家族が交通事故で高次脳機能障害になり、1〜5級の後遺障害が認定された——その後に保険会社から示談提示が届きます。しかし、その数字が適正かどうか、判断できる方はほとんどいません。
重症の高次脳機能障害案件で保険会社が最も削ってくる費目は「介護費用」です。計算方法の違いだけで、総賠償額に2,000万〜5,000万円以上の差が生まれることがあります。示談書に署名する前に、必ずこのページを読んでください。
このページでわかること
- 1〜5級の等級別・総賠償額の目安(弁護士基準)
- 保険会社が「介護費用」を削る4つの手口
- 弁護士介入でどれだけ増額できるか(具体的試算)
- 示談前に必ず確認すべきチェックリスト

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まず確認:1〜5級の等級別・総賠償額の目安
高次脳機能障害の1〜5級は、慰謝料だけでなく介護費用・逸失利益が加わることで、総賠償額が数千万〜1億円を超えるケースがあります。
| 等級 | 状態の目安 | 後遺障害慰謝料 (弁護士基準) |
介護費用 (日額目安) |
総賠償額の目安 (40歳・年収500万の場合) |
|---|---|---|---|---|
| 1級1号 | 常時介護が必要 | 2,800万円 | 職業介護:日額8,000円〜 近親者介護:日額3,500円〜 |
1億円超 |
| 2級1号 | 随時介護が必要 | 2,370万円 | 随時介護:日額3,500円〜 | 7,000万〜1億円 |
| 3級3号 | 労務不能・日常生活に支障 | 1,990万円 | —(介護認定状況による) | 5,000万〜7,000万円 |
| 5級2号 | 労務能力が著しく低下 | 1,400万円 | — | 3,000万〜5,000万円 |
※慰謝料は弁護士(裁判所)基準。総賠償額は逸失利益・介護費用・入通院慰謝料等を含む目安です。個別事情により大きく異なります。
保険会社が「介護費用」を削る4つの手口
1〜2級の重症ケースで最も大きな争点が介護費用です。保険会社は以下の4つの方法で、介護費用の総額を圧縮しようとします。
手口① 「近親者介護」の日額を低く設定する
家族が介護する場合の日額(近親者介護料)について、保険会社は3,000〜3,500円程度を提示してくることがあります。しかし裁判所基準では、日額8,000円(職業介護人基準)に近い額が認められたケースが多数あります。
日額3,500円と8,000円の差は、30年分で計算すると:
3,500円 × 365日 × 30年 = 3,832万円
8,000円 × 365日 × 30年 = 8,760万円
→ 差額4,928万円
手口② 介護期間を短く設定する
保険会社は「平均余命よりも短い期間」を提示してくることがあります。重症の高次脳機能障害では、事故がなければ生きたであろう平均余命まで介護費用を請求できます。被害者が若い場合、この差は数十年単位になります。
手口③ 「将来の介護費用」を定額で一括提示する
「将来介護費用として○○万円を一括で支払います」という提示形式では、実際の介護コストが上昇した場合に取り返しがつきません。インフレ・介護保険制度の変化・症状の重篤化を考慮した試算が必要です。
手口④ 介護の必要性を「認定等級より低く」評価する
「1級に認定されているが、実際は自立できている部分がある」として介護費用の必要性を否定するケースがあります。医師の意見書・介護記録・ケアマネジャーの評価を揃えることで反論できます。

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弁護士介入での増額試算——介護費用だけでこれだけ変わる
被害者Gさん(35歳・会社員・年収550万・高次脳機能障害1級)の試算:
| 費目 | 保険会社提示 | 弁護士交渉後 |
|---|---|---|
| 後遺障害慰謝料 | 1,600万円(自賠責基準) | 2,800万円(弁護士基準) |
| 将来介護費用 (日額3,500円 vs 8,000円・42年分) |
約5,370万円 | 約1億2,264万円 |
| 逸失利益(32年分・100%喪失) | 約7,200万円 | 約9,100万円(基礎収入の見直し) |
| 入通院慰謝料 | 200万円 | 320万円 |
| 合計 | 約1億4,370万円 | 約2億4,484万円 |
| 差額 | 約1億円の差 | |
この試算は一例です。介護の態様・年収・年齢によって総額は大きく異なります。ただし「保険会社提示の1.5〜2倍になることがある」というのは、重症後遺障害案件では珍しくありません。
逸失利益——もう一つの主要な争点
1〜5級の重症ケースでは、逸失利益も大きな争点です。保険会社が削ってくる典型的なパターンを整理します。
争点① 労働能力喪失率の評価
1級・2級は100%喪失が原則ですが、「一部就労可能」と主張して100%を認めないケースがあります。神経心理学的検査の結果と実際の就労状況を証拠として提出することで反論します。
争点② 基礎収入の算定
事故前の年収が低かった場合(主婦・学生・アルバイト等)、保険会社は基礎収入を低く設定します。女性・学生・主婦の場合、全年齢平均賃金(2024年度:約563万円)を基礎収入として主張できます。
争点③ 就労可能年数(ライプニッツ係数)
若い被害者の場合、就労可能年数が長くなるため逸失利益が膨大になります。保険会社は「早期の就労能力回復可能性」を主張して期間を短縮しようとしますが、高次脳機能障害の回復予後を医学的証拠で反論します。
示談前の必須チェックリスト(家族向け)
示談書に署名する前に必ず確認
- 介護費用の日額と計算根拠が明示されているか
- 介護期間が平均余命まで計算されているか
- 逸失利益の基礎収入が実態に合っているか(主婦・学生は平均賃金で計算されているか)
- 将来の治療費・リハビリ費用が含まれているか
- 後遺障害慰謝料が弁護士基準(1級:2,800万円)で計算されているか
- 成年後見が必要な場合、手続きについて説明を受けているか
成年後見について
高次脳機能障害1〜3級のケースでは、被害者本人が意思決定できない場合があります。この場合、成年後見人の選任が必要になることがあり、示談交渉自体を成年後見人が行います。
成年後見の手続きには家庭裁判所への申立てが必要で、数ヶ月かかります。示談提示が来てから動いても間に合わないケースがあるため、症状固定前後のタイミングで弁護士に相談することを強くお勧めします。
まとめ
高次脳機能障害1〜5級の重症ケースは、適切に交渉すれば保険会社提示額の1.5〜2倍になることがあります。特に介護費用と逸失利益が主戦場です。
「この金額が適正かどうかわからない」——そのままサインするのは危険です。示談書への署名は取り消しができません。金額の妥当性を確認するだけでも、弊所の無料相談をご利用ください。
弊所に依頼したらどうなるか・3点
- 弁護士費用特約があれば自己負担ゼロ——上限300万円が保険から支払われます
- 受任後は松本弁護士(交通事故専従・経験13年)が直接担当——担当者が途中で変わることはありません
- 示談提示の妥当性確認だけでも無料——相談のみで終わっても費用は発生しません

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