【この記事の結論】
追突でアルファードが修理・全損になった場合、代車(レンタカー)の費用は加害者側に請求できます。ただし、加害者側保険会社は「軽やコンパクトカーで十分」という立場を取ることがあります。アルファードは7〜8人乗りのファミリーカーであり、家族全員が乗れない小型車では代替にならない——この事情を具体的に説明できれば、大型ミニバンクラスの代車が認められる場合があります。
また、代車が認められる期間にも上限があります。修理の場合は修理に必要な期間、全損の場合は買い替えに要する相当期間が目安です。認定額が実費を下回るケースも多く、弁護士に依頼して主張を整理することで増額できる場合があります。
代車料(代車使用料)とは:追突被害者が請求できる損害の一つ
交通事故で車が修理・全損になった期間、代わりの車を用意するために発生した費用を代車料(代車使用料)と呼びます。これは民法709条(不法行為)に基づく損害賠償の対象であり、必要性と相当性が認められれば加害者側に請求できます。
代車料が「損害」として認められるためには、主に次の2点が問われます。
- 必要性:代車を使う実際の必要があったこと(「日常的に車を使っていた」「代わりの交通手段がなかった」等)
- 相当性:代車のグレード(大きさ・費用)と使用期間が、事故の状況・被害車両の用途に照らして相当であること
問題は、加害者側の保険会社が「必要性がない」「もっと小さい車で十分」「期間が長すぎる」という反論をしてくることです。この3つが、代車料をめぐるトラブルの定番論点です。
代車料の請求でお困りの方へ
「軽自動車しか出せない」と言われた方、代車期間を短く切られそうな方はご相談ください。
交通事故専用フリーダイヤル:0120-927-113(受付時間:平日9:00〜18:00)
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アルファードは「軽の代車では回らない」:グレードが問題になる理由
アルファードは全長4,995mm・全幅1,850mm(G/Z系)の大型ミニバンです。7〜8人乗りで、チャイルドシート、車いす、大型荷物の搭載に対応した「一家の主力ファミリーカー」として使われていることが多い車種です。
この車両が事故で使えなくなった場合、加害者側の保険会社が提案してくる代車は、コンパクトカーや軽自動車であることがあります。費用を抑えるための保険会社の通常の対応です。
しかし、アルファードを普段の家族の足として使っていた場合、軽やコンパクトでは代替にならないという事情が生じます。
- 子ども2〜3人+チャイルドシート/ジュニアシートを積んだら、残りの座席が足りない
- 高齢の親の乗り降りに、乗降性が高い大型ミニバンでないと対応できない
- 週末の家族7〜8人での移動に小型車では全員が乗れない
- ルーフボックスや大型のベビーカー、折りたたみ車いすを積む必要がある
こうした事情がある場合、実務書において「被害車両と同等クラスの代車」が認められる考え方が示されています。保険実務や交通事故紛争処理センターの判断においても、被害車両の用途・乗車人数・日常の使用実態が重視されます。
ただし「アルファードだから必ず同等クラスが出る」ということではありません。「なぜアルファードと同等の車でなければならないのか」という事情を具体的に説明し、証明できるかどうかが判断の分かれ目になります。
「もう1台持っている」と言われたら:2台持ちでも代車が認められる場合がある
加害者側保険会社からよく言われることの一つが、「他にも車をお持ちですよね?それに乗れるでしょう」という指摘です。2台目の車がある場合、代車の必要性を否定する根拠にされることがあります。
しかし、この主張が必ずしも通るわけではありません。
たとえば、家庭にアルファードとコンパクトカーの2台がある場合を考えてみます。アルファードは「家族全員が乗る日」の主力車であり、コンパクトカーは「一人で通勤・買い物をする日」の車というように、用途が分かれている家庭は少なくありません。
週末に子ども3人と高齢の親を連れてどこかへ行く場合、コンパクトカーに全員は乗れません。アルファードが使えない間、その家族は「家族全員で移動できる手段」を失っているわけです。
このように、「家族全員が乗れる車はアルファード1台だけ」という使用実態があれば、代車の必要性が認められうるという考え方があります。もちろん、実際にどこまで認められるかは事案の具体的な事情によりますが、2台持ちだからといって代車請求を諦める必要はない場合があります。
こうした主張を的確に組み立てるには、弁護士のサポートが有効です。
「他に車があるから代車は不要」と言われた方へ
2台持ちでも代車が認められる場合があります。家族の使用実態とともに、ぜひ一度ご相談ください。
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代車が認められる期間の目安:修理相当期間・買い替え相当期間
代車料が認められる「期間」には、実務上の目安があります。以下の表で修理・全損それぞれの違いを確認してください。
| ケース | 代車期間の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 修理の場合 | 修理に通常必要な期間(損傷度・部品調達状況による) | 修理完了後の超過分は認定されないリスクがある。入庫〜完成の記録が重要 |
| 全損の場合 | 代替車の購入に通常必要な期間(目安:おおむね30日程度) | 特定グレード・カラーへのこだわりで長引いた場合、全期間は認められないことがある |
| 2台持ちの場合 | 「他の車では代替にならない」事情が認められれば請求できる場合がある | 使用実態(7〜8人乗り用途など)を具体的に説明することが必要 |
修理の場合
修理の場合は、修理に通常必要とされる期間が代車期間の目安です。損傷の程度によって変わりますが、一般的には数日〜数週間程度とされることが多いです。
ただし、「修理工場が混んでいて時間がかかった」「部品の入荷待ちがあった」という場合は、その事情が合理的であれば期間が延長されることがあります。他方、実際には修理が終わっているのに代車を長期間使い続けた場合は、超過分が認められないリスクがあります。
アルファードは車体が大きく、修理箇所が多い場合や専門設備が必要な場合は修理期間が長くなることがあります。修理工場から「入庫〜完成」までの日数を記録しておくことが重要です。
全損の場合
全損(修理費が時価を超える場合)の場合は、同種・同程度の代替車を購入するのに通常必要な期間が代車期間の目安とされています。
実務書や裁判例では、全損の場合の代車期間について「おおむね30日程度」を目安とする考え方が示されています(事案によって異なります)。アルファードのような人気車種は在庫状況が良い場合が多いですが、特定のグレード・カラーへのこだわりがあって納車が長引いた場合、全ての期間が認められるとは限りません。
なお、全損かどうか(修理すべきか買い替えすべきか)の判断基準や時価額の争い方については、別途「アルファードが全損になったら|リセールを反映した時価額の争い方」で詳しく解説しています。
「認定額が実費を下回る」問題:レンタカー費用と保険会社の支払額の差
代車料のトラブルで被害者が見落としがちなのが、実際のレンタカー費用と保険会社が「認定」する金額の差です。
大型ミニバン(アルファード相当)のレンタカー費用は、日額1万円〜2万円程度になることがあります。ところが加害者側保険会社は「当社の提携レンタカーであればコンパクトカーで◯日分を支払う」という提案をしてくることがあります。
被害者が自分で手配したレンタカーが大型ミニバンだった場合、その費用全額が認められるとは限りません。実務書では「被害車両と同程度の車種・グレードの代車費用が相当」という整理がされていますが、保険会社との交渉でどこまで認めさせられるかは事案の事情によります。
この差を埋めるために弁護士が行うのは、主に次の点の主張整理です。
- アルファードの日常的な使用実態(乗車人数・頻度・用途)の具体的な説明
- 代替が効かない理由(家族全員が乗れる手段の欠如)の主張
- 実際のレンタカー費用の領収書・請求書の整理と提出
- 修理工場または買い替え先からの入庫〜完成(または納車)の記録
過失ゼロ(10対0)の追突でも、被害者は保険会社と一人で戦う構造になっている
アルファードへの追突は、後続車が一方的に前方車に衝突するケースが多く、過失割合は「加害者100:被害者0」が原則です。
しかし、過失ゼロの事故には落とし穴があります。
被害者側の自動車保険の「示談代行サービス」は、双方に過失がある事故でのみ利用できます。過失ゼロの被害者は、自分の保険会社に代わりに交渉してもらうことができません(弁護士法第72条の非弁活動禁止の関係)。
結果として、代車の問題も含め、加害者側の保険会社と被害者が直接対峙することになります。保険会社の担当者は日々多数の案件を処理するプロです。代車のグレードを下げ、期間を短く設定し、認定額を圧縮しようとする傾向があります。
弁護士費用特約(弁特)を使えば、自己負担なく弁護士に依頼できます。弁特がない場合でも、交通事故の弁護士費用は完全成功報酬制を設ける事務所があり、示談前にご相談いただくことが可能です。
なお、アルファードに同乗していたご家族も、運転者の保険に付帯する弁護士費用特約を使えることがある点については、スポーク①「アルファードの追突事故、同乗していたご家族も弁護士費用特約が使える場合があります」で詳しく解説しています。
過失ゼロなのに代車の交渉で困っている方へ
追突(過失ゼロ)の場合、ご自身の保険会社は示談交渉を代行してくれません。弁護士が代わって交渉します。
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代車を借りなかった場合も「休車損害」として請求できる場合がある
実は、代車を実際に借りていなかった場合でも、損害賠償を請求できる場合があります。これを休車損害と呼ぶことがあります。
たとえば、アルファードを仕事やビジネスの用途(取引先への移動、送迎業務等)でも使っていた場合、修理・全損期間中に業務が制限されたことで収入が減少したと主張できる場合があります。
また、代車を借りるための費用を節約して自転車や電車で対応した場合、その移動に要した実費(交通費)を請求する余地がある場合もあります。
ただし、個人のファミリー用途のみでアルファードを使っていた場合は、休車損害として具体的な収入減を主張することは難しくなります。状況によって異なりますので、弁護士にご相談ください。
代車と合わせて確認したい:評価損・全損の請求
アルファードが追突された場合、代車の問題と合わせて争点になりやすいのが評価損(格落ち損害)と全損・時価額の問題です。
評価損とは
修理しても事故歴が残り、車の市場価値が下がる分の損害です。アルファードはリセールバリューが高い人気車種であるため、評価損の金額も相当になる場合があります。評価損の請求方法については、「アルファードを追突された|評価損(格落ち)の請求方法」で詳しく解説しています。
全損とは
修理費が車の時価を超える場合、保険実務では「全損」として扱われ、修理ではなく買い替えを前提とした損害賠償となります。この場合、保険会社が提示する時価額(事故前の車の価値)が実際のリセール相場を下回ることがあり、争いになりやすいです。アルファードの全損・時価額の争い方は「アルファードが全損になったら|リセールを反映した時価額の争い方」で詳しく解説します。
弁護士法人ブライトに依頼するメリット
代車料の交渉に弁護士が介入することで、次のような効果が期待できます。
- 代車のグレードと期間の主張を整理:使用実態(家族の乗車人数・用途・頻度)を具体的に文書化し、保険会社に対して根拠をもって主張します。
- 保険会社との交渉を代理:過失ゼロの追突事故では、ご自身の保険会社が示談を代行しません。弁護士が加害者側保険会社と直接交渉します。
- 代車以外の損害も一括して請求:評価損・修理費・慰謝料・休業損害など、全体の損害を整理して適正な賠償金を目指します。
- 弁護士費用特約の活用:弁護士費用特約(弁特)をお持ちであれば、自己負担なく依頼できます。特約がない場合も、完全成功報酬制での対応についてご相談いただけます。
弁護士法人ブライトは、交通事故案件を長年にわたって扱ってきた弁護士が在籍しています。交通事故主任の松本洋明弁護士(修習63期)を中心に、保険会社との交渉・訴訟対応の実務知識を持つチームで対応します。
弁護士歴平均14年以上の弁護士が揃っており、交通事故から労災連携(通勤中の事故も含む)まで、複合的な案件にも対応しています。
弁護士法人ブライトへの無料相談
代車の問題、評価損、慰謝料の増額——追突被害の全体像を弁護士が無料でご相談をお受けします。
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よくあるご質問(FAQ)
Q1. 追突されたのに加害者側保険会社が「軽自動車しか出せない」と言います。どうすればよいですか?
保険会社はコストを抑えるため、小型車を提案することがあります。ただし、アルファードを家族全員(7〜8人)の移動手段として日常的に使っていた場合など、代替が効かない事情がある場合は、大型ミニバンクラスの代車が認められる場合があります。「なぜ大型車でないと代替にならないのか」を具体的に説明し、必要であれば弁護士を通じて交渉することをお勧めします。
Q2. 代車を借りずに電車・タクシーで対応しました。費用は請求できますか?
代車を借りずに公共交通機関やタクシーを利用した場合、その実費(領収書ベース)を交通費として請求できる場合があります。ただし、代車を借りた場合と比較して必要性・相当性の判断は事案によって異なります。領収書はできる限り保存しておいてください。
Q3. 修理が長引いているのですが、代車を使い続けて大丈夫ですか?
修理完了まで代車が必要という状況であれば、修理に実際に必要な期間分は認められる可能性があります。ただし、修理工場の混雑など特別な事情がある場合は、その記録(修理工場からの書類等)を残しておくことが重要です。修理が完了しているのに代車を長期間使い続けると、超過分の認定は難しくなります。
Q4. 全損になった場合、新車が納車されるまで代車を使い続けられますか?
全損の場合は「代替車を購入するのに通常必要な期間」が認められる考え方があります。実務書ではおおむね30日程度を目安とする考え方が示されることがありますが、車種の在庫状況や事情によって異なります。納車が長引いた理由(在庫不足・特注等)の説明資料を保険会社に提出することが有効な場合があります。
Q5. 弁護士費用特約(弁特)がない場合でも相談できますか?
はい。弁護士費用特約がない場合でも、完全成功報酬制での対応について初回無料相談でご説明できます。代車以外の損害(慰謝料・評価損・修理費など)全体の増額効果と弁護士費用を比較して、依頼すべきかどうかを判断していただけます。
Q6. アルファードを2台持ちの場合でも代車が認められますか?
2台目の車があれば代車の必要性が否定されるとは限りません。「家族全員(7〜8人)が乗れる車はアルファードだけ」という使用実態がある場合は、もう1台の車では対応できない場面がある、という事情を具体的に説明することで代車の必要性が認められる場合があります。事案の詳細をお聞かせください。
Q7. 代車の費用が保険会社の認定額より高くなってしまいました。差額を請求できますか?
保険会社が「同等の代替車を提供する義務を果たすために必要な費用」として認定する金額と、実際のレンタカー費用の差は、事案によって争いになります。被害車両と同等クラスの代車費用であれば認められる可能性がありますが、明らかに過大なグレードの代車費用は減額される可能性があります。領収書と借用伝票は必ず保管してください。
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アルファードの追突被害には、代車以外にも複数の論点があります。以下の記事と合わせてご確認ください。
まとめ:アルファードの代車、諦める前に弁護士に相談を
追突でアルファードが使えなくなった場合の代車(代車使用料)の請求ポイントをまとめます。
- 代車料は加害者側に請求できる正当な損害ですが、「必要性」と「相当性(グレード・期間)」が問われます。
- アルファードは7〜8人乗りのファミリーカー。家族全員が乗れない小型車では代替にならない事情があれば、同等クラスの大型ミニバンが認められる場合があります。
- 2台持ちの場合でも「家族全員が乗れる車はアルファード1台」という事情があれば代車の必要性が認められる場合があります。
- 代車が認められる期間は、修理の場合は修理完了まで、全損の場合は買い替えに要する相当期間が目安です。
- 保険会社の認定額が実費を下回る場合は、弁護士を通じて主張を整理することで増額できる場合があります。
- 過失ゼロ(10対0)の追突では、ご自身の保険会社が示談交渉を代行しません。弁護士費用特約を使えれば自己負担なく弁護士に依頼できます。
弁護士法人ブライトでは、交通事故専用の無料相談窓口をご用意しています。代車の問題だけでなく、慰謝料・評価損・全損・後遺障害等、追突被害の全体について弁護士がご相談をお受けします。
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執筆・監修弁護士のご紹介
松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。修習63期(登録2010年)。交通事故・後遺障害認定・保険会社との交渉を主に担当。弁護士費用特約を活用した保険会社との交渉を多数手がけてきた。
和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表。交通事故・企業法務・労働問題など幅広い分野で活動。顧問先130社以上(実名公開)。弁護士歴平均14年以上の弁護士が揃うブライトを、交通事故被害者を全力でサポートする法律事務所として牽引する。




