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交通事故の治療費打ち切り通告|「まだ痛いのに見捨てられる」その前に弁護士が入れる時間軸がある

この記事の執筆・監修

執筆:松本 洋明 弁護士(弁護士16年目・交通事故部主任/弁護士法人ブライト)
交通事故被害者の示談交渉・訴訟を専門に担当。治療費打ち切りへの対応・後遺障害等級申請・慰謝料増額交渉を数多く手がける。

監修:和氣 良浩 弁護士(代表/弁護士法人ブライト)
顧問先130社以上の実名を公開する総合法律事務所を率いる代表。弁護士歴平均14年以上のチームで企業・個人双方の法的問題に対応。

この記事の結論

  • 「打ち切りを通告された後」より「通告される前・通告された直後」に弁護士が入ると、できることが構造的に違う。
  • 打ち切り前なら「症状固定時期のコントロール」「主治医への意見書依頼」「MRI再撮影の根拠づくり」が可能。後遺障害等級と最終賠償額に直結する。
  • 打ち切りを受け入れてしまった後は「交渉の余地を保険会社側に握られた状態」からのスタートになる。
  • 弁護士費用は完全成功報酬型(着手金なし・回収できた金額に応じた成功報酬のみ)。費用倒れのリスクを相談時に確認できる。

「保険会社から”そろそろ治療費を打ち切ります”という連絡が来そうで怖い」——このページに辿り着いたあなたは今、まさにその不安の中にいると思います。

まだ痛みは残っているのに、経済的な理由で通院をやめざるを得なくなるのではないか。後遺障害として認定してもらえないのではないか。そういった恐怖は、交通事故被害者として正当な不安です。

ただ、一つだけ先に伝えます。「打ち切りを通告された」その瞬間に相談するより、通告が来る前に動いた方がはるかに多くのことができます。弁護士がついてからでは、できることが限られます。その「前」なら、まだ有利に進められます。

弁護士16年目の松本が、治療費打ち切り問題の実務を解説します。

治療費打ち切りが心配なら、まず相談ください(相談は無料
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「打ち切り通告」があなたに突きつけている現実——状況を数字で整理する

まず、今あなたが置かれている状況を数字で整理します。

保険会社が「治療費の打ち切り」を切り出してくる時期は、傷病の種類によって一定のパターンがあります。

傷病の種類 打ち切り通告の時期(目安) 医学的な症状固定目安
むちうち・打撲・腰部捻挫 事故から3ヶ月 3〜6ヶ月
骨折(上肢・下肢) 事故から6ヶ月 6〜12ヶ月
腰椎圧迫骨折・脊椎骨折 事故から6〜12ヶ月 6〜18ヶ月
高次脳機能障害・脊髄損傷 事故から12〜18ヶ月 1〜2年以上

「3ヶ月で通院できなくなる」——これは保険会社のコスト管理上の都合であり、医学的に「3ヶ月で治る」という根拠ではありません。

症状固定を決めるのは主治医です。保険会社ではありません。これは民事上の損害賠償実務における確立した原則です。

問題は、「打ち切り通告が来た」という事実そのものではなく、その後あなたがどう動くかによって、最終的な賠償額が数十万円から数百万円変わってくることです。次の数字を見てください。

打ち切り受け入れ vs 適切な対応——後遺障害等級と賠償額の差(概算)

例:むちうち(頚椎捻挫)で3ヶ月に打ち切りを受け入れた場合

  • 後遺障害等級:非該当(等級なし)の可能性が高い
  • 傷害慰謝料:約38万円(自賠責基準・3ヶ月通院)〜約53万円(弁護士基準・むちうち別表II)
  • 逸失利益:なし
  • 受け取れる賠償額の目安:数十万円台

弁護士介入・適切な通院継続で6ヶ月後に14級9号が認定された場合

  • 後遺障害等級:14級9号(労働能力喪失率5%・実務標準5年)
  • 後遺障害慰謝料(弁護士基準):110万円
  • 逸失利益(年収400万円・5年・3%ライプニッツ4.5797):約91万円
  • 傷害慰謝料(弁護士基準・6ヶ月通院):約89万円(むちうち別表II)
  • 受け取れる賠償額の目安:290万円台

※上記は概算です。個別事案により大きく異なります。弁護士基準(裁判基準)は赤い本(民事交通事故訴訟損害賠償算定基準)に基づく。14級9号の逸失利益喪失期間は赤い本の実務標準に従い5年。

3ヶ月で打ち切りを受け入れた場合と、適切に対応して14級9号が認定された場合では、200万円以上の差が生じる可能性があります。

この差は「交渉力」の問題ではなく、「証拠の積み上げ方」と「症状固定のタイミング」の問題です。弁護士が入ることで設計できる内容です。

あなたはどの段階にいますか——自己診断チェックリスト

以下の項目で、あなたの現状を確認してください。

今すぐ確認——あなたの状況チェック

A. 打ち切り通告「前」の方へ(今すぐ行動が最も効果的)

  • 事故から2〜3ヶ月が経過した
  • 保険会社からそれとなく「症状固定」「打ち切り」の話が出始めた
  • まだ首・腰・手足に痛みやしびれが残っている
  • MRIを撮っていない、または最近撮っていない
  • 主治医に「いつまで通院すればいいか」を聞けていない

Aに該当する方:今が最も動き甲斐がある段階です。症状固定時期・MRI撮影・意見書の方向性を弁護士と一緒に設計できます。

B. 打ち切り通告を受けた直後の方へ

  • 保険会社から「○月○日で治療費を打ち切ります」と書面・電話で通告された
  • まだ痛みは続いており、主治医も治療継続の必要性を認識している
  • 弁護士特約(弁特)が使えるかもしれない

Bに該当する方:まだ遅くありません。打ち切り書類が届く前に動けば、保留・交渉の余地があります。

C. すでに打ち切りを受け入れてしまった方へ

  • 保険会社の言うまま治療を終えてしまった
  • しかし今も痛みが残っている
  • 示談書にまだサインしていない

Cに該当する方:示談書にサインする前であれば選択肢があります。自費通院後に被害者請求・健保切替ルートで回収する方法を検討できます。

どの段階でも、まず相談ください。
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保険会社が「早めに打ち切りたい」理由——落とし穴あるある

被害者の方がよく陥る誤解と落とし穴を整理します。

落とし穴1:「3ヶ月が症状固定の医学的基準」という誤解

「むちうちは3ヶ月で治る」という話を聞いたことがある方は多いと思います。しかし、3ヶ月という期間は保険会社の内部基準に近いもので、医学的に「むちうちは3ヶ月で治る」という根拠はありません。

厚生労働省の診療報酬上も、頸椎捻挫の治療期間に一律の上限は設けられていません。主治医が「まだ治療が必要」と判断している限り、通院の正当性はあります。

保険会社が3ヶ月で打ち切りを求めるのは、早期に症状固定させることで「後遺障害等級なし」の状態で示談できれば、後遺障害慰謝料・逸失利益を支払わずに済むからです。これはコスト上の判断であり、あなたの健康上の判断ではありません。

落とし穴2:「打ち切りを拒否すると揉める」という恐怖

「打ち切りを断ったら保険会社との関係が悪くなるのでは」——実務上、これは逆です。

弁護士が代理人として入ることで、保険会社との交渉窓口が弁護士に移ります。依頼者が直接保険会社担当者と話す場面はほぼなくなります。「揉める」という体験をするのは依頼者ではなく、弁護士が担います。

また、保険会社も弁護士が入った案件には対応を変えます。私たちが実際にお受けしてきた相談でも、「弁護士が代理人として名乗り出た途端に保険会社の担当者の態度が変わった」という経緯は非常に多くあります。

落とし穴3:「打ち切り後は健保で通えばいい」という楽観

「どうせ後から請求できるなら、健保で通い続ければいい」——これは半分正しく、半分危険です。

打ち切り後に健康保険で通院を継続する場合、第三者行為による傷病届を健保組合に提出する必要があります。また、「医学的必要性が認められる治療」でなければ、後から相手保険会社に請求しても否認されるリスクがあります。

何より、打ち切りを受け入れた後では「症状固定時期のコントロール」ができません。症状固定日=後遺障害診断書の基準日であり、これが前倒しになると後遺障害等級が取れないまま示談に向かうリスクがあります。

落とし穴4:「弁護士特約があるのに使っていない」見逃し

ご自身の自動車保険・火災保険・クレジットカードの付帯サービスに弁護士費用特約(弁特)が付いている場合、弁護士費用が保険でカバーされます(通常300万円まで)。多くの方が加入していながら使っていません。

弁特があれば、費用倒れを心配せずに弁護士に依頼できます。弁特の有無は、保険証書・保険会社への問い合わせで確認できます。

弁特の確認もお手伝いします。まずはご相談ください。
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「打ち切り前」に弁護士が入ると何が変わるのか——できることの全体像

打ち切り通告が来る前に弁護士が介入することで、以下が設計・実行できます。

1. 症状固定時期のコントロール

症状固定の時期は、後遺障害診断書の基準日に直結します。主治医が「まだ治療が必要」と判断しているにもかかわらず、保険会社の圧力で早期に症状固定を行うと、後遺障害等級が下がる可能性があります。

弁護士が代理人として入ることで、主治医との連携が図られます。「年内を目処に症状固定を再検討してもらう」という形で、段階的な延伸の交渉を弁護士が主導します。

2. MRI・追加検査の根拠づくり

むちうちで後遺障害14級9号・12級13号の認定を受けるには、画像所見または他覚的所見が必要です。弁護士が介入する段階で「MRI再撮影が必要かどうか」「追加の神経学的検査の必要性」を判断し、主治医への橋渡しができます。

打ち切り後に「やはりMRIを撮りたい」と思っても、健保での撮影費用は立替が発生し、後から認められない場合もあります。事前に段取りを組む意味は大きいです。

3. 主治医への意見書の方向性整理

後遺障害認定では、後遺障害診断書に「症状の一貫性・継続性」が記載されていることが重要です。主治医が意見書・診断書に書くべき事項を、弁護士が整理・依頼することができます。

これは診断書の内容を「誘導する」ことではありません。被害者が経験している症状・所見を適切に記載してもらうための情報提供の機会です。

4. 打ち切り通告書類への対応の設計

保険会社から「治療費打ち切り通告書類」が届いた場合、弁護士が代理人として応答します。「書類が届いた段階ですぐに承諾せず、まず確認する」という姿勢を取ることで、保留・交渉の時間が生まれます。

実務では、打ち切り書類が届いた後も数週間〜数ヶ月の継続が認められるケースは少なくありません。

実際の相談の道のり——打ち切り通告を乗り越えた事例

私たちが実際にお受けしてきた相談事例をもとに、個人が特定されないよう属性・事故態様の一部を変更して再構成しています。

事例1:追突被害・弁護士費用特約あり——3ヶ月の打ち切り予告を段階的に延伸

状況:追突被害事故で過失0:100。事故から3ヶ月が経過したタイミングで、相手保険会社(共済系)から「対人一括対応を終了したい」との連絡が入りました。本人は頸部・腰部の症状が続いており、主治医も「まだ治療を継続すべき」と考えていました。

弁護士介入のタイミング:打ち切り予告の書類が届く前、口頭での連絡段階で相談に来ました。

弁護士の対応:打ち切り予告書類が届く前に受任。書類到着後も「確認する」という返答で保留にしつつ、先にドラレコ映像・物損の過失情報を収集。主治医との打ち合わせで「年内を目処に症状固定を再検討する」という方向性を確認し、段階的な延伸を実現しました。

結果:通院継続で6ヶ月後に症状固定。後遺障害等級の申請が可能な状態で示談交渉に入ることができました。

※実際のご相談事例をもとに、個人が特定されないよう事実関係を一部改変して再構成しています。

事例2:6月事故・10月に一方的打ち切り——「被害者請求」ルートで対応

状況:過失15:85(追突気味の事故)。6月の事故から10月で保険会社が一方的に治療費を打ち切り。本人と主治医はまだ治療が必要と判断していましたが、「一度打ち切られた治療費の延長は難しい」と他の弁護士に言われた後、当事務所に相談が来ました。

弁護士の対応:弁護士費用特約を利用して受任。物損は対物超過特約で修理進行。人身については治療を継続しながら、自賠責への被害者請求ルートを設計。健康保険への第三者行為による傷病届の提出も案内しました。

結果:「打ち切られたらもう終わり」ではなく、自費通院後に被害者請求という手段があることを整理し、適切な通院継続を実現。治療継続の医学的必要性を積み上げ、後遺障害等級申請に向けた証拠を積み重ねることができました。

※実際のご相談事例をもとに、個人が特定されないよう事実関係を一部改変して再構成しています。

共通しているのは「打ち切り通告に受動的に従わなかった」という点です。

弁護士が入ることで、「打ち切りに従うのか・どう対応するのか」を依頼者が選べる状態になります。何もしなければ保険会社側の都合で事が進みます。

まず、今の状況を教えてください。
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打ち切り後の対応——すでに通告を受けた方へ

すでに打ち切りを通告された方向けに、取りうる対応を整理します。

Step 1:主治医に現状を確認する

「保険会社から治療費打ち切りの話があった。先生のご判断はどうか」と率直に確認してください。多くの主治医は患者の治療継続の必要性について意見を持っています。医師が「まだ治療は必要」と判断しているなら、その意見書を保険会社に提出する根拠になります。

Step 2:弁護士費用特約の有無を確認する

ご自身の自動車保険・家族の保険・火災保険・クレジットカードの付帯保険に弁護士費用特約が含まれているか確認してください。弁特があれば弁護士費用は保険でカバーされるため、費用倒れのリスクなく弁護士に依頼できます。

Step 3:健康保険への第三者行為による傷病届を提出する

打ち切り後に健康保険で通院を継続する場合、健保組合に「第三者行為による傷病届」を提出する必要があります。これにより、交通事故由来の治療について健保が立て替え、後日加害者側に求償する形になります。

Step 4:自賠責への被害者請求ルートを検討する

加害者の任意保険会社が打ち切りを断行した場合、被害者自らが加害者の自賠責保険に直接請求する(被害者請求)ルートがあります。自賠責の傷害部分は上限120万円ですが、正式な手続きで認められれば治療費・慰謝料の一部を回収できます。

被害者請求には書類収集・手続きが伴うため、弁護士が代行すると効率的です。

Step 5:示談書にサインする前に確認する

保険会社から示談の提案が来た場合、サインする前に必ず弁護士に見てもらってください。示談書にサインした後は原則として「蒸し返し不可」です。弁護士基準(裁判基準)との差額がどれだけあるかを確認してからサインすべきです。

慰謝料3基準の違いを知っておく——示談前に必ず確認すること

交通事故の慰謝料には3つの基準があります。打ち切り後に示談を進める場面で必ず直面する数字の差です。

基準 内容 傷害慰謝料の目安(3ヶ月通院・入院なし)
自賠責基準 最低限の補償ライン。日額4,300円×実通院日数等で算出。 約38万円(実通院45日以上の場合の目安)
任意保険基準 各保険会社が独自に設定。自賠責よりやや高い。 約40〜50万円
弁護士(裁判)基準 赤い本(民事交通事故訴訟損害賠償算定基準)に基づく。最も高い。 約53万円(むちうち等・別表II)/約73万円(骨折等の重傷・別表I)

保険会社が示談で提案してくる金額は通常「任意保険基準」です。弁護士が交渉または訴訟を起こすことで「弁護士基準」での解決が目指せます。

むちうちの3ヶ月通院の慰謝料でも、自賠責基準と弁護士基準で約15〜20万円の差があります。打ち切りを受け入れず通院を継続した場合、その期間が延びるにつれ差額も大きくなります。

時効に注意——打ち切りを受け入れた後も交渉の時間は限られる

2020年4月1日以降に発生した交通事故(人身傷害)の損害賠償請求権の時効は、以下の通りです。

損害の種類 時効の起算点 消滅時効期間 根拠
傷害分(治療費・慰謝料等) 事故発生日 5年 改正民法724条の2
後遺障害分(後遺障害慰謝料・逸失利益等) 症状固定日 5年 同上
物損 損害を知った日 3年 民法724条

2020年4月1日の改正民法施行日において、すでに旧法の3年の時効が完成していた事故(2017年4月1日以前の事故等)は旧法が適用されます。ただし2017年4月2日以降の事故は、2020年4月1日時点で3年が完成していないため、改正法の5年が適用される場合があります(民法改正附則10条4項)。自分の事故がいつの事故かによって適用法が異なる場合があるため、具体的な時効については弁護士に確認してください。

「事故から5年あるから大丈夫」と思いがちですが、後遺障害の申請・等級認定・交渉・訴訟は順番があります。時効直前では選択肢が大幅に限られます。症状固定が判断できる状態になったら早めに動くことが重要です。

時効・示談前のご相談はお早めに。
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弁護士法人ブライトに依頼するとはどういうことか

弁護士費用について正確にお伝えします。

弁護士法人ブライトの交通事故案件は完全成功報酬型です。着手金はいただきません。解決した場合に、回収できた金額に応じた成功報酬をいただきます。解決できなかった場合は報酬は発生しません。

弁護士費用特約(弁特)をお持ちの場合、成功報酬についても保険でカバーされるため、実質的な自己負担がほぼゼロになるケースが多くあります。

ブライトの交通事故チームの特徴は以下の通りです。

  • 松本洋明弁護士(弁護士16年目)が交通事故部の主任として担当。交通事故示談交渉・後遺障害等級申請・訴訟のすべてを一貫して対応。
  • 顧問先130社以上の実名を公開する総合事務所の一部門として、企業法務の経験も豊富。労災と交通事故が絡む通勤中の事故では、労災部の笹野弁護士(弁護士15年目)との連携も可能。
  • 弁護士歴平均14年以上のチームが対応。若手だけの事務所ではありません。

後遺障害認定の仕組みと、打ち切り問題との関係

治療費打ち切り問題の核心は、最終的には後遺障害認定の有無に直結します。

後遺障害の認定機関(損害保険料率算出機構・自賠責調査事務所)が参照するのは、主治医が作成した後遺障害診断書と、治療経緯を示す診療録・画像所見です。

症状固定が早まると、「治療を継続すれば改善が見込まれる症状」が「固定した後遺障害」として評価されず、等級がつかない(非該当)結果になることがあります。

後遺障害等級 典型症状(むちうち系) 後遺障害慰謝料(弁護士基準) 労働能力喪失率・期間(実務標準)
14級9号 局部に神経症状を残すもの(主観的症状・画像所見なし) 110万円 5%・5年(むちうちの実務標準)
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの(画像所見あり) 290万円 14%・10年
非該当 症状の一貫性なし・治癒と評価 0円 0%

14級9号と非該当の差は慰謝料だけで110万円。逸失利益(年収×喪失率×ライプニッツ係数)を加えると、年収400万円の場合に約91万円(5年・3%ライプニッツ4.5797)の逸失利益が見込まれます。慰謝料と合わせると200万円を超える差になります。この差は、症状固定のタイミングと診断書の内容によって生まれます。

打ち切り問題を「治療費をどうするか」という目の前の問題としてだけ見ていると、後遺障害認定という最終的な結果を見落とします。弁護士が全体を設計するのはこのためです。

後遺障害認定の詳細については、以下の記事をあわせてご覧ください。

後遺障害認定の基礎知識まとめ(ピラーTOP)

14級9号 完全解説

12級13号 完全解説

整骨院通院中の方への特別注意事項

整骨院・接骨院に通院している方は、以下の点に注意してください。

後遺障害認定において、整骨院通院だけでは認定が難しい場合がほとんどです。整骨院は医療機関ではないため、後遺障害診断書を作成できません。後遺障害診断書は医師(整形外科医・神経内科医等)が作成する必要があります。

整骨院通院のみで打ち切り後も継続している場合、後遺障害申請の段階で「整形外科に1度も行っていない」「主治医がいない」という問題が生じます。

整骨院に通院中の方は、整形外科への並行通院を今すぐ始めることを強くお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 打ち切り通告が来る前に弁護士に相談してもいいですか?

むしろ打ち切り通告が来る前のご相談を強くお勧めします。弁護士が入ることで症状固定時期のコントロール・MRI撮影の根拠づくり・主治医への意見書依頼が可能になります。通告後の相談では、できることが限られてきます。

Q2. 打ち切り後に健康保険で通院を続けても、後から治療費は回収できますか?

医学的必要性が認められる通院であれば、後から請求できます。ただし、主治医の指示のもと通院していることが重要です。「必要性がない治療」と判断されると否認リスクがあります。また、健保で通院する場合は健保組合に第三者行為による傷病届の提出が必要です。

Q3. 弁護士費用はいくらかかりますか?

弁護士法人ブライトの交通事故案件は完全成功報酬型です。着手金はいただきません。解決した場合のみ、回収できた金額に応じた成功報酬をいただきます。弁護士費用特約(弁特)をお持ちの場合は保険でカバーされるため、実質自己負担がほぼゼロになるケースが多くあります。弁特の有無も相談時にご確認いただけます。

Q4. 保険会社の言う「症状固定」と医師の「症状固定」は同じですか?

異なります。保険会社が「症状固定」と言うのはコスト管理上の判断であり、医師の診断ではありません。症状固定とは「これ以上治療を継続しても症状が変化しない状態」を指し、判断するのは主治医です。保険会社の言うまま症状固定を受け入れる必要はありません。

Q5. むちうちで打ち切りを受けた後でも後遺障害申請できますか?

示談書にサインする前であれば、後遺障害申請は可能です。打ち切り後も通院を継続し(健保または自費)、症状の一貫性を示す診療記録があれば、後遺障害診断書の作成・申請ができます。ただし打ち切り前と比べて証拠の積み上げが難しくなります。早めの相談をお勧めします。

Q6. 整骨院にしか通っていませんが、後遺障害申請できますか?

後遺障害診断書は医師(整形外科等)しか作成できません。整骨院通院のみでは後遺障害申請が困難です。今からでも整形外科への並行通院を始めてください。なお、既に整形外科に通っていない期間が長い場合は、弁護士に具体的な対策を相談することをお勧めします。

Q7. 相手の保険会社に直接抗議しても意味がありますか?

本人が直接抗議しても、保険会社の対応が変わることはほとんどありません。弁護士が代理人として交渉することで、保険会社の対応が変わるケースが多くあります。弁護士が介入すると相手は法的根拠に基づいた対応が求められるためです。弁護士費用特約があれば費用の心配なく依頼できます。

まとめ——「打ち切り通告の前」が最も動き甲斐がある

  • 治療費打ち切りは保険会社のコスト判断。医学的根拠ではない。
  • 症状固定を決めるのは主治医。保険会社ではない。
  • 打ち切り通告の前に弁護士が入ることで、症状固定時期・MRI撮影・意見書の方向性を設計できる。
  • 14級9号が認定されるかどうかで、慰謝料+逸失利益の差は数百万円規模になりうる。
  • 弁護士費用は完全成功報酬型。弁特があれば実質自己負担ほぼゼロ。
  • 示談書にサインする前であれば、どの段階でも選択肢がある。
  • 傷害分の時効は改正民法724条の2により事故発生日から5年(2020年4月1日以降の事故)。示談を急ぐ必要はないが、長期放置は避ける。

「まだ痛いのに、保険会社に見捨てられるかもしれない」という不安は、あなたが感じている通り正当な不安です。その不安が現実になる前に、動く時間があります。

治療費打ち切りが心配な方——今すぐご相談ください

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  • この記事を書いた人

代表弁護士:和氣 良浩

弁護士法人ブライト代表弁護士: 2006年に独立開業してから交通事故被害の回復に努めてきました。これまで1000件を超える交通事故を解決して参りましたが、被害者が低い賠償金で納得させられているケースをたくさん見てきました。 一人でも多くの被害者が適切な補償を受けられるように情報発信を行っています。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。

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交通事故担当弁護士

  • 代表弁護士 和氣良浩

    代表弁護士 和氣良浩
             

事務所概要

事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 0120-931-501(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

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