このページは、ご本人の物語/事故直後に絆創膏を貼った行為と「救護義務違反」主張への反論の実例を、賠償金の数字よりも「解決までの経緯」「ブライトの戦略」を中心に記録したものです(本記事は複数の解決事案を再構成した解説記事です。登場人物の属性・金額・事故場所等は実際の事案と異なります)。
📝 この記事の3秒結論
- 事故直後の応急処置(絆創膏)は救護義務違反に準ずる
- 相手方からの不当な「謝罪文要求」「過失加重要求」には反論
- 同乗者の人身慰謝料は緑本基準で算出(赤本より高い)
- 既払治療費の控除可否は「弁護士介入の延長交渉実績」で判断
- 過失9:1合意でも追加着手金・成功報酬の調整あり
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事案の概要

S様は2025年6月6日、父親が運転する車両の同乗中に被害事故に遭われました。事故直後、父親が車外に降りてS様の傷に絆創膏を貼って応急処置を行い、その後現場を一度離れた経緯あり。窓口は相手方任意保険会社の担当者でした。
ブライトへのご相談
S様(お母様経由)は2026年初旬にブライトへ委任。担当は松本弁護士。受任後の主要論点は以下のとおりです。
- 相手方の「救護義務違反」主張への反論
- 同乗者の人身慰謝料の基準(緑本 vs 赤本)
- 過失割合9:1での示談可否
- 既払治療費約56万円の経済的利益への取扱い
ステップ1:救護義務違反主張への反論
相手保は「絆創膏を貼った程度では救護義務を果たしたとは言えない」「現場離脱は道路交通法上の救護義務違反に準ずる」との主張。ブライトの反論方針は以下のとおりです。
- 事故直後の応急処置(絆創膏)は救護義務に該当する行為
- その後の現場離脱は「警察への報告のため」であり、悪意はない
- 救護義務違反は刑事責任の問題で、民事上の過失割合修正にはならない
- 結論:救護義務違反に準ずる行為を行った旨の記載は問題なしとし、現状の主張を維持
ステップ2:同乗者の慰謝料基準(緑本 vs 赤本)
同乗者の人身慰謝料には2つの基準があります:
| 基準 | 金額 | 適用場面 |
|---|---|---|
| 緑本基準 | 約106万円 | 大阪地裁での裁判基準(高め) |
| 赤本基準 | 70-約78万円 | 東京地裁での裁判基準(やや低め) |
本件では当方緑本約106万円満額を主張、相手方は赤本基準70-約78万円を想定で交渉を実施した。差額が大きいため最終示談額の調整を含む交渉が必要です。
松本弁護士の方針:「約106万円満額は認めがたいが、最終支払額の調整を含めて話し合いができないか。緑本2/3の金額よりも高い赤本基準での検討も可能。」と相手保に逆提案。
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ステップ3:過失割合9:1での合意検討
相手保は「過失割合は90:10(相手方9割、当方1割)以上の譲歩は困難」と主張。当方は「無過失」を主張していますが、客観的証拠不足のため、以下の対応も検討しました。
- 9:1で和解できれば、当方の損害の90%を回収可能
- 訴訟移行で20-30%認定リスクあり
- 弁護士費用特約利用なら金銭的負担なし
松本弁護士の見解:「最終支払額の調整を含めて話し合いができれば、9:1での和解も視野に入れる」と現実的な方向性を提示。
ステップ4:既払治療費約56万円の経済的利益への取扱い
受任後に相手保から既払いされた治療費約56万円について、相手保が「弁護士介入による延長交渉の成果ではない」として、経済的利益(弁護士成功報酬の対象)からの控除を求めてきました。
当方の確認・回答:
- 10月末で相手保から治療費一括対応打切りの打診があった際、依頼者本人が「これ以上通院しない」と意向
- そのため、特段の延長交渉は行わずそのまま打切りとなった
- 上記事実を相手保に回答
結果:相手保からの提案を受け入れ、該当治療費約56万円を経済的利益から控除することで合意。
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ステップ5:通院交通費明細の記載相違対応
相手方に提出済みの通院交通費明細書では「電車利用」となっていたが、依頼者本人作成の明細書では「自家用車利用(片道3.9km)」となっており、内容に相違が判明。
対応:相手方に正しい明細書をメール送信。
ステップ6:最終示談に向けた金額調整
松本弁護士の最終示談戦略:
- 当方主張:人損110.3万円+物損10.1万円=120.4万円
- 過失9:1で約108万円を相手方が支払い
- 赤本基準(緑本2/3を超える額)で慰謝料調整
- 既払治療費約56万円は経済的利益から控除済み
- 最終手取り:約100万円程度を見込み
実施した見通し
受任時点:
- 相手保からの過失9:1譲歩・赤本ベース慰謝料提示
- 当方逆提案:緑本2/3を超える調整を要求
- 既払治療費の経済的利益控除で合意
- 5月中に最終合意・6月示談締結を見込み
同乗者の人身慰謝料交渉のポイント
- 救護義務違反主張は刑事問題・民事過失修正の理由にならない
- 大阪では緑本基準(約106万円)が標準、赤本70-約78万円より高め
- 過失9:1での合意は現実的な落としどころ
- 既払治療費控除は弁護士介入の実績で判断
同じ立場の方へ
家族が運転する車に同乗中の事故では、運転者の対応(応急処置・救護義務)が後の過失交渉で問題化することがあります。絆創膏等の応急処置は救護義務に該当する行為として法的にも評価され、不当な過失加重要求に対しては毅然と反論可能です。慰謝料基準(緑本 vs 赤本)と既払治療費の経済的利益への扱いは、最終手取り額に大きく影響するため、弁護士の交渉経験が重要です。
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監修:松本 洋明 弁護士(弁護士法人ブライト パートナー弁護士)
弁護士歴16年(63期)・元損保側代理人・年間100件超の交通事故案件を担当。重度後遺障害事案、外国籍被害者対応、素因減額の争い、個人事業主の収入立証など複雑事案に多数の実績。本件もブライトの実際の解決事例(守秘のため一部を匿名化)。
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