このページは、芦屋で相続した不動産がなぜ揉めやすいのかを、芦屋・阪神間の相続不動産のご相談を取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士・芦屋在住)が、地域の事情に即して整理した解説記事です。
はじめに|芦屋の実家を相続した——そこから話が動かなくなる
芦屋で親から実家や土地を相続した。あるいは、これから相続することになりそうだ——。そうしたとき、多くのご家庭が同じところでつまずきます。
・売りたくないのに、兄弟の一人が「現金で分けよう」と言い出した
・実家に住み続けたい人がいるが、代償として払う金額が大きすぎて折り合えない
・資産の大半がこの一軒の家と土地で、きれいに分けようがない
・路地の奥にある古い邸宅で、そもそも建て替えられるのか、貸せるのかも分からない
これらは、芦屋という土地で相続が起きたときに、繰り返し目にする悩みです。芦屋の相続不動産が揉めやすいのには、この街ならではの、はっきりした理由があります。価値が高く、そして「住み続けたい」と思われている土地だからです。
この記事では、芦屋在住の弁護士の視点から、芦屋の相続不動産がなぜ揉めやすいのか、どこでつまずくのか、そして早めに手を打つとなぜ効くのかを、地域の事情に即して解説します。個別のテーマ(共有・評価・生前の承継設計など)は、それぞれの詳しい記事への入口としてもご案内します。
芦屋の実家や土地の相続で「どう分けるか」で迷ったら、売る前提に進む前に一度だけ法律の目を通してください。
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1. 芦屋の相続不動産の特徴|「価値が高く、手放したくない」土地であること
芦屋の相続を語るうえで、まず押さえておきたい前提が3つあります。いずれも公的な調査で確認できる、この街の性格です。
1-1. 「住み続けたい街」であること
芦屋市の市民アンケートでは、8割を超える市民が「芦屋に住み続けたい」と回答しています(芦屋市市民アンケート・2019年)。また、リクルートの『SUUMO住み続けたい街ランキング2022 関西版』では、自治体ランキングで芦屋市が第1位に選ばれています(リクルート調べ・2022年)。
この「住み続けたい」という強い意向は、相続の場面では独特の重みを持ちます。相続した家や土地は、単なる資産ではなく、そこで暮らし続けたい生活の場として意識されているからです。だからこそ「売って現金で分ければいい」という発想が、当事者の一部にとっては受け入れがたいものになります。
1-2. 地価が県内でも高い水準にあること
芦屋の住宅地の地価は、6年連続で上昇しています(国土交通省地価公示等)。県内でも高い水準にあり、一区画の評価額が数千万円から、条件によってはそれ以上になることも珍しくありません。
不動産の価値が高いということは、相続の場面では分けるべき金額が大きくなることを意味します。仮に一人が住み続けるために他の相続人へ代償金を支払うとしても、その額は高額になります。もめごとの「金額の単位」が、そもそも大きいのです。
1-3. 経済的にゆとりのある世帯が多いこと
芦屋市の平均所得は、全国でもトップクラスの水準にあります(総務省・市町村税課税状況等の調)。相続する資産が不動産にとどまらず、預貯金・有価証券・収益物件など多岐にわたるご家庭も少なくありません。資産の種類が多いほど、「誰が何を、いくら分の価値で受け取るか」の調整は複雑になります。
これら3つを重ねると、芦屋の相続不動産の輪郭が見えてきます。価値が高く(=分ける金額が大きい)、住み続けたいと思われていて(=売って分けることに抵抗がある)、資産の中身も多様。この組み合わせが、芦屋の相続を「揉めやすい」ものにしています。
「価値が高いぶん、分け方で揉めそう」という段階でのご相談こそ、こじれる前の対応ができます。
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2. 芦屋ならではの揉めどころ|3つのつまずきポイント
芦屋の相続不動産で実際にどこでつまずくのか。大きく3つに整理できます。

揉めどころ①:資産が「一つの高額な自宅不動産」に集中している
芦屋の相続で最も多いのが、資産の大部分が実家一軒(土地と建物)に集中しているというかたちです。預貯金は相対的に少なく、価値のほとんどが不動産にある。すると、次のことが起こります。
・きれいに等分しようとすると、不動産を売るか、共有名義にするしかない
・一人が住み続けたいなら、他の相続人に高額な代償金を払う必要があるが、その資金が用意できない
・「とりあえず共有名義に」しておくと、後々さらに動かしにくくなる
とりわけ代償金の計算は、不動産の評価額をいくらとみるかで大きく変わり、ここが正面からの争点になります。固定資産税評価額・路線価・実勢価格(査定額)・不動産鑑定と、どの基準を採るかで金額が数割単位で動くためです。評価が争点化したときの考え方は、こちらで詳しく解説しています。→ 相続不動産の評価で揉めるときの解決方法
また、「揉めたくないから、とりあえず共有名義のままに」という選択が、実は次の紛争の火種になりがちです。共有そのものが抱える構造的な問題と、その解消方法は、こちらでまとめています。→ 相続した不動産の共有状態を解消する方法
揉めどころ②:「住み続けたい人」と「現金化したい人」の対立
芦屋では、この対立が特に鮮明に表れます。
・住み続けたい人:実家で育ち、これからも暮らしたい。あるいは親の家を手放したくない。「住み続けたい街」で育った意識が、この気持ちを強くします
・現金化したい人:遠方に住んでいて実家に戻る予定はない。相続分は現金で受け取りたい。価値が高い不動産だからこそ、受け取れる現金への期待も大きい
どちらの気持ちも当然のものです。しかし、資産が自宅不動産に集中していると(揉めどころ①)、両者の希望は正面からぶつかります。住み続けたい人が代償金を用意できなければ、結局は売却するしかなくなり、住み続けたい人の希望は通りません。逆に売却を止めれば、現金化したい人が受け取れないまま時間だけが過ぎます。
ここで大切なのは、「売る/残す」の二択で固まる前に、間に立てる選択肢を検討することです。代償金の分割払いや、金融機関からの借入とキャッシュフローの見立て、一部を貸して収益を分ける方法など、当事者だけでは思い至りにくい着地点があります。感情の対立が深いほど、代理人が間に入ることで話が動き出すことも、実務ではよく経験します。
揉めどころ③:古い邸宅・借地・私道が絡む「物理的な複雑さ」
芦屋には、戦前からの区画や、大きな敷地を持つ古い邸宅、路地の奥・袋小路に建つ住宅が数多くあります。こうした土地には、価値の高さとは別の、物理的・法的な複雑さがついてまわります。
・借地の場合:土地は借りていて建物だけが自分の資産、というケース。相続の際に借地権をどう扱うか、地主との関係をどう引き継ぐかが問題になります。→ 借地権付き建物を相続・遺言で残すときの注意点
・私道・接道の場合:家の前の道が私道で、その持分を複数の人が持っている。あるいは、建て替えに必要な接道の条件を満たしているのかがはっきりしない。こうした土地は、売る・貸す・建て替えるのいずれの場面でも、権利関係の整理が先に必要になります。(私道持分・接道と再建築の整理については、別途くわしく解説します)
「分ける」以前に、そもそもその不動産が今後どう使えるのか(売れるのか・建て替えられるのか)が定まっていないと、評価も分け方も決められません。芦屋の相続で物理的な複雑さが絡む場合は、権利関係の整理を出発点に据える必要があります。
借地・私道・接道が絡む芦屋の土地は、分け方の前に「使える土地なのか」の整理が要ります。
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3. 芦屋の相続で「早めに手を打つ」と効く理由
芦屋の相続不動産は、揉めてから対応するより、揉める前・相続が起きる前に手を打つほうが、効果が大きいという特徴があります。理由は2つです。
3-1. 価値が高いほど、生前の対策が効く
資産の価値が大きいということは、分け方をあらかじめ設計しておくことの効果も、それだけ大きいということです。
たとえば、実家を継ぐ人と、他の相続人が受け取る資産のバランスを生前に整えておく。遺言で不動産の行き先を決めておく。共有名義になることを避ける承継の形をとる。こうした設計を事前にしておけば、相続が起きたときに「一つの高額な不動産をどう分けるか」で家族が対立する事態そのものを防げます。
価値が数百万円の不動産なら「揉めても大した金額ではない」で済むかもしれませんが、芦屋のように価値が大きいと、対策の有無が結果を大きく左右します。共有にしないための承継設計は、こちらで詳しく解説しています。→ 共有にしない不動産の承継設計
3-2. 認知症などで「売れなくなる・決められなくなる」前に
もう一つ、時間との関係で見落とされがちな理由があります。所有者が認知症などで判断能力を失うと、その不動産は本人の意思では売却も活用もできなくなるという点です。
芦屋のように資産価値の高い不動産を持つご家庭では、この「凍結」のインパクトが特に大きくなります。売りたくても売れない、活用したくてもできないまま、成年後見制度を使わざるを得なくなり、その場合も家庭裁判所の関与のもとで自宅の売却には慎重な判断が求められます。
判断能力があるうちであれば、遺言・家族信託・生前の資産整理など、取れる選択肢は格段に多くなります。この論点は、こちらで詳しく扱っています。→ 成年後見と不動産売却の注意点
芦屋の資産は、価値が高いぶん「元気なうちの設計」が効きます。相続が起きる前のご相談も歓迎しています。
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4. 芦屋・阪神間の相続を相談するときの視点
芦屋の相続不動産を相談するなら、どんな相手を選べばよいのか。地域の事情に照らして、いくつかの視点をお伝えします。
まず、地価の感覚と住み替え事情を知っている相手であること。芦屋の土地は、路地の奥か大通り沿いか、借地か所有権か、私道が絡むかどうかで、評価も使い方も大きく変わります。同じ「芦屋の一軒家」でも、条件によって適正な分け方はまったく違います。地域の相場感や住宅事情を踏まえて評価と分け方を組み立てられるかどうかは、結果に直結します。
次に、「売る前提」ではなく「住み続ける前提」からも話せる相手であること。芦屋は「住み続けたい」意向の強い街です。相続の相談が、最初から売却ありきで進んでしまうと、住み続けたい相続人の希望が置き去りになります。売る・残す・貸すのどれが良いかを、フラットに検討できる相手が望ましいといえます。
ここで一つ、事実としてお伝えしておきたいことがあります。弁護士は、職務基本規程により不動産業者から紹介料を受け取りません。 そのため、特定の業者や「売る方向」に誘導される心配なく、ご家族にとって何が良いかを中立に検討できます。
私たち弁護士法人ブライトは、代表弁護士が芦屋在住で、地域の不動産事情を生活者としても知っています。あわせて、顧問先130社以上の企業法務で日々交渉と契約の実務を扱っており、その交渉力を相続不動産のご相談にも活かしています。芦屋・阪神間の相続不動産のご相談は、芦屋ブライト相続不動産相談室からお問い合わせいただけます。
芦屋の地価感と住み替え事情を踏まえて、売る・残す・貸すをフラットに検討します。
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5. よくあるご質問(FAQ)
Q1. 芦屋の不動産は評価が難しいと聞きました。本当ですか?
芦屋の不動産は、価値が高いうえに、路地・私道・借地・接道といった条件が評価に影響しやすく、評価の幅が出やすい傾向があります。相続では、固定資産税評価額・路線価・実勢価格(査定額)・不動産鑑定のどの基準を採るかで金額が数割単位で変わり、これが分け方の争点になります。だからこそ、根拠となる資料を段階的に積み上げ、どの基準でどこまで主張するかを設計することが重要です。評価が合わないときの考え方は、相続不動産の評価で揉めるときの解決方法で詳しく解説しています。
Q2. 実家に住み続けたいのですが、相談できますか?
もちろんです。むしろ「住み続けたい」というご希望こそ、早めにご相談いただきたいテーマです。住み続けるためには、他の相続人に代償金を払う、遺言や生前の設計で自宅の行き先を定めておくなど、いくつかの道があります。芦屋は「住み続けたい」意向の強い街だからこそ、売却ありきではなく、住み続ける前提から一緒に検討します。資金の手当てや分割払いの設計を含め、当事者だけでは見えにくい着地点をご提案できることがあります。
Q3. 芦屋以外の阪神間でも対応してもらえますか?
はい。西宮・宝塚・神戸東部など、阪神間の相続不動産のご相談に幅広く対応しています。オンラインや電話・LINEでのご相談も承っていますので、遠方にお住まいの相続人の方も含めてご検討いただけます。芦屋・阪神間という地域の不動産事情を踏まえたうえで、それぞれのご事情に合わせた進め方をご提案します。
6. まとめ|芦屋の相続は「価値が高く、手放したくない」からこそ、早めの設計が効く
・芦屋の相続不動産が揉めやすいのは、価値が高く(分ける金額が大きい)、住み続けたいと思われていて(売って分けることに抵抗がある)、資産の中身も多様だからです
・揉めどころは3つ。①資産が一つの高額な自宅不動産に集中して分けにくい ②住み続けたい人と現金化したい人が対立する ③古い邸宅・借地・私道が絡んで物理的に複雑
・価値が高いほど生前の設計が効き、認知症などで「売れなくなる・決められなくなる」前に手を打つ意味も大きくなります
・相談相手は、芦屋の地価感と住み替え事情を知り、「売る前提」ではなく「住み続ける前提」からも話せることが望ましいといえます
弁護士法人ブライトは、代表弁護士が芦屋在住で、相続と不動産の出口までを見据えたご相談をお受けしています。芦屋・阪神間にお住まいの方は、芦屋ブライト相続不動産相談室もご覧ください。
芦屋の実家・土地の相続で迷ったら、売る・分ける・建て替えるの前に、一度だけ法律の目を通してください。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・大阪弁護士会所属)
弁護士歴20年以上。企業法務(顧問先130社以上)から相続・不動産まで幅広く手がける。芦屋在住。芦屋・阪神間の地価感と住宅事情を生活者としても知る立場から、「その資産を、守り、受け継ぐために。」を信条に、売る前提ではなく住み続ける前提からも話せる相談対応を大切にしている。
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私道・接道・再建築が絡む相続の整理については、相続した実家が私道・袋小路で建て替えできない?でくわしく解説しています。