メルセデス・ベンツを交通事故で損傷させられた場合、修理費以外に評価損(格落ち損)を請求できる場合があります。しかし、保険会社は評価損を自発的に提示しません。請求しなければ0円のまま示談が終わります。
- ベンツCL600の評価損:修理費の30%(51万7230円)を認定した裁判例あり(京都地判平18・9・22)
- ベンツE320の評価損:車両価格650万円の1割(65万円相当)を認定した裁判例あり(京都地判平11・7・6)
- 年式・走行距離・損傷部位によって金額が大きく変わる
- 保険会社の「払えない」に対して弁護士が裁判例を示して交渉・訴訟できる
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メルセデス・ベンツの評価損とは
評価損(格落ち損)とは、交通事故で車が損傷し、修理によって外見上は元に戻っても、中古市場における車両価値が事故前より下がってしまう損害のことです。メルセデス・ベンツは中古市場における評価が高い高級外車であるため、評価損が認められやすい車種の代表格です。
評価損には、①修理しても機能・外観に欠陥が残る「技術上の評価損」と、②修理により欠陥は残存しないが事故歴・修理歴により交換価値が下がる「取引上の評価損」があります(赤い本2026年版下巻・満田智彦裁判官講演録参照)。実務上問題になるのは主に後者です。
なぜ保険会社は評価損を払わないのか
- ①任意保険の支払基準に評価損の項目がない——修理費・代車費用等は支払基準が明確ですが、評価損は「対象外」として扱われます
- ②請求しなければ0円で示談が終わる——保険会社は評価損の存在を伝える義務がありません
- ③「裁判をしなければ払わない」という対応をされる——弁護士が裁判例を示して交渉・訴訟して初めて動く損害です
ベンツの評価損交渉は弁護士法人ブライトへ。交通事故専用フリーダイヤル:0120-927-113(通話料無料)
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メルセデス・ベンツの評価損——裁判例
専門書(園部厚著『交通事故物的損害の認定の実際』・赤い本2026年版下巻)に収録されたメルセデス・ベンツの評価損裁判例を紹介します。
ベンツCL600——修理費の30%(51万7230円)を認定
初度登録から約4年半が経過し、事故当時の走行距離が約4万7741kmのメルセデス・ベンツCL600(正規本体購入価格1774万5000円の高級輸入車)について、車体骨格部分の損傷が存在すると認めることは困難であり、修理後車検に合格して使用していることなどを考慮すると、格落ち損が存在すると評価することは困難であるが、正規本体購入価格が1774万5000円の高級輸入車であり、中古車市場でも一定の高価値を有していることを考慮し、相当修理費の30%相当(51万7230円)の格落ちを認めた(京都地判平18・9・22 自動車保険ジャーナル1678号12頁)。
ベンツE320——車両価格650万円の1割を認定
被害車両(メルセデス・ベンツE320の新車を750万円(諸費用込み810万円〜820万円)で購入し、その後1年未満の事故時の走行距離4000〜5000km程度)について、成立している売却価格650万円は、中古車市場における適切な市場価格を反映したものであるから、被害車両の事故当時の価格は650万円が相当であり、修理費用の見積額91万9800円、被害車両が新規登録から1年未満の高級車でありながら事故経由の烙印を押されることからすれば、単なる修理だけではまかなえない評価の下落損が生じることは否定できず、損傷の部位・程度を勘案すれば当時の車両価格650万円の1割を評価損と認めるべきであるとした(京都地判平11・7・6 自動車保険ジャーナル1328号3頁)。
出典:園部厚著『交通事故物的損害の認定の実際』評価損部分
赤い本2026年版が示す「ベンツの評価損」の目安
赤い本2026年版下巻(満田智彦裁判官講演録)による裁判例約90件の分析では、外国の高級車について以下の目安が示されています。
| 評価損の割合 | 目安となる条件 |
|---|---|
| 修理費の30%程度 | 初度登録から1年未満・走行距離1万km未満・骨格部分の損傷あり |
| 修理費の20%程度 | 初度登録から6か月未満・走行距離1万km未満・骨格部分の損傷なし |
| 修理費の10%程度 | 初度登録から3年以上5年未満・走行距離2万km程度・骨格部分の損傷なし |
| 認められにくい | 初登録から6年以上経過・または走行距離7万km超 |
なお、ベンツCL600の裁判例(京都地判平18・9・22)では、初登録から約4年半・走行距離約4万7741kmという「認められにくい」目安に近い条件であっても、高価格輸入車であることを考慮して修理費の30%が認定されています。高級車の評価損は個別の事情が非常に重要です。
弁護士に依頼すると評価損以外にも増える——総額で考える
遅延損害金(事故日から年3%)
交通事故による損害賠償請求権は不法行為に基づくため、事故日から遅延損害金(法定利率年3%・現行民法)が加算されます。示談では保険会社は遅延損害金を乗せてきません。訴訟・訴訟前提の和解で初めて満額に乗る項目です。
弁護士費用相当損害金(認容額の約1割)
不法行為訴訟では、認容額の約1割を弁護士費用相当損害金として加算するのが判例の扱いです。ただし、物損のみの事案では認められない裁判例もあります(人身損害と併存する案件や高額物損案件では認められやすいとされています)。
弁護士費用特約で評価損は取れる?
メルセデス・ベンツの評価損請求において、弁護士費用特約(弁特)の有無によって費用の精算方法が異なります。
弁特なし——弁護士費用相当損害金が自腹回避になる
弁護士費用特約をお持ちでない場合、訴訟・訴訟前提の和解では弁護士費用相当損害金(認容額の約1割)が相手方から支払われることがあります。これは実質的に弁護士費用の自腹を回避できる項目です。また遅延損害金(事故日から年3%)は誰でも純増になります。
弁特あり——精算(返金・控除)が必要なケースがある
弁護士費用特約がある場合、判決や和解で相手方から弁護士費用相当額が支払われたときは、特約の保険会社との間で精算(返金・控除)が必要になることがあります。弁護士費用特約と弁護士費用相当損害金の両方を二重に受け取ることはできません。一方、遅延損害金は誰でも純増となり、精算の対象にはなりません。
弁護士費用特約をご利用の場合、判決などで相手方から弁護士費用相当額が支払われたときは、特約の保険会社との間で精算(返金・控除)が必要になることがあります。二重に受け取れるものではありません。詳しくはご相談ください。
弁護士費用特約の仕組みや、特約なしでの費用の流れについては以下もご参照ください。
評価損の請求に必要な証拠
- 車検証(初度登録年月・車種・型式)
- 修理見積書・修理明細書(修理費の算定根拠)
- 損傷箇所の写真(骨格部分への影響を示す資料)
- 事故前後の査定書(一般財団法人日本自動車査定協会等)
- 走行距離の記録(車検記録・整備記録)
弁護士法人ブライト 交通事故専門チーム
- 交通事故主任:松本洋明弁護士(修習63期・登録2010年)が主担当
- 代表:和氣良浩弁護士が監修
- 弁護士歴平均14年以上のチームが担当
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よくある質問(FAQ)
Q1. ベンツの事故で評価損はいくら請求できますか?
裁判例では、修理費の10〜30%が認定されることが多く、ベンツE320では車両価格650万円の1割(約65万円相当)、ベンツCL600では修理費の30%(51万7230円)が認定されています。個別の年式・走行距離・損傷部位によって大きく異なります。まずはご相談ください。
Q2. ベンツの修理後に評価損を請求できますか?
はい、できます。修理明細書・車検証・走行距離の記録があれば評価損の根拠を組み立てることができます。
Q3. 保険会社が「評価損は払えない」と言っています。
諦める必要はありません。保険会社の支払基準にない項目でも、裁判例上認められている損害は請求できます。弁護士が交渉・訴訟を行うことで評価損が認められた事例が多数あります。
Q4. 骨格(フレーム)損傷がない場合でも評価損を請求できますか?
はい。ベンツCL600の裁判例でも骨格部分の損傷を認定することは困難としながら、高価格輸入車であることを考慮して評価損が認定されています。まずはご相談ください。
Q5. 評価損の時効はいつですか?
物損の損害賠償請求権の時効は、損害および加害者を知った時から3年です(民法724条)。事故から3年以内にご相談ください。
ベンツの評価損は、請求しなければ0円で終わります。弁護士法人ブライトにご相談ください。
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監修弁護士
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。大阪弁護士会所属。登録2010年・修習63期。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表弁護士。大阪弁護士会所属。弁護士歴20年以上。顧問先130社以上の実績。




