「夫の死は持病のせいだと、会社はそう言いました。でも夫は毎朝5時に出て、夜中に帰ってくる生活を何年も続けていた。その体への負担が積み重なったのだと、私はずっとそう思っていました」――。当法人に相談にいらしたご遺族の言葉です。
長距離トラック運転手の夫が急性心筋梗塞で運転中に倒れ、帰らぬ人となりました。会社は「持病の高血圧が原因」として素因減額を主張し、損害賠償を大幅に減らそうとしました。当法人はタコグラフ・日報の精査によって月100時間超の時間外労働を客観的に立証し、2年6ヶ月・5,000万円台の解決に至りました。
- 急性心筋梗塞による業務中の死亡。会社は「持病(高血圧)が原因」と主張し、素因減額によって損害賠償を大幅に減らそうとした。
- タコグラフ・日報の精査で月100時間超の時間外労働を客観的に立証。過重労働が心筋梗塞を引き起こした因果関係を証明した。
- 労災認定を先に確定させ、その認定事実を損害賠償請求の土台に活用する二段構えの戦略。
- 解決額:5,000万円台(訴訟上の和解)。期間:2年6ヶ月。(同様の結果を保証するものではありません)
(本事例は依頼者・関係者が特定されないよう抽象化しています。解決額・期間は事案ごとの個別事情により異なり、同様の結果を保証するものではありません。)

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第1章:夫の突然の死――運転中に倒れ、帰ってこなかった
長年、長距離トラック運転手として働いてきた50代の男性(以下「ご主人」)が、ある日の運行中に急性心筋梗塞で倒れました。意識を失ったご主人の車両は道路脇に停車し、発見されたときにはすでに心肺停止状態でした。病院に搬送されましたが、間もなく息を引き取りました。
残されたのは、50代の配偶者(以下「ご遺族」)と、成人後もまだ経済的に独立していない子どもたちでした。ご主人は家庭の主な収入の柱でした。
ご遺族はこう振り返ります。「夫は毎朝早く出て、夜遅くに帰ってくる生活でした。休みの日もほとんど休めていなかった。体が心配だと何度も言いましたが、仕事だから仕方ないと言っていました」。
ご主人にはかかりつけ医から高血圧の診断が出ており、投薬治療を受けていました。しかし、自覚症状は乏しく、本人も「たいしたことはない」と思っていたようでした。
「まさか、あんなに急に逝ってしまうとは思いもしませんでした。何かが変だと感じ始めたのは、葬儀が終わって少し落ち着いてきたころ、会社から連絡が来てからのことでした」。
第2章:「持病の高血圧が原因」――会社の素因減額主張と、遺族が一人で向き合った混乱
葬儀から間もなく、会社の担当者がご遺族のもとを訪れました。その場で告げられたのは、想定外の言葉でした。
「ご主人は持病の高血圧をお持ちでした。今回の心筋梗塞は、業務によるものではなく、持病が主な原因と考えられます。そのため、会社として損害賠償の責任は限定的です」。
これは、法的には素因減額(寄与度減額)と呼ばれる主張です。「被害者側に既往症・体質的な素因があり、それが損害の発生・拡大に寄与している場合、賠償額を減額できる」という理論を使って、会社側が支払う損害賠償を大幅に抑えようとしていたのです。
ご遺族はその言葉の意味を理解しながら、激しい怒りと混乱を覚えたといいます。「夫はあんなに長く、あんなに過酷に働いていた。その疲れが体を壊したのではないか。持病のせいにされる理由がわからなかった」。
ご遺族は労働基準監督署にも相談しましたが、手続きの複雑さと、会社側の主張に対して自分一人で反論できる見込みが立たないことに、深い閉塞感を覚えていました。「何を調べても、どこに相談しても、会社の主張が正しいのかどうかすら判断できませんでした」。
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「持病のせいにされた」と感じたら、まず当法人にご連絡ください。
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第3章:ブライトへの相談――「労災認定を先に確定させる」という戦略
知人を通じて当法人を知ったご遺族は、事故から数ヶ月後に相談にいらしました。
相談時、当法人の弁護士チームはまず事実関係の整理に集中しました。ご主人の業務内容・勤務形態・健康診断の記録・当日の運行記録・会社から渡された書類の内容。それらを丁寧に聞き取り、法的な観点から評価を行いました。
当法人が最初に伝えた見立ては、率直なものでした。
「会社の言う『持病のせい』という主張は、法的には素因減額論です。しかし、過重な業務が持病を悪化させ、心筋梗塞を引き起こした因果関係があれば、素因減額は大幅に抑えられます。まず労災認定を取ることが最優先です。認定された事実は、その後の会社への損害賠償請求において強力な根拠になります」。
当法人が受任を決断した根拠は二つでした。一つは、ご主人の勤務状況についてタコグラフや日報などの客観的記録が存在する可能性があったこと。もう一つは、過重労働と脳心臓疾患発症の間の医学的因果関係について、国が一定の認定基準を設けており、月100時間超の時間外労働が認められれば業務起因性が強く推定される基準があったことです。
ご遺族はこう言います。「先生方に初めて話を聞いてもらったとき、会社の言っていることが全てではないと教えてもらった。それだけで、少し前に進める気がしました」。
第4章:戦略の核心――タコグラフと日報が語る「月100時間超の真実」
当法人が受任後に最初に着手したのは、ご主人の実際の労働時間を客観的に立証することでした。
長距離トラック(一定規模以上の車両)には、道路運送車両法・貨物自動車運送事業法に基づきタコグラフ(運行記録計)の装着が義務づけられています。タコグラフは車両の速度・走行距離・運行時間を自動で記録し続ける装置です。この記録は、ドライバーが実際にどれだけの時間、どのような運行をしていたかを客観的に示す証拠になります。
当法人は会社に対してタコグラフの記録の開示を求め、あわせてご主人の乗務日報・勤怠記録・出勤簿を取得しました。これらを精査した結果、判明したのは衝撃的な事実でした。
発症前の数ヶ月間にわたって、ご主人の時間外労働は月100時間を超えていたことが、客観的な記録から明らかになりました。深夜の長距離運行、荷積み・荷卸し作業、移動待機時間――それらが積み重なり、実態として会社が把握・管理すべき労働時間をはるかに超えていたのです。
厚生労働省の過労死認定基準(脳・心臓疾患)では、発症前1ヶ月に100時間超の時間外労働、または発症前2〜6ヶ月間に月平均80時間超の時間外労働が認められる場合、業務と発症の関連性が強いと評価されます。ご主人の記録はこの基準を明確に上回っていました。
当法人は、収集した証拠をもとに労働基準監督署に対して労災認定申請を支援し、併せて会社の労働時間管理の実態を指摘しました。
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「タコグラフや日報が残っているか不安」という方も、まずご相談ください。
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第5章:労災認定の獲得――客観証拠が行政を動かした
タコグラフ・日報・勤怠記録を精査して組み立てた証拠を労基署に提出した結果、ご主人の死亡は業務上の死亡として労災認定されました。
認定の判断の根拠となったのは、発症前の時間外労働が月100時間を超えていたという客観的事実と、その過重労働が高血圧を悪化させ急性心筋梗塞を誘発させた医学的な蓋然性でした。
労災認定は、単に遺族補償給付(保険給付)を受け取るための手続きにとどまりません。「ご主人の死は業務が原因だった」という事実が、行政機関によって公式に認定されたことを意味します。この認定事実は、次のステップである会社への損害賠償請求において、強力な根拠として機能します。
ご遺族はこう述べました。「労災が認定されたとき、夫の死が無駄ではなかったと初めて感じられました。会社の言っていたことは、やはり違っていた」。
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第6章:会社への損害賠償請求――素因減額主張への反論と、訴訟の経過
労災認定を得た当法人は、会社に対して損害賠償請求を行いました。請求の根拠は、会社の安全配慮義務違反(過重な長時間労働を放置し、従業員の健康管理を怠った)です。
しかし会社側は、交渉においても素因減額の主張を引き下げませんでした。「ご主人の高血圧という持病が心筋梗塞の主要な原因であり、業務の寄与度は限定的。損害賠償額の大幅な減額は当然」という姿勢を維持したのです。
当法人は、交渉の限界を判断し、訴訟提起を選択しました。
訴訟において、当法人が集中的に反論したのは素因減額の主張でした。当法人の反論の核心は以下の点です。
- 過重労働が高血圧を悪化させた因果関係:月100時間超の時間外労働という過重労働は、それ自体が高血圧を悪化させる医学的要因である。高血圧という素因が存在したとしても、会社の過重労働がその素因を大きく悪化させ、心筋梗塞を誘発した。素因減額は最小限に抑えられるべきである。
- 会社の労働時間管理の懈怠:タコグラフ・日報が示す実態の労働時間を、会社は把握し管理すべき立場にあった。これを放置した点は安全配慮義務違反の中核をなす。
- 健康診断結果への不対応:高血圧の診断があることを会社は認識していた(または認識できた)状況で、過重な長時間労働を課し続けたことは義務違反を加重する事情である。
会社側はこれらの主張に対して「ご主人の個人的な体質の問題」「会社として通常の業務範囲内だった」という反論を展開しましたが、タコグラフ・日報という客観的記録の前では、その主張は次第に説得力を失っていきました。
訴訟は約1年半にわたって続きました。ご遺族はその間、子どもたちの生活を守りながら、陳述書の作成や資料確認に協力し続けました。「会社と直接やり合わなくていいことが、私には一番助かりました。弁護士の先生方が全部引き受けてくれていると思えたから、どうにか踏ん張れた」。
第7章:解決――訴訟上の和解・5,000万円台
訴訟の審理が進む中で、裁判所から和解勧告が出されました。
当法人は、タコグラフ・日報による過重労働の客観的立証と、過重労働が持病を悪化させたという医学的因果関係の主張が裁判所に相当程度受け入れられていると判断しました。また、訴訟をさらに継続した場合のご遺族への心理的・時間的な負担と、和解によって見込まれる解決額を比較した上で、和解に応じる方針をご遺族に提案しました。
ご遺族は、「夫の死が過重労働によるものだったということが認められる内容での解決であれば」と、和解に同意しました。
最終的な解決は、訴訟上の和解・解決額5,000万円台・事故から約2年6ヶ月でした。
解決の日、ご遺族はこう言いました。「夫があんなに頑張っていたこと、会社があの働かせ方をしていたこと、それが形として認められた。5,000万円という数字よりも、夫の死が報われたと思えたことが、私には一番大きかった」。
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第8章:【ブライトの判断基準】「過重労働が持病を悪化させた因果関係を、客観的記録で立証する」
「持病があったのだから、会社の責任は限定的」――過労死事案でこうした素因減額の主張をしてくる会社は少なくありません。そして遺族の多くは、この主張に反論する手立てが見つからず、不本意な条件で決着してしまいます。
しかし当法人は、この主張の前提に立ち向かうことができると考えています。
素因減額が認められるとしても、その前提として問うべきは、「過重労働がその素因を悪化させたのではないか」という因果関係です。月100時間を超える時間外労働を長期にわたって続けることは、それ自体が高血圧・動脈硬化・心臓への負荷を増大させる医学的要因です。持病という素因があったとしても、会社の過重労働がその素因を増悪させ、発症に寄与したという事実があれば、素因減額率を大幅に抑えることができます。
そのためには、過重労働の実態を客観的に立証する証拠が不可欠です。長距離トラックのタコグラフ・乗務日報・勤怠記録は、まさにその証拠になります。
「ブライトは、持病があることをもって諦めない。過重労働が持病を悪化させた因果関係を、タコグラフ・日報という客観的記録で立証し、正当な補償を取りに行く。」
これが、当法人が過労死事案で一貫して大切にしている考え方です。
なお当法人では、受任の可否についても初回相談時に率直にお伝えします。証拠の収集が困難であり費用倒れになりうると判断した場合は、その旨を明確にお伝えしています。
第9章:ご遺族にとって何が変わったか
| Before(依頼前) | After(解決後) |
|---|---|
| 「夫の死は持病のせい」と会社から素因減額を突きつけられ、どこに相談すればよいかもわからなかった。 | タコグラフ・日報という客観的証拠で月100時間超の過重労働が立証され、5,000万円台の補償を受けた。 |
| 労災認定の手続きが複雑で、一人ではどうにもならないという閉塞感。 | 当法人が労災申請から損害賠償請求まで一貫してサポートし、行政・会社との交渉をすべて代行。 |
| 「夫はただ過労で死んだだけで、会社には責任がないということになってしまうのか」という怒りと悲しみ。 | 行政による労災認定と訴訟上の和解により、「過重労働が夫を死に追い込んだ」という事実が公的に認められた。 |
| 生活の柱を失い、子どもたちの将来への不安が続く日々。 | 5,000万円台の解決金を基盤として、子どもたちとともに前を向いて歩み始めることができた。 |
ご遺族からは解決後、次の言葉をいただきました。
「夫があんなにつらい思いをして働いていたこと、それが原因で命を落としたこと――ちゃんと認めてもらえた。金額のことも大事ですが、夫の頑張りが報われたと感じられたことが、私には一番の救いでした」。
過労死・脳心臓疾患でお悩みの遺族の方、まずご相談ください。
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第10章:過労死を疑う遺族の方へ
「夫(妻)が過労で倒れたのかもしれない」「会社は持病のせいだと言っている」――このような状況にある遺族の方は、諦める前にまず弁護士に相談することをお勧めします。
多くの方が「持病があるから仕方ない」と思い込んでいますが、その判断を下せるのは、タコグラフや日報を精査し法的評価を加えた弁護士です。会社の説明がそのまま正しいとは限りません。
早期相談が重要な理由
過労死の損害賠償請求には時効があります。不法行為に基づく請求では損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年(民法724条)、安全配慮義務違反(債務不履行)に基づく請求では権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項1号)が時効の目安です。過労死事案では遺族が死亡時点で損害を認識していることが多く、早期に動き出すことが重要です。
また、タコグラフの記録・日報・勤怠記録は、時間の経過とともに廃棄・紛失されるリスクがあります。証拠が存在するうちに弁護士が保全・取得に動くことが重要です。
当法人への相談の流れ
- ステップ1:フリーダイヤル(06-4965-9590)またはフォーム・LINEから相談
- ステップ2:事案の事実関係を確認(業務内容・労働時間の状況・会社の態度・既往症の有無など)
- ステップ3:当法人が証拠の収集可能性・労災認定の見通し・損害賠償請求の可否を率直にお伝えします
- ステップ4:受任の場合、費用・方針をご説明して正式依頼
弁護士歴平均13年以上の当法人の労災チームが、遺族の方の立場から丁寧に対応いたします。
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よくある質問
Q1:夫の死について「持病が原因だ」と会社に言われました。本当に諦めるしかないのですか?
諦める必要はありません。「持病が原因」という会社の主張は、法的には素因減額論です。しかし、過重な業務が持病を悪化させ心筋梗塞を引き起こした因果関係が立証できれば、素因減額は大幅に抑えることができます。まずは弁護士に事実関係を話していただき、証拠の収集可能性と法的見通しを確認することをお勧めします。
Q2:タコグラフや日報がまだ会社に保管されているかどうか、わかりません。どうすればよいですか?
相談の段階では、保管されているかどうか不明でも構いません。当法人が受任した場合、会社に対して記録の開示・保全を求める法的な手続きを取ることができます。時間が経つほど廃棄・紛失のリスクが高まりますので、まず早期にご相談ください。
Q3:労災の遺族補償給付は受け取りました。それ以外に会社に請求できますか?
はい、請求できます。労災保険の遺族補償給付は定型の補償であり、慰謝料・逸失利益の差額部分は含まれていません。会社の安全配慮義務違反が認められる場合、これらを会社に損害賠償として請求できます。詳しくは労災で会社に損害賠償請求する完全ガイドをご覧ください。
Q4:過労死の損害賠償請求には時効がありますか?
あります。不法行為に基づく請求では損害および加害者を知った時から3年(または不法行為時から20年)、安全配慮義務違反(債務不履行)に基づく請求では権利を行使できることを知った時から5年が時効の目安です。過労死事案では遺族が死亡時点で損害を認識することが多く、早期の相談が重要です。個別の起算点については弁護士が確認します。
Q5:依頼にかかる費用が心配です。
相談は無料で承っております。依頼にかかる費用(着手金・報酬金など)については、受任時に明確にご説明します。費用の見通しを含めて初回相談時にご確認いただけますので、まずはお気軽にご連絡ください。証拠の収集が困難で費用倒れになる見込みが高い場合は、その旨を率直にお伝えします。
過労死の損害賠償について、まずはご相談ください。
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