大腿骨骨折の治療が終わった。でも「膝が曲がらない」「股関節が痛くて歩きにくい」——そういう状態が残っているのに、「可動域制限は等級基準に届いていません」と言われた方がいます。
可動域の測定は、測定条件・姿勢・時間帯・測定者によって数値が変わります。「届いていない」という判断も、測定の精度と立証方法で覆せる場合があります。
このページでは、可動域制限の正確な立証と等級認定のための実務を整理します。
このページでわかること
- 可動域制限は等級基準に届いていないと言われる本当の理由
- 認められた事案・否認された事案の分岐点
- 正確な可動域測定と制限原因の客観化の具体的な方法
- 弁護士に依頼した場合・しなかった場合の金額差

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可動域制限は等級基準に届いていないと言われる理由
可動域制限で「等級に届かない」と言われる背景には、測定上の問題が潜んでいることがあります。
後遺障害12級(可動域が健側の3/4以下)と10級(1/2以下)の基準
股関節・膝関節の可動域が健康な側と比べてどの程度制限されているかが判断基準です。
問題は「可動域測定の精度」です。測定時の体位・筋緊張の状態・疼痛の有無・測定回数が数値に影響します。保険会社は「1回の測定値」で判断しようとしますが、複数回・複数条件での測定で数値が異なることがあります。
また「痛みで動かせない」と「解剖学的に動かない」は区別が必要で、前者は医証によって制限の原因を明確にする必要があります。
認められた事案・否認された事案——分岐点はここだった
弊所が関わった大腿骨骨折の事案を振り返ると、等級認定の分岐点はほぼ一点に集約されます。
「正確な可動域測定と制限原因の客観化を、具体的な資料で示せたかどうか」
| 状況 | 結果 | 決め手 |
|---|---|---|
| 膝関節可動域健側比1/2以下・複数回測定で一致 | 10級認定◎ | 複数測定の一致+MRIで変形確認 |
| 可動域制限あり・初回測定値が3/4以上だった | 非該当→12級(再測定後) | 体位変更・疼痛配慮の条件で再測定、3/4以下を確認 |
| 可動域制限あり・1回測定・「健側比3/4以上」で終了 | 非該当 | 測定条件の問題を指摘されなかった |
| 保険会社提示(非該当)で示談 | (非該当で確定) | 弁護士未介入・示談書署名 |
弊所が使う立証パターン3つ
パターン① 可動域の複数回・複数条件測定
可動域測定は条件によって数値が変わります。
朝・昼・夕の時間帯別測定(筋緊張の変化を確認)、十分な温罨法・ウォームアップ後の測定(疼痛による筋緊張を排除)、整形外科専門医・理学療法士による正確な角度測定、健側と患側を同条件・同日に測定・比較——これらを組み合わせます。
パターン② 画像による制限原因の客観化
「なぜ動かないのか」の原因を画像で証明します。
単純X線・CTによる骨癒合状態・変形の確認、MRIによる軟部組織(腱・靭帯・軟骨)の損傷確認、「骨の変形があるから可動域が制限される」という医学的因果関係の主治医意見書——これらが「測定誤差ではなく実際に動かない」ことの証明になります。
パターン③ 日常生活・就労への影響の文書化
可動域制限が実生活にどう影響しているかを具体的に立証します。
「階段の昇降が困難」「正座ができない」「長距離歩行が困難」等の本人陳述書、職業上の制限(立ち仕事の制限・移動業務の変更)を会社証明書で示す、リハビリ記録(回復の頭打ち・症状固定の根拠)を揃えます。
弁護士に依頼した場合・しなかった場合の金額差
被害者Fさん(50歳・会社員・年収600万・膝関節可動域制限12級)の試算:
| 費目 | 非該当(保険会社主張) | 12級(弁護士介入・認定後) |
|---|---|---|
| 後遺障害慰謝料 | 0円 | 290万円 |
| 逸失利益(17年分) | 0円 | 約1,467万円(14%×12.166) |
| 差額目安 | — | 1,700万円超の差 |
示談前に必ずやること3ステップ
ステップ1 可動域を複数条件で再測定する
「等級に届かない」と言われた場合、まず測定条件を確認します。1回だけの測定値で判断されていないか、体位・疼痛配慮が適切だったかを確認し、必要なら再測定を依頼します。
ステップ2 画像で制限の原因を証明する
可動域制限が骨・軟部組織の変形・損傷によるものであることを画像で証明します。「痛いから動かない」ではなく「解剖学的に動かない」ことの証明が重要です。
ステップ3 非該当・低い等級の通知が来たら弁護士へ
測定条件の見直しや異議申立てで等級が変わる可能性があります。示談書への署名前に必ず弁護士に確認してください。
示談書に署名すると、原則として後から覆すことはできません。保険会社の提示が来た段階で、必ず弁護士に確認してください。
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まとめ
大腿骨骨折の等級・賠償認定は「資料の揃え方」で結果が変わります。可動域制限は等級基準に届いていないという言葉は交渉の出発点に過ぎません。示談書に署名する前に——まず一度、ご相談ください。
弊所に依頼したらどうなるか・3点
- 弁護士費用特約があれば自己負担ゼロ——多くの自動車保険・火災保険に付帯。上限300万円が保険から支払われます
- 受任後は松本弁護士(交通事故専従)が直接担当——経験13年以上・担当者が途中で変わることはありません
- 示談提示が来るまで費用は発生しません——着手金ゼロ・成功報酬型。解決しなければ費用は請求しません

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