。実際の解決額・等級・期間は事案ごとの個別事情により異なります。
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> #### 【当法人の解決事例1】「上司の指示で墜落制止用器具なし作業→12級認定→会社は『自己責任』と主張→1,000万円台で解決」
>
> 状況:建設業の30代男性。高所作業で上司から「墜落制止用器具は邪魔になる」との口頭指示を受け、未装着のまま作業して転落。後遺障害12級(下肢機能障害)が認定されたが、会社は「自分で外した本人の過失」と主張し賠償を拒否。
>
> 当法人の対応:同僚の陳述書・過去の朝礼記録から「墜落制止用器具なしが現場の慣行だった」事実を立証。会社の安全衛生規程と実態の乖離を対比表で示し、過失相殺の主張を大幅に圧縮。使用者賠償責任保険の保険金額を確認した上で、訴訟提起を視野に入れた交渉を展開。
>
> 結果:受任から約10か月で示談成立。解決額1,000万円台(労災給付との合計では1,500万円台相当)。
>
> *(依頼者が特定されないよう抽象化しています。)*
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> #### 【当法人の解決事例2】「使用者賠償責任保険から初期提示1,200万円→弁護士介入で2,500万円台に増額」
>
> 状況:製造業の40代男性。機械への巻き込み事故で後遺障害7級(上肢機能障害)が認定。会社の保険会社から「1,200万円で示談しないか」という打診があり、署名直前に弁護士に相談。
>
> 当法人の対応:逸失利益の計算を見直したところ、保険会社の計算には「ライプニッツ係数の適用年数」と「労働能力喪失率」に誤りがあることが判明。慰謝料も弁護士基準との乖離が400万円以上あった。修正後の損害額を根拠に再交渉。
>
> 結果:受任から7か月で示談成立。解決額2,500万円台(初期提示から約2.1倍)。
>
> *(依頼者が特定されないよう抽象化しています。)*
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> #### 【当法人の解決事例3】「労災不支給後の民事請求→会社は『業務外』と主張→300万円台で解決」
>
> 状況:介護業の50代女性。利用者の移乗介助中に腰椎を痛め、当初は労災不支給。「移乗の動作は業務外の自己管理範囲」という会社の主張により労災申請が却下されていた。
>
> 当法人の対応:労基署の不支給通知を覆す審査請求は困難と判断し、民事損害賠償請求として別ルートで進める方針に切り替え。シフト表・介護記録から単独介助の実態を立証し、厚生労働省「腰痛予防対策指針」との乖離を示して安全配慮義務違反を主張。
>
> 結果:審査請求と民事請求を並行。民事交渉で約11か月後に300万円台で示談成立。
>
> *(依頼者が特定されないよう抽象化しています。)*
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この3事例が示すブライトの労災損害賠償への向き合い方
> 【ブライトのポリシー】
> 会社の「本人の過失」「労災が下りないから終わり」という主張は、損害賠償請求の世界では必ずしも正しくありません。ブライトは、労災保険給付と民事損害賠償の制度的な違いを正確に把握した上で、被害者・遺族が本来受け取れる補償を全て取りに行く姿勢で案件に向き合います。
>
> 「初期提示を疑う。証拠で戦う。そして示談書にサインするのは最後でいい。」
> これがブライトが労災損害賠償で一貫して大切にしている考え方です。
ご依頼者にとって何が変わるか
| Before(依頼前)| After(ブライトに依頼後)|
|:—|:—|
| 保険会社の提示額が「妥当なのかどうか」が分からず、そのまま署名しようとしていた | 損害額の計算根拠を専門家が精査し、正当な賠償額を把握した上で交渉に臨める |
| 「自分の過失もある」という言葉を信じ込み、諦めかけていた | 会社側の体制不備が主因だったことが立証でき、過失相殺が大幅に圧縮された |
| 会社と直接交渉する精神的ストレスで、職場復帰どころではなかった | 弁護士が窓口になり、依頼者は治療・回復に集中できた |
会社の保険会社から連絡が来ている、または「労災が下りないから諦めていた」という方も、まず一度ご相談ください。
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10. 弁護士に依頼するメリット|ブライトの判断基準
なぜ弁護士なしでは難しいか
1. 損害額の正確な計算:逸失利益のライプニッツ係数・労働能力喪失率・弁護士基準慰謝料は、専門知識なしでは計算できない
2. 保険会社・会社との交渉:相手はプロの交渉担当者。素人との交渉では提示額を下げようとする
3. 証拠収集の指示:何を取るべきか・どの順序で取るべきかは案件によって異なる
4. 過失相殺の反論:法的根拠を持って過失相殺を圧縮するには判例・実務知識が必要
5. 労災保険給付との調整:損益相殺の計算を誤ると、本来請求できる額を取り損ねる
弁護士費用について
労災損害賠償の弁護士費用は、一般的に「着手金+成功報酬」の構成です。当法人では案件の見立てを最初にお伝えし、費用倒れになる可能性が高い案件については受任しないか、その旨を率直にお伝えします。
| 費用区分 | 概要 |
|:—|:—|
| 着手金 | 受任時に一定額。案件の規模・複雑性により異なる |
| 成功報酬 | 解決時に回収額の一定割合(案件によって異なる)|
| 実費 | 印紙代・郵便費・裁判費用等の実費 |
完全成功報酬型(着手金ゼロ)の案件対応も選択肢の一つとして、個別の事情に応じてご説明します(案件の性質・回収見込み額により判断が変わります)。
なぜブライトなのか
- 弁護士歴平均13年以上のチームが労災損害賠償を担当(2026年確定)
- 笹野皓平弁護士(労災事故部統括)が中核として対応
- 顧問先130社以上の実名を公開する透明性:会社の論理・保険会社の交渉戦術を熟知した上で、被害者側に立てる体制
- 大阪本町(大阪市中央区)を拠点に、近畿圏を中心に全国対応
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11. よくある質問(FAQ)
Q1. 労災認定が下りていない段階でも会社に損害賠償を請求できますか?
A. 可能です。民事損害賠償(安全配慮義務違反・使用者責任)の立証は、労災認定の有無とは独立しています。労災が不支給になった案件でも、民事ルートで別途追及できます。ただし立証難易度は上がるため、早期に弁護士に相談することを推奨します。
Q2. 損害賠償請求の時効は何年ですか?
A. 2020年4月施行の改正民法により、損害及び加害者(会社)を知った時から5年(民法724条の2・166条1項1号)です。また事故から20年(除斥期間)という上限もあります。症状固定・後遺障害等級認定が確定した段階から時効が進行することが多いため、早期着手が重要です。
なお、労災保険給付の時効(療養・休業補償:2年、障害・遺族補償:5年)とは別制度ですので混同しないよう注意が必要です。
Q3. 会社がすでに倒産しています。それでも請求できますか?
A. 会社が倒産(破産・廃業)していても、完全に請求できなくなるわけではありません。破産手続き中であれば破産管財人に対して債権届出をする方法があります。また、代表者個人への追及(民法709条の不法行為)、元請会社への使用者責任追及など、別ルートを検討できます。
Q4. 労災保険給付を受け取った後でも会社に請求できますか?
A. 可能です。労災保険給付と民事損害賠償は別制度です。ただし同一損害項目については損益相殺(調整)が行われます。特別支給金(休業特別支給金・障害特別支給金)は調整対象外(最高裁判所第二小法廷 平成8年2月23日判決(平成6年(オ)第992号・損害賠償請求事件/判例秘書 L05110018))のため、全額手元に残せます。
Q5. 裁判になる場合、どのくらいの期間と費用がかかりますか?
A. 一般的な後遺障害事案での民事訴訟は1〜2年程度かかります。費用は印紙代・弁護士費用の合計ですが、多くの場合は判決または和解で弁護士費用の一部を相手方に負担させることができます。実際には訴訟提起を視野に入れた交渉で示談が成立し、裁判まで至らないケースが大半です。
Q6. 過失相殺が50%以上になることはありますか?
A. 被害者に重大な過失(無免許運転・明確な安全規定違反など)がある場合は、過失相殺が50%を超えることもあります。しかし、「安全規程違反が慣行化していた」「適切な安全教育を受けていなかった」という状況では、過失相殺は大幅に抑えられるのが実務の傾向です。
Q7. 弁護士費用が払えないのですが相談できますか?
A. 費用についてはご相談の際に個別にお伝えします。案件の性質によっては完全成功報酬型の対応も検討できます。まずはお電話またはLINEでご連絡ください。
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12. まとめ:等級認定はスタートライン
労災事故で重要なのは「労災認定をゴールにしないこと」です。
- 労災保険給付では慰謝料はゼロ
- 休業損害も給付基礎日額の80%止まり(残り20%は会社に請求できる)
- 後遺障害等級が認定された後の逸失利益・慰謝料は、別途会社への損害賠償で初めて得られる
会社が「あなたの過失だ」と言っても、それが通る根拠があるかどうかは別問題です。保険会社から提示額が来ても、それが正当かどうかは専門家に確認してから判断すべきです。
等級認定はスタートライン。本来受け取れる補償の全てを取りに行く。 これがブライトの労災損害賠償に向き合う姿勢です。
労災事故の会社への損害賠償請求は、証拠と計算の世界です。「難しそうだ」と思っている方ほど、弁護士が介入することで状況が大きく変わることがあります。
労災専用06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
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弁護士法人ブライト 労災事故部統括 笹野皓平弁護士が担当します。
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関連記事
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後遺障害が認定された後の逸失利益請求(計算方法・素因減額反論・一人親方の基礎収入算定)については以下の記事も合わせてご覧ください。




