「上司に言われた通りに動いた。それなのに、会社は『お前の不注意だ』と言い切った」――当法人に相談にいらした建設作業員の男性の言葉です。
上司の指示で高所の足場交換作業中に脚立から転落し、踵骨を複雑骨折した男性が、「本人の不注意」として退けられながらも、安全配慮義務違反の立証により約11ヶ月・1,000万円台の解決に至るまでの実話をお伝えします。
- 会社は「本人の不注意による転落」と主張し、労災給付以外の支払いを全面拒否。
- 労災申請では12級7号(踵骨骨折後の疼痛)が認定済み。これが重要な起点となった。
- 上司の作業指示記録・脚立の安全基準不適合を証拠化し、安全配慮義務違反と使用者責任の両面から追及。
- 解決額:1,000万円台(訴訟上の和解)。期間:約11ヶ月。(同様の結果を保証するものではありません)
(本事例は依頼者・関係者が特定されないよう抽象化しています。解決額・期間は事案ごとの個別事情により異なり、同様の結果を保証するものではありません。)

(※お電話での対応は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします)
☎ 0120-931-501(労災専用・通話料無料)
第1章:事故当日――上司の指示、そして脚立からの転落
建設現場で働いていた30代の男性(以下「ご依頼者」)は、その日も早朝から現場に入っていました。
午前中、上司から指示が下りました。「足場内の古くなったホールド(固定金具)を交換してほしい。脚立を使えば届く」。指示の内容は明確でした。ホールドの取り付け位置は地上から約2.5メートルの高所です。作業のための脚立は現場に一本あり、補助者は配置されませんでした。
ご依頼者は指示に従い、脚立を立てて作業を開始しました。しかし、金具の締め付け作業中に体勢が崩れ、脚立ごと横に倒れました。地面に落下した際、右足首から踵にかけて強い衝撃を受けました。
救急搬送先の病院で診断が出ました。右踵骨(かかとの骨)複雑骨折。複数の骨片に分かれるほどの重篤な骨折で、手術が必要と判断されました。医師からは「完全に元の状態に戻ることは難しい可能性がある」と告げられました。
ご依頼者は手術を受け、長期の治療とリハビリに入りました。現場復帰の見通しはまったく立たず、家族への説明をどうするか、収入はどうなるのか――治療と並行して、頭の中は不安でいっぱいでした。
第2章:労災申請と12級認定――会社の反応は冷たかった
事故後、ご依頼者は労働基準監督署に労災申請を行いました。会社も一応は事業主証明に協力しましたが、態度は終始冷淡でした。「仕事中のことだから申請はするが、それ以上のことはしない」という姿勢が伝わってきたといいます。
労災(業務災害)は認定され、治療費・休業補償給付を受けることができました。そして治療終了後(症状固定後)に後遺障害の審査が行われ、障害等級12級7号(局部に頑固な神経症状を残すもの)が認定されました。
踵骨の骨折は、完治しても疼痛・しびれ・可動域の制限が残りやすい部位です。12級認定は、その後遺症が医学的に裏付けられた証拠であり、大切な起点でした。
しかし、会社の態度は変わりませんでした。ご依頼者が「労災給付以外に補償を受けられないか」と会社に確認したところ、担当者から明確に言われました。
「労災保険でカバーされているはずです。それ以外に会社が払う義務はありません。そもそも、あなたが脚立の使い方を誤ったことが原因ではないですか」
「本人の不注意」――その言葉が、ご依頼者の頭に焼きついたといいます。「自分は上司に言われた通りに動いていた。それでも自分のせいなのか、と悔しくて仕方がなかった」。
【関連記事】会社が労災を認めないとき弁護士ができること|弁護士法人ブライト
「本人の不注意だ」と言われた方へ。まず当法人にご連絡ください。
☎ 0120-931-501(労災専用・無料)
第3章:ブライトへの相談――「12級認定済みは大きなアドバンテージです」
症状固定から数週間後、ご依頼者は知人の紹介を経て当法人に相談にいらしました。
相談時、ご依頼者が最初に口にしたのは「会社に『本人の不注意』と言われました。これでは何も請求できないのでしょうか」という問いでした。
当法人の担当弁護士チームは、まず事実関係を丁寧に整理しました。事故当日の作業内容、上司からの指示の具体的な内容、使用した脚立の状態、現場の安全設備の有無、12級認定の内容――一つひとつ確認した上で、初回の見立てをお伝えしました。
「12級が認定済みというのは、会社との交渉において大きなアドバンテージです。後遺症の存在は労災行政が認めた事実であり、これを前提に損害賠償額を計算できます。問題は、会社が言う『本人の不注意』という主張を覆せるかどうか。事実関係を見る限り、上司の指示と現場の安全措置の不備を立証できる余地があると判断しています」
ご依頼者はこう振り返ります。「12級が取れていることがこんなに重要だとは知りませんでした。あきらめなくていいと言われて、初めて先が見えた気がしました」。
当法人が受任を判断した根拠は三点です。第一に、上司の作業指示が存在していたこと。第二に、補助者なし・単独高所作業という現場の安全管理に問題がある可能性があること。第三に、12級7号という後遺障害等級が認定済みであり、損害額の計算起点が明確なこと。
【関連記事】労災後遺障害とは?等級・補償額・申請の流れを解説|弁護士法人ブライト
第4章:訴訟戦略の設計――安全配慮義務違反と使用者責任の両面から
当法人が立てた訴訟戦略の核心は、「安全配慮義務違反」と「使用者責任」の二本柱で会社を追及することでした。
まず、証拠の収集に着手しました。
上司の作業指示の記録化:当日の業務日報・作業指示書・ご依頼者の陳述書を精査し、上司が具体的に指示を出したこと、ご依頼者は指示に従って動いていたことを客観的に整理しました。
使用された脚立の安全基準適合確認:現場で使用されていた脚立の型番・製造年・点検記録を照会しました。労働安全衛生法・関連規則では、高所作業に使用する脚立には転倒防止措置や適切な強度が求められます。当該脚立が基準を満たしているかどうかを検証しました。
会社の安全管理体制の精査:高所作業における安全教育の実施記録、リスクアセスメントの実施状況、補助者配置の有無、転落防止設備(親綱・安全帯の支給・使用義務)の整備状況を確認しました。労働安全衛生法第20条・第26条が定める事業者の安全措置義務に照らし、会社が必要な措置を講じていたかどうかを論点として整理しました。
調査の結果、複数の問題点が浮上しました。使用された脚立は一脚型で、転倒防止のための補助者が配置されていませんでした。安全帯(ハーネス)の支給・装着義務も徹底されていなかった痕跡がありました。上司が作業を指示したにもかかわらず、現場の安全確認が十分になされていませんでした。
これらの事実は、「本人の不注意による転落」という会社の主張を覆すための、具体的な反論材料になりました。
【関連記事】仕事中の怪我は労災になる?弁護士が解説|弁護士法人ブライト
高所作業中の転落事故・安全配慮義務違反についてのご相談はこちら
☎ 0120-931-501(労災専用・無料)
第5章:訴訟の経過――会社の反論と、一つひとつの再反論
当法人は会社側に対して損害賠償を請求しましたが、当初の交渉段階では会社は一切譲歩しませんでした。「安全措置は整っていた」「転落はご依頼者の不注意による」という主張を維持し続けたため、当法人は訴訟提起を選択しました。
訴訟の中で、会社側は主に次の反論を展開しました。
- 本人の過失が主因:「脚立の使い方を誤った。会社が用意した設備に問題はない」
- 安全教育の実施主張:「入社時に高所作業の安全教育を実施しており、手順を守らなかったのは本人の責任」
- 損害額の圧縮主張:「12級は認定されているが、就労への影響は限定的であり、逸失利益の請求額は過大」
これに対して当法人は、以下の反論を展開しました。
まず、作業指示の記録と陳述書から、「ご依頼者は上司の指示を受けて作業を開始した」という事実は争いのない事実として確定させました。上司が危険を認識しつつ指示を出した以上、会社には指揮命令系統としての使用者責任があります(民法715条)。
次に、脚立の安全基準問題について証拠を提出しました。労働安全衛生規則第527条(昇降するための設備)・同第528条(作業床の設置)等に照らして、当該作業環境が要件を満たしていなかったことを示す技術的な根拠を提示しました。
また、12級認定に基づく逸失利益の計算については、踵骨骨折後遺症が立ち仕事・建設現場業務に与える具体的な影響を医師の意見書で補強しました。建設作業員として長期にわたる就労能力への影響は無視できないと主張しました。
訴訟は約6ヶ月の審理を経て、和解協議に移行しました。
第6章:解決――訴訟上の和解・1,000万円台
裁判所から和解勧告が出された時点で、当法人は証拠の積み上げが一定程度裁判所に受け入れられていると判断しました。
ご依頼者に対し、和解の選択肢と訴訟継続の選択肢を丁寧に説明しました。和解であれば解決が早く、その分の精神的・時間的負担が軽減される。他方、訴訟継続によって上積みできる可能性もゼロではない。しかし証拠上、和解の方向で解決できる見込みの金額は合理的なものと評価できる、と。
ご依頼者は熟考の上、和解に同意しました。
最終的な解決は、訴訟上の和解・解決額1,000万円台・事故から約11ヶ月でした。労災保険の障害補償給付とは別に、会社への損害賠償として1,000万円台が加算された形です。
解決後、ご依頼者はこう言いました。「最初は100万円もらえれば御の字かと思っていました。1,000万円以上になったことで、生活をちゃんと立て直すことができました。一人でいたら、会社の言い分を信じたままで終わっていたと思います」。
【関連記事】労災で骨折したときの損害賠償・後遺障害等級を解説|弁護士法人ブライト
第7章:【ブライトの判断基準】「安全措置の不備を立証すれば、反論できる」
建設現場での転落事故で、会社が「本人の不注意だ」と言い張るケースは少なくありません。特に、上司の口頭指示のみで動いている現場では、「指示の存在」自体が曖昧にされやすい。そこに会社の反論の根拠があります。
しかし当法人は、「本人の不注意」という主張の背後には、多くの場合「会社が整えるべきだった安全措置の不備」が潜んでいると当法人は考えています。
高所作業に関しては、労働安全衛生法・同規則が事業者に対して具体的な安全義務を課しています。補助者の配置・転落防止設備の整備・安全帯の支給と装着義務・リスクアセスメントの実施――これらが整っていなければ、たとえ作業員の動作に瞬間的なミスがあったとしても、会社の安全配慮義務違反が認められる余地があります。
「ブライトは、相手方の『本人の不注意』という反論を、安全措置の不備という事実で正面から覆す。12級認定済みであればなおさら、等級を起点に損害賠償の全体像を設計し直す。」
これが、当法人が高所作業転落事故で一貫して大切にしている考え方です。
なお当法人では、受任の可否についても初回相談時に率直にお伝えします。安全措置の不備を立証できる見込みが低い場合や、費用倒れになりうると判断した場合は、その旨を明確にお伝えしています。
第8章:ご依頼者にとって何が変わったか
| Before(依頼前) | After(解決後) |
|---|---|
| 「本人の不注意だ」と会社から言い切られ、労災給付以外は何も受け取れないと思い込んでいた。 | 安全配慮義務違反を立証し、1,000万円台の解決金を獲得。生活の立て直しができた。 |
| 上司の指示で動いていたのに、自分のせいにされた悔しさと理不尽さが消えなかった。 | 会社の「不注意」主張を証拠で否定し、正当な補償を受けることで、精神的な区切りをつけられた。 |
| 12級認定はあったが、それが何に使えるのか、どれだけの金額になるのかまったく分からなかった。 | 12級を起点に損害計算を設計し直し、労災保険給付との合計で、自分では想定できなかった金額に達した。 |
| 会社との直接交渉・訴訟の負担を一人で抱えることへの恐怖があった。 | 当法人が窓口になり、会社・裁判所とのやり取りを代行。本人は治療・リハビリに集中できた。 |
ご依頼者からは解決後、次の言葉をいただきました。
「自分一人ではどうにもならなかった。弁護士に頼んで初めて、事故前の自分の権利がきちんと守られたと感じました」。
「12級は取れた。でも会社は払わないと言っている」――その状況で諦めないでください。
☎ 0120-931-501(労災専用・無料)
第9章:建設業で同様の不安を抱える方へ
「上司の指示で動いていたのに、転落したら自分の不注意と言われた」「12級は取れたが、会社から一切上乗せがない」「高所作業中の事故で骨折したが、会社は知らぬ顔だ」――こうした状況にある方は、一人で抱え込まずに弁護士への相談を検討してください。
建設業は、高所作業・重機作業・狭小空間作業など、危険と隣り合わせの現場環境が続きます。事故が起きたとき、会社が「本人の不注意」という言葉で責任を回避しようとするケースは、残念ながら少なくありません。しかし、安全配慮義務違反を立証できれば、「労災保険だけで終わり」ではありません。
早期相談が重要な理由
労災に基づく会社への損害賠償請求権には時効があります。安全配慮義務違反(債務不履行)に基づく場合は権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項1号)、不法行為(使用者責任)に基づく場合は損害および加害者を知った時から3年(民法724条)が原則です。
また、事故現場の安全設備の記録・脚立の状態・作業指示の記録・同僚の証言といった証拠は、時間が経つと失われやすくなります。症状固定後(後遺障害認定後)のできるだけ早い段階での相談をお勧めします。
当法人への相談の流れ
- ステップ1:フリーダイヤル(0120-931-501)またはフォーム・LINEから相談
- ステップ2:事故の経緯・会社の対応・後遺障害の状況などをヒアリング
- ステップ3:安全配慮義務違反の立証可能性と損害賠償の見込みを率直にお伝えします
- ステップ4:受任の場合、費用・方針をご説明して正式依頼
弁護士歴平均14年以上の当法人の労災チームが、建設業の現場実態を踏まえた上で丁寧に対応いたします。
弁護士歴平均14年以上の労災チームが、建設業の転落事故に丁寧に対応します。
☎ 0120-931-501(労災専用・通話料無料・平日9:00〜18:00)
よくある質問
Q1:会社から「本人の不注意だ」と言われました。本当に何も請求できないのですか?
そんなことはありません。「本人の不注意」という主張は、会社側の見解にすぎません。高所作業には、事業者が整えるべき安全措置(転落防止設備・補助者配置・安全帯の支給と装着義務など)が法令で定められています。これらが不十分であれば、会社の安全配慮義務違反が認められる可能性があります。まずは弁護士に事実関係を話していただき、立証の見通しを確認することをお勧めします。
Q2:労災認定・後遺障害等級12級が認定されています。これは会社への請求に使えますか?
はい、非常に重要な起点になります。後遺障害等級12級が認定されているということは、後遺症の存在が労災行政によって客観的に認められた事実であることを意味します。この等級を基に、逸失利益・慰謝料を計算することができます。労災保険の障害補償給付とは別に、会社に対して損害賠償として請求できる可能性があります。詳しくは労災で骨折したときの損害賠償・後遺障害等級を解説をご覧ください。
Q3:上司の口頭指示だけで書面がありません。証拠になりますか?
書面がなくても、指示の存在を立証する手段は複数あります。当日の業務日報・作業記録・同僚の証言・当法人による陳述書の作成などを通じて、状況を客観的に再構成できる場合があります。「書面がないから無理」と判断する前に、まず弁護士に相談することをお勧めします。
Q4:事故から数ヶ月が経っています。今から相談できますか?
時効の範囲内であれば相談・請求は可能です。ただし、証拠(現場の状態・脚立の記録・作業指示の記録)は時間の経過とともに失われやすくなります。症状固定・後遺障害認定が済んでいる場合は、できる限り早くご相談いただくことをお勧めします。時効の計算については、個別の状況を弁護士が確認します。
Q5:費用が心配です。相談だけでもできますか?
はい、相談は無料で承っております。受任にかかる費用(着手金・報酬金など)については、受任時に明確にご説明します。費用倒れになる見込みが高い場合は、その旨を初回相談時に率直にお伝えします。費用の見通しを把握した上でご判断いただけますので、まずはお気軽にご連絡ください。
高所作業・転落事故による労災の損害賠償について、まずはご相談ください。
☎ 0120-931-501(労災専用・通話料無料・平日9:00〜18:00)
本事例は、依頼者・関係者が特定されないよう職種・年代・事故状況・事故発生時期を含め抽象化しています。解決額・等級・期間は事案ごとの個別事情により大きく異なり、同様の結果を保証するものではありません。





