この記事の執筆弁護士
弁護士 松本 洋明(弁護士法人ブライト 交通事故主任)
大阪弁護士会所属(登録2010年・修習63期)。交通事故・後遺障害認定の実務を主任として統括。労災との併用判断や、非該当からの異議申立てによる等級獲得の指揮を多数経験。
この記事の監修弁護士
弁護士 和氣 良浩(弁護士法人ブライト 代表)
大阪弁護士会所属。弁護士法人ブライトを設立し、交通事故・労災・企業法務の3本柱を統括。「みんなの法務部」コンセプトの提唱者として、法律実務の現場感とWeb発信の両立を実践。
最終更新日:2026年5月28日
この記事の結論(30秒でわかる)
- 後遺障害認定とは、交通事故で残った後遺症のうち 自賠責保険から「等級」を付与してもらう手続きです。
- 等級は 1級〜14級。等級が1つ違うだけで賠償金が 数百万〜数千万円 変わります。
- 申請方法には 「事前認定」と「被害者請求」 の2種類があり、後者の方が一般に有利です。
- 非該当でも諦めない。異議申立てで等級獲得・等級アップに成功した事例 がブライトには多数あります。
- 診断書の書かせ方・症状固定のタイミング・労災との併用判断は、後遺障害に習熟した弁護士に早期相談 するのが最善策です。
交通事故で治療を続けても症状が完全には治らない——。そうしたとき、被害者の方を守るために用意されているのが「後遺障害認定」という制度です。後遺障害として等級が認定されると、慰謝料・逸失利益・将来介護費など、賠償金の総額が大きく変わります。
しかし、後遺障害認定は 「症状の重さ」だけ では決まりません。診断書の記載・通院の頻度・申請方法の選択・提出資料の組み立て——これらすべてが噛み合って、初めて等級が認められます。「同じ症状なのに、申請方法を変えただけで等級が上がった」という事例は、実務では珍しくありません。
この記事では、大阪・梅田を拠点に交通事故を取り扱う 弁護士法人ブライト が、後遺障害認定の全体像から等級別の慰謝料相場、異議申立てまで、被害者の方が知っておくべきことを 1ページで完結 するように解説します。
この記事の目次
後遺障害とは何か(後遺症との違い)
後遺障害とは、交通事故によるケガが治療を続けても完全には回復せず、将来にわたって残ってしまった機能障害や神経症状のうち、自賠責保険(または労災保険)の審査機関から「等級」が認定されたものを指します。
後遺症と後遺障害の違い
日常会話で「後遺症」と言うとき、それは「治療しても残った症状」全般を意味します。しかし法律上・賠償実務上は、「後遺症」と「後遺障害」は別物です。
- 後遺症:治療を尽くしても残った症状の総称(医学的概念)
- 後遺障害:後遺症のうち、自賠責保険が「等級」を認めたもの(賠償法上の概念)
つまり、後遺症が残っても 後遺障害として認定されなければ、後遺障害慰謝料も後遺障害逸失利益も請求できません。逆に言えば、後遺障害として認定されるかどうかで、賠償金の額は劇的に変わります。
なぜ等級を認定してもらう必要があるのか
後遺障害として認定されると、次の3種類の損害賠償を上乗せして請求できるようになります。
- 後遺障害慰謝料:後遺障害が残ったこと自体に対する精神的損害
- 後遺障害逸失利益:後遺障害がなければ得られたはずの将来の収入の減少分
- 将来介護費用(重度の場合):介護が必要な場合の将来の介護費用
等級が1つ違うだけで、賠償金の総額が 数百万円から数千万円 単位で変わることも珍しくありません。だからこそ、後遺障害認定は「症状の重さ」と同じくらい 「申請の戦略」が結果を左右 するのです。
後遺障害等級の全体像(1〜14級)
後遺障害等級は、自動車損害賠償保障法施行令の別表に基づき、第1級から第14級まで、症状の重さに応じて14段階に区分されています。
別表第1と別表第2
- 別表第1:介護を要する後遺障害(第1級・第2級)。要介護状態の重度後遺障害が対象。
- 別表第2:それ以外の後遺障害(第1級〜第14級)。可動域制限・神経症状・外貌醜状などが対象。
同じ「1級」でも、別表第1の1級(要介護)と別表第2の1級では、自賠責保険から支払われる金額や、将来介護費用の認定の有無が大きく異なります。重度の脊髄損傷や高次脳機能障害の方は、別表第1の認定を目指すかどうかで賠償額が変わってきます。
等級は「号」でさらに細分化される
たとえば 14級9号(局部に神経症状を残すもの)、12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)のように、各等級はさらに「号」で細分されています。むちうちで多い「14級9号」と「12級13号」は、症状が同じように見えても 他覚的所見の有無 で大きく分かれます。
【CTA①】等級認定が複雑で分からないと感じたら
弁護士法人ブライトでは、症状をお聞きしただけで 「どの等級を狙うべきか」「どの資料を揃えるべきか」 を初回相談で具体的にアドバイスします。
後遺障害認定の流れ(事故→症状固定→申請→認定)
後遺障害認定のおおまかな流れは次のとおりです。
① 治療:症状固定までしっかり通院する
後遺障害認定で最も重要なのが 通院の継続性・頻度 です。事故後すぐに通院をやめてしまったり、通院間隔が空きすぎたりすると、「症状はそれほど重くない」と判断され、認定が遠のきます。とくにむちうちなど他覚的所見が乏しい症状は、通院頻度・期間・自覚症状の一貫性 が認定の核心になります。
② 症状固定:医師が「これ以上良くも悪くもならない」と判断する時点
症状固定の判断は 医師が医学的に行う もので、保険会社が決めるものではありません。早期に症状固定を促されても、治療継続が必要であれば医師と相談しながら判断します。むちうちの場合は事故から6ヶ月以上の通院後に症状固定とされるのが一般的です。
③ 後遺障害診断書の作成
症状固定の判断が出たら、主治医に 後遺障害診断書(自賠責保険の所定様式)を書いてもらいます。この診断書の記載内容が、後遺障害等級の認定を左右する最重要書類です。詳しくは 後遺障害診断書の書き方 をご覧ください。
④ 申請:事前認定 or 被害者請求
後遺障害診断書がそろったら、自賠責保険に対して認定を申請します。申請方法は次の §4 で詳しく解説します。
⑤ 審査・認定
申請後、損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)で書類審査が行われます。通常は 30〜90日 程度で結果が通知されます。難しい事案や重度事案では半年以上かかることもあります。
ブライトの実例として、自賠責14級9号認定・75万円受領済みから12級チャレンジを準備した事例 では、最初の認定結果に納得せず、追加資料を整えて異議申立てに進む戦略を採りました。「一度認定されたら終わり」ではなく、その先の戦略が等級を変えます。
【CTA②】症状固定を保険会社から急かされていませんか
通院打ち切り・症状固定の押し付けは、後遺障害認定の結果に直結します。迷ったらまず弁護士に相談を。
申請方法は2種類(事前認定 vs 被害者請求)
後遺障害認定の申請方法には、「事前認定」 と 「被害者請求」 の2種類があります。どちらを選ぶかで、提出資料の中身・透明性・成功率が変わります。
事前認定と被害者請求の違い(比較表)
【図解3:事前認定 vs 被害者請求 比較表】
| 項目 | 事前認定 | 被害者請求 |
|---|---|---|
| 申請主体 | 相手方(加害者側)任意保険会社 | 被害者本人(または代理人弁護士) |
| 資料準備 | 相手方保険会社が行う | 被害者側で揃える |
| 資料の中身 | 不透明(保険会社任せ) | すべて被害者側で確認可能 |
| 有利な追加資料 | 付けにくい | 意見書・MRI画像・陳述書を自由に添付可 |
| 手間 | 少ない | 多い(弁護士介入で軽減) |
| 等級認定の有利度 | △ | ◎(弁護士が補強できる) |
| 推奨度 | △ | ◎ |
ブライトが「被害者請求」を強く推奨する理由
事前認定は手続きが楽な反面、相手方保険会社が用意した資料だけ で審査されます。後遺障害認定は書面審査ですから、資料の中身が「等級を取りに行く構成」になっていなければ、本来取れるはずの等級も取れません。
ブライトの実例として、物損全損26万円・後遺障害申請を「事前認定→被害者請求」へ切替判断した事例 では、保険会社主導の事前認定では十分な立証が見込めないと判断し、被害者請求に切り替えてブライトが主導で資料整備を行いました。
【CTA③】事前認定か被害者請求か、迷ったら弁護士に
どちらの方法が有利かは、症状・診断書の記載・既存資料の質によって変わります。判断を誤ると等級が下がるリスクがあります。
認定に必要な3つの条件
後遺障害として認定されるためには、概ね次の3つの条件を満たす必要があります。
条件① 医学的所見
症状の存在が 医学的に裏付けられている ことが必要です。骨折・脱臼・神経損傷など、MRI・CT・レントゲンなどの画像所見で確認できる場合は「他覚的所見あり」となり、上位等級(たとえば12級13号)に届きやすくなります。
一方、むちうちのように画像所見では明確に示せない症状でも、神経学的検査(スパーリングテスト、ジャクソンテスト等)の異常、症状の一貫性、通院記録 など、客観性が裏付けられれば14級9号の認定が可能です。
条件② 通院の継続性
事故直後から症状固定まで、継続的に通院しているかが重要です。通院間隔が空きすぎたり、途中で通院をやめたりすると、「症状はそれほど重くない」と判断されます。むちうちの14級認定では、通院期間6ヶ月以上・実通院日数100日前後 が一つの目安とされる実務感覚があります(断定はできません)。
条件③ 労働能力・日常生活への影響
後遺障害は 「労働能力の喪失」 という観点でも評価されます。家事従事者であれば家事の制限、自営業者であれば業務継続の困難など、症状が生活・労働に与える影響を具体的に伝えられるかが鍵です。
等級別の慰謝料・逸失利益(自賠責 vs 赤本基準)
後遺障害が認定されると、次の損害が上乗せされます。
- 後遺障害慰謝料:自賠責保険基準と、弁護士(裁判)基準(いわゆる「赤本基準」)では金額が大きく異なります。
- 後遺障害逸失利益:基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間(ライプニッツ係数)で計算されます。
等級別の慰謝料・労働能力喪失率(早見表)
【図解4:等級別 慰謝料・喪失率 早見表】
| 等級 | 自賠責慰謝料 | 赤本(弁護士)基準慰謝料 | 労働能力喪失率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 1,150万円 | 2,800万円 | 100% |
| 2級 | 998万円 | 2,370万円 | 100% |
| 3級 | 861万円 | 1,990万円 | 100% |
| 4級 | 737万円 | 1,670万円 | 92% |
| 5級 | 618万円 | 1,400万円 | 79% |
| 6級 | 512万円 | 1,180万円 | 67% |
| 7級 | 419万円 | 1,000万円 | 56% |
| 8級 | 331万円 | 830万円 | 45% |
| 9級 | 249万円 | 690万円 | 35% |
| 10級 | 190万円 | 550万円 | 27% |
| 11級 | 136万円 | 420万円 | 20% |
| 12級 | 94万円 | 290万円 | 14% |
| 13級 | 57万円 | 180万円 | 9% |
| 14級 | 32万円 | 110万円 | 5% |
※自賠責は2020年4月以降の事故に適用される基準。赤本基準は『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(日弁連交通事故相談センター東京支部編、令和8年版)による目安。実際の金額は事案により増減します。
逸失利益の計算式(簡易)
後遺障害逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
たとえば、年収500万円のサラリーマン(35歳)が12級13号の後遺障害を残した場合、ライプニッツ係数(67歳までの32年分・年利3%)が約20.39。労働能力喪失率14%として、500万円 × 14% × 20.39 ≒ 約1,427万円 が逸失利益の概算となります。これに後遺障害慰謝料290万円(赤本基準)を加えると、約1,717万円 の上乗せです。
等級が1つ違うとどう変わるか。同じ条件で14級9号(喪失率5%・喪失期間5年・ライプニッツ係数4.58)になると、500万円 × 5% × 4.58 ≒ 約114万円 + 慰謝料110万円 = 約224万円。1,500万円近い差が生まれます。
詳しくは 後遺障害逸失利益の計算方法 をご覧ください。
【CTA⑤】慰謝料・逸失利益を弁護士基準で算定したい方へ
保険会社の提示額は自賠責基準に近いことが多く、弁護士が介入することで 2〜3倍 の金額に増額する事例が多数あります。
後遺障害診断書の書かせ方
後遺障害認定は 書面審査。なかでも 後遺障害診断書 は、等級認定の決め手となる最重要書類です。診断書の内容が薄かったり、必要な記載が抜けていたりすると、本来取れるはずの等級が取れなくなります。
診断書で押さえるべきポイント
- 自覚症状の具体性:「首が痛い」だけでなく、痛みの種類・痛む場所・どんな動作で痛むか・日常生活への影響まで詳細に。
- 他覚的所見の記載:MRI・CT・レントゲンの所見、神経学的検査(スパーリングテスト等)の結果。
- 可動域測定:可動域制限を理由に等級を狙う場合は、健側との比較・参考可動域との対比を明記。
- 症状の一貫性:事故から症状固定まで、症状の経過が一貫しているか。
- 労働能力への影響:仕事・家事への支障を具体的に。
医師に「追記」をお願いするときの注意
診断書の初稿で記載が薄いと感じたら、医師に追記をお願いします。ただし、医師は治療の専門家であって 賠償実務の専門家ではありません。「14級を取りたいので書いてください」と直接的に伝えると、医師に嫌がられることがあります。
ブライトでは、診断書の素案を弁護士がチェックし、医師に 「医学的事実として記載漏れがないか」 を確認してもらう形で追記を依頼します。事実関係をベースにした追記依頼であれば、医師も応じやすくなります。
ブライトの実例として、物損事案でも被害者請求で後遺障害申請可能とした事例 では、医師への診断書作成依頼の段取りと記載指定の方法を弁護士が直接整えました。
認定にかかる期間と費用
期間の目安
申請から認定結果の通知まで、おおよそ 30〜90日 が目安です。事案が複雑な場合(重度後遺障害・高次脳機能障害・神経系後遺障害など)は半年以上かかることもあります。
詳しくは 後遺障害等級認定にかかる期間 で解説しています。
費用の目安
- 後遺障害診断書の作成料:5,000〜10,000円程度(医療機関により異なる。被害者請求が認定された場合は自賠責から支払われる場合あり)
- 診療報酬明細書・画像コピー代:数千円〜1万円程度
- 弁護士費用:弁護士特約があれば自己負担はほぼゼロ。なくても賠償金からの清算が一般的。
多くの方は自動車保険に 弁護士費用特約 を付帯しています。家族の保険にも付帯している場合は使えるケースがありますので、依頼前に必ずご確認ください。費用特約が300万円を超えた場合の自己負担の仕組み・症状固定後の費用設計については、弁護士費用特約が300万円を超えたら自己負担?費用設計を弁護士解説をご参照ください。
等級別の解説記事一覧
各等級ごとに、認定の要件・慰謝料相場・実務上のポイントを詳しく解説しています。
★ 詳細解説(ブライト最新版)
- 後遺障害14級9号 完全解説|認定3条件・12級ステップアップ戦略・主婦/自営業の逸失利益
- 後遺障害12級13号 完全解説|他覚的所見の立証・加齢性変性との闘い・示談交渉戦略
その他の等級・症状別
- 脊髄損傷で1級〜9級(重度後遺障害)の賠償戦略
- 高次脳機能障害で1〜5級が認定された方へ(将来介護費用)
- 後遺障害10級の認定基準と慰謝料
- 後遺障害12級の認定基準と慰謝料
- 後遺障害13級の認定基準と慰謝料
- 後遺障害14級の認定基準と慰謝料
【CTA⑦】自分の症状で何級を狙えるか知りたい方へ
症状別の解説記事一覧
主要な後遺障害の症状別に、認定の分かれ目・慰謝料相場を解説しています。
★ 完全解説(ブライト最新版)
- 腰椎圧迫骨折 完全解説|6級〜14級・8級と11級の分岐・労災併用戦略
- 大腿骨骨折 完全解説|可動域制限・短縮障害・人工関節置換
- 鎖骨骨折・肩関節可動域制限 完全解説|変形治癒+可動域制限の併合認定
- 骨盤骨折 完全解説|変形・神経・尿路系の併合認定で1億円賠償も
- むちうち 14級と12級の分かれ目|他覚的所見の立証戦略
その他の症状別記事
- 腰椎圧迫骨折の慰謝料相場と後遺障害等級|8級・11級の分かれ目
- 胸椎圧迫骨折の慰謝料相場と後遺障害等級|腰椎との違い
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- 鎖骨骨折と肩関節可動域制限の後遺障害等級
- 脊椎・脊髄損傷の等級別慰謝料|麻痺の重さで1級〜9級
- 肋骨骨折の後遺障害等級と慰謝料
- 手首骨折(橈骨遠位端骨折等)の後遺障害等級
- 顔の傷(外貌醜状)の後遺障害等級
手首・外貌醜状・CRPS・高次脳(詳細版)
- 手首骨折(橈骨遠位端骨折・TFCC損傷)の後遺障害 完全解説|8〜12級の認定基準・慰謝料シミュレーション
- 顔面醜状(外貌醜状)の後遺障害等級と慰謝料|瘢痕の大きさで7〜12級が変わる実務の詳細・逸失利益の問題
- CRPS・RSD・カウザルギーの後遺障害等級と慰謝料|複合性局所疼痛症候群の診断基準・7〜12級の認定要件・難治性疼痛の立証方法
- 高次脳機能障害の認定基準と慰謝料|画像所見・神経心理学検査・生活実態の3要素で認定が変わる実務の詳細解説
【CTA⑧】症状別の認定戦略を相談したい方へ
神経・精神系後遺障害(PTSD・うつ・高次脳)
骨折や可動域制限と違い、神経系・精神系の後遺障害 は外から見えづらく、認定難易度が高い領域です。しかし、適切な検査と立証ができれば等級認定は可能で、ブライトでも複数の認定実績があります。
網羅的解説:神経・感覚系後遺障害 完全ガイド(CRPS・嗅覚障害・末梢神経・PTSD・高次脳機能障害・脊髄損傷)
PTSD・うつ病による後遺障害認定
事故のフラッシュバック、不眠、外出困難、抑うつなどが続く場合、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病が後遺障害として認定される可能性があります。ただし、主治医による継続的な診療記録、心理検査、生活実態の客観化 が立証の鍵です。
「PTSD・うつ病で後遺障害にならない」と言われた方は、交通事故後のPTSD・うつ病で「後遺障害にならない」と言われた方へ をご覧ください。立証のために必要な検査と書類の整え方を解説しています。
高次脳機能障害
頭部外傷後の記憶障害・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害などが残った場合、高次脳機能障害として後遺障害等級が認定されます。MRIで明確な脳損傷が映らないケースでも認定された実例があり、高次脳機能障害で「認定されない」と言われた方へ——MRI正常でも認定された立証パターン で詳しく解説しています。
CRPS(複合性局所疼痛症候群)
骨折後の慢性的な激しい痛みが続くCRPSは、認定が極めて難しい症候群の一つです。サーモグラフィ・骨シンチグラフィなど特殊検査による立証が必要です。CRPSが疑われる方は、専門医による検査と早期の弁護士相談を強くお勧めします。
嗅覚障害・味覚障害
頭部外傷で嗅神経・味覚神経が損傷した場合の障害です。T&Tオルファクトメータによる検査や、静脈性嗅覚検査の結果が立証資料となります。
【CTA⑨】神経・精神系の後遺障害でお困りの方へ
PTSD・うつ・高次脳機能障害・CRPSは 専門的な立証戦略 が必要です。ブライトは複数の認定実績があります。
非該当でも諦めない:異議申立て3つの戦略
最初の認定結果が「非該当」「思っていた等級より低い」だった場合でも、異議申立て によって等級獲得・等級アップを目指すことができます。ブライトでは異議申立てで等級が変わった実例を多数経験しています。
網羅的解説:異議申立て3つの戦略 完全解説(戦略の組み合わせ・申請書の書き方・紛争処理機構と訴訟・成功ケーススタディ)
戦略① 医学的所見の追加
最初の申請で提出していなかった画像(MRI追加撮影・別の医療機関での再検査)、神経学的検査、可動域測定の再実施などを追加して提出します。とくに 「他覚的所見がなかった」 として非該当・14級にとどまった場合、追加画像の取得で12級にステップアップする可能性があります。
戦略② 医師の意見書取得
主治医、または症状に応じた専門医(整形外科専門医・脳神経外科専門医・精神科医など)から 医学的意見書 を取得し、症状と事故との因果関係・労働能力への影響を明確に立証します。
戦略③ 陳述書・日常生活の客観化
本人・家族・職場の上司などから 陳述書 を取得し、症状による日常生活・労働への影響を具体的に伝えます。日記・通院記録・家計簿などで生活実態を客観化することも有効です。
異議申立てには「時効管理」が必須
異議申立てに回数制限はありません。ただし、自賠責保険の請求権には消滅時効 があります。2020年4月1日以降に発生した事故の場合、傷害分は事故発生日から3年、後遺障害分は症状固定日から3年 です。ダラダラと異議申立てを繰り返していると、時効で請求権を失うリスクがありますので、時効中断の手続きと並行して進める必要があります。
ブライトの実例として、後遺障害9級10号で異議申立て2回失敗・時効管理 をご覧ください。重症事案で異議申立てを継続しながら、時効中断の手続きを並行で進めた事例です。
【CTA⑩】非該当・等級不満で諦めかけている方へ
「非該当の理由書」を読み込めば、何を補強すれば等級が取れるかが見えてきます。ブライトの異議申立て成功率は 業界トップクラス を目指して取り組んでいます。
ブライトの後遺障害認定 5つの強み
強み① 交通事故主任の松本弁護士(修習63期・登録2010年)が直接担当
後遺障害案件は 経験の差が結果を分ける 分野です。ブライトでは、駆け出しの弁護士に任せきりにせず、交通事故主任の松本洋明弁護士が事件全体を統括します。
強み② 労災と自賠責の併用判断ができる
通勤中・業務中の事故の場合、自賠責だけでなく 労災保険 も使えます。労災と自賠責を併用すると賠償額が増えることがあり、判断には専門知識が必要です。ブライトには労災部部長の笹野皓平弁護士(修習64期)が在籍しており、労災連携のノウハウが豊富です。
関連記事:労災と自賠責の併用判断 / 労災と自賠責を併用して圧迫骨折の慰謝料を最大化
強み③ 異議申立てによる等級アップ実績
「非該当」「想定より低い等級」からの異議申立てで等級が変わった実例を多数経験しています。最初の認定で諦めるのではなく、その先の戦略まで設計します。
強み④ 神経系・精神系の後遺障害に強い
PTSD・うつ病・高次脳機能障害・CRPSなど、立証難易度が高い症状でも認定を目指す立証パターンを蓄積しています。
強み⑤ 大阪・梅田に集中、迅速な対面相談
事務所は大阪・梅田。対面相談はもちろん、遠方の方にはZoom相談も対応します。フットワーク軽く、事故直後から症状固定後の異議申立てまで一貫して伴走します。
ブライトの解決事例
ブライトが実際に取り扱った後遺障害認定の事例(すべて匿名化済み)を一部ご紹介します。
- 重症事案・後遺障害9級10号で異議申立て2回失敗|時効管理
- 自賠責14級9号認定・75万円受領済|12級チャレンジで異議申立て準備
- 物損全損26万円・後遺障害申請を「事前認定→被害者請求」へ切替判断
- 物損事案でも被害者請求で後遺障害申請可能|医師への診断書作成依頼
- 訴訟提起後に既往症の影響を相手保が主張|医学的意見書取得とZoom協議
- 労災後遺障害12級認定後の自賠責申請|労基署保有個人情報開示請求
- 頚椎ヘルニア事案・MRI複数回検査と症状改善経過の細密記録
その他の事例は 交通事故の解決事例一覧 をご覧ください。
【CTA⑪】自分のケースに近い事例を相談したい方へ
よくある質問(FAQ)
Q1. 後遺障害認定は弁護士なしでもできますか?
A. 制度上は被害者本人だけでも申請可能です。ただし、被害者請求では資料準備の負担が大きく、診断書の記載・追加資料の整理など実務面で弁護士の関与が成功率を大きく押し上げます。費用が心配な方は弁護士特約をご確認ください。
Q2. 通院が少ないと14級も取れませんか?
A. 通院頻度・期間は重要な判断要素です。通院が極端に少ないと「症状が軽い」と判断されやすくなります。ただし、通院回数だけで一律に決まるわけではなく、症状の一貫性や他覚的所見との総合判断です。「○回以上通院すれば確実」というような目安は申し上げられません。
Q3. むちうちで12級は取れますか?
A. 12級13号は「局部に頑固な神経症状を残すもの」とされ、他覚的所見(MRIでの神経圧迫所見など)が必要とされる実務感覚があります。MRI所見が乏しいと14級9号にとどまるケースが多く見られます。
Q4. 一度非該当になったら諦めるしかないですか?
A. いいえ。異議申立てに回数制限はありません。「非該当の理由書」を読み込んで、何を補強すれば等級が取れるかを再設計することが重要です。詳しくは §12 をご覧ください。
Q5. 症状固定はいつ判断されますか?
A. 症状固定は 医師が医学的に判断 するもので、保険会社が決めるものではありません。むちうちであれば事故から6ヶ月以上経過してからが一般的です。保険会社から早期の症状固定を促されても、治療継続が必要であれば主治医と相談を。
Q6. 後遺障害認定までいくらかかりますか?
A. 後遺障害診断書の作成料5,000〜10,000円程度、画像・診療記録のコピー代数千円〜1万円程度です。被害者請求で認定された場合、これらの費用は自賠責から精算されることがあります。弁護士費用は弁護士特約の利用や、賠償金からの清算が一般的です。
Q7. 労災と自賠責はどちらを先に申請すべきですか?
A. 通勤災害・業務災害の場合は、労災と自賠責のどちらを先行させるかで結果が変わることがあります。労災を先に使うと自賠責の慰謝料が温存できる場合があり、戦略的に重要な判断です。ブライトでは労災部の笹野弁護士と連携して併用判断を行います。
まとめ:迷ったら早めに弁護士に相談を
後遺障害認定は、症状の重さだけでなく 「申請の戦略」 が結果を大きく左右します。診断書の書かせ方・申請方法の選択・追加資料の整え方——これらは経験のある弁護士でなければ気付かないポイントが多くあります。
「症状固定を急かされている」「保険会社の提示額に納得がいかない」「非該当の通知が届いた」「異議申立てを考えている」——どの段階でも構いません。早ければ早いほど、取れる選択肢は増えます。
弁護士法人ブライトは、大阪・梅田を拠点に、交通事故主任の松本洋明弁護士・労災部部長の笹野皓平弁護士をはじめとする弁護士チームが、後遺障害認定を含む交通事故案件に 事故直後から示談・訴訟まで 一貫してサポートします。
【CTA⑫】交通事故 無料相談
大阪・梅田の弁護士法人ブライト 交通事故主任 松本洋明 弁護士が初回相談を担当します。
※弁護士特約をお持ちの方は自己負担なしで弁護士に依頼できる場合があります。お気軽にご確認ください。
【参考文献】
・『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(日弁連交通事故相談センター東京支部編・令和8年版)
・『後遺障害等級認定と裁判実務』
・『交通事故訴訟における典型後遺障害と損害賠償実務』
・自動車損害賠償保障法施行令 別表第1・別表第2




