執筆・監修
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|労災事故部統括
大阪弁護士会
代表監修
和氣 良浩(わけ よしひろ)
弁護士法人ブライト 代表弁護士
この記事の結論
| 補償の種類 | 請求先 | 主な内容 | 時効 |
|---|---|---|---|
| 遺族補償年金・葬祭料 | 労働基準監督署 | 給付基礎日額の153〜245日分を年金で支給 | 遺族補償給付5年/葬祭料2年 |
| 損害賠償(会社を訴える) | 会社(使用者) | 死亡慰謝料・逸失利益・近親者慰謝料 | 5年(改正民法) |
| 第三者への賠償請求 | 加害者(第三者) | 車両事故・元請業者の過失等 | 5年 |
| 相続と賠償金の関係 | —— | 相続放棄後も近親者慰謝料は請求可 | —— |
会社の安全配慮義務違反(労働契約法5条)があれば、労災保険とは別に会社への損害賠償が可能。合計で1億円超になるケースもある。着手金0円・成功報酬制(実費は別途)で対応可能。まず弁護士に無料相談を。
労災の死亡事故(仕事中・業務が原因の死亡)でご家族を亡くされたとき、ご遺族が最初に知りたいことは、多くの場合この2つです。「いくら受け取れるのか」と、「会社はどうなるのか」。
まず金額について。受け取れるお金は、労働基準監督署から支給される遺族補償(労災保険)だけではありません。労災保険からは慰謝料が一切支給されないため、会社に落ち度(安全配慮義務違反)があった場合には、会社への損害賠償を上積みして請求することになります。この二階建ての考え方が出発点です。
次に会社について。労災の死亡事故で会社が問われる責任は、ご遺族への民事の損害賠償だけではありません。労働安全衛生法違反などを理由とする刑事責任(書類送検)や、労働基準監督署による行政上の措置が問題になることもあります。ただし、これらとご遺族が受け取る補償は別の手続きです。
本記事は、労災の死亡事故についてご遺族が最初にお読みいただく入口として、金額・手続き・会社の責任の全体像をまとめたものです。個別の論点は、各見出しからリンクしている記事で詳しく解説しています。弁護士法人ブライトの笹野皓平弁護士(大阪弁護士会)が解説します。
※ 本記事に記載した金額は一般的な目安であり、実際に受け取れる額は事故の態様・年齢・収入・扶養家族の人数・会社の落ち度の程度などによって変わります。個別の見通しは弁護士にご確認ください。
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労災の死亡事故で遺族はいくら受け取れるのか|「二階建て」で考える
「労災で家族が亡くなったとき、いくら受け取れるのか」——ご遺族から最も多くいただくご質問です。金額は、次の二階建てで整理すると分かりやすくなります。
| 一階:労災保険の遺族補償 | 二階:会社への損害賠償 | |
|---|---|---|
| 請求先 | 労働基準監督署 | 会社(使用者) |
| 慰謝料 | 支給されない | 死亡慰謝料・近親者慰謝料を請求できる |
| 逸失利益 | 年金・一時金という形で一部が補われる | 全額を算定して請求できる(支給済みの給付は損益相殺で控除) |
| 会社の落ち度 | 不要(業務上の災害と認定されれば支給) | 必要(安全配慮義務違反の立証) |
| 時効 | 遺族補償給付は5年/葬祭料は2年(労働者災害補償保険法42条) | 5年(改正民法724条の2・166条1項1号) |
一階だけで終わってしまうご遺族が少なくありません。慰謝料は労災保険の対象外であるため、二階(会社への損害賠償)に進むかどうかで、最終的に受け取れる額は大きく変わります。
モデルケースでみた金額の目安
たとえば「一家の支柱として働いていた40代男性・年収600万円台・妻と子2人」というケースでは、会社への損害賠償として次のような項目を積み上げて計算します。
- 死亡慰謝料:2,000万〜2,800万円程度が一つの目安とされます(亡くなった方が一家の支柱だったかどうかで幅があります)。
※ 裁判実務で用いられる死亡慰謝料の基準額は、亡くなった方ご本人の慰謝料と近親者固有の慰謝料を合わせた総額として整理されているのが一般的です。本人分と近親者分を単純に足し上げられるわけではない点にご注意ください。もっとも、相続放棄をされた場合など、近親者固有の慰謝料のみを切り出して請求する場面はあります。 - 逸失利益:亡くなった方の年収・年齢・扶養家族の人数・就労可能年数をもとに計算し、数千万円になることがあります。
- 葬儀費用:150万円程度が目安です。
これらを合計すると、数千万円から1億円前後という水準になることがあります。もっとも、すでに支給を受けた遺族補償年金などは損益相殺として差し引かれ、被災された方ご本人の不注意が問題とされれば過失相殺で減額されることもあります。もっとも、会社が講じるべき安全対策(作業手順の周知、保護具の支給と使用の徹底、危険箇所の立入禁止措置など)を怠っていた事情を具体的に示せれば、被災された方の過失が小さく評価されたり、過失相殺の主張が認められないこともあります。
金額の計算方法をもう一段くわしく知りたい方は労災の死亡でもらえる金額はいくら?(遺族給付と会社への損害賠償の相場・計算方法)を、ご自身のケースのおおよその水準を確かめたい方は労災の賠償額診断ツールをご利用ください。遺族補償年金と逸失利益の損益相殺が実際にどう争われるかは死亡労災の逸失利益と遺族補償年金の損益相殺(解決事例)でご覧いただけます。
「うちの場合はいくらになるのか」は、事故の状況とご家族の構成をうかがえば見通しをお伝えできます。
ご相談は無料です。着手金0円・成功報酬制(実費は別途)で対応します。
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死亡労災で遺族が請求できる4種類の補償
死亡労災では、遺族が請求できる補償ルートが最大4つ存在します。どれか一つだけに絞る必要はなく、重複して請求できるものもあります。
1. 労災保険(遺族補償年金・葬祭料)
業務中の死亡事故が認定されると、労災保険から以下の給付が支給されます(労働者災害補償保険法16条・17条)。
- 遺族補償年金:給付基礎日額×153〜245日分(受給権者の人数・続柄により変動)。妻・子・父母など一定の遺族が受給権者となり、要件を失うまで継続支給される。
- 遺族補償一時金:遺族補償年金の受給権者がいない場合等に、給付基礎日額×1,000日分が一括支給される。
- 葬祭料:315,000円+給付基礎日額×30日分(または給付基礎日額×60日分のいずれか高い方)。
重要な限界:労災保険では「慰謝料」は一切支給されません。また、逸失利益も全額はカバーされず、後述する損益相殺の対象となって会社への損害賠償請求額から控除される仕組みになっています。時効は給付の種類で異なり、遺族補償給付は5年、葬祭料は2年です(労働者災害補償保険法42条)。
2. 会社への損害賠償(安全配慮義務違反)
死亡労災において、会社に安全配慮義務違反(労働契約法5条、民法415条・709条)があれば、会社を相手に損害賠償を請求できます。労災保険の給付を受けても、この請求権は失われません。
請求できる主な損害項目と相場は以下のとおりです。
| 損害項目 | 相場・目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 死亡慰謝料(本人分) | 2,000万〜2,800万円 | 一家の支柱か否かで変動 |
| 近親者慰謝料 | 配偶者200〜400万円、子・親100〜200万円程度 | 相続放棄後も固有の権利として請求可 |
| 逸失利益 | 年収・年齢・就労可能年数・ライプニッツ係数で計算 | 年収700万・40歳男性の場合:約7,355万円 |
| 葬儀費用 | 150万円程度 | 実費相当 |
| 損益相殺(労災保険控除) | 支給済み給付分を控除 | 慰謝料は控除対象外 |
※ 上表の死亡慰謝料と近親者慰謝料は内訳を示したものです。裁判実務では両者を合わせた総額で評価するのが一般的で、単純に足し上げた額がそのまま認められるわけではありません。
時効は主観的起算点(被害・加害者を知った日)から5年(改正民法724条の2・166条1項1号。2020年4月1日以降の事故から適用)。労災認定が出てから請求を始める遺族も多いですが、死亡事故から5年を超えると権利が消滅するリスクがあるため、早期の弁護士相談が不可欠です。
会社への損害賠償請求の詳細は、死亡労災・遺族の損害賠償(詳細解説)をご覧ください。
3. 第三者への賠償(第三者行為災害の場合)
死亡事故の原因が会社以外の第三者(例:元請業者、隣接業者の作業員、車両の運転者等)の行為による場合、その第三者にも損害賠償を請求できます(第三者行為災害)。
この場合、労災保険・会社への損害賠償・第三者への賠償の三者間で複雑な損益相殺・調整が生じます。どの順番でどこに請求するかで受け取れる額が変わるため、弁護士による戦略的な対応が必要です。三者間の調整の詳細は第三者行為災害の三方調整で解説しています。
4. 慰謝料の二重構造(本人分の相続+近親者固有分)
死亡労災の慰謝料には重要な構造があります。
- 本人分の慰謝料(相続):死亡した被災者本人が被った精神的苦痛に対する慰謝料。相続人が相続して請求できる(最高裁判所大法廷 昭和42年11月1日判決(昭和38年(オ)第1408号・慰藉料請求事件/判例秘書 L02210351)=慰藉料請求権は相続の対象となると判示)。
- 近親者固有の慰謝料:配偶者・親・子が自ら被った精神的苦痛に対する慰謝料(民法711条)。これは相続ではなく、遺族自身の固有の権利として発生する。
この二重構造により、たとえ相続放棄をしても、近親者固有の慰謝料だけは請求できます。詳しくは慰謝料の二重構造で解説しています。
「どこに・何を・いくら請求できるか」の確認は無料相談で。
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労災の死亡事故で会社はどうなるのか|刑事・行政・民事の3つの責任
「会社は罰せられるのか」「社長は逮捕されるのか」も、ご遺族から多くいただくご質問です。労災の死亡事故で会社が問われる責任は、性質の異なる3つに分かれます。この3つを区別しておくことが、ご遺族がご自身の請求を進めるうえで役立ちます。
| 責任の種類 | 主な内容 | ご遺族との関係 |
|---|---|---|
| 刑事責任 | 労働安全衛生法違反や業務上過失致死罪。労働基準監督署(労働基準監督官)の捜査を経て、法人としての会社と現場責任者・経営者が書類送検されることがあります | ご遺族が補償を受け取る手続きではありません。ただし、捜査で集められた資料は民事の損害賠償で重要な証拠になります |
| 行政上の措置 | 労働基準監督署による是正勧告・指導、機械等の使用停止等命令。重大・悪質と判断された事案では企業名が公表されたり、公共工事の指名停止につながることもあります | 再発防止のための措置であり、ご遺族への補償とは別の手続きです |
| 民事責任(損害賠償) | 安全配慮義務違反(労働契約法5条・民法415条)や不法行為(民法709条・715条)に基づく損害賠償 | ご遺族が会社に直接請求するのは、この民事責任です |
書類送検されるかどうかと、賠償を受け取れるかどうかは別
よくある誤解が「会社が書類送検されなければ、損害賠償も請求できない」というものです。刑事責任は刑罰を科すかどうかの判断であり、民事の損害賠償は生じた損害を誰が負担するかの問題です。判断の枠組みが違うため、書類送検されなかった事案でも、会社の安全配慮義務違反を立証して損害賠償が認められることがあります。会社や経営者が書類送検・逮捕されるのはどのような場合かは、労災死亡事故で会社と経営者が書類送検・逮捕されるケース|刑事責任と民事賠償の関係で詳しく解説しています。
労基署の調査記録・刑事記録は、ご遺族側の証拠になる
労働基準監督署は死亡災害について災害調査を行い、事故の原因や会社の安全管理の状況を記録します。刑事事件として立件された場合には、実況見分調書や関係者の供述調書といった刑事記録も作成されます。これらは、ご遺族が会社の安全配慮義務違反を立証するうえで有力な資料になり、弁護士を通じて取り寄せを検討します。何をどう集めるかは労災死亡事故で会社の安全配慮義務違反を立証する方法をご覧ください。
会社が「労災ではない」と言ってきたとき
会社が労災であること自体を否定したり、労災申請に協力しないことがあります。その場合でも、ご遺族は労働基準監督署に直接申請できますし、労災認定を待たずに会社への損害賠償請求の準備を進めることもできます。対応の手順は会社が労災を認めない・労災隠しに遭ったときの対処法、実際にご遺族が会社の主張を覆した事例は労災死亡事故で会社が「労災ではない」と主張したご遺族の解決事例でご紹介しています。会社対応の論点をまとめて確認したい方は労災認定・会社対応ハブが入口になります。
事故の種類によって、問われる会社の落ち度は異なる
同じ死亡事故でも、どの安全対策を怠ったことが問題になるかは事故の類型ごとに違います。代表的な類型は次のとおりです。
- フォークリフト事故による死亡:作業計画の作成、立入禁止措置、誘導者の配置などの不備が争点になります。
- 建設現場の転落・墜落事故:足場・手すり・親綱・安全帯(墜落制止用器具)の措置が問われます。
- 脳・心臓疾患(過労死):労働時間の把握と長時間労働の是正を会社が怠っていなかったかが問われます。
- 重篤な労働災害のハブ記事:転落・巻き込まれ・切断など、その他の類型はこちらから探せます。
遺族が動くべき手順と時効(5年)
死亡労災が発生してから請求完了までの手順を整理します。
STEP 1:労災申請(死亡診断書・事故証明の確保)
会社が労災申請に協力しない場合でも、遺族が直接労働基準監督署に申請できます(会社の協力は法律上不要)。申請に必要な書類は「遺族補償年金支給請求書(様式第12号)」「死亡診断書の写し」「戸籍謄本」等です。
STEP 2:証拠の保全(早期着手が重要)
会社への損害賠償請求において最も重要なのが証拠の保全です。事故発生直後から時間が経つほど証拠は失われます。保全すべきものとして、事故現場の写真・映像(防犯カメラ等)、被災者の労働時間記録・タイムカード、安全管理規程・作業手順書、社内の事故報告書などが挙げられます。弁護士に早期依頼することで、これらの証拠保全を迅速に行えます。
STEP 3:安全配慮義務違反の立証
会社に損害賠償を請求するには、会社の安全配慮義務違反(労働契約法5条)の立証が必要です。具体的には「予見可能性(この事故を会社が予見できたか)」と「結果回避義務違反(回避できたにも関わらず対策を怠ったか)」の2点を立証します。
実務上多いパターンとして、高所作業での墜落防止措置(労働安全衛生規則519条・520条)の不備、フォークリフト作業での立入禁止措置の欠如、機械の安全カバー未設置などが挙げられます。会社が加入する労災保険の保険事故調査報告書や、労基署の災害調査報告書が証拠として有効なことが多いです。
STEP 4:損害額の計算と交渉・訴訟
弁護士が逸失利益・慰謝料・葬儀費用等を計算し、会社(または保険会社)と交渉します。交渉で解決しない場合は民事訴訟に移行します。死亡労災は請求額が大きい(1億円超も)ため、会社側が争ってくることも多く、訴訟になることを前提とした準備が必要です。
時効:死亡から5年以内に動く
会社への損害賠償請求の時効は主観的起算点(被害・加害者を知った日)から5年(改正民法724条の2・166条1項)です。労災認定が出てから弁護士を探す遺族が多いですが、認定に時間がかかる場合もあるため、死亡後できるだけ早く弁護士に相談することを強く勧めます。
なお、労災保険の遺族補償給付の時効も5年(労働者災害補償保険法42条)です。一方、葬祭料の時効は2年で、療養補償給付・休業補償給付も2年と定められています。給付の種類によって期間が違う点にご注意ください。
時効と証拠の保全について
お気持ちの整理がつかないうちに手続きを急ぐ必要はありませんが、時間が経つほど現場の状況や記録は失われていきます。今できることだけでも、一度ご相談ください。
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※1回目のご相談の内容によっては、2回目以降のご相談をお断りする場合がございます。
※掲載の事例は一例であり、個別の事案により結果は異なります。
相続と賠償金の関係【重要】
死亡労災の補償を受ける前に、遺族が必ず理解しておくべき「相続と賠償金の関係」を整理します。実務上、この点の誤解から損をしてしまうケースが多くあります。
賠償金は誰が受け取るか
会社への損害賠償請求で認められた賠償金は、原則として法定相続人が法定相続分に応じて受け取ります。ただし、近親者固有の慰謝料(民法711条)は各遺族が固有の権利として直接受け取ります。
複数の相続人がいる場合、遺産分割協議で賠償金の分配を決める場面もありますが、賠償金(損害賠償請求権)を遺産分割協議の対象に含めるかどうかには法律上の論点があります。詳しくは遺産分割協議書に賠償金を含める?で解説しています。
相続放棄しても近親者慰謝料は請求できる
被災者に多額の借金があり相続放棄を検討している遺族からよく受ける質問が「相続放棄すると賠償金も受け取れなくなりますか?」というものです。
答えは「近親者慰謝料(民法711条)は受け取れる」です。近親者慰謝料は相続財産ではなく、遺族自身の固有の権利として発生するため、相続放棄の影響を受けません。一方、被災者本人の死亡慰謝料(相続分)や逸失利益については、相続放棄すると権利を失います。
また、遺族補償年金は相続財産ではなく、受給権者が直接受け取る固有の権利です(労働者災害補償保険法16条の2以下が受給権者の範囲・順位を定めています)。したがって相続放棄しても遺族補償年金の受給権は失いません。
借金と相続放棄の判断については、借金が残されたとき相続放棄すべきかで詳しく解説しています。
賠償金と相続税
遺族が受け取る労災死亡賠償金は、原則として相続税の課税対象にはなりません(損害賠償金は相続財産ではないため)。ただし、遺族補償年金(労災保険給付)や生命保険金は別の税務上の取り扱いとなります。詳しくは労災死亡賠償金と相続税で確認してください。
死亡労災×相続の詳細ガイド9本
死亡労災と相続が交差する論点は複雑です。以下のガイドを状況に合わせてお読みください。
死亡労災×相続 詳細ガイド
「相続を放棄すべきか」「賠償金は誰が受け取るか」——
複雑な状況ほど弁護士への早期相談が重要です。無料でお答えします。
弁護士に依頼するメリット
死亡労災の損害賠償請求を弁護士なしで進めることは、遺族にとって極めて困難です。理由と具体的なメリットを解説します。
メリット1:増額事例——相手方の提示額から大幅引き上げ
会社側(または保険会社)が最初に提示する示談金は、本来認められる額より低いケースが多くあります。
事例A(建設業・40代男性・足場崩落死亡):相手方の初回提示は約4,500万円。弁護士介入後、安全基準(建設業法・労働安全衛生規則)の違反を具体的に特定し、逸失利益の基礎収入を実態に合わせて修正した結果、約9,200万円で解決(約2倍)。
事例B(製造業・50代男性・機械巻き込まれ死亡):会社が「被災者の不注意」を主張し過失相殺を求めてきた。安全カバー未設置・特別教育不実施(労働安全衛生規則107条違反)を立証し、過失相殺ゼロで約7,800万円の損害賠償を獲得。
※ いずれも個別の事情に基づく結果であり、同様の結果を保証するものではありません。実際の解決額は、事故の態様・会社の落ち度の程度・被災された方の年齢や収入によって変わります。
メリット2:安全配慮義務違反の立証力
弁護士法人ブライトは顧問先142社を抱える企業法務の実績があります。会社が労災発生時にどのような手順で対応し、交渉の場でどのような主張をしてくるのかを実務として知っているため、会社側の論理を踏まえたうえで、ご遺族側から的確に反論することができます。
メリット3:着手金0円・成功報酬制(実費は別途)
弁護士法人ブライトの労災事件は、着手金0円・成功報酬制(実費は別途)で対応しています。依頼開始時に費用は一切かかりません。解決した場合のみ、回収額に応じた報酬をお支払いいただく仕組みです。
※ 着手金はいただきませんが、訴訟を提起する場合の印紙代・郵券(切手)代、記録の取寄費用などの実費は別途ご負担いただきます。金額は事前にご説明します。
着手金0円・成功報酬制(実費は別途)で対応します
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死亡労災の各論点については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。目的に近いものからお読みください。
金額を知りたい
手続きの流れを知りたい
会社の責任を知りたい
- 労災死亡事故で会社と経営者が書類送検・逮捕されるケース|刑事責任と民事賠償の関係
- 労災死亡事故で会社の安全配慮義務違反を立証する方法
- 会社が労災を認めない・労災隠しに遭ったときの対処法
- 労災認定・会社対応ハブ
事故の種類から探す
労災全体の解説
よくある質問(FAQ)
Q1:労災保険を受け取った後でも会社に損害賠償できますか?
はい、できます。労災保険の給付と会社への損害賠償請求は別制度です。ただし、受け取った労災保険給付分は損害賠償額から損益相殺(控除)されます。慰謝料は控除の対象外です。
Q2:会社が「労災ではない」と言っています。どうすればよいですか?
会社の認定とは関係なく、遺族が直接労働基準監督署に労災申請できます。申請は遺族の権利であり、会社の同意は不要です。また、会社の損害賠償請求も、労災認定を待たずに進められます。
Q3:相続放棄した場合、会社への損害賠償請求はどうなりますか?
相続放棄すると、被災者本人の死亡慰謝料(相続分)・逸失利益の請求権は失います。ただし、近親者固有の慰謝料(民法711条)は固有の権利なので引き続き請求できます。また、遺族補償年金も相続財産ではないので放棄の影響を受けません。
Q4:過労死の場合でも会社に損害賠償を請求できますか?
はい、請求できます。過労死(脳・心臓疾患)の労災認定基準では、発症前1か月間におおむね100時間、または発症前2か月ないし6か月間にわたって1か月あたりおおむね80時間を超える時間外労働があった場合に、業務と発症の関連性が強いと評価されます。労災認定が下りた場合、会社の安全配慮義務違反を立証して損害賠償を請求することが可能です。認定基準の詳細は脳・心臓疾患(過労死)の認定基準と会社への損害賠償請求、認定後の実務については過労死認定後の遺族補償と相続実務で解説しています。
Q5:一人親方の場合、遺族は会社に損害賠償できますか?
一人親方は労働者ではないため、元請・下請会社との関係で安全配慮義務の有無が問題になります。実際には工事請負人であっても、実態として指揮命令下に置かれていた場合は損害賠償が認められるケースがあります。一人親方の労災死亡で詳しく解説しています。
Q6:死亡から2年経っています。時効は切れていますか?
会社への損害賠償請求の時効は主観的起算点から5年です(改正民法724条の2・2020年4月以降の事故)。2年であれば時効は切れていません。ただし、証拠が失われている可能性があるため、すぐに弁護士に相談してください。なお、2020年3月以前に発生した事故でも、改正民法の施行日(2020年4月1日)の時点で旧法の3年がまだ経過していなかった場合には、5年の時効が適用されます(改正民法附則)。いずれにしても事故から20年という期間制限もあるため、個別の確認が必要です。
Q7:労災の死亡事故で、会社はどうなるのですか?
会社が問われる責任は3つに分かれます。ご遺族への民事の損害賠償、労働安全衛生法違反などを理由とする刑事責任(書類送検されることがあります)、労働基準監督署による行政上の措置(是正勧告・使用停止等命令など)です。ご遺族が直接請求するのは民事の損害賠償で、刑事・行政の手続きとは別に進みます。詳しくは書類送検・逮捕されるケースをご覧ください。
Q8:会社が書類送検されなければ、損害賠償は請求できませんか?
そのようなことはありません。刑事責任は刑罰を科すかどうかの判断、民事の損害賠償は生じた損害を誰が負担するかの問題で、判断の枠組みが異なります。書類送検に至らなかった事案でも、会社の安全配慮義務違反を立証して損害賠償が認められることがあります。
Q9:結局、いくらくらい受け取れるのでしょうか?
死亡慰謝料・近親者慰謝料・逸失利益・葬儀費用を積み上げると、数千万円から1億円前後という水準になることがあります。ただし、支給済みの遺族補償年金などは損益相殺として差し引かれ、過失相殺で減額される場合もあるため、実際の額はケースごとに変わります。計算の考え方は労災の死亡でもらえる金額はいくら?で解説しています。
Q10:弁護士費用が払えません。相談できますか?
はい、相談は無料です。弁護士法人ブライトの労災事件は着手金0円・成功報酬制(実費は別途)のため、弁護士費用を事前に用意する必要はありません。解決して補償金を受け取った際に報酬をお支払いいただく仕組みです(印紙代・郵券代などの実費は別途ご負担いただきます)。
まとめ
仕事中の死亡事故で遺族が受け取れる補償は、労災保険給付だけではありません。会社への損害賠償請求(安全配慮義務違反)、第三者への賠償、近親者固有の慰謝料——これら複数のルートを組み合わせることで、補償を最大化できます。
重要なポイントを再確認します。
- 労災保険と会社への損害賠償は別制度。両方請求できる
- 慰謝料(死亡本人分・近親者分)は労災保険ではカバーされない
- 相続放棄しても近親者慰謝料・遺族補償年金は受け取れる
- 会社の責任は刑事・行政・民事の3つ。ご遺族が請求するのは民事の損害賠償
- 時効は死亡から5年(早めに動くほど証拠が残っている)
- 着手金0円・成功報酬制(実費は別途)で弁護士に依頼できる
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