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Amazonでの競合セラーによる虚偽の知的財産権(IP)申告は、不正競争防止法違反に当たる可能性があります。アカウント停止と売上消失の被害を受けた場合、損害賠償請求という法的手段で解決できるケースがあります。
ご相談の経緯
今回ご相談いただいたのは、家電アクセサリー(スマートフォン周辺機器)をAmazonで販売する個人事業主の方です。ある日突然、競合セラーと思われる者から「商標権侵害」を主張するIP申告(Intellectual Property Complaint)が送られ、Amazonによりアカウントが停止されました。
停止期間は約3週間。この間、売上がゼロとなり、推定損害額は180万円に達しました。申告内容の詳細をAmazonから確認しようとしたものの、「申告者との間で解決してください」という回答のみで、Amazonからの具体的なサポートは得られませんでした。
申告者に連絡を取ろうとしても相手方から回答はなく、事態が膠着。「この申告が本当に有効なものなのか確認したい」「損害賠償を請求できないか」という目的で弊所にご相談いただきました。
事案の整理
弊所弁護士が申告内容を精査した結果、申告された商標権には重大な問題があることが判明しました。
申告者が主張する商標は、特許庁の商標データベースで照合したところ、以下のいずれかの状態にありました。
- 商標登録の有効期限がすでに切れており、現時点では権利が存在しない
- 申告者は商標権の原登録者ではなく、正式なライセンス許諾の記録もない第三者
- 申告対象の商品カテゴリが、当該商標の指定商品区分に含まれていない
いずれのケースも、Amazonへの申告を行う法的根拠を欠いています。こうした根拠のないIP申告は、競合セラーを不正に市場から排除するための「嫌がらせ申告」として問題になることがあります。
関連情報:Amazon競合からの嫌がらせ・不正申告への法的対処法
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弁護士による調査と対応
1. 申告内容の特許庁データベース照合
まず特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を使用し、申告された商標の登録状況・有効期限・権利者情報・指定商品区分を徹底的に調査しました。この段階で、申告内容が法的に有効な権利に基づくものではないことを立証するための証拠資料を収集しました。
2. Amazonへの異議申し立て(Retraction Request)
Amazonのセラーセントラルを通じて、IP申告の取り下げを求める異議申し立て(Retraction Request)を提出しました。この際、弁護士が調査した商標権の無効性に関する証拠(商標データベースのスクリーンショット・権利失効の確認書類等)を添付し、申告が権利に基づかないものであることを明確に主張しました。
Amazonに対しては、根拠のない申告によってセラーが受けた売上損害の事実も同時に伝えました。
3. 申告者への内容証明郵便の送付
申告者に対して、弁護士名義での内容証明郵便を送付しました。内容証明では以下の点を明示しました。
- 申告内容が虚偽であり、法的根拠を欠くこと
- 当該行為が不正競争防止法第2条第1項21号(競業者の営業妨害)に該当し得ること
- 申告によって生じた売上損害(推定180万円)に対する損害賠償請求権の存在
- 相当期間内に示談交渉に応じない場合、民事訴訟を提起すること
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結果
Amazonへの異議申し立て後、Amazonは申告内容を精査した結果、当該IP申告を「無効」と判断。アカウント停止が解除され、セラーとしての販売活動を再開することができました。
また、弁護士からの内容証明郵便を受けた申告者は弁護士を立て交渉に入り、最終的に示談が成立。申告者から損害賠償として120万円の支払いを受けることができました。
本件はアカウント復活と損害賠償の両方を実現した事例です。被害を泣き寝入りせず、法的手段を活用した結果です。
この事例のポイント
虚偽申告の立証方法
競合からのIP申告に対して「申告が虚偽だ」と主張するだけでは不十分です。商標データベースの照合により、申告者が権利を持たないこと・権利が失効していること・対象商品が指定区分外であることを書類で証明することが、Amazonを動かすための鍵となります。
Amazonが申告を無効と認定するための要件
Amazonは商標権の有効性について独自に判断します。Amazonに申告を無効と認定させるためには、申告の問題点を具体的な証拠で示す必要があります。弁護士が代理人として書面を作成することで、この判断を促すことができます。
損害賠償請求の可能性
虚偽の知財申告によるアカウント停止は、不正競争防止法上の「競業者の営業妨害」として損害賠償の対象となり得ます。申告者の意図(故意・過失)と損害額の立証が求められますが、アカウント停止期間中の売上記録等をもとに損害を算定することは可能です。
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同様のお悩みの方へ
以下に当てはまる方は、早期に弁護士へご相談ください。
- 競合と思われるセラーからIP申告を受けてアカウントが停止された
- 申告された商標が本当に有効なものか確認したい
- アカウント停止期間中の売上損害を請求したい
- 申告者と直接交渉する手段がなく困っている
- 同様の申告が繰り返されており、根本的な解決策を求めている
弁護士法人ブライトでは、Amazonプラットフォームにおける知財トラブル・競合嫌がらせ案件に精通した弁護士が対応します。まずはお気軽にご相談ください。
関連情報:Amazon知財申告でアカウント停止になったら|Amazon競合からの嫌がらせ・不正申告への法的対処法
監修弁護士
嶋本 敦(しまもと あつし)
弁護士法人ブライト パートナー弁護士
登録2008年・修習61期・京都大学法学部出身
企業法務・契約トラブル・取引紛争を中心に多数の案件を担当
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