顧問弁護士がいる会社といない会社——月5万円で何が変わるのか、具体的に説明します この記事でわかること: 顧問弁護士なしで起きやすい3つのリスクと実際の損失 顧問弁護士を導入した会社のBefore/After事例2件 スポット依頼との費用比較と、顧問契約の費用対効果の試算 📋 顧問弁護士の導入について、まず話を聞いてみませんか? 弁護士法人ブライトは大阪の中小企業の外部法務部として、継続的に法務課題をサポートします。顧問先141社・企業法務部の弁護士歴平均14年以上。 顧問弁護士サービス「みんなの法務部」を見る 無料で相談する(お問い合わせ) 顧問弁護士なしで起きやすい3つの問題 「うちはまだ小さい会社だから弁護士は必要ない」——そう考える経営者は少なくありません。しかし実際には、顧問弁護士を持たない中小企業ほど、問題が起きたときに最も大きな損失を被るケースが多いのです。具体的に、どのような問題が起きやすいのかを見ていきましょう。 問題① 契約書トラブルが「後から」発覚する 顧問弁護士がいない会社に最も多いのが、契約書に関するリスクの見落としです。「取引先から送られてきた契約書をそのままサインしていた」「業界慣習で口約束の取引が続いていた」というケースは珍しくありません。こうした状態で問題が起きると、自社に不利な条項が発動し、損害賠償を請求されたり、代金を回収できなかったりする事態につながります。 問題が表面化するのは必ず「締結後」です。その時点では弁護士に依頼しても、できることは限られています。事前に契約書をチェックする体制こそが、最大のリスク管理になります。 問題② 労務問題の初動が遅れ、紛争に発展する 従業員からのハラスメント申告、解雇をめぐるトラブル、残業代の未払い請求——こうした労務問題は「突然」訪れます。顧問弁護士がいない会社では、問題が起きた瞬間に「どこに相談すればいいか」から始めなければなりません。その間に証拠が散逸したり、会社側の対応が感情的になって状況が悪化したりするケースが多く見られます。 初動が1週間遅れるだけで、交渉の主導権が相手方に移ることがあります。顧問弁護士がいれば、問題発覚の当日に法的な判断を仰ぎ、正しい対応を取ることができます。 問題③ 「相手方に弁護士がついた」時点で詰む 取引先とのトラブルや元従業員からの請求で、相手方が弁護士をつけてきた場合、顧問弁護士がいない会社は圧倒的に不利な状況に置かれます。弁護士からの内容証明が届いた時点からスポットで弁護士を探し、事情を一から説明し、方針を立てるまでの間、相手方は法的な準備を着々と進めています。 顧問弁護士がいれば、相手方に弁護士がついた当日から「弁護士同士の交渉」に切り替えることができます。この初動の差が、最終的な解決条件に大きく影響します。 → 顧問弁護士は必要?重要性・利用すべき場面・費用対効果の判断基準 実際の変化事例——Before/After形式で見る顧問弁護士の効果 事例① ある卸売・流通業の会社——1年間で契約書22件チェック、大きなトラブルゼロ 【Before:顧問導入前の状態】 ある卸売業の会社では、業界慣習として本契約書を作らない取引が多く、リスクが積み上がっている状態でした。また、仕入れた商品に盗品疑惑が生じた際のルールも不明確で、人材紹介に関連したトラブルで取引先から責任を追及されたことも。「問題が起きるたびに対処する」という後手の対応が続いていました。 【After:顧問導入後の変化】 顧問弁護士との契約後、1年間の振り返りでは契約書チェックを22件実施。主要取引先との基本契約書が整備され、疑わしい仕入れ案件の確認フローもマニュアル化されました。人材紹介トラブルについては「採用判断は企業側にある」という法的根拠を用いて説明し、スムーズに解決。新規事業(人材派遣)の立ち上げ時にも、契約書整備を並走して行うことができました。結果として、1年間の「大きなトラブルゼロ」という実績につながっています。 この事例で重要なのは、22件の契約書チェックが「都度スポット依頼」だった場合の費用です。後述の試算でも触れますが、スポット依頼では1件あたり数万円のコストがかかるため、顧問契約との費用差は明らかです。また、継続的な顧問体制だからこそ、会社全体の法的リスクの全体像が見えてくるという点も見逃せません。 事例② ある医療クリニック——ハラスメント申告の初動フローが初めて整備された 【Before:顧問導入前の状態】 ある医療クリニックには就業規則・賃金規定が存在していましたが、実態との乖離が大きく、試用期間中の手当が就業規則外で運用されるなど、法的リスクを内包していました。ハラスメント規定は形式的に設けられていたものの、実際に申告があった場合の対応フローはなく、「申告が来たらどう動けばいいかわからない」という状態が続いていました。 【After:顧問導入後の変化】 顧問弁護士との契約後、「申告が来た当日に弁護士へ共有し、対応方針を一緒に決める」という体制に変わりました。現場スタッフは「まず傾聴する」、法的判断・書面作成・弁護士交渉は顧問弁護士が担うという役割分担が明確になったことで、申告があっても冷静に対処できる組織づくりが実現しました。 注目すべきは、就業規則の整備自体は社労士でも行えますが、「申告が来たときの法的判断・弁護士交渉・書面作成」は弁護士でなければ対応できないという点です。顧問弁護士がいることで、形式的な整備が「実際に機能するフロー」に変わります。 顧問弁護士が担う具体的な業務内容 顧問弁護士は「問題が起きたときに呼ぶ存在」だと思っている経営者が多いですが、実際には日常的な法務サポートが大きな価値を生みます。主な業務内容を整理します。 ① 契約書の作成・レビュー 取引先から送られてくる契約書の問題点の指摘、自社に有利な条件への修正提案、自社オリジナル契約書の作成を行います。業種・取引規模に応じた実務的なアドバイスが受けられます。 ② 労務トラブルの予防と対応 就業規則の整備・実態との整合性チェック、ハラスメント申告への初動サポート、解雇・退職勧奨の適法な進め方の助言、残業代請求への対応など、労務関連の法的リスクを幅広くカバーします。 ③ 売掛金回収・取引先との紛争対応 支払いが滞った取引先への内容証明送付、交渉、訴訟対応まで一貫して対応します。顧問契約があれば、着手金を抑えて依頼できるケースが多く、早期解決につながります。 ④ 新規事業・M&A時の法務チェック 新しいビジネスを始める際の法的リスクの洗い出し、必要な許認可の確認、事業譲渡・M&A時のデューデリジェンス補助など、経営判断に直結する法務サポートを提供します。 ⑤ 緊急時の即日対応 相手方に弁護士がついた、警察・行政から連絡があった、従業員が横領を犯したなど、緊急事態が発生した際に当日中に相談できる体制は、顧問契約がある場合のみ実現します。 → 企業法務・顧問弁護士トップ 費用対効果の試算——スポット依頼との比較 「月5万円の顧問料は高い」と感じる経営者もいますが、スポット依頼との比較で考えると、費用対効果の実態が見えてきます。 業務内容 スポット依頼の目安費用 顧問契約での扱い 契約書レビュー(1件) 2〜5万円 月内複数件対応可 内容証明作成(1通) 3〜5万円 顧問料内または割引対応 労務相談(1回) 1〜3万円 相談回数の上限なし 紛争対応の着手金 20〜50万円〜 顧問先割引が適用される たとえば、1ヶ月に契約書を2件チェックしてもらい(スポット換算で最大10万円)、労務相談を1回行った場合(スポット換算で1〜3万円)、それだけで月5万円の顧問料を超えます。加えて、「いつでも相談できる安心感」「緊急時の即日対応」「継続的なリスク管理」という顧問契約ならではの価値を考えると、費用対効果は明らかです。 また、前述の卸売業の事例のように年間22件の契約書チェックをスポットで依頼した場合、単純計算で44〜110万円のコストがかかります。月5万円の顧問料(年間60万円)と比較すると、契約書チェックだけでも顧問契約の方が割安になるケースが十分にあります。 さらに、顧問弁護士がいることで「トラブルの予防」が実現します。問題が起きてからスポットで依頼する場合と比べ、問題を未然に防いだ場合の損失回避額(訴訟費用・和解金・業務停止による機会損失など)を考えると、顧問弁護士の経済的価値はさらに大きくなります。 顧問弁護士サービスについて詳しく見る 月額費用・対応業務範囲・ご契約の流れについて、詳しくご案内しています。 「みんなの法務部」のサービス内容を見る よくある質問(FAQ) Q1. 社労士と顧問弁護士は何が違うのですか?社労士がいれば弁護士は不要では? 社労士と弁護士は役割が明確に異なります。社労士が対応できるのは、就業規則・賃金規定の作成・届出、社会保険・労働保険の手続き、助成金申請などの「行政手続き・書類整備」が中心です。一方、弁護士が対応するのは、ハラスメント申告が来たときの法的判断、解雇・退職勧奨の適法な進め方の指導、元従業員からの残業代請求への交渉・訴訟対応、相手方弁護士との直接交渉などです。「就業規則は社労士に作ってもらった。だから安心」という経営者は多いですが、その就業規則が実態と乖離していても、申告が来たときに法的に動けるのは弁護士だけです。社労士と弁護士は競合する存在ではなく、補完し合う存在です。 Q2. 顧問弁護士の費用はいくらからですか?中小企業でも払えますか? 顧問弁護士の費用は事務所によって異なりますが、一般的に月額3万円〜10万円程度が中小企業向けの相場です。会社の規模・相談頻度・対応業務の範囲によって費用設定は変わります。「月5万円は高い」と感じる方もいますが、前述のとおり、スポット依頼と比較すると経済的な合理性がある場合が多いです。まずは初回相談で、自社の法務ニーズと費用感について弁護士と話し合うことをお勧めします。事務所によっては初回相談を無料で提供しているところもあります。 Q3. 今すぐ法的トラブルを抱えていない会社でも顧問弁護士は必要ですか? はい、むしろ「今トラブルがない会社」にこそ顧問弁護士は価値を発揮します。顧問弁護士の最大の役割は「問題が起きる前の予防」です。契約書の整備、就業規則の実態との整合性チェック、新規事業の法的リスクの洗い出しなど、日常的な予防的業務によって、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。問題が起きてから弁護士を探す場合、選ぶ余裕も時間もありません。平時に信頼できる弁護士と継続的な関係を築いておくことが、いざというときに最も効果を発揮します。 監修:弁護士法人ブライト 企業法務チーム 大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。 ※本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律アドバイスではありません。具体的な問題については弁護士にご相談ください。 企業法務の関連記事 子会社を吸収合併する際の法的手続き・欠損金処理の注意点【弁護士解説】 交通事故の弁償金・損害賠償請求の方法(会社向け)【弁護士解説】 会社の車で事故を起こした場合の会社の責任・使用者責任とは【弁護士解説】 民事再生申立てのタイミング・支払停止日の設計方法【弁護士解説】 逮捕・犯罪歴のネット記事・Google検索結果を削除する方法【弁護士解説】