「機械が止まっていると思っていた。でも動いていた。そのことに気づいたとき、もう手は挟まれていました」――当法人の労災チームに相談にいらした製造業従事者の男性の言葉です。
工場の機械に手を巻き込まれ、後遺障害が残った男性が、会社から「本人の操作ミス」と非協力的な態度をとられながらも、診断書の段階から「併合9級」を狙った戦略設計を行い、約1年5ヶ月・2,000万円台の解決に至るまでの実話をお伝えします。
- 会社は「本人の操作ミス」と主張し、損害賠償に非協力的な姿勢をとり続けた。
- 症状固定・診断書の段階から「後遺障害等級を最大化する戦略」を設計し、併合9級を獲得。
- 会社が主張した「30%の過失相殺」をメンテナンス記録の不備で反論し、過失割合を大幅に圧縮した。
- 解決額:2,000万円台(訴訟上の和解)。期間:約1年5ヶ月。(同様の結果を保証するものではありません)
(本事例は依頼者・関係者が特定されないよう抽象化しています。解決額・等級・期間は事案ごとの個別事情により異なり、同様の結果を保証するものではありません。)
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第1章:機械事故の瞬間――指の感覚を失った恐怖
関西圏の製造工場で10年以上にわたって働き続けてきた40代の男性(以下「ご依頼者」)は、ある日の午前中の作業中に機械への巻き込み事故を起こしました。
プレス機に近い種類の工作機械で、部品をセットする際に誤って手を引き抜くタイミングを誤ったといいます。機械の作動音に気づいたときには、すでに右手の複数の指が巻き込まれていました。
「痛みよりも先に、指の感覚が完全になくなったことに気づきました。何かが起きたのはわかる。でも、どれほど深刻なのかは、その瞬間にはわかりませんでした」とご依頼者は振り返ります。
救急搬送された病院で確認されたのは、複数の指に及ぶ骨折・腱損傷・神経損傷でした。複数回の手術を経て治療を続けましたが、担当医からは「完全な機能回復は難しい」という見通しが、早い段階から伝えられていました。
ご依頼者には家族がいました。今後の生活費、子どもの学費、リハビリに必要な時間と費用――事故直後から、目の前の治療と将来への不安が同時にのしかかってきました。「手を使う仕事以外に、自分には何ができるんだろう、という恐怖が頭から離れませんでした」。
第2章:労災申請と治療経過――会社の「非協力」
事故後、ご依頼者はまず労災申請の手続きを進めました。工場内での業務中の機械事故であるため、業務起因性についての争いは生じませんでした。労災(業務上の負傷)として認定を受け、治療費・休業補償給付の給付が始まりました。
しかし問題は、会社の態度でした。
会社側の担当者は、事故後の初期対応でこのように主張しました。「機械の操作手順は周知されていた。今回の事故は、本人が手順を守らなかった操作ミスが原因だ」。この主張のもと、会社は労災保険給付以外の損害賠償(慰謝料・逸失利益など)については支払う義務はないという姿勢を崩しませんでした。
ご依頼者は「自分が悪いと言われているのはわかる。でも、操作手順の説明が十分だったかどうかは疑問でした。機械のメンテナンスが適切だったかどうかも気になっていた」と話します。
治療は長期にわたりました。複数回の手術・リハビリを経て、担当医から「症状固定(これ以上の機能回復は見込めない状態)」の判断が下されたのは、事故から約7ヶ月後のことでした。
症状固定の段階で残っていた症状は主に二つです。一つは指の可動域制限(複数の指関節を正常な範囲まで動かすことができない状態)、もう一つは指から手にかけての神経症状(しびれ・痛み・感覚異常が持続する状態)でした。
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第3章:ブライトへの相談――「等級の組み立て方」が問題だ
症状固定の判断を受けた後、ご依頼者は知人からの紹介を通じて当法人に相談にいらしました。相談のきっかけは「後遺障害の等級申請をどうすればいいのかわからない」という疑問でした。
多くの方が「後遺障害等級は担当医が診断書に書いたことで自動的に決まる」と思っています。しかし実際には、診断書の記載内容・検査方法・症状の記録の仕方によって、認定される等級は大きく変わります。
当法人の労災チームが初回相談で確認したのは、次のことでした。
- 現在残っている症状の具体的な内容(可動域の数値・神経症状の種類と程度)
- 担当医から取る予定の診断書に記載される見込みの内容
- 後遺障害等級の認定を申請する際の「等級の組み合わせ(併合)」の可能性
確認を終えた後、当法人の判断は明確でした。
「今の症状を正しく記録できれば、可動域制限で10級、神経症状で12級が見込めます。この二つが揃えば、労災保険法の併合規定により9級になります。診断書の記載内容が勝負です。担当医に正確に症状を伝え、必要な検査結果を記録してもらう段階から動き始める必要があります」。
ご依頼者は「等級をどう取るか、という戦略の話を最初にされたのが驚きでした。病院で診てもらえば終わりだと思っていたので」と振り返ります。
「後遺障害等級の申請方法がわからない」という段階でのご相談を歓迎しています。
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第4章:「併合9級」を取るための戦略設計――診断書と検査が核心
後遺障害等級の認定において、可動域制限と神経症状はそれぞれ別の等級として評価されます。複数の障害が残った場合、労災保険では「併合」という仕組みで最終的な等級が決まります。
本件で当法人が目指した等級の組み立ては以下の通りです。
| 障害の種類 | 認定を目指す等級 | 認定の要件 |
|---|---|---|
| 指の可動域制限 | 10級 | 関節の主要運動が健側の可動域の4分の3以下に制限されているもの |
| 神経症状(しびれ・痛み) | 12級 | 局部に頑固な神経症状を残すもの(他覚的所見と整合すること) |
| 上記二つの併合 | 9級 | 10級と12級の組み合わせは、労災保険法施行規則別表の併合等級表により9級に認定される |
この等級を実現するために、当法人が担当医との連携で特に重要だと判断したのは次の3点です。
1. 可動域の数値を正確に計測・記録する
可動域制限の等級認定では、関節の動きが「健側(怪我のない側)の可動域の何分の何か」を数値で示す必要があります。「動きにくい」という主観的な記述では等級が認定されません。担当医に正式な関節可動域検査を実施してもらい、数値を診断書に記載してもらうことが不可欠です。
2. 神経症状の他覚的所見を確認する
神経症状(しびれ・感覚異常)は自覚症状だけでは12級の認定が困難です。「局部に頑固な神経症状を残す」と認定されるためには、神経伝導速度検査・感覚検査・画像所見など、他覚的所見(医師が客観的に確認できる所見)が必要です。ご依頼者の場合、神経損傷を示す検査結果と担当医の診断が整合していました。
3. 症状固定後の診断書に両方の障害を明示する
可動域制限と神経症状のどちらか一方しか記載されていない診断書では、併合による等級のアップは望めません。当法人は担当医に対して、症状固定時の診断書に両方の症状・検査値を明示するよう適切にコミュニケーションをとりました。
この段階での丁寧な準備が、後遺障害等級「併合9級」の認定へとつながりました。
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第5章:会社の「30%過失相殺」主張への反論――メンテナンス記録の不備
後遺障害等級「併合9級」が認定された後、当法人は会社に対して損害賠償請求の交渉を始めました。
会社側は「操作ミスは本人にある」という主張を変えず、交渉の初期段階から「過失相殺30%(ご依頼者本人の過失として賠償額から30%を差し引く)」を主張してきました。
もしこの主張が通れば、認定された後遺障害9級に基づく賠償額から300万円以上が減額される可能性がありました。
当法人が過失相殺の反論のために調査を始めると、重要な事実が浮かび上がってきました。
- 事故を起こした機械の定期メンテナンス記録が不完全であり、事故前の一定期間、点検が行われていなかった記録が存在した。
- 機械の緊急停止装置(安全カバー・インターロック機能)の動作確認記録が、事故直前のものとして残っていなかった。
- ご依頼者が配属されたラインでの安全作業手順の教育記録が、入社時以降に更新されていなかった。
これらの記録不備は、会社側の安全配慮義務の履行に疑問を呈するものです。「操作ミスは本人にある」という会社の主張に対して、当法人は次の反論を構築しました。
「機械のメンテナンスが適切に実施されていれば、緊急停止装置が正常に機能していれば、あるいは安全手順の定期教育が行われていれば、この事故は防ぐことができた可能性がある。会社の安全管理上の不備が、事故の一因を成している」。
当法人はこの論点を証拠とともに示し、会社側に過失相殺の主張を大幅に縮小するよう求めました。
「操作ミスは自分のせい」と言われても、会社の安全管理に問題があった可能性があります。
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第6章:解決――訴訟上の和解・2,000万円台
会社との任意交渉では、最終的に合意に至りませんでした。当法人はご依頼者と協議し、訴訟による解決を選択しました。
訴訟では、当法人が提出した安全管理上の不備に関する証拠(メンテナンス記録・教育記録・緊急停止装置の点検記録など)が審理の中で重要な争点となりました。会社側は引き続き「本人の操作ミスが主因」と主張しましたが、会社側の主張する過失相殺割合は当初の30%から縮小されていきました。
訴訟の審理が進む中で、裁判所から和解の打診がありました。当法人はこれまでの審理経過と証拠の状況を踏まえ、ご依頼者に和解による解決を提案しました。
最終的な解決は、訴訟上の和解・解決額2,000万円台・事故から約1年5ヶ月でした。
ご依頼者はこう言います。「会社は最後まで自分たちに非はないという態度でした。でも、2,000万円台という数字は、自分の怪我が正当に評価されたということだと思っています。指が完全には戻らない中で、この結果は自分の中での区切りになりました」。
第7章:【ブライトの判断基準】「診断書の段階から、等級を設計する」
機械事故で後遺障害が残ったとき、多くの方は「担当医に診断書を書いてもらえばいい」と考えます。しかし、それだけでは適正な等級が取れない場合があります。
後遺障害等級の認定においては、症状固定の診断書に何を・どのように・どの検査値とともに記載するかが、認定される等級を大きく左右します。可動域制限と神経症状の両方が残っているにもかかわらず、どちらか一方しか記載されなければ、併合による等級のアップは起こりません。
当法人は、症状固定の段階から「どの等級を取りに行くか」を設計します。担当医に正確な情報を伝え、必要な検査を実施してもらい、認定に必要な記述が診断書に揃うよう、治療段階から連携します。
「ブライトは、等級認定をゴールにしない。診断書の段階から、最大の等級を取るための設計を始める。等級は取った後のスタートラインにすぎない。」
これが、当法人が後遺障害事案で一貫して大切にしている考え方です。
なお当法人では、受任の可否についても初回相談時に率直にお伝えします。費用倒れになる見込みが高い場合は、その旨を明確にお伝えしています。
第8章:ご依頼者にとって何が変わったか
| Before(依頼前) | After(解決後) |
|---|---|
| 「本人の操作ミスだ」と会社に言われ、損害賠償は期待できないと感じていた。 | 会社の安全管理上の不備を証拠で示し、過失相殺を大幅に圧縮した上で2,000万円台の補償を獲得。 |
| 後遺障害等級をどう申請すればいいかわからず、担当医任せになっていた。 | 診断書の段階から等級を設計し、可動域制限10級+神経症状12級の併合9級を取得。 |
| 機能を一部失い、「これから手を使う仕事はできないのか」という将来への深刻な不安。 | 適正な等級・過失相殺への反論・逸失利益の算定まで戦略的に組み立て、生活再建の資金を確保。 |
| 会社と直接交渉する精神的な負担を一人で抱えていた。 | 当法人が窓口となり、会社・裁判所とのやり取りをすべて代行。ご依頼者はリハビリに集中できた。 |
ご依頼者からは解決後、次の言葉をいただきました。
「等級を設計するという発想が、相談する前にはなかった。弁護士に頼むのが早ければ早いほど、取れる等級が変わると実感しました。怪我を負った後の時間の使い方が、結果を左右する。そう思います」。
「機械事故で後遺障害が残った」「会社が操作ミスと言って払わない」という方へ
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第9章:製造業で機械事故に遭った方へ
「会社から操作ミスと言われた」「後遺障害の申請の仕方がわからない」「等級が取れたが、会社から提示された金額が妥当かどうかわからない」――こうした状況にある方は、諦める前に一度、弁護士に相談することをお勧めします。
機械事故の後遺障害は、怪我の種類によって「可動域制限」「神経症状」「醜状障害」「筋力低下」など、複数の等級が認定されうる構造になっています。それぞれを正確に組み合わせることで、最終的な等級と賠償額は変わります。この組み合わせを考えるのが、弁護士の役割の一つです。
また、「操作ミスは本人にある」という会社の主張についても、機械のメンテナンス・安全教育・緊急停止装置の整備など、会社側の安全管理義務の履行状況を調査することで、過失割合に異議を唱えられる場合があります。
早期相談が重要な理由
労災の損害賠償請求の時効は、安全配慮義務違反(民法415条)に基づく請求で権利を行使できることを知った時から5年、不法行為(民法709条)に基づく請求で損害および加害者を知った時から3年です。事故後に時間が経てば経つほど、証拠が散逸するリスクも高まります。
また、後遺障害等級の認定は「症状固定後」に行われますが、症状固定前からの準備が等級に直結します。治療中の段階から弁護士と相談を始めることで、診断書の記載・検査の実施など、等級認定に必要な準備を整えられます。
当法人への相談の流れ
- ステップ1:フリーダイヤル(0120-931-501)またはフォーム・LINEから相談
- ステップ2:事案の事実関係を確認(事故の経緯・治療の状況・会社の態度・現在の症状など)
- ステップ3:当法人が等級取得の見通しと損害賠償請求の可能性を率直にお伝えします
- ステップ4:受任の場合、費用・方針をご説明して正式依頼
弁護士歴平均14年以上の当法人の労災チームが、製造業の機械事故でお困りの方の立場から丁寧に対応いたします。
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よくある質問
Q1:会社から「操作ミスは本人にある」と言われました。それでも損害賠償請求できますか?
はい、できる場合があります。たとえご依頼者本人に一定の操作上のミスがあったとしても、会社側に安全配慮義務違反(機械のメンテナンス不備・安全教育の不足・緊急停止装置の不整備など)があれば、会社の責任を問うことができます。過失相殺(双方の過失割合で賠償額を調整する仕組み)により賠償額は変わりますが、ゼロになるわけではありません。まずは弁護士に事実関係を確認してもらうことをお勧めします。
Q2:後遺障害等級の申請は自分でできますか?弁護士に頼む必要がありますか?
等級の申請自体は自分で行うことができます。しかし、申請の結果として認定される等級は、診断書の記載内容・提出する検査結果・症状の記録の仕方によって変わります。弁護士に依頼することで、最大の等級を取るための診断書の準備・検査の実施・申請書類の整備をサポートしてもらえます。特に複数の障害が残っている場合は「併合」による等級アップの可能性を把握するためにも、早い段階での相談が有効です。
Q3:労災保険の後遺障害補償給付をすでに受けています。それでも会社に損害賠償請求できますか?
はい、できます。労災保険の後遺障害補償給付は「定型の補償」であり、慰謝料・逸失利益(将来得られたはずの収入の損失)の全額をカバーするものではありません。会社の安全配慮義務違反が認められる場合、労災保険給付と重複しない部分について会社への損害賠償請求が可能です。詳しくは労災の後遺障害等級と損害賠償をご覧ください。
Q4:「併合9級」とはどういう意味ですか?
後遺障害等級は、残った障害の種類ごとに個別に評価されます。複数の障害が残った場合、それぞれを「併合」して最終的な等級が決まります。例えば可動域制限(10級)と神経症状(12級)の両方が残った場合、労災保険法施行規則の併合等級表により「9級」として認定されます。等級が1つ重くなるだけで、認定される障害補償給付や損害賠償額は数百万円単位で変わることがあります。
Q5:相談・依頼にかかる費用が心配です。
当法人では、相談は無料で承っております。依頼にかかる費用(着手金・報酬金など)については、受任時に明確にご説明します。費用倒れになる見込みが高い場合は、その旨を率直にお伝えします。まずはご相談内容をお聞かせください。
機械事故・後遺障害について、まずはご相談ください。
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本事例は、依頼者・関係者が特定されないよう職種・年代・事故状況・事故発生時期を含め抽象化しています。解決額・等級・期間は事案ごとの個別事情により大きく異なり、同様の結果を保証するものではありません。





