【この記事の結論】老朽化・建替えを理由とする立ち退き
- 「建物が古いから建て替えたい」という貸主側の事情だけでは、借地借家法28条の正当事由として不十分とされることがあります。老朽化は正当事由を構成する一要素(建物の現況)にとどまります
- 建物が著しく老朽化し、耐震性能の不足・倒壊の危険が建物診断・耐震診断などの客観的資料で裏づけられる場合は、貸主側の建替えの必要性が高く評価されやすくなります
- 老朽化や建替えの必要性がそれだけでは正当事由を満たさない場合でも、相当な立退料を申し出ることで正当事由を補完できることがあります(補完法理)
- 借地(土地賃貸借)では、建物の自然倒壊による「朽廃」で借地権が消滅する場面と、建物賃貸借の「老朽化」とは法的な扱いが異なります。両者を混同しないことが重要です
- 再開発・有効活用を目的とする建替えは、収益向上だけを理由にすると正当事由が弱く評価されがちです。安全性・公共性・地域貢献など客観的な必要性をあわせて主張することが有効なことがあります
大阪・関西で老朽化・建替えを理由とする立ち退き(明渡し)をお考えの貸主・地主の方は、弁護士法人ブライトへ。電話:06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
「築40年を超えるアパートが古くなり、修繕費もかさむので建て替えたい」「老朽化したビルの耐震性が心配で、入居者の安全のためにも建替えを進めたい」「再開発に合わせて土地を有効活用したい」——築古の物件を所有する貸主・地主にとって、老朽化や建替えは避けて通れないテーマです。ところが、いざ借主に退去を求めようとすると、「建物が古いというだけでは出ていってもらえない」という法律の壁にぶつかります。
借地借家法は、住まいや事業の基盤を借りている借主を厚く保護しています。そのため、貸主が「自分の建物を建て替えたい」と考えても、その事情が法律上の正当事由(借地借家法28条)として十分かどうかは、慎重に検討する必要があります。本記事では、老朽化・建替え・耐震不足を理由とする立ち退きについて、条文と裁判例の考え方を軸に、大阪・関西で不動産トラブルに対応する弁護士の視点で整理します。
立ち退き全体の流れ、立退料の相場、正当事由の判断要素については、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
- 立ち退き(明渡し)を求める貸主・地主のための完全ガイド【大阪・関西対応】(クラスターの全体像・手続きの流れ)
- 立退料の相場と決まり方|居住用・店舗・事務所・借地のケース別金額と計算の仕組みを弁護士が解説
- 立ち退きの「正当事由」とは|借地借家法28条の判断要素を弁護士が解説
1. 「老朽化だけ」では立ち退かせられない——借地借家法28条の基本
建物の賃貸借契約で、貸主が契約期間満了時に更新を拒絶したり、期間の定めのない契約を解約したりするには、借地借家法28条が定める正当事由が必要です。条文は次のように、複数の要素を総合考慮することを定めています。
建物の賃貸人による(中略)建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(中略)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。(借地借家法28条)
ここで「老朽化」は、条文の「建物の現況」という考慮要素に位置づけられます。つまり老朽化は、正当事由を判断する材料のひとつにすぎず、それ自体が単独で正当事由を完成させるわけではありません。裁判実務でも、「建物が古い」という理由だけで更新拒絶を認めた例は乏しく、老朽化の程度・安全性への影響・貸主の使用の必要性・借主の被る不利益・立退料の申出などを総合して判断されます。
重要なのは、「老朽化」を主張する際に、その実態を客観的に示せるかどうかです。築年数だけでなく、構造上の劣化、雨漏り・配管の腐食、耐震性能の不足、修繕費が建物価値を上回る状況などを、写真・修繕履歴・建物診断書といった資料で裏づけることが、正当事由を組み立てる出発点になります。
「古いから建て替えたい」の一言で進めると危険です
老朽化を理由とする立ち退きは、主張の組み立て方で結論が大きく変わります。客観資料の準備と立退料の設計を誤ると、交渉が長期化したり想定外の負担を強いられたりすることがあります。大阪・関西の貸主・地主の方は、お早めにご相談ください。
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2. 老朽化の「程度」をどう示すか——客観資料が正当事由を左右する
老朽化が正当事由の評価にどれだけ寄与するかは、「どの程度老朽化しているか」を客観的に示せるかにかかっています。同じ築年数でも、適切に維持管理されてきた建物と、構造的な劣化が進んだ建物とでは、評価が異なります。実務では、次のような資料の有無が交渉力を左右します。
- 建物診断書(インスペクション):建築士等の専門家による構造・劣化状況の評価。第三者の客観的判断として説得力があります
- 耐震診断結果:旧耐震基準(1981年5月31日以前の建築確認)の建物では、耐震性能の不足を数値(Is値等)で示せます
- 修繕履歴・見積書:雨漏り・給排水管・外壁等の修繕に要した費用と、今後必要な大規模修繕の見積り
- 写真・動画:ひび割れ・腐食・剥落など、劣化の現状を視覚的に記録したもの
- 修繕費と建物価値の比較:修繕に建物の経済的価値を超える費用がかかる状況は、建替えの合理性を支える事情となります
当事務所が大阪・関西の貸主・地主から受ける相談でも、築古アパートの老朽化を理由に立ち退きを求めようとしたものの、当初は「築年数が古い」という主張だけで、客観的な裏づけ資料が手元にないというケースが少なくありません。こうした場合、まず建物診断・耐震診断を取得し、老朽化の実態を数値と専門家の意見で固めることが、交渉や訴訟での評価を高める第一歩になります(具体的な事案の内容は依頼者の特定を避けるため一般化しています)。
3. 耐震性能の不足・倒壊危険があるケース——必要性が高まる場面
老朽化の中でも、耐震性能の不足は正当事由を強める重要な事情です。とくに旧耐震基準(建築基準法の1981年改正前の基準)で建てられた建物は、現行の耐震基準を満たさず、大地震で倒壊・損傷するリスクが指摘されることがあります。この場合、建替え(または大規模な耐震改修)の必要性は、単なる貸主の都合を超えて、入居者・近隣の生命・身体の安全という公共的な要素を帯びます。
耐震診断によって「倒壊の危険性が高い」と評価された建物について、貸主が建替えを理由に更新拒絶・明渡しを求める場合、裁判所は安全性確保の必要性を相応に重く見る傾向があります。もっとも、耐震性能の不足があるからといって直ちに正当事由が完成するわけではなく、次のような点が総合的に考慮されます。
- 耐震改修(補強工事)で安全性を確保できないか、改修より建替えが合理的か
- 借主が建物を使用する必要性の程度(居住の基盤か、代替可能な事業か等)
- 貸主が立退料その他の財産上の給付をどの程度申し出ているか
- 従前の賃貸借の経過(賃料・契約期間・更新の状況等)
裁判例の傾向としては、耐震性に重大な問題がある建物について、相当な立退料の申出とあわせて建替えの必要性を主張した事案で、正当事由が認められやすくなる方向が見られます。逆に、耐震上の問題が軽微であったり、耐震改修で十分対応できると判断されたりする場合には、建替えの必要性は弱く評価されることがあります。「耐震が不安だから」という抽象的な主張ではなく、診断結果という客観的根拠を備えることが鍵となります。
耐震診断・建物診断の準備からサポートします
「旧耐震の建物だが、建替えと耐震改修のどちらで進めるべきか」「診断結果をどう交渉に活かすか」など、立ち退きの戦略を見据えた準備をご一緒に整理します。大阪・関西で築古物件をお持ちの貸主・地主の方は、お気軽にご相談ください。
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4. 再開発・有効活用を目的とする建替えの扱い
老朽化・耐震とは別に、「土地をより有効に活用したい」「再開発に合わせて高層化したい」「収益性の高い建物に建て替えたい」という有効活用・再開発目的の建替えもあります。この場合の正当事由の評価は、安全性を理由とする場合よりも慎重になりがちです。
理由は、有効活用目的の建替えは「貸主の経済的利益の追求」という側面が強く、借主の使用の必要性と比べたときに、貸主側の必要性が直ちに優越するとは限らないからです。古い裁判例の中には、収益向上のみを目的とする建替えについて正当事由を否定したものもあります。一方で、近年は、次のような事情があると正当事由が認められやすくなる傾向が指摘されています。
- 老朽化・耐震性の問題が併存し、安全性確保の必要性が伴うこと
- 都市計画・再開発事業などの公共性のある計画に組み込まれていること
- 建替えによる地域貢献・防災性向上など、社会的な合理性があること
- 相当な立退料の申出により、借主の不利益が金銭的に補償されること
店舗・事務所の賃貸では、借主が当該場所で営業を続ける必要性(顧客基盤・立地依存性)が高いことが多く、有効活用目的の建替えだけでは正当事由が弱くなりがちです。当事務所でも、テナントが入る建物の建替えを巡って、貸主側で「立退きの際にどのような問題が生じるか」を事前に整理してほしいという相談を受けることがあります。営業補償的な要素を含む立退料の設計、明渡しの時期、原状回復の範囲などを、契約内容と営業実態を踏まえて検討することが、後の紛争を避けるうえで重要です(事案の詳細は一般化しています)。
5. 「朽廃」と「老朽化」の違い——借地の場合に特に注意
老朽化と混同されやすい概念に、借地(土地賃貸借)における朽廃(きゅうはい)があります。両者は法的な扱いがまったく異なるため、地主・貸主は区別して理解しておく必要があります。
- 老朽化(建物賃貸借):建物を貸している場合に、その建物が古くなること。立ち退きを求めるには借地借家法28条の正当事由が必要で、老朽化はその一要素にとどまります
- 朽廃(借地・建物賃貸借ではない土地の賃貸借):借地上に借地人が所有する建物が、自然の経過によって社会的・経済的な効用を失い、建物としての存在を失う状態。旧借地法の下では、建物の朽廃により借地権が消滅すると扱われる場面がありました
ここで注意すべきは、現行の借地借家法(1992年8月1日施行)では、建物の朽廃による借地権の当然消滅という規定は採用されていない点です。旧借地法の時代に設定された借地契約には経過措置として旧法が適用される場面がありますが、新法下の借地契約では、建物が老朽化・朽廃しても、それだけで借地権が自動的に消滅するわけではありません。したがって、「借地上の建物が古くなったから土地を返してもらえる」と短絡的に考えるのは危険です。借地契約の終了には、更新拒絶の正当事由(借地借家法6条)や、契約に基づく終了事由の検討が必要になります。
地主が借地人に立ち退き(土地の明渡し)を求める場面では、借地人が土地上に建物を所有しており、生活・事業の基盤が建物にあることが多いため、退去の負担が大きく、地主側の正当事由のハードルは建物賃貸借よりも高くなる傾向があります。立退料も高額になりやすく、慎重な戦略設計が求められます。立退料の相場感については立退料の相場と決まり方の記事もあわせてご覧ください。
借地・底地のトラブルもご相談ください
「借地上の建物が老朽化したので土地を返してほしい」「旧法借地か新法借地か分からない」など、借地・底地に関する貸主・地主のご相談を承っています。契約の経緯と適用される法律を確認したうえで、進め方をご提案します。
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6. 立退料で正当事由を補完する——老朽化・建替えのケース
老朽化や建替えの必要性が、それ単独では正当事由を満たすに足りない場合でも、相当な立退料を申し出ることで正当事由を補完できることがあります(補完法理)。借地借家法28条が「財産上の給付をする旨の申出」を考慮要素として明記しているのは、この趣旨を反映したものです。
もっとも、最高裁の考え方(最高裁昭和58年1月20日判決)によれば、立退料は正当事由を「補完」するものであって、立退料さえ払えば正当事由が必ず認められるというものではありません。貸主側に一定の使用の必要性(ここでは老朽化・耐震・建替えの合理性)が存在することが前提です。老朽化・建替えのケースで立退料を設計する際は、次の要素を考慮します。
- 借家権価格:借主が失う賃借権の経済的価値
- 移転費用:引越し費用、新居・新店舗の敷金礼金・仲介手数料等
- 営業補償(店舗・事務所の場合):移転に伴う休業損失、得意先・立地の喪失等
- 賃料差額の補償:従前より高い賃料の物件へ移る場合の差額
老朽化・耐震不足の事情が強いほど、貸主側の必要性が高く評価されるため、相対的に立退料は低めでも正当事由が認められやすくなる傾向があります。逆に、有効活用目的が中心で老朽化の度合いが軽い場合は、立退料を厚くして借主の不利益を補償する必要が高まります。立退料の金額は、建物の用途・借主の利用実態・地域相場によって大きく変わるため、個別の見立てが欠かせません。
7. 老朽化・建替えを理由とする立ち退きの進め方
老朽化・建替えを理由に立ち退きを求める場合、おおまかには次のステップで進めます。各段階で証拠を整え、正当事由と立退料の見立てを固めていくことが、交渉を有利に進める鍵となります。
- 建物・契約の調査:築年数、耐震基準(旧耐震か新耐震か)、契約形態(建物賃貸借か借地か、旧法か新法か)、賃料・更新の経過を確認します
- 客観資料の取得:建物診断・耐震診断、修繕履歴、修繕見積りなど、老朽化の実態を示す資料を準備します
- 正当事由の見立て:老朽化・耐震・建替えの必要性が、借主の使用の必要性に対してどの程度優越するかを評価します
- 立退料の設計:補完に必要な立退料の水準を、借家権価格・移転費用・営業補償等から試算します
- 更新拒絶・解約の通知:期間満了の1年前から6ヶ月前までの通知(借地借家法26条)、または解約申入れ後6ヶ月の経過(同27条)など、時期と方法を守ります
- 交渉:借主と立退きの条件(立退料・退去時期・原状回復)を協議します。借主側に代理人が付くことも多い領域です
- 調停・訴訟:交渉がまとまらない場合、建物明渡請求訴訟等で正当事由の有無を争います
とくに通知の時期を逃すと、契約が法定更新され、立ち退き計画が大きく遅れることがあります。建替えにはスケジュールがあるため、逆算して早めに準備を始めることが重要です。手続き全体の流れは貸主・地主のための立ち退き完全ガイドで詳しく解説しています。
建替えスケジュールから逆算した立ち退き戦略を
「建替えの着工時期が決まっているが、立ち退きが間に合うか不安」「複数の借主がいて交渉の進め方に悩んでいる」など、計画的な立ち退きをお手伝いします。大阪・関西の貸主・地主の方は、弁護士法人ブライトへ。
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8. 老朽化・建替え立ち退きで貸主が陥りやすい落とし穴
築古物件の建替えを進める貸主・地主が、つまずきやすいポイントを整理します。事前に知っておくことで、交渉の長期化や想定外の負担を避けやすくなります。
- 「古いから当然出ていってもらえる」と考えてしまう:老朽化は一要素にすぎず、客観資料と立退料の検討が欠かせません
- 耐震診断を取らずに「耐震が不安」とだけ主張する:抽象的な不安では正当事由は弱く、診断結果という客観的根拠が必要です
- 立退料をゼロで交渉を始めてしまう:立退料の申出は正当事由を補完する重要要素です。ゼロ提示は交渉を硬直させがちです
- 更新拒絶の通知時期を逃す:法定更新となり、計画が大幅に遅れることがあります
- 借地と建物賃貸借を混同する:朽廃・正当事由の扱いが異なります。契約形態の確認が出発点です
- 複数借主への対応を場当たり的に進める:一部だけ合意して着工できないと、合意済み借主への補償が無駄になることがあります。全体戦略が必要です
立ち退き交渉は、貸主・借主双方に代理人が付くことが多く、知識・準備の差がそのまま条件の差につながりやすい領域です。早い段階で弁護士に相談し、正当事由の見立てと立退料の設計を固めておくことが、円滑な建替えの実現につながります。
9. 関連情報——立ち退き・不動産トラブルの全体像
老朽化・建替えを理由とする立ち退きは、正当事由・立退料・手続きが一連でつながっています。全体像と関連テーマは以下もあわせてご覧ください。
- 立ち退き(明渡し)を求める貸主・地主のための完全ガイド【大阪・関西対応】(クラスターの全体像・手続きの流れ)
- 立退料の相場と決まり方|居住用・店舗・事務所・借地のケース別金額と計算の仕組みを弁護士が解説
- 立ち退きの「正当事由」とは|借地借家法28条の判断要素と認められるケース・認められないケースを弁護士が解説
10. よくある質問(FAQ)
Q1. 「建物が老朽化したから」というだけで立ち退かせられますか?
老朽化は借地借家法28条の「建物の現況」という考慮要素のひとつにすぎず、それだけで正当事由が完成するわけではありません。老朽化の程度を建物診断・耐震診断などで客観的に示し、貸主の使用(建替え)の必要性、借主の不利益、相当な立退料の申出などを総合して正当事由が判断されます。
Q2. 旧耐震基準のビルです。耐震不足を理由に建替えできますか?
旧耐震(1981年5月31日以前の建築確認)の建物で、耐震診断により倒壊の危険性が高いと評価された場合、入居者・近隣の安全確保という公共的な必要性が伴うため、建替えの必要性が高く評価されやすくなります。ただし、耐震改修で対応可能か、借主の使用の必要性はどうか、立退料の申出があるかなどが総合考慮されます。診断結果という客観的根拠を備えることが重要です。
Q3. 収益性を高めるための建替えは正当事由になりますか?
収益向上のみを目的とする建替えは、貸主の経済的利益の追求という側面が強く、正当事由としては弱く評価されがちです。老朽化・耐震性の問題が併存していること、再開発など公共性のある計画に組み込まれていること、相当な立退料を申し出ていることなどが加わると、正当事由が認められやすくなる傾向があります。
Q4. 「朽廃」と「老朽化」はどう違うのですか?
老朽化は建物賃貸借で建物が古くなることを指し、立ち退きには28条の正当事由が必要です。朽廃は、借地上の建物が自然の経過で効用を失い建物としての存在を失う状態を指し、旧借地法では借地権消滅の事由とされる場面がありました。ただし現行の借地借家法では建物の朽廃による借地権の当然消滅は規定されておらず、新法借地では建物が古くなっても借地権が自動的に消えるわけではありません。
Q5. 立退料はどのくらい用意すればよいですか?
立退料は、借家権価格・移転費用・営業補償(店舗等)・賃料差額などを基に算定し、建物の用途や借主の利用実態、地域相場によって大きく変わります。老朽化・耐震不足の事情が強いほど貸主の必要性が高く評価され、相対的に立退料が低めでも正当事由が認められやすくなる傾向があります。具体的な相場は立退料の相場と決まり方の記事をご覧ください。
Q6. 複数の借主がいる建物の建替えはどう進めればよいですか?
複数の借主がいる場合、一部だけ合意しても建替えに着工できなければ、合意済みの借主への補償が無駄になることがあります。全体の立ち退きスケジュールを建替え計画から逆算し、各借主の正当事由・立退料を個別に見立てつつ、全体戦略のもとで交渉を進めることが重要です。早い段階で弁護士に相談し、計画的に進めることをおすすめします。
老朽化・建替えを理由とする立ち退きでお悩みの貸主・地主の方へ
「老朽化で建て替えたいが立ち退かせられるか」「耐震不足を理由にできるか」「立退料をいくら用意すべきか」「複数の借主がいて進め方に悩んでいる」など、貸主・地主の立場でのご相談を承っています。建物・契約の状況を整理し、正当事由の見立てと立退料の設計を含めて、最適な進め方をご提案します。初回相談の費用については、お問い合わせ時にご確認ください。
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監修者情報
監修:弁護士法人ブライト 代表弁護士 和氣 良浩
大阪弁護士会所属。2006年弁護士登録(修習59期)。企業法務・不動産・相続を中心に20年以上の実務経験を持つ。「みんなの法務部」として中小企業・オーナー経営者の法的リスク対応をサポート。契約企業130社以上(実名公開)。
弁護士法人ブライト
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本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、特定の案件に対する法律上のアドバイスではありません。具体的な事情については弁護士にご相談ください。