会社は「持病で倒れたのだ」と言い張り、損害賠償はゼロ回答。それでもご遺族は、事故の原因は仕事にあったのではないかと考え、当法人に相談されました。
会社からゼロ回答を突きつけられた遺族が、事故の状況を一つひとつ組み立て直し、約2年5ヶ月・3,000万円台の解決に至るまでの経過を、事例としてご紹介します。
- 会社は「持病が原因」と主張し、損害賠償金ゼロ回答。遺族は一人で矢面に立たされた。
- 目撃者なし・現場写真なし。それでも考えられる作業方法を仮説として示し、事故の状況を裁判所に理解してもらった。
- 「立証が難しい」と感じる案件でも、証拠を積み重ねる道がある。
- 解決額:3,000万円台(訴訟上の和解)。期間:約2年5ヶ月。(同様の結果を保証するものではありません)
(本記事は、当法人が扱った事案をもとに、依頼者・関係者が特定されないよう年齢・性別・事故状況などを変更して再構成しています。解決額・期間は事案ごとの個別事情により異なり、同様の結果を保証するものではありません。)

(※お電話での対応は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします)
☎ 0120-934-867(通話料無料)(労災のご相談)
第1章:その日、妻は現場から帰ってこなかった
工事現場で作業に従事していた50代の女性(以下「奥様」)が、業務中の事故で命を失いました。
奥様は工事現場の足場で作業中に転落し、病院に搬送されましたが、間もなく息を引き取りました。
現場には目撃者がいませんでした。奥様がなぜ転落したのか、転落の瞬間を見ていた人間は誰もいなかったのです。
残されたのは、夫(以下「ご遺族」)とご家族。突然の死という事実と、「これからどうやって生きていくのか」という途方に暮れた現実だけでした。
知らせを受けてご遺族が病院に駆けつけたときには、すでに奥様は亡くなっていました。何が起きたのかもわからない状況でした。
第2章:「持病で倒れたのだ」――会社の主張とゼロ回答
奥様には、既往症として高血圧の診断歴がありました。会社はこの点を根拠に、「業務中に持病で倒れ、たまたま足場から落下した可能性が高い」と主張しました。
この主張が意味することは明確です。「業務(足場での作業)が原因ではなく、持病が原因だ。だから会社に責任はない」――この主張に基づき、会社は損害賠償の支払いを拒否する姿勢をとりました。
当初、会社側からご遺族に提示された損害賠償額はゼロ回答でした。「遺族補償給付(労災保険)は受け取れるかもしれないが、会社が上乗せで支払う義務はない」という姿勢です。
労災保険の給付だけで済ませればよいという会社の姿勢は、家族の死を持病のせいにされたと受け止めざるを得ないものでした。
ご遺族は労働基準監督署にも相談しましたが、「持病の関与が疑われる」という会社の主張が記録に残る状況で、労災(業務災害)認定の見通しも不透明でした。個人で反論する手立ては見当たりませんでした。
何をすればよいのか、誰に相談すればよいのかもわからないまま、時間が過ぎていきました。
【関連記事】会社が労災を認めないとき弁護士ができること|ブライト法律事務所
「家族の死を持病のせいにされた」と感じたら、まず当法人にご連絡ください。
☎ 0120-934-867(通話料無料)(労災のご相談・無料)
第3章:ブライトへの相談――「立証は容易ではないが、道はある」
事故から数ヶ月後、ご遺族は知人の紹介を経て当法人に相談にいらしました。
相談時、担当した当法人の弁護士チームは、まず事実関係を丁寧に確認しました。奥様の業務内容・当日の勤務状況・事故現場の構造・持病の詳細・会社側の主張の根拠。それらを一つひとつ整理していきます。
初回見立ては、率直なものでした。
「目撃者がいない、現場写真もない、持病の記録がある――確かに立証は容易ではありません。しかし、だからといって諦める案件ではないと判断しました。現場の構造や当日の作業内容を丁寧に積み上げれば、転落に至った経過を具体的に示す道があります。やってみる価値があります」。
諦める必要はないという見立ては、ご遺族が次の一歩を踏み出すきっかけになりました。
当法人が受任を決断した根拠は二つです。一つは、会社側の「持病が原因」という主張は推測に過ぎず、転落という業務関連の事故を否定する証拠がなかったこと。もう一つは、現場の構造や当日の作業内容から、転落に至った経過を具体的に説明できる余地があったこと。
第4章:戦略の核心――考えられる作業方法を示し、事故の状況を裁判所に理解してもらう
当法人が立てた戦略の柱は、事故当時に考えられる作業方法を仮説として組み立て、事故の状況を裁判所に具体的に理解してもらうことでした。
「持病で倒れてから足場から落下した」(持病先行説)と「作業中に何らかの理由で転落した」(転落先行説)のどちらが事故の実態に合うのか。目撃者がいない以上、当日どのような作業をしていたのか、その作業のために足場の上でどのような姿勢・動きが必要だったのかを具体的に示すことが、会社の主張に反論する出発点になります。
当法人は、足場の構造や当日の作業内容をもとに、奥様が行っていたと考えられる作業方法を仮説として整理し、その作業の中で転落が起こりうる経過を順を追って説明しました。
仮説の説明にあたっては、当日の作業内容や足場の構造など、確認できる事情と矛盾しないかを一つひとつ確かめました。
なお、一般に、高所作業で必要な安全措置(手すり・墜落制止用器具など)が整っていなかった場合には、会社の安全配慮義務違反を問う根拠になり得ます。
【関連記事】労災で会社に損害賠償請求する完全ガイド|ブライト法律事務所
「目撃者がいない」「持病がある」という状況でも、立証の道を探ります。
☎ 0120-934-867(通話料無料)(労災のご相談・無料)
第5章:訴訟の経過――会社の反論と、一つひとつの再反論
当法人は会社側に損害賠償を請求しましたが、当初の交渉では会社は一切譲歩しませんでした。「持病が主たる原因であることは明白」「業務起因性は認められない」という主張を維持し続けたのです。
当法人は、交渉の限界を判断し、訴訟提起を選択しました。
訴訟の中で、会社側は主に以下の反論を展開しました。
- 持病(高血圧)が直接の死因であり、業務上の転落が原因ではない
- 仮に転落があったとしても、奥様の不注意による自己責任であり会社の安全配慮義務違反はない
- 当法人が示した作業方法の説明は推測にすぎない
これに対して当法人は、示した作業方法が現場の構造や当日の作業内容と矛盾しないことを具体的に説明し、事故の状況を裁判所に理解してもらえるよう主張を重ねました。
訴訟は約1年半にわたって続きました。その間、ご遺族は日常生活を送りながら、証拠資料の確認や陳述書の作成に協力し続けました。会社とのやり取りは当法人が窓口となったため、ご遺族が直接会社と向き合う必要はありませんでした。
第6章:解決――訴訟上の和解・3,000万円台
訴訟の審理が進む中で、裁判所から和解勧告が出されました。
当法人は、事故の状況についての当方の説明が裁判所に一定程度理解されていると判断しました。また、訴訟をさらに継続した場合のご遺族への心理的・時間的負担と、和解によって解決できる見込みの金額とを比較検討した上で、和解に応じる方針をご遺族に提案しました。
ご遺族は、業務中の事故であることを前提とした解決であればとして、和解に同意しました。
最終的な解決は、訴訟上の和解・解決額3,000万円台・事故から約2年5ヶ月でした。
「持病のせい」とされていた死について、仕事の中で起きた事故であることを前提に解決できたことは、ご遺族にとって大きな意味を持つものでした。
【関連記事】家族が労災で死亡した場合の遺族の手続きと損害賠償|ブライト法律事務所
第7章:【ブライトの判断基準】「立証困難で、諦めない」
目撃者がいない死亡事故で会社が「私病(持病)が原因」と主張するとき、多くの場合、遺族は反論の手立てが思い浮かばず、ゼロ回答を受け入れてしまいます。
しかし当法人は、「立証が難しい」という状況と「立証ができない」という状況は、まったく別のことだと考えています。
現場の構造や作業内容を丁寧に積み上げ、考えられる事故の経過を具体的に示すことで、「目撃者なし」「現場写真なし」という状況であっても、事故の状況を裁判所に理解してもらえる場合があります。
「ブライトは、立証が困難な案件でも、事実を一つひとつ積み上げ、依頼者・遺族の正当な権利実現のために尽力する。」
これが、当法人が死亡事故案件で一貫して大切にしている考え方です。
なお当法人では、受任の可否についても初回相談時に率直にお伝えします。立証が困難であり費用倒れになりうると判断した場合は、その旨を明確にお伝えしています。
第8章:ご遺族にとって何が変わったか
| Before(依頼前) | After(解決後) |
|---|---|
| 「妻の死は持病のせい」と会社に言われ、ゼロ回答。何もできない絶望感。 | 業務中の転落事故であることを前提とした訴訟上の和解が成立し、3,000万円台の解決金を受け取った。 |
| 目撃者もいない中、一人で矢面に立たされる孤立感。 | 当法人が窓口になり、会社・保険会社とのやり取りをすべて代行。ご遺族は日々の生活に集中できた。 |
| 故人の名誉が損なわれたまま終わるのではという強い不安。 | 業務中の事故であることを前提とした解決に至った。 |
| 生活費の見通しが立たず、家族の将来への不安が続いた。 | 解決金を生活の基盤として、前を向いて歩むことができるようになった。 |
目撃者がなく、会社がゼロ回答を続けていた事案でした。
それでも、事実を一つひとつ積み上げることで、解決への道が開ける場合があります。
「家族の死が持病のせいにされた」「ゼロ回答と言われた」――そう感じた方へ
☎ 0120-934-867(通話料無料)(労災のご相談・無料)
第9章:同じ状況にある遺族の方へ
「会社から『持病のせいだ』と言われた」「ゼロ回答と言われた」「目撃者がいない」――こうした状況にある遺族の方は、諦める前に一度、弁護士に相談することを強くお勧めします。
多くの方が「自分のケースでは無理だ」と思い込んでいますが、その判断を下せるのは、事実関係を精査した弁護士だけです。「無理かもしれない」と「無理に決まっている」は、全くの別物です。
早期相談が重要な理由
労災の損害賠償請求には時効があります。死亡事故など生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効は、原則として損害および加害者を知った時から5年(民法第724条の2)、または不法行為時から20年とされています(会社に対する安全配慮義務違反に基づく請求も同様に、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から20年です)。死亡事故の場合は事故後すぐに遺族が損害を認識するケースが多く、早期に動き出すことが重要です。
また、時間の経過とともに証拠は散逸します。現場の状況・事故当時の安全設備の記録・関係者の記憶――いずれも、時間が経てば経つほど失われやすくなります。
当法人への相談の流れ
- ステップ1:ご相談ダイヤル(0120-934-867(通話料無料))またはフォーム・LINEから相談
- ステップ2:事案の事実関係を確認(事故の経緯・会社の態度・持病の状況など)
- ステップ3:当法人が立証の見通しを率直にお伝えします
- ステップ4:受任の場合、費用・方針をご説明して正式依頼
弁護士歴平均13年以上の当法人の労災チームが、遺族の方の立場から丁寧に対応いたします。
弁護士歴平均13年以上の労災チームが、遺族の方の立場から対応します。
☎ 0120-934-867(通話料無料)(労災のご相談・無料)
よくある質問
Q1:会社から「持病のせいだ」と言われましたが、本当に諦めるしかないのですか?
諦める必要はありません。「持病が原因だ」という会社の主張は、あくまで会社側の見解です。業務中の転落であることを具体的に示すことができれば、会社の主張を覆せる可能性があります。まずは弁護士に事実関係を話していただき、立証の見通しを確認することをお勧めします。
Q2:目撃者がいません。証拠もほとんどありません。それでも相談できますか?
はい、相談できます。目撃者がいない・現場写真がないという状況でも、現場の構造・当日の作業内容・医療記録・業務記録などから事実を再構成できる場合があります。「証拠がない」と判断する前に、弁護士が精査することが重要です。当法人では初回相談時に、立証の可能性を率直にお伝えします。
Q3:労災保険の遺族補償給付は受け取れます。それ以外に会社に請求できるものはありますか?
はい、あります。労災保険の遺族補償給付は「定型の補償」であり、慰謝料・逸失利益の差額部分については含まれていません。会社の安全配慮義務違反が認められる場合、この上乗せ部分を会社に損害賠償として請求できます。両者を合わせることで、受け取れる補償の総額は大きく変わる場合があります。詳しくは労災で会社に損害賠償請求する完全ガイドをご覧ください。
Q4:相談・依頼にかかる費用が心配です。
当法人では、相談は無料で承っております。依頼にかかる費用(着手金・報酬金など)については、受任時に明確にご説明します。費用の見通しを含めて初回相談時にご確認いただけますので、まずはお気軽にご連絡ください。費用倒れになる見込みが高い場合は、その旨を率直にお伝えします。
Q5:夫(妻)が亡くなってから時間が経っています。今からでも相談できますか?
時効の範囲内であれば、相談・請求は可能です。ただし、時間の経過とともに証拠が散逸するリスクがあります。お早めにご相談いただくことをお勧めします。時効の起算点など、個別の状況については弁護士が確認いたします。
夫・妻の死亡事故について、まずはご相談ください。
☎ 0120-934-867(通話料無料)(労災のご相談・平日9:00〜18:00)
本記事は、当法人が扱った事案をもとに、依頼者・関係者が特定されないよう年齢・性別・職種・事故状況・事故発生時期などを変更して再構成しています。解決額・等級・期間は事案ごとの個別事情により大きく異なり、同様の結果を保証するものではありません。





