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後遺障害14級の慰謝料相場|自賠責・任意・弁護士基準の差額と増額のポイント

この記事の執筆弁護士

弁護士 松本 洋明(まつもと ひろあき)

弁護士登録2010年・修習63期・交通事故チーム主任

監修弁護士

弁護士 和氣 良浩(わけ よしひろ)

弁護士法人ブライト 代表弁護士

この記事のポイント

  • 後遺障害14級の慰謝料は自賠責基準75万円・弁護士(裁判)基準110万円と最大35万円の差がある
  • むちうち14級9号では弁護士介入で逸失利益含め総額100万〜200万円以上の増額が見込める
  • 保険会社の示談提示は自賠責基準か任意保険基準のため、弁護士に相談するだけで大幅増額になることが多い
  • 着手金0円・完全成功報酬制で依頼できる(弁護士費用特約があれば実質無料)

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後遺障害14級とはどのような等級か

後遺障害14級は、自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づく後遺障害等級表の中で最も軽い等級(1〜14級)にあたります。交通事故の後遺障害認定の中でも件数が最も多く、むちうち(頚椎捻挫)の神経症状が代表的です。

等級14級に該当する代表的な傷病と号(号数)は以下のとおりです。

号数 内容(自賠責保険後遺障害等級表より) 代表例
14級1号 1眼のまぶたに著しいくぼみを残すもの 眼部外傷後のくぼみ
14級5号 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの 内臓損傷後の軽度機能障害
14級9号 局部に神経症状を残すもの むちうち・頚椎捻挫後の痛みやしびれ

交通事故被害者の大多数が該当するのは14級9号(局部に神経症状を残すもの)です。自賠責保険の認定実務では、医学的に証明できる他覚所見(MRI・CT画像)がなくても、自覚症状が一貫して記録されており、画像で説明できる神経学的所見がある場合に認定されます(12級13号との違いは「証明」と「説明」の差にあります)。

後遺障害14級の慰謝料相場|3基準の比較

後遺障害慰謝料には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士(裁判)基準」の3つの基準があります。保険会社から示談書が届いた場合、多くは自賠責基準か任意保険基準での提示です。弁護士が交渉すると弁護士基準が適用されます。

※ここでいう「自賠責基準」は、自賠責保険が被害者へ支払う損害賠償額(慰謝料・逸失利益など損害全体)の支払い上限額のことを指しています。後遺障害慰謝料の純粋な算定額は別途計算されますが、実務上は自賠責の支払い上限額が初回示談の「目安」として機能しています。

基準 後遺障害損害賠償の目安 特徴
自賠責基準(支払い上限額) 75万円 法定の支払い上限。慰謝料・逸失利益等を含む損害全体の上限
任意保険基準 75万〜90万円程度 保険会社独自基準。自賠責基準と同等かやや上
弁護士(裁判)基準 後遺障害慰謝料110万円+逸失利益 裁判所が採用する基準。後遺障害慰謝料110万円に加え逸失利益を別途計算(民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準)

弁護士基準では後遺障害慰謝料110万円に加えて逸失利益が別途認められるため、自賠責の上限75万円と比べると総額で大きな差が生まれます。弁護士介入によるトータルの増額幅は100万円を超えることが珍しくありません。

入通院慰謝料の相場(弁護士基準)

後遺障害慰謝料とは別に、事故から症状固定日までの入院・通院期間に対して「入通院慰謝料」が支払われます。むちうち(他覚所見なし)の場合は別表Ⅱが適用されます。

通院期間(月数) 弁護士基準(別表Ⅱ) 自賠責基準目安
3ヶ月 53万円 約19.2万円
4ヶ月 67万円 約25.6万円
5ヶ月 79万円 約32万円
6ヶ月 89万円 約38.4万円

自賠責基準では通院1日あたり4,300円(2020年4月以降の事故)として計算されるため、通院頻度が低いと大幅に下がります。弁護士基準では実通院日数ではなく通院期間を基礎に算定するため、通院間隔が開いても減額リスクが低くなります。

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逸失利益の計算方法と相場

後遺障害14級が認定されると、後遺障害慰謝料に加えて「逸失利益」も請求できます。逸失利益とは、後遺障害によって将来の収入が減少する損害のことです。

14級9号の逸失利益計算式:

基礎収入 × 労働能力喪失率(5%)× ライプニッツ係数(就労可能年数に対応)

労働能力喪失率は自賠責保険の基準で14級が5%とされています。ただし、保険会社は「5年」「3年」など短い期間しか認めないことが多く、ここが弁護士交渉で最も争われるポイントです。

※ライプニッツ係数は改正民法3%基準(2020年4月以降の事故に適用)

年齢・収入 保険会社提示(3〜5年) 弁護士基準(5〜10年)
30代・年収400万円 約54万〜92万円(3年係数2.8286・5年係数4.5797) 約92万〜183万円(5〜10年・係数4.5797〜8.5302)
40代・年収500万円 約68万〜115万円 約115万〜229万円
50代・年収600万円 約81万〜138万円 約138万〜213万円

ブライトが担当した案件では、保険会社が「3年間・5%」のみを提示してきたケースで、交渉により「5〜7年間」に延長し、逸失利益だけで80万〜100万円の増額を実現した例があります(匿名化済・個別案件のため参考値)。

弁護士介入で変わる示談額の全体像

後遺障害14級(むちうち・6ヶ月通院)の典型例で、弁護士介入前後の金額差を示します。

損害項目 保険会社提示(自賠責基準) 弁護士交渉後(弁護士基準)
入通院慰謝料 約38万円 約89万円
後遺障害慰謝料 75万円 110万円
逸失利益(5年→7年・年収400万円・3%ライプニッツ) 約92万円(5年・係数4.5797) 約128万円(7年・係数6.2303)
合計 約220万円 約327万円

この例では差額が約141万円。弁護士費用(成功報酬)を差し引いても、依頼者の手元に残る金額は増加します。弁護士費用特約(LAC)を使用する場合は保険会社が弁護士費用を負担するため、被害者の実質負担はゼロになります。

後遺障害14級の認定を受けやすくするための注意点

1. 症状を記録し続ける

14級認定の鍵は「一貫した症状の記録」です。整形外科や神科で毎月症状を申告し、診断書・カルテに記録してもらうことが重要です。ブライトが経験した案件でも、通院間隔が2ヶ月以上空くと保険会社から「症状が軽快した」と判断されるリスクが高まりました。

2. 整骨院だけでなく整形外科にも通院する

後遺障害診断書は整形外科医が作成します。整骨院のみに通院していた場合、後遺障害診断書の記載が薄くなりがちです。症状固定に向けて整形外科での定期受診を維持することが重要です。

3. 症状固定のタイミングを慎重に判断する

症状固定は「これ以上治療を続けても症状が改善しない状態」であり、保険会社が治療費打ち切りを提案する時点と必ずしも一致しません。ブライトが関与した案件では、保険会社が「事故から3ヶ月で打ち切りたい」と申し出てきた場面で、弁護士が主治医と連携して症状固定時期を延長交渉し、最終的に6ヶ月通院を確保した事例があります(Slack実案件より抽象化・匿名化済)。

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自賠責申請の方法|事前認定と被害者請求の違い

後遺障害等級の申請には2つのルートがあります。

方法 手続き メリット デメリット
事前認定(加害者請求) 相手保険会社が代行 手間がかからない 提出書類を被害者側で管理できない
被害者請求 被害者本人が損害保険料率算出機構(自賠責調査事務所)へ直接申請 提出書類を自分で選択できる・追加資料を添付できる 手続きが煩雑

弁護士が関与する場合は、基本的に被害者請求を選択し、MRI画像・医師の意見書・通院記録などを適切に整えた上で申請します。申請書類の内容次第で認定結果が変わる可能性があるため、重要な局面です。

異議申立で等級を上げられるケース

一度14級が認定されても、異議申立によって上位等級(12級13号など)を狙うことができます。14級から12級への格上げに成功した場合、後遺障害慰謝料だけで110万円→290万円(弁護士基準)と180万円の増額が見込めます。

異議申立が認められやすいのは以下のケースです。

  • 初回申請時にMRI画像を提出しなかった
  • 新たに神経学的所見(徒手筋力検査・スパーリングテスト等)が加わった
  • 医師の意見書で「画像所見と症状の整合性」を追加説明できる

消滅時効に注意(2020年改正民法)

交通事故の損害賠償請求権には時効があります。2020年4月1日以降の事故については改正民法724条の2が適用され、人身傷害(後遺障害を含む)の損害賠償請求権は「損害及び加害者を知った時から5年」が時効です。

  • 傷害分:事故発生日から5年
  • 後遺障害分:症状固定日から5年
  • 物損部分:事故発生日から3年(改正対象外)

2020年3月31日以前の事故は旧法が適用され、傷害・後遺障害ともに3年です。症状固定後に示談交渉が長引いたり、そのまま放置していると時効成立のリスクがあります。

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後遺障害14級のよくある疑問(FAQ)

Q1. むちうちは必ず14級に認定されますか?

いいえ。むちうち(頚椎捻挫)でも、症状の一貫性・通院頻度・医師の記録が不十分な場合は「非該当」と判断されることがあります。認定には継続的な通院記録と後遺障害診断書の記載が重要です。

Q2. 14級9号の認定には画像所見(MRI)が必要ですか?

14級9号は「画像で説明できない神経症状」も対象です(12級13号は画像で証明できることが必要)。ただしMRI撮影を受けることで、神経圧迫の可能性を示す所見が得られ、14級認定の信頼性が高まります。必ず撮影を受けることを推奨します。

Q3. 弁護士費用特約がない場合でも依頼できますか?

はい。弁護士法人ブライトでは着手金0円・完全成功報酬制でお受けしています。弁護士費用は増額分の中から支払うため、費用倒れのリスクを最小化できます(ただし、増額額が少額の軽微事故・弁護士費用特約なしの場合は費用倒れになる可能性があります。初回相談でご説明します)。

Q4. 保険会社が「弁護士を立てても変わらない」と言っています。本当ですか?

一般的に誤りです。後遺障害慰謝料・入通院慰謝料・逸失利益はいずれも自賠責基準と弁護士基準で差があります。特に逸失利益の認定期間(年数)は保険会社と弁護士で大きく差が出やすい項目です。

Q5. 示談書にサインした後でも弁護士に相談できますか?

示談書への署名・捺印後は原則として示談の効力が生じ、後から増額交渉はできません。「示談を急かされている」「金額が低いと感じる」場合は、サイン前に必ず弁護士に相談してください。

Q6. 自転車事故でも後遺障害14級になりますか?

はい。相手が自動車・自転車であっても、事故で神経症状が残存した場合は後遺障害14級の申請対象となります。ただし自賠責保険は自動車・原付に適用されるため、相手が自転車の場合は相手の任意保険や自身の人身傷害保険を使うことになります。

Q7. 通勤途中の事故で後遺障害14級になった場合、労災も使えますか?

はい。通勤中(合理的な経路・方法)の交通事故は、相手方への損害賠償請求と同時に労災保険(通勤災害)の申請も可能です。労災保険給付と損害賠償は調整(填補)関係にありますが、弁護士が適切に整理することで受取総額を最大化できます。詳しくは後遺障害認定の基礎知識もご参照ください。

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まとめ

後遺障害14級の慰謝料は、自賠責基準75万円・弁護士(裁判)基準110万円と35万円の差があります。逸失利益・入通院慰謝料を含めた総額では、弁護士介入によって100万〜200万円以上の増額が実現できるケースが多くあります。

保険会社からの示談提示はほぼ例外なく自賠責基準か任意保険基準です。弁護士基準での示談額を知らずにサインすると、本来受け取れた金額を失うことになります。

弁護士法人ブライトの交通事故チームは、松本洋明弁護士(修習63期・登録2010年)を主任として、交通事故被害者の慰謝料増額・後遺障害等級申請をサポートしています。着手金0円・完全成功報酬制のため、まずはお気軽にご相談ください。

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  • この記事を書いた人

代表弁護士:和氣 良浩

弁護士法人ブライト代表弁護士: 2006年に独立開業してから交通事故被害の回復に努めてきました。これまで1000件を超える交通事故を解決して参りましたが、被害者が低い賠償金で納得させられているケースをたくさん見てきました。 一人でも多くの被害者が適切な補償を受けられるように情報発信を行っています。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。

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  • 代表弁護士 和氣良浩

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事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 0120-931-501(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

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