この記事の結論
- 労災で失明・視力障害を負った場合、労災保険の障害(補償)給付とは別に、会社へ損害賠償を請求できる場合があります(安全配慮義務違反・労働契約法5条)
- 眼の後遺障害等級は両眼か片眼か、視力の程度によって細かく分かれ、両眼失明は最も重い1級に該当します
- 会社の責任を問う際は、保護メガネ(保護具)の支給・着用指導・飛散防止対策の有無が中心的な争点になります
- 金属片・薬液の飛散、溶接のアーク光による角膜損傷など、原因によって立証すべきポイントが異なります
- 着手金0円・完全成功報酬(※実費等が発生する場合があります)で対応可能。将来にわたる仕事・生活への影響を踏まえた適正な賠償額の算定が重要です
研削作業中に金属片が目に入った、薬液が飛び散って角膜を損傷した、溶接の光を浴びて目を痛めた——。目の負傷は「見えなくなるかもしれない」という恐怖に加え、「もう今までの仕事は続けられないのではないか」「運転や日常生活はどうなるのか」という、将来全体への不安を伴う重篤な労災です。
目の後遺障害は、指の切断などと違って外から見えにくいため、会社側や周囲から「そこまで重い後遺障害ではない」と軽く見られてしまうことがあります。しかし、視力障害は労災保険の後遺障害等級表の中でも幅広い等級区分が設けられており、両眼を失明した場合は身体障害の中でも最も重い部類の1級に該当します。労災保険からの給付だけでなく、会社の安全管理に問題があった場合には、会社へ損害賠償を請求できる可能性があります。
このページでは、弁護士法人ブライトの労災事故部統括・笹野皓平弁護士が、労災で失明・視力障害を負った場合の後遺障害等級・会社の責任を問うポイント・損害賠償額の考え方を解説します。
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目の後遺障害は軽く見られがちです。まずはご相談ください。
労災で目を負傷する主な原因
目の労災事故は、製造業・建設業・金属加工業などで多く発生しています。主な原因は次のとおりです。
- 研削・グラインダー作業による金属片・砥石片の飛散
- 溶接作業によるアーク光(紫外線)での角膜損傷(電気性眼炎)
- 薬液・化学物質の飛散(酸・アルカリによる化学熱傷)
- 切削・研磨作業による金属粉・木片の飛散
- 工具の反発・破損による直接的な眼球への衝撃
これらの多くは、適切な保護メガネ(保護具)の使用や、飛散防止対策があれば防げた事故である場合が少なくありません。
眼の後遺障害等級はどう区分されているか
多くの記事は「失明したら重い後遺障害です」という説明にとどまり、具体的な等級区分や、片眼の場合の補償の考え方まで踏み込んでいません。しかし、眼の後遺障害等級は視力の程度・片眼か両眼かによって細かく分かれており、正確な理解が適正な補償を受けるための第一歩になります。
| 後遺障害等級 | 症状の目安 | 労働能力喪失率の目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 両眼が失明した場合 | 100% |
| 2級 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になった場合 | 100% |
| 5級 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になった場合 | 79% |
| 8級 | 1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下になった場合 | 45% |
| 9級 | 両眼の視力が0.6以下になった場合等 | 35% |
| 13級 | 1眼の視力が0.6以下になった場合 | 9% |

ここでいう「視力」は、矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズで矯正した後の視力)で判断されます。また、視力障害だけでなく、視野の障害(見える範囲が狭くなる)やまぶたの障害、まつげはげ等の醜状障害が併発している場合は、それぞれの等級を組み合わせて(併合して)評価することになります。
【ブライトの判断基準】
「片方の目は無事だから、そこまで大変ではないだろう」と、被災された方ご自身が症状を軽く捉えてしまうケースがあります。しかし、片眼の視力低下でも、運転業務や精密作業など職種によっては仕事に大きな支障が出ることがあります。等級表上の数字だけでなく、実際の仕事への影響まで踏み込んで確認することが重要です。
「ブライトは等級表の数字だけで終わらせない。実際の仕事・生活への影響まで踏み込んで損害を評価する。」
これが、ブライトが眼の後遺障害の労災で一貫して大切にしている考え方です。
片眼の視力低下でも、まずはご相談ください。
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会社の安全配慮義務違反を問うポイント
目の労災事故で会社の責任を問うためには、会社が労働者の目を守るための法令上の義務を怠っていたことを具体的に示す必要があります。主な着眼点は次のとおりです。
- 保護メガネ・保護面(フェイスシールド)の支給・着用指導があったか(労働安全衛生規則等)
- 飛散防止用のカバー・遮へい設備が設置されていたか
- 溶接作業における遮光保護具の支給・使用指導があったか
- 薬液を扱う作業での洗眼設備・緊急時対応マニュアルが整備されていたか
- 安全教育・作業手順書の整備・周知が行われていたか
これらの義務違反が確認できれば、労働契約法5条に基づく安全配慮義務違反(民法415条の債務不履行責任)、または民法709条・715条に基づく不法行為責任(使用者責任)により、会社へ損害賠償を請求できる可能性が高くなります。事故当時の作業環境の写真、保護具の支給記録、安全教育の実施記録などが立証の手がかりになります。
実務上のポイント
目の負傷では、会社側から「保護メガネを着用していなかった本人の不注意」として過失相殺(賠償額の減額)を主張されることがあります。しかし、保護メガネが支給されていなかった、あるいは支給されていても作業内容に合わない不適切なものだった場合は、会社側の管理体制の不備が優先される可能性があります。
保護具の支給状況の確認から弁護士がサポートします。
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身体障害者手帳・運転免許への影響も含めて考える
視力・視野の障害の程度によっては、身体障害者福祉法に基づく身体障害者手帳の対象になる場合があります。手帳の等級は労災保険の後遺障害等級とは別の基準・別の制度ですが、税制優遇や福祉サービスの利用につながるため、あわせて案内を受けられるかを確認しておくと良いでしょう。
また、視力の低下や視野の欠損の程度によっては、普通自動車運転免許の更新に必要な視力基準(両眼で0.7以上、片眼でそれぞれ0.3以上等)を満たせなくなることがあります。運転業務が前提の職種(営業職・配送業等)では、免許の維持が困難になることが逸失利益の算定に大きく影響するため、事故後の視力の実測値を医師に正確に記録してもらうことが重要です。
損害賠償額はどう計算されるか
眼の後遺障害で会社への損害賠償請求が認められた場合、主に次の項目を積み上げて損害額を算定します。
- 後遺障害慰謝料:等級に応じた金額(両眼失明などの高い等級ほど高額になります)
- 逸失利益:労働能力喪失率×基礎収入×就労可能年数に対応するライプニッツ係数で算定します
- 入通院慰謝料・治療費:手術・入院期間に応じて算定します
- 今後の医療費:義眼・コンタクトレンズ等の費用が発生する場合があります
特に、運転業務・精密作業・接客業など「見えること」が業務の前提となる職種では、等級表上の労働能力喪失率よりも実際の減収が大きくなるケースがあり、増額を主張できる場合があります。片眼失明であっても、職種によっては仕事の継続が困難になることを具体的に主張することが重要です。
また、視力障害に加えて、眼球や周囲の外貌に傷跡が残る場合(醜状障害)は、視力障害の等級とは別に評価され、両方の後遺障害を組み合わせて(併合して)等級を算定することになります。外から見える傷跡についても、写真等で記録を残しておくことが後の等級認定・損害賠償請求で重要な資料になります。
Before / After:損害賠償への向き合い方の変化
| Before(ご相談前) | After(ブライトへのご相談後) |
|---|---|
| 「片方の目は無事だから」と自分で症状を軽く見て、会社への請求を検討していなかった | 職種への実際の影響を踏まえて損害を評価し、適正な賠償額の見通しを持てた |
| 会社から「保護メガネをしていなかった本人の不注意」と言われ、諦めかけていた | 保護具の支給状況を確認し、会社側の安全配慮義務違反を主張できた |
| 労災保険の障害給付だけで、会社への請求は考えていなかった | 労災保険とは別に、会社に慰謝料・逸失利益を請求する道筋が見えた |
※上記は一般的な相談内容を参考に抽象化したものです。個別の案件の結果を保証するものではありません。
職種への影響まで踏まえた損害額の算定をお手伝いします。
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着手金0円・完全成功報酬でご相談いただける理由
目の後遺障害という重篤な労災を負われた方に、経済的な負担をかけずに正当な賠償を受けていただきたいという考えから、弁護士法人ブライトでは着手金0円・完全成功報酬制で対応しています。ご相談時に費用が発生することはなく、賠償金を回収できた段階で成功報酬をお支払いいただく仕組みです。初回のご相談も無料で承っています。
※交渉・訴訟を行う際の実費(印紙代・郵送代・医学的意見書の作成費用等)は別途ご負担いただく場合があります。費用の詳細は、ご相談時に分かりやすくご説明いたします。
労災事故部統括の笹野皓平弁護士が、後遺障害等級認定の妥当性の確認から、会社の安全配慮義務違反の立証、職種への実際の影響を踏まえた逸失利益の算定まで一貫して対応します。すでに会社側や保険会社から一定の提示を受けている場合でも、その金額が適正かどうかをセカンドオピニオンとして確認することも可能です。
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よくある質問(FAQ)
Q1:片方の目だけ失明しました。両眼失明より補償は少ないですか?
等級表上は両眼失明(1級)より低い等級(8級等)になりますが、職種によっては片眼失明でも仕事に大きな支障が出ることがあり、逸失利益の算定でその影響を具体的に主張できる場合があります。
Q2:視力は残っていますが、視野が狭くなりました。後遺障害として認められますか?
視野障害も後遺障害等級表に規定があり、視力障害とは別に評価されます。視力障害と視野障害が併発している場合は、それぞれの等級を組み合わせて評価することになります。
Q3:会社から「保護メガネをしていなかったのが悪い」と言われました。それでも請求できますか?
保護メガネの着用状況だけで請求を諦める必要はありません。保護具が支給されていたか、作業内容に適したものだったか、着用の指導が徹底されていたかによって、会社側の責任の有無が変わります。
Q4:溶接の光を浴びて目を痛めました(電気性眼炎)。労災になりますか?
溶接作業中のアーク光による角膜損傷(電気性眼炎)も労災の対象になり得ます。遮光保護具の支給・使用指導があったかどうかが、会社の責任を問う際の重要な争点になります。
Q5:将来、義眼や特殊なコンタクトレンズが必要です。その費用も請求できますか?
将来にわたって必要となる医療費(義眼・コンタクトレンズ等)についても、損害賠償として請求できる場合があります。
Q6:労災保険からすでに障害補償給付を受け取っています。会社への請求と二重取りになりませんか?
労災保険からすでに受け取った障害(補償)給付(年金・一時金の本給付)は、会社への損害賠償額のうち逸失利益など同じ性質を持つ項目から差し引かれます(損益相殺)。ただし、社会復帰促進等事業から支給される障害特別支給金などの「特別支給金」は損益相殺の対象外で、会社からの賠償金とは別に受け取れます。また、慰謝料は労災保険から一切支給されないため、丸ごと会社に請求できます。
Q7:目の労災の損害賠償請求や労災申請に期限(時効)はありますか?
あります。労災保険給付そのものの請求期限は、療養(補償)給付・休業(補償)給付が2年、障害(補償)給付が5年です。会社への損害賠償請求権については、2020年4月以降に生じた損害の場合、安全配慮義務違反(債務不履行)または人身損害の不法行為に基づく請求は、損害及び加害者を知った時から原則5年が目安です。あわせて権利を行使できる時から20年という客観的な期間制限もあります。不法行為構成(民法724条2号)はもともと20年、安全配慮義務違反構成(民法166条1項2号)は本来10年ですが、人の生命・身体の侵害の場合は民法167条により20年に延長されるため、いずれの構成でも20年が目安になります。2020年4月より前の事案には旧法が適用される場合もあり、判断は事案ごとに異なります。治療中であっても、お早めに弁護士へご相談ください。
Q8:弁護士に依頼する費用が心配です。
弁護士法人ブライトでは、労災の会社への損害賠償請求について着手金0円・完全成功報酬制で対応しています。初回のご相談も無料ですので、費用面の不安だけで相談を諦める必要はありません。
まとめ
労災で失明・視力障害を負った場合の損害賠償について整理します。
- 眼の後遺障害等級は両眼か片眼か、視力の程度によって細かく分かれ、両眼失明は最も重い1級に該当します
- 会社への損害賠償請求では、保護メガネの支給・着用指導・飛散防止対策の有無が主な争点になります
- 「見えること」が前提の職種では、等級表上の数字より実際の減収が大きいことを主張できる場合があります
- 「保護メガネをしていなかった本人の不注意」という会社の主張だけで請求を諦める必要はありません
- 着手金0円・完全成功報酬(※実費等が発生する場合があります)で対応可能です
目の後遺障害は外から見えにくく、周囲から軽く見られがちですが、実際の生活・仕事への影響は深刻です。弁護士法人ブライトの労災事故部統括・笹野皓平弁護士にご相談ください。
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