ポルシェを交通事故で損傷させられた場合、修理費以外に評価損(格落ち損)を請求できる場合があります。しかし、保険会社は評価損を自発的に提示しません。請求しなければ0円のまま示談が終わります。
- ポルシェカレラ911の評価損:150万円を認定した裁判例あり(大阪高判平21・1・30)
- 修理費222万3273円・購入代金約1600万円の純粋スポーツカーで、複数見積もりで850万円でしか売却できないことなどを考慮した判決
- 枢要部分への損傷・機能上の損傷が完全に回復していない可能性が評価損認定の根拠
- ポルシェは希少性・ブランド価値が高く、評価損が認められやすい車種
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ポルシェの評価損とは
評価損(格落ち損)とは、交通事故で車が損傷し、修理によって外見上は元に戻っても、中古市場における車両価値が事故前より下がってしまう損害のことです。ポルシェは世界的に評価が高いスポーツカーブランドであり、中古市場での価格が高く維持されているため、評価損が認められやすい車種です。
評価損には2種類あります。①技術上の評価損(修理しても機能・外観に欠陥が残る場合)と、②取引上の評価損(修理により欠陥は残存しないが事故歴・修理歴により交換価値が下がる場合)です。実務上問題になるのは主に後者です(赤い本2026年版下巻・満田智彦裁判官講演録参照)。
なぜ保険会社は評価損を払わないのか
- ①任意保険の支払基準に評価損の項目がない——評価損は「対象外」として扱われます
- ②請求しなければ0円で示談が終わる——保険会社は評価損の存在を伝える義務がありません
- ③「裁判をしなければ払わない」という対応をされる——弁護士が裁判例を示して交渉・訴訟して初めて動く損害です
ポルシェの評価損交渉は弁護士法人ブライトへ。交通事故専用フリーダイヤル:0120-927-113(通話料無料)
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ポルシェの評価損——裁判例
ポルシェカレラ911——評価損150万円を認定(大阪高判平21・1・30)
修理代金が222万3273円で、購入代金が約1600万円の純粋スポーツカーであるポルシェカレラ911について、事故により枢要部分に損傷が及び、機能上の損傷が完全には回復していない可能性が否定できず、ポルシェ取扱業者からサーキット走行等の高速走行は避けた方がよいと言われ、初度登録後4か月余りで事故に遭い、複数見積もりをとっても850万円でしか売却できないことなどから、150万円の評価損を相当とした(大阪高判平21・1・30 判時2049号30頁)。
出典:園部厚著『交通事故物的損害の認定の実際』評価損部分
この裁判例から読み取れること
- 初登録後4か月余りという新車同然の段階での事故
- 枢要部分への損傷——骨格部分への損傷に相当する重大な損傷
- 機能上の損傷が完全回復していない可能性——走行性能に影響を与える損傷
- 事故後850万円でしか売却できないという具体的な市場価値低下の証明
- これらを総合考慮して150万円(金額表示方式)が認定された
ポルシェの評価損——認定されやすい要因と難しい要因
赤い本2026年版下巻(満田智彦裁判官講演録)による裁判例約90件の分析では、外国の高級車について以下の目安が示されています。
| 評価損の割合 | 目安となる条件(外国の高級車の場合) |
|---|---|
| 修理費の30%超/高額(150万円等) | 初度登録から1年未満・走行距離1万km未満・骨格または枢要部分の損傷あり |
| 修理費の20〜30%程度 | 初度登録から1年未満・走行距離1万km未満・骨格部分の損傷なし |
| 修理費の10%程度 | 初度登録から3年以上5年未満・走行距離2万km程度・骨格部分の損傷なし |
| 認められにくい | 初登録から6年以上経過・または走行距離7万km超 |
ポルシェは特に市場での希少性が高く、損傷歴が市場価格に与える影響が大きいため、目安より有利な認定がされる場合もあります。個別の事情を弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士に依頼すると評価損以外にも増える——総額で考える
遅延損害金(事故日から年3%)
交通事故による損害賠償請求権は不法行為に基づくため、事故日から遅延損害金(法定利率年3%・現行民法)が加算されます。示談では保険会社は遅延損害金を乗せてきません。訴訟・訴訟前提の和解で初めて満額に乗る項目です。
弁護士費用相当損害金(認容額の約1割)
不法行為訴訟では、認容額の約1割を弁護士費用相当損害金として加算するのが判例の扱いです。ただし、物損のみの事案では認められない裁判例もあります(人身損害と併存する案件や高額物損案件では認められやすいとされています)。
弁護士費用特約で評価損は取れる?
ポルシェの評価損請求において、弁護士費用特約(弁特)の有無によって費用の精算方法が異なります。
弁特なし——弁護士費用相当損害金が自腹回避になる
弁護士費用特約をお持ちでない場合、訴訟・訴訟前提の和解では弁護士費用相当損害金(認容額の約1割)が相手方から支払われることがあります。これは実質的に弁護士費用の自腹を回避できる項目です。また遅延損害金(事故日から年3%)は誰でも純増になります。
弁特あり——精算(返金・控除)が必要なケースがある
弁護士費用特約がある場合、判決や和解で相手方から弁護士費用相当額が支払われたときは、特約の保険会社との間で精算(返金・控除)が必要になることがあります。弁護士費用特約と弁護士費用相当損害金の両方を二重に受け取ることはできません。一方、遅延損害金は誰でも純増となり、精算の対象にはなりません。
弁護士費用特約をご利用の場合、判決などで相手方から弁護士費用相当額が支払われたときは、特約の保険会社との間で精算(返金・控除)が必要になることがあります。二重に受け取れるものではありません。詳しくはご相談ください。
弁護士費用特約の仕組みや、特約なしでの費用の流れについては以下もご参照ください。
評価損の請求に必要な証拠
- 車検証(初度登録年月・車種・型式)
- 修理見積書・修理明細書(修理費の算定根拠)
- 損傷箇所の写真(枢要部分・骨格部分への影響を示す資料)
- 事故前後の査定書(一般財団法人日本自動車査定協会等)
- 複数の業者からの買取査定書——ポルシェカレラ911の裁判例のように「複数見積もりで〇〇万円にしかならない」という証拠は有効
- 走行距離の記録
弁護士法人ブライト 交通事故専門チーム
- 交通事故主任:松本洋明弁護士(修習63期・登録2010年)が主担当
- 代表:和氣良浩弁護士が監修
- 弁護士歴平均14年以上のチームが担当
- 着手金0円・完全成功報酬制(交通事故)
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関連ページ
よくある質問(FAQ)
Q1. ポルシェの事故で評価損はいくら請求できますか?
裁判例では、ポルシェカレラ911の事例で150万円が認定されています(大阪高判平21・1・30)。個別の年式・走行距離・損傷部位によって大きく異なります。まずはご相談ください。
Q2. ポルシェの修理後に評価損を請求できますか?
はい、できます。修理明細書・車検証・走行距離の記録があれば評価損の根拠を組み立てることができます。
Q3. 保険会社が「評価損は払えない」と言っています。
諦める必要はありません。大阪高裁の裁判例でポルシェカレラ911の150万円評価損が認定されています。弁護士が交渉・訴訟を行うことで評価損が認められた事例があります。
Q4. ポルシェは旧型でも評価損を請求できますか?
初登録から年数が経過している場合、評価損が認められにくい傾向はあります。しかしポルシェは希少性が高くクラシックカー的な価値を持つモデルもあるため、個別に検討が必要です。まずはご相談ください。
Q5. 弁護士費用特約がなくても依頼できますか?
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ポルシェの評価損は、請求しなければ0円で終わります。弁護士法人ブライトにご相談ください。
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監修弁護士
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。大阪弁護士会所属。登録2010年・修習63期。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表弁護士。大阪弁護士会所属。弁護士歴20年以上。顧問先130社以上の実績。




