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業務中に被災した労働者が、労災保険の休業補償給付を申請するときに使用する書類が「様式8号」です。請求手続きのために、様式8号の具体的な書き方や注意点などを知りたい方もいるでしょう。
この記事では、様式8号についての基本的な知識や入手先、具体的な記入方法、提出する際の注意点などを解説します。

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様式8号には会社(事業主)の証明欄がありますが、会社が証明を拒否する/書いてくれないケースは少なくありません。対応を間違えると、労災認定の遅れ・不支給に直結します。
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- 機械への挟まれ・高所からの転落・重量物の下敷きなど大きな事故だった
- 骨折・切断・脊髄損傷などで入院・長期休業になっている
- 会社の安全対策・人員配置に疑問がある/労災手続きに非協力的
1つでも当てはまる場合、労災保険の給付だけでは戻らない損害(慰謝料・逸失利益など)を会社に損害賠償請求できる可能性があります。時効や証拠の散逸の問題があるため、申請と並行してのご相談をおすすめします。
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労災の様式8号とは?基本を理解しよう
📋 会社への損害賠償・3問チェック
労災の申請とは別に、会社に対して損害賠償を請求できる場合があります。下記の質問に答えると目安が表示されます(法的な最終判断ではありません)。
Q1. どのような状況でしたか?
通勤中の事故ですね。相手の有無でご相談窓口が異なります。
相手がいる事故(追突・接触など)は交通事故のご相談窓口へご案内しています。相手のいない単独事故(転倒・踏み外しなど)は、そのまま労災の損害賠償のご相談を続けられます。
Q2. 今の状態を教えてください
Q3. 会社側に、次のような事情はありましたか?
会社への損害賠償請求ができる可能性があります
安全配慮義務違反が認められれば、労災保険の給付とは別に、会社に対して慰謝料・逸失利益などの損害賠償を求められることがあります。時効や証拠の散逸の問題があるため、早めのご相談をおすすめします。労災事故部統括・笹野皓平弁護士が無料でご相談をお受けします。
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※労災保険から支給された給付(休業補償・障害補償等)は、二重取りを避けるため損害賠償額から調整(控除)される場合があります。
ご家族を亡くされたこと、心よりお悔やみ申し上げます
安全配慮義務違反が認められれば、労災保険の遺族給付とは別に、会社に対して損害賠償を求められる可能性があります。ご家族の状況が落ち着かれてからで構いません。労災事故部統括・笹野皓平弁護士が無料でご相談をお受けします。
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まずは基本的な知識として、「様式8号」が必要となるケースと、比較されることの多い「様式16号の6」との違いを確認しましょう。
様式8号は業務災害で休業補償給付を受ける際に必要
労災の様式8号とは、「休業補償給付支給請求書」のこと。労災保険に休業補償給付を請求する際に使用する書類です。「休業補償給付」とは、業務上の負傷や疾病によって休業した労働者に対して、休業中の収入を補償するために給付されるもの。休業補償給付を受けるには、次の3つの要件を満たす必要があります。
休業補償給付の支給要件
| ・業務上の事由による負傷や疾病により療養している ・労働ができない ・賃金を受けていない |
給付申請の際には、基本的に被災した労働者がこの様式8号に必要事項を記入のうえ、医療機関と事業主の証明を得て、所轄の労働基準監督署に提出します。
なお、休業補償給付が支払われるのは、休業して4日目からで、最初の3日間(待期期間)は給付がありません。また、書類の提出後に労働基準監督署の調査を経て支給・不支給が決定されるため、給付の開始までには時間がかかります。
【関連記事】労災の休業補償とは?補償期間や請求手続き、慰謝料についても解説
【関連記事】業務災害とは?労働災害との関係や通勤災害との違い、対象の保険給付を解説
「様式16号の6」との違い
様式8号と混同されやすい書類に「様式16号の6(休業給付支給請求書)」があります。それぞれの書類の違いは、労災に遭ったタイミングと、それに伴って請求する補償の種類です。様式8号は「業務災害」で休業補償給付を請求する際に使用しますが、様式16号の6は「通勤災害」で休業給付を請求するときに使用します。
業務災害(休業補償給付)と通勤災害(休業給付)とで受けられる補償内容に違いはありませんが、通勤災害の申請(様式16号の6)では、労働者の情報や労災の発生状況などのほか、住居を離れた年月日・時刻や通常の通勤経路、災害発生の日に災害発生の場所に至った経路などを記載する必要があります。
様式を間違えると書類不備で受理されず、申請をやり直すことになってしまいます。自分はどの労災区分なのか、どの給付を申請するのかを正しく理解しておきましょう。
【関連記事】通勤中の事故は労災保険の対象?「通勤災害」の認定要件や申請フローなどを解説
様式8号はどこで入手できる?
労災の様式8号は、厚生労働省のサイトからダウンロード(OCR)できるほか、労働基準監督署で受け取ることが可能です。様式8号は、自社の任意のフォルダに保存し、Adobe Acrobat Reader DCを使用して直接入力することもできます。
参考:「主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)」「全国労働基準監督署の所在案内」厚生労働省
お問い合わせ、相談は無料です
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労災8号様式の記入例|表面・裏面・別紙1を記入済みサンプルで確認する
様式8号は、表面・裏面に加えて別紙1(平均賃金算定内訳)まで書く必要があり、5号様式より手間がかかります。ここではひとつのケースを最後まで記入した例を、面ごとに並べました。
想定ケース:令和8年6月10日に業務中の事故で右足首を骨折し、6月11日から7月31日まで療養のため休業した。月給制(月末締め)で、直前3か月の賃金はいずれも30万円。
様式8号(表面)の記入例
| 項目 | 記入例 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 労働保険番号 | 13-1-01-123456-000 | 給与明細には載っていません。会社か労働基準監督署に確認します |
| 労働者の氏名(フリガナ)、生年月日、年齢 | ロウサイ タロウ/昭和60年4月2日/41歳 | 年齢は被災日時点です |
| 負傷または発病年月日 | 令和8年6月10日 | 休業開始日ではなく被災日です |
| 療養のため労働できなかった期間 | 令和8年6月11日から令和8年7月31日まで(51日間) | 被災当日(6月10日)は原則含めません(当日は労働した日として扱われるため) |
| 賃金を受けなかった日の日数 | 51日 | 待期期間(最初の3日間)や所定休日・公休日も含めます。有給休暇を取得した日は賃金が出ているので除きます |
| 振込を希望する金融機関 | ◯◯銀行 ◯◯支店/普通/1234567/ロウサイ タロウ | 本人名義の口座に限られます |
| 請求人の住所、氏名、電話番号 | ◯◯県◯◯市◯◯町1-2-3/労災 太郎/090-0000-0000 | 日中に連絡がつく番号を書きます |
| 事業の名称・所在地・事業主の氏名/死傷病報告提出年月日 | (会社が記入) | 「事業主証明」の欄です |
| 診療担当者の証明 | (医療機関が記入) | 受診した医療機関に用紙を持参して記入を依頼します。これがあれば別途の診断書は不要です |
様式8号(裏面)の記入例
| 項目 | 記入例 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 労働者の職種 | 型枠大工(建築工事の型枠組立) | 「作業員」では足りません。作業内容が分かる粒度まで書きます |
| 負傷又は発病の時刻 | 午前10時30分頃 | — |
| 平均賃金 | 9,782円60銭 | 別紙1で計算した額を転記します(計算例は下記) |
| 所定労働時間 | 午前8時00分から午後5時00分まで | 休憩を除いた実労働時間ではなく、就業規則上の所定時間です |
| 災害の原因、発生状況及び発生当日の就労・療養状況 | 「◯◯マンション新築工事現場において、3階部分の型枠組立作業中、足場の敷板が固定されていなかったため踏み外し、約3m下のコンクリート床へ転落して右足首を強打し負傷した。当日はそのまま早退し、◯◯整形外科を受診した。」 | 「原因」を落とさないでください。会社への損害賠償を検討するときの出発点になります(→後述) |
| 厚生年金保険等の受給関係 | 無 | 同一の事由で障害年金を受けている場合は「有」とし、支給額の証明書類を添えます |
| その他就業先の有無 | 無 | 副業・兼業がある方は「有」に○をし、事業場数を記入のうえ別紙1〜3を事業場ごとに作成します |
別紙1(平均賃金算定内訳)の計算例
被災日の直前の賃金締切日からさかのぼった3か月間の賃金総額を、その期間の暦日数で割ります。上のケース(月末締め・被災日は令和8年6月10日)だと、算定期間は3月1日〜5月31日です。
| 月 | 暦日数 | 賃金総額 |
|---|---|---|
| 令和8年3月 | 31日 | 300,000円 |
| 令和8年4月 | 30日 | 300,000円 |
| 令和8年5月 | 31日 | 300,000円 |
| 合計 | 92日 | 900,000円 |
平均賃金=900,000円 ÷ 92日 = 9,782円60銭(銭未満は切り捨て)
日給制・時給制・出来高払制の方は、これに加えて最低保障平均賃金も計算し、高いほうを採用します。実労働日数が61日だった場合は次のとおりです。
最低保障平均賃金=900,000円 ÷ 61日 × 60/100 = 8,852円45銭 → 9,782円60銭のほうが高いので、9,782円60銭を裏面の「平均賃金」欄に記入します。
別紙2・別紙3が必要になるのはどんなときか
- 別紙2:休業期間中に賃金の一部が支払われたとき(住宅手当が日割りなしで出た/午前だけ勤務して午後は通院した/午前は有給で午後は休業した など)
- 別紙3:複数の会社で働いている方(複数事業労働者)。各勤務先の事業主証明が必要なので、早めに人事労務担当者へ相談してください
休業補償だけでは、減った収入は埋まりません
休業(補償)給付は給付基礎日額の60%、これに休業特別支給金20%が加わって合計80%です(いずれも非課税のため、手取りで比べるともう少し高い割合になります)。つまり残りの20%と、慰謝料にあたる部分は労災保険からは出ません。
会社の安全管理に問題があった事案では、この差額と慰謝料を会社に損害賠償として請求できる場合があります。上の記入例でいえば「足場の敷板が固定されていなかった」という裏面の記載が、その出発点です。詳しくは労災の損害賠償請求、高所からの転落事案は転落・墜落の労災で解説しています。
※本記入例は、書き方を理解していただくために作成した架空の事例です。実在の事案・企業・個人とは関係ありません。平均賃金には、賃金締切日がない場合・雇入れから3か月未満の場合・私傷病による休業期間を含む場合などの例外計算があります。金額が生活に直結する欄ですので、提出前に管轄の労働基準監督署にご確認ください。
労災の様式8号の正しい記入方法
ここからは、様式8号の記入方法を紹介します。平均賃金の算出なども必要になるため、ポイントを理解したうえで記入しましょう。なお、いずれの書類も法改正により押印欄が削除されているため、事業主や医療機関の証明欄も含めて押印は不要です。
参考:「休業(補償)等給付・傷病(補償)等年金の請求手続」厚生労働省
様式8号(表面)の記入方法

様式8号の表面に被災した労働者本人が記入する必要があるのは、以下の項目です。
| ・労働者の労働保険番号 ・労働者の性別 ・労働者の生年月日 ・負傷または発病年月日 ・労働者の氏名(フリガナ)、住所、年齢 ・療養のため労働できなかった期間 ・賃金を受けなかった日の日数 ・振込を希望する金融機関の名称など口座に関する情報 ・請求人の住所、氏名、電話番号 |
「賃金を受けなかった日の日数」には、待期期間(最初の3日間)や、所定休日・公休日を含みます。有給休暇を取得した日については、賃金の支払いがあるため除外してください。
表面の以下の項目は、事業主が記載するものです。労災が起こった事実を事業主に証明してもらうことから、「事業主証明」といいます。
| ・事業の名称、事業場の所在地、電話番号、事業主の氏名 ・労働者が直接所属している事業場の名称、所在地、電話番号 ・死傷病報告提出年月日 |
また、「診療担当者の証明」欄は、傷病の部位および傷病名、療養の期間、傷病の経過などを、診療担当者(医師、歯科医師、柔道整復師など)が記入するものです。様式8号を治療を受けた医療機関に提出し、必要項目の記入を依頼してください。これにより、いわゆる「診断書」を別途提出する必要はありません。
【関連記事】労災申請の際に必要な事業主証明について解説。拒否された場合の対策も
【関連記事】労災申請に診断書は必要?作成費用や医師に依頼する際の注意点
様式8号(裏面)の記入方法

裏面には、以下を記入します。
| ・労働者の職種 ・負傷又は発病時刻 ・平均賃金(※別紙1) ・所定労働時間 ・災害の原因、発生状況及び発生当日の就労・療養状況 ・厚生年金保険等の受給関係 ・その他就業先の有無 |
「労働者の職種」は、作業内容が分かるよう具体的に記入します(例:トラック運転手)。「平均賃金」には、「別紙1」で算出した平均賃金を記入します。
複数の企業で働いている方(複数事業労働者)は、「その他就業先の有無」の有に○をし、事業場数を記入のうえ、それぞれの事業場ごとに別紙1~3を作成してください。
様式8号(別紙)の記入方法
様式8号には、申請書類に加えて、「別紙1(平均賃金算定内訳)」を添付します。また、休業期間中に住宅手当などが支払われた、特定の時間のみ出勤したなど、賃金の一部が支払われた場合は、「別紙2」を提出します。複数事業労働者の場合は、「別紙3」が必要です。
別紙1(平均賃金算定内訳)
様式8号(裏面)に平均賃金を記載するにあたり、賃金の根拠を示すための書類です。労災発生直前の3カ月に支払われた賃金について、1日あたりの平均賃金を算出します。
別紙1では「最低保障平均賃金」も計算し、3カ月の平均賃金と最低保障平均賃金を比較して、いずれか高いほうを様式8号(裏面)の「平均賃金」欄に記入します。


別紙2
休業(補償)等給付を請求する休業期間中に、一部の賃金が支払われた場合(部分算定)は、別紙2を提出します。例えば、休業中に以下のようなことがあった場合に、賃金が支払われた年月日と金額を記入します。
| ・住宅手当や通勤手当などが、日割り計算なしに支給された ・午前中のみ勤務して、午後は通院のため休業した ・午前中は有給休暇を取得し、午後は通院のため休業した ・複数の事業場で就業している場合で、一方の事業場で休業し、他方の事業場で有給休暇を取得した |

別紙3(複数事業労働者用)
複数の事業場(会社)で働いている方や副業がある方は、別紙3に様式8号(表面)で記入した以外の事業場について、労働保険番号や平均賃金などを記入します。
別紙3には事業主の証明が必要なため、各勤務先の人事労務担当者にご相談ください。

必要な添付書類
別紙のほかに、労働基準監督署に書類の添付を求められることがあります。例えば、申請内容を確認するための「出勤簿や賃金台帳の写し」などです。
また、同一の事由で障害厚生年金や障害基礎年金などの支給を受けている場合は、「支給額を証明する書類」も必要です。
⚠️ 提出前に1点だけ確認しませんか?
様式の提出と並行して、会社への損害賠償請求が可能な事案か弁護士の視点で確認しておくと、後悔を防げます。労災給付に加えて加害補償が認められると、受け取れる金額は大きく変わります。
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労災の様式8号を提出する際の注意点
休業(補償)等給付の申請で、様式8号を提出するときに気をつけることを解説します。
期間を正確に計算できているか
様式8号の「療養のため労働できなかった期間」とは、「医師の診断を受けて休業した期間」を意味しますが、受診したタイミングなどによって「初日」の扱いが変わることに注意が必要です。
期間を計算する際のポイントは、「労災発生当日の勤務状況」「受診したタイミング」「休業開始日」の3つです。
| 休業期間の例①:労災発生当日に早退して、就業時間内に医療機関を受診し、翌日から休業した →労働時間内の一部で労働できなかった場合には、その当日を休業として扱います。従って休業期間の初日は、「労災発生当日」です。 |
| 休業期間の例②:労災発生後も定時まで働き、就業時間終了後に受診し、翌日から休業した →所定時刻まで働いて退勤後に受診した場合、労災発生当日は休業期間に含まれません。「労災発生(受診)の翌日」が、休業の初日となります。 |
| 休業期間の例③:数日間の自宅療養後に医療機関を受診し、休業が必要と診断を受けた →労災の発生から数日後に医療機関を受診をした場合は、自宅で療養をした期間があったとしても「初診日が休業初日」となります。自宅療養期間中の休業の必要性は医学的根拠に乏しいため、休業期間には含めません。 |
初日の認識を誤ると「賃金を受けなかった日の日数」の計算にも影響を及ぼすため、十分な理解が必要です。
医師と事業主の証明を受けているか
休業(補償)等給付の請求には、主治医による証明が必要です。この場合の証明とは、いわゆる「診断書の発行」ではなく「様式8号への記入」を指しているため、受診した医療機関に様式8号の記入を依頼してください。このとき医師証明料の費用負担がありますが、2,000円を上限として労災保険から給付されるため、後で請求できるように領収書を保管しておきましょう。
【関連記事】労災申請に診断書は必要?作成費用や医師に依頼する際の注意点
また、労働者災害補償保険法施行規則第23条によって、会社には労働者またはその遺族から事業主証明を求められた場合、すみやかに証明しなければならないという義務があります。しかし、「会社が事業主証明を拒否した」「倒産した」などの理由で事業主証明が受けられない場合は、証明欄が未記入のまま提出することもできます。所轄の労働基準監督署へ事業主証明がない理由を説明・相談したうえで、手続きを進めましょう。
【関連記事】労災を会社が認めないとき労災申請はできる?認定の基準や会社が認めない理由とは
必要な添付書類が準備できているか
上述の「様式8号(別紙)の記入方法」でも解説したように、様式8号を提出する際は、添付書類(別紙)が必要です。「別紙1(平均賃金算定内訳)」は、請求者全員が提出する必要があります。平均賃金や休業日数を誤ると給付額に影響するため、作成には細心の注意を払いましょう。「別紙2」「別紙3」は該当者のみが準備します。
加えて、記載内容を確認する書類として、「賃金台帳」や「出勤簿の写し」、障害年金などを受給している方は「支給額の証明書」を求められることがあります。
複雑な事案で添付書類に迷う場合は、所轄の労働基準監督署へ問い合わせてください。
お問い合わせ、相談は無料です
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労災の様式8号の提出先と期限
様式8号は、休業した日以降に、労働者が所轄の労働基準監督署に提出します。原則として労働者本人が申請しますが、傷病の状況により本人による申請が困難な場合などは、事業主(会社)が代行することもできます。
注意が必要なのは、実際に休業した日数をもとに保険給付を請求する点です。休業予定(見込み)では手続きを進められないため、休業した期間が短ければ、休業期間の終了後に提出するとよいでしょう。休業が長期に渡る場合は、1カ月ごとに請求書を提出するのが一般的です。
なお、休業補償給付(様式8号)は2年で時効が成立し、請求権が消滅します。期限を過ぎてしまうと労災保険の補償を受けられないため、給付請求は速やかに行うことが重要です。
会社が事業主証明を書いてくれない場合の対処法
様式8号の事業主証明欄について、会社が証明を拒否したり、休業日数を実態より少なく書こうとするケースは少なくありません。労災認定や休業補償の支給可否・金額に直結するため、対応を慎重に行う必要があります。
事業主が証明を行わない場合は、事業主証明欄を空欄のままにし、労働基準監督署の窓口で「事業主が証明を拒否している」旨を伝えることで書類は受理されます。労災認定は会社ではなく労働基準監督署が行うため、証明が無くても申請自体は可能です。
受理後、労働基準監督署が会社に対して「証明拒否理由書」の提出を求め、調査の上で支給可否が判断されます。ただし、対応を誤ると不支給決定や手続きの長期化を招くため、事業主証明を拒否された段階で早めに弁護士に相談することをおすすめします。
また、会社が意図的に労災を否定したり休業期間を短く記載しようとしている場合、いわゆる「労災隠し」に該当する恐れもあります。労災かくしが疑われる場合は、早めに弁護士へご相談ください。
会社が証明を渋る背景には、労災の発生自体を認めたくない・安全管理の不備を指摘されたくないという事情が隠れていることが少なくありません。そのような会社の姿勢は、安全配慮義務違反にもとづく損害賠償請求を検討すべきサインである場合があります。
証明なしで申請を進める方法と併せて、会社への損害賠償請求の可否も一度弁護士にご確認ください。
労災請求手続きをスムーズに進めるための専門家アドバイス
様式8号は休業期間や金額の計算などが必要で、書類作成が複雑です。書類に不備があり労働基準監督署から訂正を求められると、その分だけ給付の開始が遅れてしまいます。スムーズに請求手続きを進めるためには、外部の専門家に依頼することをおすすめします。
また、労災には会社の安全配慮義務などが原因となるケースもあり、損害賠償請求を検討している方もいるでしょう。労働基準監督署へ申請する段階から弁護士などの専門家に相談することで、申請後の法的な対応まで含めて、一貫したサポートを受けることが可能です。
業務中・通勤中の事故が絡む場合は「加算補償」の検討も
業務中の事故や通勤中の事故で、相手方(加害者)がいる交通事故が原因で労災を申請するケースでは、労災給付に加えて加害者への損害賠償請求が並行して可能です。これを「加算補償」と呼びます。
労災給付では慰謝料・物的損害が補えず、また休業給付も給付基礎日額の80%(給付60%+特別支給金20%)が上限となります。加害者への損害賠償請求を併用することで、不足分を補填し、被害者の手取りを最大化できます。
- 労災(通勤災害)として給付を受ける:療養給付・休業給付・障害給付・特別支給金など
- 加害者へ損害賠償を請求する:慰謝料・物損・過失相殺後の差額など
- 労災特別支給金は損益相殺の対象外(最判平成8年2月23日)→ 加害者からの賠償と労災の特別支給金を両方受け取れる
関連記事
業務中・通勤中の交通事故と労災の組み合わせ
⚠️ 労災と加害者賠償の組み合わせ方でお困りですか?
弁護士法人ブライトでは、労災事故と交通事故の両方に注力する弁護士が在籍しており、業務中・通勤中の事故について労災給付と加害者賠償を一気通貫でサポートします。
申請の先に──労災保険だけでは戻らない損害と、会社への損害賠償という選択肢
様式5号を提出して、給付が通った。それで全部解決した、と思っていませんか?
多くの方が見落としているのは──労災保険の給付は、あなたが受けた損害の「一部」しか補填しないという現実です。特に、事故で重い障害が残った方・長期休業が見込まれる方にとって、この事実は生活の見通しを大きく変えます。
労災保険の給付でカバーされない損害
労働者災害補償保険法に基づく給付で受け取れるもの(主なもの):
- 療養補償給付(治療費・通院費)
- 休業補償給付(給付基礎日額の60%+特別支給金20%=実質80%)
- 障害補償給付(障害等級1〜14級に基づく一時金または年金)
- 遺族補償給付・葬祭料
一方、労災保険では受け取れない損害も存在します:
- 慰謝料(入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料)→ 保険給付には含まれない
- 休業損害の補填されない残り(給付80%との差分となる20%)
- 後遺障害逸失利益の一部(保険給付の障害年金では将来分が不十分な場合がある)
- 過失相殺後の差額(会社側に過失がある場合に争うことができる)
※ 慰謝料は民法709条・415条に基づく損害賠償固有の項目です(労働者災害補償保険法1条)
なお、労災特別支給金(休業特別支給金等)は損益相殺の対象外であるとした最高裁の判断があります(専門書等が引用するこの論点は重要で、加害者・会社への賠償請求と特別支給金の受給を「両取り」できる根拠となります)。
会社への損害賠償請求が検討できる要件
会社に損害賠償を請求できる可能性があるのは、主に以下の要件が揃う場合です。
損害賠償請求の2つの柱
1. 業務起因性:業務中の事故であること。労災保険の認定(様式5号の申請が認められること)は、業務起因性の有力な根拠となります。
2. 安全配慮義務違反:会社が設備・体制・作業手順等において必要な安全措置を怠っていたこと。
根拠法令:労働契約法第5条(安全配慮義務)・民法第415条(債務不履行)または民法第709条・715条(不法行為・使用者責任)
※ 労災保険の認定があっても、民事賠償では会社の過失を個別に立証する必要があります。
実際の相談事例では、労働基準監督署が「安全規定違反の可能性がある」と指摘した事実そのものが、会社側過失の根拠として活用されるケースがあります。様式5号・様式8号の申請が完了していても、安全規定違反の証拠(作業指示書・設備記録・目撃者の証言等)は早期に保全しておくことが重要です。
「申請中に弁護士に相談するのは早い?」── そうではありません
よくある誤解として「申請が通ってから弁護士に相談すればいい」というものがあります。しかし、実際は申請と並行して(または申請前から)弁護士に相談することが有益です。
- 証拠は時間とともに失われます(作業記録・目撃者の記憶・設備の状態)
- 症状固定のタイミングが、損害賠償額の算定と等級の数字に直結します
- 会社が事業主証明を拒んでいる場合は、弁護士の介入で解決できるケースがあります
なお、損害賠償請求には時効があります(身体侵害の場合:損害及び加害者を知った時から5年・改正民法724条の2)。一方、労災保険給付の時効は制度ごとに異なります(療養補償・休業補償は2年/障害補償・遺族補償は5年)。両者は別制度のため、混同しないよう注意が必要です。
📌 ブライトが大切にしていること
「労災給付の手続きを終えることをゴールにしない。給付でカバーされていない損害について、会社に責任がある場合には賠償を得られる可能性があることを知っていただくこと──それが本当のスタートラインです。」
様式5号・様式8号の申請手続きが完了した後も、損害賠償という選択肢が残っている可能性があります。まずはご状況をお聞かせください。
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労災に遭って気になるのは、休業期間の補償だけではありません。障害補償給付のような休業給付とは別の申請や、会社への損害賠償や慰謝料の請求を検討している方もいるでしょう。労災に関わるさまざまな不安について、労災に特化した弁護士に相談することで、適切なアドバイスが期待できます。
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労災事故の損害賠償|弁護士法人ブライトの最新解説シリーズ
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