執筆:松本 洋明 弁護士(弁護士登録2010年・修習63期・交通事故担当主任)
監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表・弁護士歴平均14年以上の法律事務所)
この記事でわかること
- 手首骨折(橈骨遠位端骨折・舟状骨骨折・TFCC損傷)で認定される後遺障害等級と慰謝料相場
- 骨癒合不全(偽関節)・可動域制限で等級が変わる具体的な判断基準
- ライプニッツ係数3%を使った逸失利益の計算シミュレーション(職種別の注意点含む)
- 保険会社提示額との差と弁護士介入による増額のポイント
- 弊所の実際の受任事例(手首骨折・上肢神経症状・匿名化)
交通事故専用フリーダイヤル:0120-927-113(平日9〜18時)
交通事故で手首骨折を負った場合、後遺障害の認定等級によって賠償金額は大きく変わります。橈骨遠位端骨折・舟状骨骨折・TFCC損傷(三角繊維軟骨複合体損傷)が複合することも多く、複数の障害が併合認定されると等級が上がります。
この記事では、手首骨折の等級別慰謝料相場・逸失利益シミュレーション・弊所の実際の受任事例(匿名化)を交通事故専任の松本洋明弁護士が解説します。後遺障害認定の詳細(橈骨遠位端骨折・舟状骨骨折・TFCC損傷の等級基準)については 手首骨折 後遺障害・等級・賠償の完全解説 もあわせてご覧ください。
手首骨折の後遺障害・賠償額でお悩みの方へ
症状固定前のご相談が最も効果的です。保険会社から示談提示を受ける前に、ブライトの交通事故専任弁護士にご連絡ください。
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手首骨折で認定される後遺障害等級と慰謝料相場
| 等級 | 認定される主な障害 | 後遺障害慰謝料(赤い本) | 労働能力喪失率 |
|---|---|---|---|
| 8級 | 手首の骨癒合不全(偽関節)+可動域著しい制限 | 830万円 | 45% |
| 10級 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能障害(可動域4分の3以下) | 550万円 | 27% |
| 12級 | 手首の可動域制限・神経症状(証明可能)・変形 | 290万円 | 14% |
| 14級 | 神経症状(証明困難・疼痛・しびれ) | 110万円 | 5% |
3基準の差:12級の場合
12級の後遺障害慰謝料は、自賠責基準94万円・任意保険基準100〜150万円前後・弁護士(裁判)基準290万円と2〜3倍の開きがあります。弁護士を通じた交渉・訴訟で基準を引き上げることが重要です。
手首骨折の逸失利益シミュレーション(ライプニッツ係数3%)
逸失利益は後遺障害によって将来の収入が失われる損害です。民法404条2項(令和2年4月1日以降の事故)に基づき、ライプニッツ係数は法定利率3%を適用します。
シミュレーション例①:40代女性・12級・年収350万円(事務職)
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 基礎収入 | 年収350万円 | 350万円 |
| 労働能力喪失率 | 12級:14% | 49万円/年 |
| 就労可能年数 | 44歳→67歳=23年 ライプニッツ係数 16.444 | — |
| 逸失利益 | 49万円 × 16.444 | 約806万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 12級(赤い本) | 290万円 |
| 後遺障害分合計 | 約1,096万円 |
職種別の注意点:手技業・職人は「稼働率の落ち込み」で争いになる
理美容師・大工・調理師など手を使う職種では、手首の可動域制限・疼痛によって実際の収入低下が12級相当の14%を超えることがあります。この場合、保険会社との交渉または訴訟で「実際の収入減少額」を立証して喪失率を実態に合わせて引き上げることができます。
手仕事・職人系の職種で手首骨折を負った方へ
理美容師・大工・調理師など、手首の障害が職業に直結する方は逸失利益の交渉が特に重要です。早めにご相談ください。
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弊所受任事例(匿名化)
事例A:30代男性Aさん — 手首骨折・首・腰の複合後遺障害、後遺障害診断書の分担戦略
追突事故で首・腰・手首を同時受傷した30代男性Aさん(会社員)の案件です。通院先は主治医のいる総合病院と整骨院の2ヶ所でした。症状固定時に後遺障害診断書の作成をどちらの病院に依頼するかが問題になりました。
弁護士法人ブライトでは、「部位ごとに診断書を分担する」という方針を採用しました。手首(橈骨遠位端)の可動域計測は整形外科を主体とする総合病院、神経症状(首・腰のしびれ)については通院頻度が高く症状推移を把握している整骨院の担当医に各専門分野で記載してもらうよう調整しました。これにより各部位の後遺障害が漏れなく診断書に記録され、複合後遺障害として適切な等級認定に結びつきました。
ポイント:複合外傷は後遺障害診断書の「分担」が重要
1枚の後遺障害診断書にすべての症状を詰め込もうとすると、かえって各障害の記載が薄くなります。複数の受傷部位がある場合、弁護士が診断書の作成方針を各担当医と事前に調整することが等級認定の精度を上げます。
事例B:30代女性Bさん — 外傷性胸郭出口症候群・上肢神経症状・症状固定タイミングの問題
交通事故で首・肩・左上肢に症状が生じた30代女性Bさんの案件です。専門医により「外傷性胸郭出口症候群」と診断され3ヶ月の休職が必要とされましたが、通院していた整形外科では「交通事故ではならない」として症状固定を早急に迫ってきました。
外傷性胸郭出口症候群は事故による上肢の挙上・衝撃から鎖骨下動静脈・腕神経叢が圧迫されることで発症する疾患です(臨床上は十分起こり得る)。弁護士法人ブライトでは、上肢専門医の診断内容を正確に後遺障害診断書に反映させるため、症状固定のタイミングを保険会社側に早期に決定させないよう介入しました。
「保険会社が症状固定を急いでいる」という方へ
症状固定のタイミングを一方的に決定されると、後遺障害認定に不利になることがあります。まずは弁護士にご相談ください。
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手首骨折で弁護士に依頼すべきタイミング
- 症状固定前(可動域制限が残っている段階):後遺障害診断書の記載内容を主治医と事前に確認できる
- 後遺障害認定結果を受けた後:異議申し立てや増額交渉のタイミング
- 保険会社から示談提示を受けた時:3基準の差を確認する前にサインしない
よくある質問(FAQ)
Q. 手首骨折で14級と認定されましたが、12級以上を目指せますか?
A. 可動域制限の計測値が「健側の4分の3超」であれば12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)を主張できる場合があります。また、CTやMRIで骨癒合不全(偽関節)が確認できれば12級8号の対象になります。異議申し立て前に弁護士に精査を依頼してください。
Q. 橈骨遠位端骨折とTFCC損傷が両方残った場合、等級はどうなりますか?
A. 両方が認定されると後遺障害等級の併合認定の対象になります。例えば橈骨の可動域制限12級13号とTFCC損傷12級13号が認定された場合、同一等級2つで11級に繰り上がります(後遺障害等級の併合規定)。複合的な症状が残っている場合は漏れなく申請することが重要です。
Q. 手首骨折の後遺障害で弁護士費用特約が使えますか?
A. ご自身の自動車保険・火災保険・傷害保険などに弁護士費用特約が付帯していれば使えます。弁護士費用特約があれば実質無料でご依頼いただけます。特約の有無が不明な場合も、まずは相談時にご確認ください。
手首骨折の賠償請求・後遺障害認定のご相談
症状固定前・保険会社提示後・異議申し立て前のどのタイミングでもご相談を受け付けています。
交通事故専用フリーダイヤル:0120-927-113(平日9〜18時)
まとめ:手首骨折の慰謝料で損をしないために
- 等級は14級〜8級と幅広く、保険会社基準と弁護士基準で2〜3倍の差が生じる
- 橈骨遠位端・舟状骨・TFCCの複合損傷は併合認定で等級が上がることがある
- 手技業・職人は逸失利益の喪失率を実態に合わせて主張することが重要
- 後遺障害診断書は複数受傷部位を分担して作成することで各障害を正確に記録できる
- 症状固定のタイミングは保険会社に任せず、弁護士介入で適切に設定する
手首骨折の賠償請求は弁護士法人ブライトへ
交通事故専任の松本洋明弁護士(弁護士登録2010年・修習63期)が後遺障害認定から示談交渉・訴訟まで一貫してサポートします。弁護士歴平均14年以上の経験豊富な弁護士チームが対応します。
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