このページは、ご家族の物語/重症事案で後遺障害の異議申立が2回にわたり認められなかった実例をもとに、賠償金の数字よりも「解決までの経緯」「ブライトの戦略」を中心に記録したものです。本記事は複数の解決事案を再構成した解説記事であり、登場人物の属性・傷病内容・等級・金額・事故状況・時期・関係機関の名称等はすべて実際の事案と異なるように加工しています。実在の依頼者・事案を特定できるものではありません。
📝 この記事の3秒結論
- 重症事案では他事務所との共同代理体制も選択肢
- 後遺障害異議申立は3回目以降は厳しいのが実情
- 自賠責の時効は5年(更新申請可)
- 後遺障害の時効は症状固定から5年
- 訴訟提起での因果関係再争いも視野
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事案の概要

ご依頼者は、数年前に発生した交通事故により骨盤部を中心とする重傷を負われ、後遺障害9級相当の認定を受けました。ご依頼者は60代の女性で、事故当時は無職(専業主婦)でした。本件はご依頼者のご家族(娘様)からのご相談をきっかけに受任したもので、ブライト(担当:和氣良浩弁護士)が、先に依頼を受けていた他の法律事務所と共同代理の形で対応している複雑な重症事案です。相手方は任意保険会社に加入しており、自賠責保険からは傷害部分としてすでに一定額(概算で100万円程度)が支払われています。
ブライトの役割と他事務所共同代理
本件は先行して受任していた他の法律事務所が主導し、ブライトは協力する形での共同代理体制をとっています。共同代理のメリット:
- 専門領域を分担(医療記録の分析はブライト、訴訟戦略は先行事務所)
- セカンドオピニオン的な意見交換が可能
- 依頼者にとって複数の専門事務所によるサポートが得られる
連絡窓口は両事務所間で情報共有ツールを通じて密に共有しています。
ステップ1:時効管理の整理
本件では時効管理が重要となります:
| 区分 | 時効起算点 | 時効の考え方 |
|---|---|---|
| 自賠責(後遺障害) | 症状固定時 | 症状固定から5年(更新申請により延長可能) |
| 後遺障害本体 | 症状固定日 | 症状固定から5年 |
| 傷害部分 | 債務承認時 | 相手方保険会社の最終支払いから起算 |
各時効を意識しながら異議申立・訴訟提起の判断をする必要があります。
ステップ2:異議申立2回失敗の経緯
本件の経緯は次のとおりです:
- 1回目認定:後遺障害9級相当
- 1回目異議申立:認定維持(変更なし)
- 2回目異議申立:認定維持(変更なし)
- 3回目異議申立を検討中
異議申立は新たな医学的根拠・資料を提出しないと認定変更は困難です。本件では以下のような資料の再検討を行っています。
- 通院先医療機関(整形外科・神経系の診療科)の意見書
- 協力医による専門的意見書(参考文献付き)
- 事故以前の身体機能に関する行政資料(介護関連の認定資料)
これらを総合的に分析し、3回目の異議申立または訴訟移行を判断します。
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ステップ3:事故前の身体状況をめぐる論点への対応
事故より前の時期に作成された介護関連の認定資料の中に、身体機能の低下を示唆する記載が一部含まれており、これが大きな論点となっています:
- 身体機能・起居動作に関する項目:事故前の状態に関連する記載
- その他の心身の状態に関する項目:事故前の一般的な記載
- 事故による受傷と、事故前から存在した状態との関係を整理する必要
主治医意見書のうち、今後発生しうる状態やその対処方針を記載する欄の内容が争点となっており、異議申立書において事故前後の状態の違いを丁寧に説明し直す補充が必要となります。
ステップ4:訴訟提起の判断軸
受任時点で、依頼者には「訴訟提起するかどうか検討するよう」お願いしている段階です。判断軸は次のとおりです。
- 異議申立3回目の見込み(現状の資料では厳しい)
- 訴訟での因果関係立証の可能性
- 訴訟費用と回収見込み額のバランス
- 解決までの期間(訴訟に移行する場合はおおむね1〜2年程度)
共同代理を担当する他事務所の弁護士とも連携し、ご家族と慎重に方針を協議する時間をいただいています。
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ステップ5:実費管理(概算で十数万円)
これまでの実費発生状況は次のとおりです:
- 現時点で概算十数万円程度の実費が発生
- 医療記録取得費用
- 意見書作成費用
- 事務所間の連絡・調整に伴う費用
共同代理を行う事務所間で実費を明示・共有することで、依頼者の最終的な費用負担を明確化しています。
ステップ6:弁護士費用特約の限度額管理
本件は弁護士費用特約を利用しており、限度額(一般的な300万円程度)の管理が重要です:
- 共同代理の場合、両事務所の弁護士費用が合算される
- 異議申立を複数回・訴訟提起まで行うと限度額に近づく
- 限度額を超過した分は依頼者の自己負担となる可能性がある
ご家族には「3回目の異議申立または訴訟提起のいずれかに集中する」方向でご検討いただいています。
実施した見通し
受任時点における状況は次のとおりです。
- 異議申立2回が認められず
- 訴訟提起の検討中(ご家族と協議)
- 時効:自賠責・後遺障害ともに症状固定から5年の枠組みで管理
- 共同代理体制を継続
- 解決まで2〜3年程度を想定
重症事案・異議申立連敗のポイント
- 重症事案では他事務所共同代理も選択肢
- 異議申立3回目以降は新資料なしには厳しい
- 時効管理(自賠責5年・後遺障害5年)を厳格に
- 訴訟提起の判断は時期・費用・回収見込みで総合判断
- 弁護士費用特約限度額(一般的に300万円程度)の管理が必須
同じ立場のご家族へ
重症事案で後遺障害認定の結果に納得いかない場合、異議申立だけでなく訴訟移行も視野に入れる必要があります。1事務所での判断が困難な場合、別事務所との共同代理でセカンドオピニオンを得ることも有効です。時効管理は5年と長期にわたるため、焦らず最善の戦略を検討する時間があります。ブライトでは複雑な重症事案も、丁寧に証拠分析と戦略立案を行います。
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監修:松本 洋明 弁護士(弁護士法人ブライト パートナー弁護士)
弁護士歴16年(63期)・元損保側代理人・年間100件超の交通事故案件を担当。重度後遺障害事案、外国籍被害者対応、素因減額の争い、個人事業主の収入立証など複雑事案に多数の実績。本記事は、これまでブライトが取り扱った複数の実際の解決事例をもとに、守秘のため属性・傷病内容・等級・金額・時期・関係機関等を組み替えて再構成したものです。
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