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労災事故の基礎知識

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労災申請の流れと手続きの注意点を弁護士が詳しく解説!

労災申請の手続きが複雑なことで、「労災保険の給付申請はどのような流れで行えばよいのか」や「手続きに期限はあるのか」などを知りたい方もいるのではないでしょうか。

この記事では、基本的な申請の流れや給付ごとのポイント、手続き時の注意点を解説します。労災申請に関するQ&Aも紹介しますので、参考にしてください。

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労災申請すれば、さまざまな補償が受けられる!

労働者が労災(労働災害)に遭ったときは、「労災保険」を利用することができます。労災保険とは、業務や通勤が原因で労働者が傷病などを負った場合に必要な保険給付を行うとともに、被災労働者の社会復帰の促進などを行う制度のこと。労災保険では、労働者の保護を目的としたさまざまな補償を受けられます。

そもそも「労災」とは

労災(労働災害)とは、労働者が業務中または通勤中に被った怪我・疾病・死亡のこと。

労働者の業務上の負傷・疾病・障害および死亡を「業務災害」といい、通勤途中での負傷・疾病・障害および死亡を「通勤災害」という。

【関連記事】労災(労働災害)とは?補償内容や申請方法をわかりやすく解説
【関連記事】労働保険とは?受けられる補償や受ける方法を解説

参考:「労災保険給付の概要」厚生労働省

各補償の詳細については、後ほど詳しくご紹介します。

労災の申請方法と流れ

労災保険にはさまざまな給付がありますが、基本的な申請方法は同じです。ここでは、労災保険の申請の流れを確認しましょう。

フロー1:会社に労災発生を報告

労災事故が発生したら、まずはその事実を会社に報告します。労災保険給付を受けるためには労働基準監督署へ給付の種類に応じた請求書を提出しなければならず、そこに会社から事実証明を記載してもらう必要があるからです。

また、会社には労働安全衛生規則第97条により、労災事故が起こった場合、遅滞なく正確に労災内容を労働基準監督署に報告する義務があります。休業4日以上の場合は、労働者死傷病報告(様式第23号)の提出による報告が必要です。加えて、業務災害の場合、労働基準法に基づき休業(補償)等給付の待期期間となる最初の3日間については、会社が休業補償を行わなければなりません。

このような事情を踏まえて適切に手続きを行ってもらうためにも、労災発生後は速やかに、会社へ事故の日時や具体的な状況などを報告しましょう。

フロー2:病院を受診

会社に報告したあとは、病院を受診し治療を受けましょう。病院の受診は、怪我や病気の改善に加え、適切な労災保険を申請・受給するために大切です。

受診の流れについては、後述する「労災保険給付の種類と申請時のポイント」の「療養(補償)等給付」で詳しくご紹介します。

なお、労災による受診時に、健康保険は使用できません。誤って健康保険証を使い治療を行った場合、一時的ではあるものの治療費を全額負担することになってしまいます。健康保険から労災保険への切り替えには手間がかかるため、受付窓口で労災での受診であることを確実に伝えましょう。

参考:「お仕事でのケガ等には、労災保険!」厚生労働省

フロー3:請求書などを準備し、労働基準監督署へ提出

続いて、保険給付の請求書(申請書)を準備します。請求書は、給付の種類や労災内容(通勤災害か業務災害か)で異なります。給付の種類によっては診断書などの添付資料が必要な場合もあるため、詳細を確認して準備しましょう。 

必要な書類が整ったら、「医療機関の証明」や「事業主の証明」など必要記載事項を満たしたうえで、請求書と添付資料を管轄の労働基準監督署に提出します。

なお、請求書の提出は、基本的に被災労働者自身が行うこととなっています。一方で、負傷状況などにより被災労働者での手続きが困難な場合には、会社の労災担当者が代わりに申請手続きを行うケースもあります。

各種給付の申請書類は、厚生労働省のホームページからダウンロードが可能です。

参考:「主要様式ダウンロードコーナー (労災保険給付関係主要様式)」「全国労働基準監督署の所在案内」厚生労働省

【関連記事】労災手続きの流れは?必要書類から注意点まで弁護士が詳しく解説

フロー4:労働基準監督署の調査

労働基準監督署に請求書を提出すると、労働基準監督署による調査があり、必要に応じて被災労働者や会社に対し、事故に関する聞き取りなどが行われます。「業務災害であるか否か」や「休業を要するか否か」などを審査したのち、労災の支給・不支給を判断し、請求人本人(被災労働者)に対して支給(不支給)決定が通知されます。

フロー5:労災認定後、保険給付の支払い

労災認定が下りたら、指定の振込口座へ保険給付が支払われます。

労災保険給付の種類と申請時のポイント

ここからは、労災保険給付の種類ごとに補償内容の詳細や申請時のポイントを解説します。

療養(補償)等給付

 療養(補償)等給付とは、怪我や病気の治療費や入院費、通院費などを、傷病が治ゆ(症状固定)するまで補償するものです。

治ゆとは

これ以上治療を行っても効果が期待できない「症状固定」の状態のこと。「回復した状態」「完治」のみを意味する言葉ではないことに注意が必要。

療養(補償)等給付の申請手続きには、以下の2つの方法があります。

●労災保険指定医療機関を受診する
●労災保険指定以外の医療機関を受診する

労災保険指定医療機関を受診する(自己負担なく治療等を受ける場合)

労災保険指定医療機関を受診した場合は、一時的な自己負担もなく、無料で治療や薬剤の支給などを受けられます。手続きの流れは以下の通りです。

1.労災保険指定病院を受診する
2.会社(事業主)から請求書に証明を受ける
「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付請求書」(様式第5号)(業務災害)
「療養給付たる療養の給付請求書」(様式第16号の3)(通勤災害)
3.受診した指定医療機関へ請求書を提出する(指定医療機関等を経由して、所轄の労働基準監督署長に書類が渡る)
4.労働基準監督署が請求書を受理し、受診した医療機関へ治療費などが支払われる

労災保険指定医療機関の受診は、医療費の窓口負担なしで治療が受けられたり診断書の提出が不要であったりと、申請方法も簡易的であることが特徴です。そのため、労災発生時は、労災保険指定医療機関の受診がおすすめです。

労災保険指定医療機関とは

労災保険法の規定による療養の給付を行うものとして、都道府県労働局長が指定する病院または診療所のこと。「労災保険指定病院」「労災病院」がある。

参考:「労災保険指定医療機関検索」厚生労働省

【関連記事】労災指定病院とは?指定病院以外を受診した場合の対応も紹介

労災保険指定医療機関以外の病院を受診する(費用の支給を受ける場合)

一方で、近くに、労災保険指定医療機関がない場合には、会社や自宅近くの、労災保険指定以外の病院などを受診するケースもあるでしょう。その際の手続き方法は以下の通りです。

1.受診をした病院・薬局に医療費を全額支払う
2.請求書を準備・作成し、会社から請求書に証明を受ける
「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の費用請求書」(様式第7号(1))(業務災害)
「療養給付たる療養の費用請求書」(様式第16号の5(1))(通勤災害)
※処方箋の受け取りやマッサージ、はり、灸の治療を受けた場合は、該当する様式を提出する
3.受診した病院で担当医師に、請求書への証明や診断書の作成を依頼する
4.必要書類を揃え、労働基準監督署に提出する
5.自己負担した医療費の返金など、労災保険が給付される

労災保険指定医療機関以外を受診した場合、治療費などを一時的に全額自己負担する必要があるため、費用が高額になる可能性もあることに注意しましょう。

休業(補償)等給付

休業(補償)等給付とは、怪我や病気が原因で休業して賃金の支払いを受けられない場合に、休業4日目から受けられる賃金補償のことです。

労働基準監督署への労災申請と審査を経ることで、「休業日4日目から、休業1日につき給付基礎日額の80%(保険給付60%+特別支給金20%)」が支給されます。

給付基礎日額とは

対象の労災が発生した日、または医師の診断によって疾病の発生が確定した日から直前3カ月間における賃金の総額を、3カ月の歴日数で割った1日あたりの賃金額のこと

なお、給付の支給開始は「休業4日目から」となっており、最初の3日目までは待期期間と呼ばれています。この期間は、事業主が労働基準法第76条に基づいて休業補償(平均賃金の60%)を行う決まりです。

なお、申請は、休業した全ての期間分をまとめて請求することも、1カ月ごとなど期間を区切って請求することも可能です。

【申請時の必要書類】

「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」(業務災害用)
「休業給付支給請求書(様式第16号の6)」(通勤災害用)

支給額などの詳しい内容は、以下の記事を参考にして下さい。

【関連記事】労災保険の休業補償の支給期間や支給額について解説

障害(補償)等給付

障害(補償)等給付とは、労災による怪我や病気が治ゆしたあと、一定の障害(後遺障害)が残っている際の補償です。 

労働基準監督署に申請する際は、請求書に主治医の作成した「後遺障害の診断書」を添付し、後遺障害の認定手続きをする必要があります。適切な補償を受けるためには、診断書を正確に記載してもらうことが大切です。

【申請時の必要書類】

「障害補償給付支給請求書(様式第10号)」(業務災害用)
「障害給付支給請求書(様式第16号の7)」(通勤災害用)
「診断書(障害(補償)等給付請求用)」

詳しくは関連記事をご確認下さい。

【関連記事】労働災害の後遺障害等級に応じた補償金額は?認定基準や手続きを解説
【関連記事】後遺障害認定を受ける手順と注意点を分かりやすく解説

傷病(補償)等年金

傷病(補償)等年金とは、療養開始後、1年6カ月を経過しても治ゆせず、一定の障害が残っている際の補償です。認定される傷病等級に応じて、「傷病補償年金」「傷病特別支給金」「傷病特別年金」が支給されます。

傷病(補償)等年金の支給を受ける場合、療養(補償)等給付は引き続き支給されますが、休業(補償)等給付の支給はなくなります。

なお、傷病(補償)等年金の支給・不支給の決定は、所轄の労働基準監督署長の職権によって行われるため、請求手続きは必要ありません。一方で、療養開始後1年6カ月を経過しても傷病が治っていない場合には、その後1カ月以内に、以下の書類を労働基準監督署に提出する必要があります。

【申請時の必要書類】

「傷病の状態等に関する届(様式第16号の2)」(業務災害・通勤災害共通)
●上記の書類の提出時は、医師の診断書を添付

介護(補償)等給付

介護(補償)等給付とは、障害(補償)等年金または傷病(補償)等年金の受給者のうち、障害等級・傷病等級が第1級または、第2級の「精神神経・胸腹部臓器の障害」を持つ方が、現に介護を受けている場合に支給される給付のことです。

病院への入院や介護老人保健施設などへ入所している場合は、支給の対象外となります。

介護(補償)等給付の請求は1カ月ごとに行うのが一般的ですが、3カ月分をまとめて請求することも可能です。

【申請時の必要書類】

「介護補償給付支給請求書(様式第16号の2の2)」(業務災害・通勤災害共通)
介護に要した費用の額の証明書
●医師または歯科医師の診断書

申請時には、医師による診断書の添付が必要ですが、次の内容に当てはまる方は医師の診断書の添付が不要です。

・傷病(補償)年金の受給者
・障害等級第1級3号・4号または第2級2号の2・2号の3に該当する方
・2回目以降の継続して介護(補償)等給付を請求する方

遺族(補償)等給付

遺族(補償)等給付とは、労働者が労災が原因で亡くなった場合に遺族が受けられる補償です。労働者の死亡当時収入によって生計を維持していた遺族が対象の「遺族(補償)等年金」と、労働者の死亡当時に遺族(補償)等年金を受ける遺族がいないなどの場合に支給される「遺族(補償)等一時金」があります。

ここでは、遺族(補償)等年金の申請に必要な書類を紹介します。申請時には、 請求書とともに、死亡診断書や戸籍抄本、故人の収入で生計を維持していたことがわかるものが必要です。

【申請時の必要書類】

「遺族補償年金支給請求書(様式第12号)」(業務災害用)
「遺族年金支給請求書(様式第16号の8)」(通勤災害用)
●死亡診断書など、被災労働者の死亡の事実及び死亡の年月日を証明できる書類
●戸籍抄本など、請求人および他の受給資格者と被災労働者との身分関係を証明できる書類
●請求人および他の受給資格者が被災労働者の収入によって生計を維持していたことを証明できる書類

葬祭料等(葬祭給付)

葬祭料等(葬祭給付)は、労働者が業務または通勤上の理由で死亡したときに、葬祭を行う遺族などに給付されるものです。

葬祭給付の手続きには、死亡診断書など、被災労働者の死亡の事実および死亡の年月日を証明することができる書類が必要です。一方で、遺族(補償)等給付の請求書を提出する際に添付している場合は必要ありません。

【申請時の必要書類】

「葬祭料又は複数事業労働者葬祭給付請求書(様式第16号)」(業務災害用)
「葬祭給付請求書(様式第16号の10)」(通勤災害用)
●死亡診断書など、被災労働者の死亡の事実及び死亡の年月日を証明できる書類

【関連記事】家族が労災で死亡した場合に遺族がするべきことは?労災保険や損害賠償について

労災保険の申請手続きの注意点

次に、労災保険の申請手続きにおける注意点を解説します。

申請は給付の種類ごとに手続き期限がある

労災の保険給付の申請には時効が設けられており、給付の種類ごとに時効期間や起算日などが異なります。給付ごとの時効は以下の通りです。

給付の種類 時効期間 起算日
療養(補償)等給付 2年間
※労災保険指定医療機関などで無料で治療を受けることができる「療養の給付」の場合、時効はない
療養の費用を支払った日ごとにその翌日
休業(補償)等給付 2年間 賃金を受けない日ごとにその翌日
障害(補償)等給付 5年間 傷病が治ゆした日の翌日
介護(補償)等給付 2年間 介護を受けた月の翌月の1日
遺族(補償)等給付 5年間 被災労働者が亡くなった日の翌日
傷病(補償)等年金 監督署長の職権により移行されるため時効はない
葬祭料等(葬祭給付) 2年間 被災労働者が亡くなった日の翌日

出典:「労災保険に関するQ&A(7‐5 労災保険の各種給付の請求はいつまでできますか)」厚生労働省

時効を過ぎると給付を受けることができないため、注意が必要です。特に、休業(補償)等給付は休業していたすべての期間についてまとめて請求ができますが、期限を過ぎないように手続きすることが重要となります。

認定を受けるまで審査に時間がかかる

労災の申請から支給決定までにかかる審査の期間は、請求する保険給付の種類によって異なります。以下は、請求受付から給付決定までにかかる期間の目安です。

給付の種類 請求受付から支給までにかかる期間の目安
療養(補償)等給付 おおむね1カ月かそれ以上
休業(補償)等給付 おおむね1カ月かそれ以上
障害(補償)等給付 おおむね3カ月かそれ以上
遺族(補償)等給付 おおむね4カ月かそれ以上

上記のように、認定され支給を受けるまでは、ある程度の期間がかかることを理解しておきましょう。請求の内容によっては、詳細な調査・審査が行われ目安以上の期間を要するケースもあります。

労災保険申請に関するQ&A

ここからは、労災保険の申請に関してよくある質問を解説します。

Q1:パートやアルバイトでも保険給付は受けられる?

パートやアルバイトなどの非正規雇用者でも、労災保険給付は受けられます。労災保険は、労働基準法上の労働者を対象としています。

そのため、パートやアルバイトなど就業形態にかかわらず、事業主との間に雇用関係があり、業務または通勤により負傷した場合などは、正規雇用者と同様に保険給付を受けることが可能です。

Q2:会社が労災保険に加入していない・利用を拒否されたときは?

雇用形態にかかわらず、従業員をひとりでも雇用する会社には、法律により労災保険への加入が義務付けられています。

労災発生時に会社が労災保険に加入していない場合でも、被災労働者本人が手続きを行い、労災保険給付を受けることは可能です。会社が労災保険の適用を拒否した場合も、同様に被災者が申請を行えます。

【関連記事】労災を会社が認めないとき労災申請はできる?認定の基準や会社が認めない理由とは

Q3:労災認定を受けるための条件は?

労災保険の給付を受けるには、傷病や死亡が労災によるものであると認められる必要があります。例えば業務災害の場合、労災が認められるための条件は以下の2つです。

業務遂行性:会社(事業主)の支配下または管理下にあること
業務起因性:業務と傷病などとの間に一定の因果関係があること

一例として、「足場からの転落」や「工業機械による傷害」などの事故は、労災認定を受けやすいといえます。一方、業務負荷による精神疾患などは、精神疾患の発症が業務によるものかどうかやその因果関係について、客観的な証拠や医学的な観点なども含め判断する必要があり、労災認定の判断が難しいとされています。

【関連記事】労災認定されないケースとは?判断基準や不服の場合の対応

なお、通勤災害が労災と認められるかどうかは、また別の条件があります。詳しい内容については、以下の記事をご確認ください。

【関連記事】通勤中の事故は労災保険の対象?「通勤災害」の認定要件や申請フローなどを解説

Q4:誰が申請するの?

労災保険の手続きは、「労災被害者本人(もしくは遺族)が行う」もしくは「会社が代行する」の2つの方法があります。

原則的に労災被害者もしくは遺族が行います。しかし、被災従業員本人が労災請求の手続きを行うことが難しい場合には、労災保険法施行規則第23条により、会社が従業員の労災申請をサポートしなければならないと義務付けられています。

一方で、会社が労災の事実を隠したいなどの理由から、会社側が労災申請に協力的でないケースもあります。労災の申請には、「事業主の証明」の記載が必要な書類もありますが、協力が得られない場合でも手続きは可能です。

【関連記事】労災申請の際に必要な事業主証明について解説。拒否された場合の対策も

Q4:労災保険は損害の全額をカバーできる?

労災保険の給付額は、個々の状況や診断書、調査などに照らして算出されますが、決められた保証内容に応じて画一的に支給されるため、労災事故による全ての損害をカバーすることはできません。

例えば、休業(補償)等給付では、休業補償給付と休業特別支給金を合わせて平均賃金の80%相当の補償を受けられますが、残りの休業損害については補償されません。

そのため、不足分について請求したい場合、会社に損害賠償請求することが必要です。損害賠償請求では、労災保険から80%の補償を受けた場合でも、休業特別支給金の20%分は会社に対する請求額から控除する必要がないため、会社に対して休業損害の40%分を追加で請求することができます。

また、労災保険からは慰謝料は支払われません。慰謝料とは、労災事故で労働者が受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償金です。慰謝料を会社に請求したい場合は、会社に損害賠償を請求することとなります。例えば、入通院の期間に応じた「入通院慰謝料」、後遺症が残った場合の「後遺障害慰謝料」、労災被害によって失われた将来の収入に対する賠償金である「後遺障害逸失利益」も請求可能です。

【関連記事】労災で慰謝料請求はできる?請求方法や時効などについて弁護士が解説
【関連記事】労災が発生したら会社に損害賠償請求はできる?相場や流れ、注意点を解説

労災申請時に弁護士に相談するメリット

労災事故で被った損害を労災保険で全てカバーすることはできません。

●元の生活水準を回復するために、会社に損害賠償請求したい
●会社側に申請で続きを協力してもらえないから、詳しい方に教えてもらいたい

このようなときには、弁護士への相談がおすすめです。

なるべく多くの損害を回復したい場合は、保険給付の申請に加え損害賠償請求をすることもできますが、損害賠償請求には専門知識が必要不可欠です。弁護士であれば、補償に対する知識と交渉力を生かし、最大限の補償を獲得できるでしょう。

会社から労災保険の利用について理解や協力が得られなかった場合も、弁護士を通じて労災保険の申請を進めたり、「労災かくし(会社が労災報告をしない・虚偽の内容を記載するなど)」の責任を追及したりすることができれば安心です。

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笹野 皓平

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