Amazonで出品を続けていたある日、突然「知的財産権侵害の申告を受けました」という通知が届き、商品が非表示になった――申告の中には権利者でない者による虚偽申告、失効した権利に基づく申告、並行輸入品への不当な主張など、法的に正当性のないケースが相当数含まれています。本記事では、Amazon知財申告の仕組みから、不当申告への反論手順、法的措置の可能性まで企業法務専門の弁護士が解説します。
Amazon知財侵害申告でお困りの方へ
弁護士法人ブライトでは、不当申告への反論・損害賠償請求・アカウント復活まで法的にサポートします。
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1. Amazon知的財産権侵害申告とは――商標・著作・意匠・特許の4種類
申告の根拠となる知的財産権は①商標権(ブランド名・ロゴ)②著作権(商品画像・説明文)③意匠権(製品外観デザイン)④特許権(発明・技術)の4種類。申告はAmazonの「知的財産侵害の報告フォーム」またはBrand Registry経由で行われます。Amazonは申告段階で内容の正確性を詳細に審査しないため、権利の実態がないまま申告が通ってしまうケースが生じます。
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2. 知財申告でアカウント停止になる仕組みとAmazonの判断基準
申告受理後の流れ:①商品の非表示化・出品停止 ②アカウントパフォーマンスへの記録 ③繰り返し申告によるアカウント停止 ④資金保留。重要なのは制限を受けたこと自体が「侵害の認定」ではないという点。AmazonはAmzonの判断はあくまで申告に基づく暫定措置であり、法的な権利侵害の有無はまた別の問題です。
3. 申告者が「権利者」でないケース――不当申告の実態
3-1. 競合セラーによる虚偽の申告
競合を排除する目的で商標権侵害申告を行うケースが多数存在します。申告者が実際には申告内容の権利を保有していない場合、不正競争防止法上の不正競争行為(虚偽事実の告知・流布)に該当する可能性があります。
3-2. 失効・無効な権利での申告
商標権・特許権・意匠権には存続期間があります。すでに権利が消滅しているにもかかわらず申告が行われるケースもあります。申告を受けたら、まず特許庁のJ-PlatPatで権利の存否・存続期間を確認することが第一歩です。
3-3. 並行輸入品への不当主張
海外ブランドの正規品を日本に輸入して販売する並行輸入は、商標権者の許諾なしに行っても原則として適法です(最高裁平成15年2月27日判決)。並行輸入の適法条件を満たす場合、正当な根拠を示して反論する余地が十分にあります。
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4. 正当な出品であるのに申告を受けた場合の反論手順
4-1. Amazonへの異議申立て(Counter Notice)の書き方
異議申立てでは①申告番号・申告者情報の確認 ②J-PlatPatで権利存否確認 ③正当権原の整理(仕入書・ブランド許諾書等)④並行輸入の場合の証拠収集 ⑤申告者の動機確認が必要です。Counter Noticeの文面には①侵害していない理由②法的・事実的根拠③提出できる証拠を英語・日本語で簡潔に記述します。
4-2. 弁護士意見書の効果
Amazonへの異議申立てにおいて弁護士が作成した意見書(Legal Opinion Letter)の添付は大きな効果を発揮します。意見書の内容:①権利の有効性分析 ②出品商品が保護範囲に含まれないことの説明 ③並行輸入の適法性に関する判例引用 ④申告行為が不正競争防止法等に抵触する可能性の指摘。意見書提出後、申告者が取り下げる形で解決するケースも少なくありません。顧問弁護士として継続的に関与することで申告を受けた際の初動対応が格段に速くなります。
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5. 不当申告者への法的措置――損害賠償請求と刑事告訴
虚偽・不当な知財申告を行った相手方には法的手段をとることが可能です。民事(損害賠償請求):不法行為(民法709条)・不正競争防止法2条1項21号・著作権法・商標法上の虚偽表示を根拠とした損害賠償請求。出品停止期間中の逸失利益・在庫管理コスト増加・弁護士費用の一部が請求範囲に含まれます。刑事告訴:偽計業務妨害罪(刑法233条)・不正競争防止法21条を根拠に告訴可能。民事と刑事を組み合わせた対応が有効なケースもあります。
なお、申告者が自社の取引先でもある場合など利益相反が生じる場合は、法的対応の方針を弁護士と慎重に検討する必要があります。
6. Amazon Brand Registryと「バイブランド」問題の法的評価
「バイブランド」とは競合出品者の排除だけを目的に商標を登録・利用する行為です。典型パターン:①競合商品のキーワードに似た商標を抜け駆け登録 ②広範な権利で競合商品全般に申告を乱発 ③Brand Registryの権限で競合の商品ページを書き換え。対抗手段:不使用取消審判(商標法50条)の申請で実際に使用されていない商標の登録取り消しが可能。Amazonアカウント譲渡の際もBrand Registry絡みの権利関係が問題になることがあります。
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7. 費用・期間の目安
弁護士意見書の作成・提出:3〜10営業日。Amazonの審査・判断:1週間〜1ヶ月程度。損害賠償請求(交渉フェーズ):1〜3ヶ月程度。訴訟・審判手続き:数ヶ月〜1年以上。弁護士費用は相談内容・対応範囲・事件の複雑さに応じて異なります。顧問弁護士として平時から連携しておく体制が有効です。
8. 弁護士法人ブライトへの相談の流れ
①お問い合わせ(電話・Webフォーム、申告通知のコピーをご用意ください)②状況ヒアリング(申告内容・出品商品・権利関係)③方針のご提案(異議申立て・意見書・損害賠償・顧問契約)④対応実施(意見書起草・提出・Amazon対応・交渉)⑤事後フォロー(再発防止策・Brand Registry活用・顧問体制整備)。顧問弁護士サービス「みんなの法務部」では幅広いEC事業リスクをワンストップでカバーします。
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監修:嶋本 敦 弁護士(弁護士法人ブライト)
登録2008年(修習61期)・企業法務担当





