このページは、自転車同士の出会い頭事故で既往の膝関節症が悪化した実例を、賠償金の数字よりも「解決までの経緯」「ブライトの戦略」「ご依頼者の道のり」を中心に記録したものです(本記事は複数の解決事案を再構成した解説記事です。登場人物の属性・金額・事故場所等は実際の事案と異なります)。
📝 この記事の3秒結論
- 自転車同士の事故も四輪車同士の判タ【104】20:80を準用可能
- 既往の持病(変形性膝関節症等)が事故で悪化した場合も損害賠償請求可能
- 加害者が学生(学校加入の自転車保険)の場合、保険会社窓口一本化が原則
- 弁特なし+事故から間もない段階でも、専門性の高い論点があれば相談をお受けする方針
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
事故の概要

ご依頼者様は30代の女性で、自営業として活動されており、持病の変形性膝関節症をお持ちでした。普段は自転車での移動で特に支障はありませんでしたが、ある日、信号のない交差点で優先道路を自転車直進中、十字路右側から一時停止標識を無視した自転車が左折で進入してきて、右横に接触しました。
ご依頼者様は転倒は何とか踏ん張って回避できたものの、持病の膝関節症が悪化。その日以降、歩行が困難になり杖での生活を余儀なくされました。
なぜブライトに依頼したか
ご依頼者様は、事故から間もない段階でのご相談でした。しかも以下の条件が重なっていました:
- 弁特なし(自動車保険を所有していなかった)
- 加害者は学生で学校加入の自転車保険のみ
- 相手保提示は30:70で納得できない
通常なら受任が難しい条件でしたが、既往症の特殊性と判タ類推適用という専門性の高い論点があったため、事案の重要性を鑑みて相談をお受けし、戦略を整理することにしました。
自転車同士の事故における基本の過失割合の主張
別冊判例タイムズは38号から39号へ改訂され、39号では新たに「自転車同士の事故」を扱う章(第6章)が設けられました。旧38号の時代には自転車同士の事故について明文の基本図表がなく、実務上は構造が類似する四輪車同士の基準(信号のない交差点・一方に一時停止規制がある事案類型)を参考にする運用が一般的でした。本件は、相手方の自転車が一時停止規制を無視したうえで左折で進入してきたという事案です。当方は、相手方の一時停止無視という基本的な注意義務違反に加え、回避が困難な左折進入という事故態様も踏まえ、基本割合である「相手方80:当方20」から当方の過失をさらに重く見る理由はないとして、基本割合通りの過失割合を主張しました。
| 自転車同士の事故の基本的な考え方 | 一時停止無視側80:優先側20 |
| 本件主張 | 相手方80:当方20 |
| 相手保提示 | 相手方70:当方30 |
「相手方は一時停止規制を無視したうえ、さらに回避が困難な左折という動きで進入してきており、当方の過失を基本割合より重く見る理由はない」と主張し、相手方保険会社の提示(相手方70:当方30)は基本となる過失割合の考え方を十分に反映していないとして争いました。
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既往症(膝関節症)と事故の因果関係
持病の変形性膝関節症が「事故で悪化した」ことを立証するには:
- 事故前のご依頼者様の生活状況(自転車移動可能、杖不要)を陳述書化
- 事故後すぐに整形外科を受診したカルテ記載で因果関係を担保
- 主治医に「事故が膝関節症の症状悪化のトリガーになった」旨の意見書を依頼
- 杖生活の様子・歩行困難の動画証拠も検討
既往症がある場合、相手方は「事故がなくてもいずれ悪化していた」と主張しがちですが、「事故で悪化した分は相手方の責任」という主張軸を組み立てます。
学校加入の自転車保険との交渉
加害者は学生で、保険は学校が加入している自転車保険(賠償責任保険)のみでした。学校保険は対応窓口が独特で、保険会社の事故担当者を通じて進めるのが原則。ご依頼者様からは「直接学校の先生や保険代理店に連絡してもいいか」とのお問い合わせがありましたが、ブライトからは:
- 窓口一本化の原則(保険会社の指示)に従う方が交渉が進む
- 学校・先生に直接連絡すると個人情報問題や心証悪化のリスク
- 正規ルート(保険会社→学校→生徒側)で時間はかかるが確実
とご説明し、保険会社経由で進めた方針で整理しました。
弁特なしでも受任すべきか
本件は弁特なし+事故から間もない段階という、通常なら受任困難な条件でした。しかしブライトでは「既往症の特殊論点が他事務所では扱いにくい」「判タ類推適用という専門性の高い法的争点がある」という観点から、相談はお受けする判断をしました。
受任後の費用回収可能性を依頼者と率直に共有しつつ、事案の特殊性に応じた費用設計(成功報酬比率の調整等)も検討しました。
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実施した見通し
本件は現在実施した事案です。判タ【104】準用の主張+既往症因果関係の医学的立証で、過失割合は20:80に近づける戦略です。ご依頼者様の杖生活が「事故由来」として認められれば、慰謝料・休業損害・将来の治療費に大きく反映されます。
同じ立場の方へ
自転車同士の事故、既往症の悪化、学生の加害者——どれも一見「補償が薄そう」と思える事案ですが、適切な戦略で実質的な賠償を確保できます。既往症がある方の事故は「事故がなければ起きていなかった悪化」を医学的に立証することがポイントです。早めに弁護士にご相談ください。
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監修:松本 洋明 弁護士(弁護士法人ブライト パートナー弁護士)
弁護士歴16年(63期)・元損保側代理人・年間100件超の交通事故案件を担当。重度後遺障害事案、外国籍被害者対応、素因減額の争い、個人事業主の収入立証など複雑事案に多数の実績。本記事は複数の解決事例を基に再構成した解説記事です(登場人物・属性・金額等は実際の事案と異なります)。
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