このページは、労災死亡×相続/借金が残されたとき相続放棄すべきかについて、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 労災死亡で被害者に借金があれば、相続放棄を3ヶ月以内に判断
- 相続放棄しても遺族固有慰謝料(民法711条)と労災給付は受領可
- 借金額と賠償見込額を比較してから決定
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労災死亡と被害者の借金
労災死亡事案で、被害者に住宅ローン・消費者金融債務・連帯保証債務などの借金が残されているケースは少なくありません。相続人であるご遺族は、被害者の財産(賠償請求権・労災給付請求権を含む)と借金の両方を相続することになります。
借金が大きい場合、(1)単純承認、(2)限定承認、(3)相続放棄、の3択を熟慮期間3ヶ月以内に決める必要があります。本記事では労災死亡特有の考慮点を解説します。
相続放棄しても受け取れるもの
相続放棄をしても、ご遺族「固有」の権利は影響を受けません。具体的に:
(1) 遺族固有慰謝料(民法711条):配偶者200〜300万円、父母子100〜200万円
(2) 労災遺族補償年金:受給権者固有の権利として支給
(3) 労災遺族特別支給金(300万円):固有の権利
(4) 労災葬祭料:葬祭を行う遺族に支給
(5) 遺族厚生年金・遺族基礎年金:固有の権利
(6) 生命保険金(受取人指定):受取人固有の権利
相続放棄で失うもの
相続放棄によって失う可能性があるもの:
(1) 本人慰謝料(被害者本人の死亡慰謝料):赤本基準2,000〜2,800万円
(2) 逸失利益(被害者本人の損害):基礎収入×(1-生活費控除)×係数
(3) 会社への安全配慮義務違反による損害賠償:本人分は相続財産
(4) 被害者の預貯金・不動産
労災事案では本人慰謝料・逸失利益が高額化しやすい(数千万〜1億円)ため、相続放棄の判断は慎重に。
判断軸:借金vs賠償見込額
判断の基本軸:
(A) 借金 < 賠償見込額:単純承認が有利。借金返済後の残額をご遺族が受領可
(B) 借金 ≒ 賠償見込額:限定承認が安全。借金確定後の精算
(C) 借金 >> 賠償見込額:相続放棄。固有慰謝料・労災年金で生活確保
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熟慮期間3ヶ月の延長
相続放棄の期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月」(民法915条)。労災事案では:
(1) 賠償金確定が10ヶ月〜2年以上かかることが多く、3ヶ月で判断できない
(2) 家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申し立てれば3ヶ月延長可能(再延長も可)
(3) 期限内に被害者の財産・賠償・労災給付の見込みを整理することが重要
限定承認という選択肢
「借金は相続したくないが、賠償金・労災給付は受け取りたい」場合、限定承認(民法922条)を検討します。
(1) 相続財産の範囲内でのみ被相続人の債務を弁済
(2) 賠償請求権・労災給付請求権を相続したうえで、債務を返済し残額をご遺族で分配可
(3) 相続人全員で家庭裁判所に申述する必要あり
限定承認は手続きが複雑。弁護士・税理士のサポートを受けるのが標準です。
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ブライトの労災死亡×相続放棄判断サポート
弁護士法人ブライトは、労災死亡事案で(1)被害者の借金・財産の全棚卸し、(2)賠償・労災給付の見込額算定、(3)相続放棄・限定承認の選択判断、(4)熟慮期間延長申立て、(5)家庭裁判所手続き、を一括サポートします。
「借金が怖いから相続放棄」と早急に決める前に、弁護士に相談を。固有慰謝料と労災年金で生活基盤を守りつつ、最適解を選べます。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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