このページは、ご遺族の物語/労災死亡事故と遺族補償年金との損益相殺の実例を、賠償金の数字よりも「解決までの経緯」「ブライトの戦略」を中心に記録したものです(守秘のため一部を匿名化しています)。
📝 この記事の3秒結論
- 労災遺族補償年金の受給は損害賠償請求で損益相殺の対象になる
- 相続人複数の場合、全員の意思確認と委任契約が必須
- 海外在住相続人もZoom・電話で受任前面談が可能
- 刑事手続きが進行している段階から民事弁護士が動くメリット大
- 近親者慰謝料は配偶者が最も高く、子は半分程度が目安
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
事案の概要

亡くなられた方(ご本人・60代女性・パート勤務)は、通勤中の交通事故によりお亡くなりになりました。法定相続人は夫・長男・次男の3名。加害者については刑事手続きが進行中で、民事の損害賠償請求はその後に進める段階にありました。
ご遺族は、「刑事手続きが終わってから民事に動けばいいのではないか」と考えていらっしゃいましたが、ブライトでは早期の弁護士介入をご提案しました。
ご遺族からのご相談
ご相談時、ご主人からブライトへ直接お電話。最初のご相談は次の通りでした:
「労災から遺族補償年金が支給され始めるが、後で損害賠償請求するときに、年金分が差し引かれて減額されるのが心配。今すぐ年金をもらい始めて大丈夫か?」
松本弁護士が即日対応し、損益相殺の論点を整理しました。
ステップ1:労災遺族年金と損益相殺の関係
結論から言うと、労災から受給した遺族補償年金は、加害者への損害賠償請求の中で「損益相殺」の対象となります。具体的には:
- 逸失利益・葬儀関係費の中から、既に労災で填補された分が差し引かれる
- 慰謝料は損益相殺の対象外
- 遺族補償年金(過去の受給分・将来の見込み分)の取り扱いには判例の整理が必要
ご遺族へのご案内:「年金を受給し始めても、最終的な賠償請求が大幅に減るわけではないので、生活のために受給を進めて問題ない」とご説明。
ステップ2:刑事手続き進行中の早期受任メリット
ご主人は当初「刑事手続きが終わってからでも民事は遅くないのでは」とお考えでしたが、ブライトでは以下の理由で早期受任をご提案:
- 刑事記録(実況見分調書・供述調書等)の取得タイミングが早まる
- 加害者側の任意保険会社との交渉窓口を弁護士に一本化できる
- 遺族の精神的負担を軽減(保険会社からの直接連絡が止まる)
- 労災との並行手続き(遺族補償年金・葬祭料)をスムーズに進められる
- 時効の起算点管理
ご主人もご納得いただき、長男・次男を含めた3名で正式に委任することになりました。
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ステップ3:相続人3名の意思確認と委任
法定相続人が複数いる死亡事故では、全員の意思確認と委任契約が必須です。本件では:
- 夫:当初から相談・受任合意
- 長男:ご主人経由でご検討
- 次男:海外在住のため、これまで弁護士と直接お話しする機会がなく、電話またはZoomで受任前面談が必要
次男との面談は国際電話とZoomを組み合わせて日程調整を実施した。「会ったこともない弁護士に任せていいのか」というご不安に、松本弁護士が直接お応えする機会を設けました。
ステップ4:海外在住相続人がいる場合の実務
次男は数年前より海外に居住し、現地で就労しています。海外在住相続人がいる死亡事故では、以下の実務対応が重要:
- 一時帰国のタイミングに合わせて委任契約書の締結を完了する
- 遺産分割協議書も帰国時に合わせて押印を進める
- 署名証明書(在外公館発行)の取得手順を事前確認
- 連絡手段の整備(メール・LINE・Zoom)
本件では次男の一時帰国の機会に合わせて主要書類の手続きを進める方針で進めることになりました。
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ステップ5:賠償金の分配と近親者慰謝料の相場
賠償金の分配は法定相続分に基づく方向で全員一致:
- 夫:1/2
- 長男:1/4
- 次男:1/4
近親者慰謝料の相場は、配偶者が最も高く(赤本基準で1000万円程度)、子は概ねその半分程度(500万円程度)が目安。これに本人の死亡慰謝料(赤本基準2000〜2500万円)を加えた総額で交渉します。
ステップ6:遺産分割協議書の整備
本稿執筆時点で遺産分割協議書は概ね合意・押印済み。内容は:
- 不動産は夫が相続
- 子2名(長男・次男)には代償金を支払う形で合意
- 司法書士が登記等の手続きを進行中
遺産分割協議が整っていると、その後の損害賠償金の分配もスムーズに進みます。
進行中・今後の見通し
事案の解決までの主要ステップ:
- 3名全員の委任契約締結(順次締結)
- 次男との面談(国際電話・Zoomで実施)
- 労災との並行手続き(遺族補償年金受給開始)
- 刑事手続きの進行を注視し、記録の確認を実施
- 刑事手続き終結後、民事訴訟提起の準備に着手
解決まで概ね2〜3年を要する見込みの事案です。
死亡事故対応のポイント
- 労災遺族年金の受給は早期に開始してOK(損益相殺で大幅減額にはならない)
- 刑事手続き進行中の状況でも民事弁護士の早期受任にメリットあり
- 相続人全員の意思確認と委任契約が必須
- 海外在住相続人は一時帰国等のタイミングに合わせて書類整備を進める
- 近親者慰謝料は配偶者が最も高く、子は半分程度
同じ立場のご遺族へ
大切なご家族を交通事故で失われた直後は、悲しみと混乱の中で多くの判断を迫られます。労災年金の受給・刑事手続きへの対応・相続人間の調整といった複雑な論点を一人で抱え込まず、早期に弁護士へご相談ください。ブライトでは、ご遺族のお気持ちに寄り添いながら、適正な賠償と速やかな解決を目指します。初回相談は無料、弁護士費用特約のご利用で自己負担ゼロも可能です。
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監修:松本 洋明 弁護士(弁護士法人ブライト パートナー弁護士)
弁護士歴16年(63期)・元損保側代理人・年間100件超の交通事故案件を担当。重度後遺障害事案、外国籍被害者対応、素因減額の争い、個人事業主の収入立証など複雑事案に多数の実績。本記事は、ブライトが扱った解決事例を基に、プライバシー保護のため事実関係の一部を再構成したものです。
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