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Amazon真贋調査でアカウント停止|請求書・LOAと反論の確認事項

Amazonから真贋に関する通知を受け、出品停止やアカウント停止になったときは、まず通知文が何を問題にし、どの商品の、どの期間の、どの資料を求めているかを切り分けます。「商品は本物である」という説明と、「Amazonが指定した形式・範囲で仕入経路を確認できる」という説明は同じではありません。

最初に保存するもの

  • 通知メールとアカウント健全性画面の全文、日時、対象商品
  • 提出済み資料と送信日時、Amazonからの返答
  • 請求書・領収書・注文書・支払記録・物流記録
  • メーカー・卸との契約、正規販売や流通を示す資料、LOA等
  • 売上残高、取引レポート、FBA在庫レポート

真贋調査の通知を「要求事項」に分解する

通知は案件ごとに異なるため、一般論だけで提出物を決めず、その通知に記載された期限・対象・必要項目を優先します。Amazonの案内では一般的な確認資料として、販売数に対応する正規の請求書・領収書、改変されていない書類などが挙げられています。価格情報の扱いを含め、実際に許されるマスキング範囲も通知と最新案内で確認してください。 この一般案内は、Amazon担当者が2019年10月28日に回答した「真贋調査について詳しい方、アカウント復活など」で確認できます(2026年10月16日確認)。回答後に要件が変更される可能性があるため、現在の個別通知を優先します。

通知趣旨の要約例 確認資料 先に照合する点
商品の真正性を確認したい 請求書・領収書、発注・支払・配送記録 品名、数量、日付、仕入先、販売期間の対応
販売権限・流通経路を確認したい 契約書、販売許諾、LOA、取引先との連絡 発行主体、対象ブランド・商品、期間、名宛人
権利者から侵害申告がある 申告内容、商標・著作物・商品ページ、許諾資料 真正性だけでなく表示・画像・販売地域等の権利論点
提出書類を受理できない 提出物一式と不受理通知 不足項目、相互矛盾、対象期間・数量のずれ

請求書・領収書・LOAで見るべき点

請求書等は、発行元と出品者の名称・住所・連絡先、発行日、商品を特定できる記載、数量などが、通知対象とつながるかを確認します。ASINの記載が常に必須とは限らず、通知の条件と商品名・型番等で同一性を説明できるかが重要です。LOAも万能な書類ではなく、誰が、誰に、どの商品・地域・期間について、どの権限を与えたかを読みます。

存在しない書類を作る、日付・数量・名義を変える、画像を加工して真正な書類のように見せることは避けてください。書類がない場合は、ない事実を前提に、注文確認、送金、配送、取引先との通信など代替資料を整理し、通知が要求する証明に足りるかを検討します。

正規品であることと権利侵害がないことは別問題

商品が真正品でも、商品画像・説明文の著作権、商標の使い方、並行輸入品の表示、販売契約上の制限などが別に問題となる場合があります。反対に、権利者との取引関係が説明できても、今回販売した個体の仕入れ数量や物流がつながらなければ、真贋資料として不足することがあります。通知の理由を「偽物と言われた」の一語にまとめず、真正性、流通経路、販売権限、表示上の権利を分けて確認します。

書類を出しても解除されないときの確認順

  1. 提出したファイルと送信時点の通知を固定して保存する
  2. 対象商品・期間・数量と、請求書、支払、配送、販売数を表で対応させる
  3. 名義や住所の違い、取引先変更、法人化などの理由資料を付ける
  4. 不受理理由が示されていれば、その不足だけを補う
  5. 理由が示されない、反復して同じ返答が来る、権利者との争いがある場合は、規約上の申立てと法的請求を分けて検討する

売上金の留保とFBA在庫は、アカウント復旧とは別の対象です。復旧できなかったから当然に売上金や在庫を失う、あるいは正規品を証明できれば当然に全て返還される、とは限りません。契約主体、対象取引、留保理由、在庫の状態を別々に確認します。

三つの難しい場面の対応分岐

1. 指定された資料が存在しない

まず「本来ある資料を紛失した」のか、「取引形態上その名称の資料が発行されない」のかを区別します。前者は仕入先へ再発行を依頼し、後者は発注、決済、配送、通関、仕入先の資格・連絡先等を組み合わせます。ただし代替資料がAmazonの要求を満たす保証はありません。存在しない請求書を作るのではなく、資料がない理由と、販売個体までの連鎖を説明します。

2. 真正な書類なのに受理されない

書類の真偽だけでなく、通知対象との対応を再点検します。登録名義と請求書名義、住所表記、発行主体、商品名・型番、数量、仕入日、販売期間、支払名義、配送先を一列に並べます。「請求書は本物」でも、別法人宛て、対象期間外、販売数不足、商品同一性不明であれば、求められた説明に届かないことがあります。過去の提出文との矛盾も表にし、訂正する場合は何をなぜ訂正するかを明示します。

3. 真贋と権利侵害が混在する

真正品の仕入れを示す資料と、商品画像・説明文・商標使用・販売許諾等の権利資料を別冊にします。権利者への回答とAmazonへの申立てで事実関係が食い違わないようにし、申告の撤回を求める場合も、誰が申告者か、撤回権限があるかを確認します。

「反論」と「是正説明」を分けて組み立てる

通知が事実誤認又は根拠のない権利侵害申告だと考える場合、単に「納得できない」と書くのではなく、次の順序で反論を組み立てます。

  1. 争う事実:どの商品・販売・表示について、通知のどの認定を争うか
  2. 権利・許諾:真正品の流通、商標・画像等の利用許諾、並行輸入等のどの法的・契約的関係を主張するか
  3. 提出証拠:請求書、支払、配送、契約、LOA、商品ページ保存のどれが各事実を支えるか
  4. 認めない事項:確認できない事実や、権利放棄・責任承認に読まれ得る表現を不用意に含めない
  5. 別経路:Amazon内申立てで扱う事項と、権利者への回答・撤回要請・交渉で扱う事項を分ける

一方、実際に商品説明や仕入管理に不備がある場合は、事実を争う反論ではなく、原因、今回の是正、再発防止を資料で示します。一部を争い一部を是正する場合も、どこまで認めるかを明示します。Amazon内の改善計画の整理はAmazon改善計画・POAの解説も参照してください。

提出前の矛盾照合表

照合軸 よくある不一致 補足資料
主体 Amazon登録法人と請求書宛名・支払人が違う 商号変更、法人化、委託・立替関係
商品 請求書の一般名と対象商品が結び付かない 型番表、商品カタログ、仕入先確認
数量 仕入数より販売数・在庫数が多い 期首在庫、複数請求書、返品記録
時期 販売後の仕入れに見える 納品日、前回仕入れ、予約販売記録
物流 請求書はあるが納品経路がない 送り状、通関、FBA納品記録
説明 申立てごとに仕入先・原因が変わる 訂正理由と確定時系列

理由別・弁護士へ相談する目安

  • 資料不足:再発行不能、名義不一致、代替資料の法的評価が必要
  • 真正性:書類は真正だが不受理理由が不明、取引先への照会が必要
  • 権利侵害:権利者から直接警告・金銭請求・和解案がある
  • 契約主体:譲渡、法人化、代表者変更、関連アカウントが絡む
  • 財産:売上金・FBA在庫・事業継続への影響を別途請求する必要がある

よくある質問

Q1. 請求書がなければ必ず復旧できませんか?

一律には言えません。通知が何を要求しているか、代替資料で販売個体までの流通を説明できるかによります。偽造・加工はしないでください。

Q2. LOAがあれば真贋調査は解決しますか?

LOAは販売権限等を示す一資料ですが、今回の商品が正規に仕入れられたことや数量まで当然に証明するものではありません。

Q3. 正規品なら権利侵害ではありませんか?

真正品でも、画像・説明、商標の態様、契約上の販売地域等が別に問題となることがあります。通知の根拠ごとに検討します。

共通相談から得られる抽象パターン

個別相談を匿名化して見ると、行き詰まりやすいのは「同じ資料を説明なしで繰り返し送る」「真正品の説明だけで権利侵害申告にも答えたつもりになる」「セラーセントラルに入れなくなってから証拠を探す」という型です。個別の結果を保証するものではありませんが、資料と争点の対応表を先に作ることが重要です。

弁護士へ相談するタイミング

権利者から警告や請求が来ている、通知理由が不明、提出資料が繰り返し退けられる、売上金・在庫が事業継続に影響する、相手方から合意書を示された場合は、送信前に相談する意味があります。弁護士は、Amazonへの説明だけでなく、権利者との交渉、契約上の返還請求、必要に応じた訴訟の可否を資料に即して検討します。

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  • この記事を書いた人

笹野 皓平

弁護士法人ブライト パートナー弁護士: あなた自身や周りの方々がよりよい人生を歩んでいくために、また、公正な社会を実現するために、法の専門家としてサポートできることを日々嬉しく感じています。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。

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顧問弁護士担当弁護士

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    笹野 皓平

    2008年

    京都大学 法学部(Kyoto University Faculty of Law)卒業

    2010年

    司法試験合格・立命館法科大学院修了

    2011年

    弁護士登録(大阪)

    2019年

    大阪弁護士協同組合 総代

    法人向け・個人向けを問わず、幅広い業務に取り組んできました。その場しのぎの単なる助言だけで終わるのではなく、最終的な局面を見据えた「真の問題解決」を目指す姿勢を大切にしています。

    プロフィールを詳しく見る

事務所概要

事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 06-4965-9590(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

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