BMWを交通事故で損傷させられた場合、修理費以外に評価損(格落ち損)を請求できる場合があります。しかし、保険会社は評価損を自発的に提示しません。請求しなければ0円のまま示談が終わります。
- BMW735iの評価損:修理費の30%(53万8524円)を認定した裁判例あり(東京地判平18・1・24)
- BMW645Ciの評価損:70万円を認定した裁判例あり(横浜地判平17・11・17)
- 初登録から約4か月という新車同然の状態での認定事例がある
- 骨格損傷がなくても評価損が認められた裁判例がある
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BMWの評価損とは
評価損(格落ち損)とは、交通事故で車が損傷し、修理によって外見上は元に戻っても、中古市場における車両価値が事故前より下がってしまう損害のことです。BMWは高品質な輸入高級車として中古市場での評価が高く、評価損が認められやすい車種です。
評価損には2種類あります。①技術上の評価損(修理しても機能・外観に欠陥が残る場合)と、②取引上の評価損(修理により欠陥は残存しないが事故歴・修理歴により交換価値が下がる場合)です。実務上問題になるのは主に後者です(赤い本2026年版下巻・満田智彦裁判官講演録参照)。
なぜ保険会社は評価損を払わないのか——3つの構造的理由
- ①任意保険の支払基準に評価損の項目がない——評価損は「対象外」として扱われます。修理費・代車費用等と異なり支払基準が明確ではないため、保険会社は自発的に提示しません
- ②請求しなければ0円で示談が終わる——保険会社は評価損の存在を伝える義務がありません。多くの場合、被害者は評価損の存在を知らないまま示談書にサインしています
- ③「裁判をしなければ払わない」という対応をされる——弁護士が裁判例を示して交渉・訴訟して初めて動く損害です。弁護士なしでは評価損ゼロのまま終わるリスクがあります
BMWの評価損交渉は弁護士法人ブライトへ。交通事故専用フリーダイヤル:0120-927-113(通話料無料)
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BMWの評価損——裁判例
専門書(園部厚著『交通事故物的損害の認定の実際』評価損部分・赤い本2026年版下巻)に収録されたBMWの評価損裁判例を紹介します。
BMW735i——修理費の30%(53万8524円)を認定
初度登録から約4か月経過したBMW735iについて、損傷が軽微とはいえないが、フレーム等の車体の本質的構造部分が損傷したものではなく、復元が可能であることなどから、評価損を修理費の3割53万8524円と認めた(東京地判平18・1・24 交民集39巻1号70頁)。
この裁判例の重要なポイントは、骨格部分(フレーム等)に損傷がないにもかかわらず、修理費の30%という高率の評価損が認定された点です。「骨格損傷がなければ評価損は出ない」という保険会社の主張は必ずしも正しくありません。
BMW645Ci——70万円(金額表示方式)を認定
修理代金が149万8413円の、登録後約2か月余りで事故に遭った走行距離3513kmの2004年式BMW645Ci(新車車両本体価格898万5000円)について、「原告車両の種類、使用期間、走行距離、修理代金等の事情を考慮して、事故歴付加による原告車両の財産的価値の低下による損害としては、70万円とするのが相当である」とした(横浜地判平17・11・17 自動車保険ジャーナル1652号21頁)。
BMW645Ciは修理費比で見ると約47%に相当する70万円が認定されました。登録後わずか約2か月・走行距離3513kmという条件が高率認定につながっています。
出典:園部厚著『交通事故物的損害の認定の実際』評価損部分・赤い本2026年版下巻(満田智彦裁判官講演録)
赤い本2026年版が示す「外国高級車の評価損」の目安
赤い本2026年版下巻(満田智彦裁判官講演録)では、裁判例約90件の実態分析をもとに、評価損認定の目安が整理されています。BMWはドイツ製の高級輸入車として、以下の外国高級車の基準が当てはまります。
| 評価損の割合 | 目安となる条件(外国の高級車の場合) |
|---|---|
| 修理費の30%程度 | 初度登録から1年未満・走行距離1万km未満・骨格部分の損傷あり |
| 修理費の20%程度 | 初度登録から6か月未満・走行距離1万km未満・骨格部分の損傷なし |
| 修理費の10%程度 | 初度登録から3年以上5年未満・走行距離2万km程度・骨格部分の損傷なし |
| 認められにくい | 初登録から6年以上経過・または走行距離7万km超 |
BMW735iの裁判例(東京地判平18・1・24)では、初登録から約4か月・骨格損傷なしという条件でも修理費の30%が認定されています。「骨格損傷がなければ評価損は請求できない」は誤りです。また、BMW645Ciの例のように、登録後約2か月・走行距離3513kmという状態であれば、修理費の50%近い金額が認定されることもあります。
評価損の認定に影響する具体的な要素
赤い本2026年版下巻(満田智彦裁判官講演録)では、評価損の認定に当たって考慮される要素として以下が挙げられています。
評価損が認められやすくなる要素
- 車種・ブランド:BMWのような高品質・高価格の輸入高級車であること。中古車市場での人気・流動性が高いほど、事故歴による価格低下が顕著
- 初度登録からの期間が短い:登録後3年以内、特に1年以内であれば認定されやすい
- 走行距離が少ない:走行距離1万km未満であれば「新車同然」として評価され認定率が上がる
- 損傷が骨格部分に及んでいる:骨格部分の損傷があれば修復歴表示義務が生じるため、中古車価格への影響が大きくなる
- 購入価格が高い:車両価格が高いほど、評価損の絶対額は大きくなる傾向がある
評価損が認められにくくなる要素
- 初度登録から6年以上経過している
- 走行距離が7万kmを超えている
- 損傷が軽微で修理費が少額
- 損傷が車体の機能・外観に顕在的・潜在的な影響を与えていない
弁護士に依頼すると評価損以外にも増える——総額で考える
遅延損害金(事故日から年3%)
交通事故による損害賠償請求権は不法行為に基づくため、事故日から遅延損害金(法定利率年3%・現行民法)が加算されます。示談では保険会社は遅延損害金を乗せてきません。訴訟・訴訟前提の和解で初めて満額に乗る項目です。
弁護士費用相当損害金(認容額の約1割)
不法行為訴訟では、認容額の約1割を弁護士費用相当損害金として加算するのが判例の扱いです。ただし、物損のみの事案では認められない裁判例もあります(人身損害と併存する案件や高額物損案件では認められやすいとされています)。
弁護士費用特約で評価損は取れる?
BMWの評価損請求において、弁護士費用特約(弁特)の有無によって費用の精算方法が異なります。
弁特なし——弁護士費用相当損害金が自腹回避になる
弁護士費用特約をお持ちでない場合、訴訟・訴訟前提の和解では弁護士費用相当損害金(認容額の約1割)が相手方から支払われることがあります。これは実質的に弁護士費用の自腹を回避できる項目です。また遅延損害金(事故日から年3%)は誰でも純増になります。
弁特あり——精算(返金・控除)が必要なケースがある
弁護士費用特約がある場合、判決や和解で相手方から弁護士費用相当額が支払われたときは、特約の保険会社との間で精算(返金・控除)が必要になることがあります。弁護士費用特約と弁護士費用相当損害金の両方を二重に受け取ることはできません。一方、遅延損害金は誰でも純増となり、精算の対象にはなりません。
弁護士費用特約をご利用の場合、判決などで相手方から弁護士費用相当額が支払われたときは、特約の保険会社との間で精算(返金・控除)が必要になることがあります。二重に受け取れるものではありません。詳しくはご相談ください。
弁護士費用特約の仕組みや、特約なしでの費用の流れについては以下もご参照ください。
評価損の請求に必要な証拠
- 車検証(初度登録年月・車種・型式)
- 修理見積書・修理明細書(修理費の算定根拠)
- 損傷箇所の写真(骨格部分への影響を示す資料)
- 事故前後の査定書(一般財団法人日本自動車査定協会等)
- 走行距離の記録(車検記録・整備記録)
弁護士法人ブライト 交通事故専門チーム
- 交通事故主任:松本洋明弁護士(修習63期・登録2010年)が主担当
- 代表:和氣良浩弁護士が監修
- 弁護士歴平均14年以上のチームが担当
- 着手金0円・完全成功報酬制(交通事故)
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よくある質問(FAQ)
Q1. BMWの事故で評価損はいくら請求できますか?
裁判例では、修理費の30%(BMW735iで53万8524円)や金額表示方式(BMW645Ciで70万円)が認定されています。個別の年式・走行距離・損傷部位によって大きく異なります。まずはご相談ください。
Q2. 骨格損傷がなくても評価損を請求できますか?
はい。BMW735iの裁判例(東京地判平18・1・24)では、フレーム等の車体の本質的構造部分が損傷したものではないにもかかわらず、修理費の30%が認定されています。まずはご相談ください。
Q3. 修理が終わってから評価損を請求できますか?
はい、できます。修理明細書・車検証・走行距離の記録があれば評価損の根拠を組み立てることができます。
Q4. 弁護士費用特約がなくても依頼できますか?
弁護士法人ブライトは着手金0円・完全成功報酬制です。費用の持ち出しなく依頼できます。
Q5. 評価損の時効はいつですか?
物損の損害賠償請求権の時効は、損害および加害者を知った時から3年です(民法724条)。事故から3年以内にご相談ください。
Q6. BMWは新車から何年以内なら評価損が請求しやすいですか?
専門書の実例分析では、初度登録から3年以内、特に1年以内の車両で評価損が認められやすい傾向があります。ただし、年数が経過していても車種・走行距離・損傷部位によって認定される場合があります。個別事情を弁護士に相談されることをお勧めします。
BMWの評価損は、請求しなければ0円で終わります。弁護士法人ブライトにご相談ください。
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監修弁護士
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。大阪弁護士会所属。登録2010年・修習63期。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表弁護士。大阪弁護士会所属。弁護士歴20年以上。顧問先130社以上の実績。




