この記事のポイント
- 交通事故の慰謝料には入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類がある
- 同じケガでも、自賠責基準・任意保険基準・弁護士(裁判)基準のどれで計算するかで金額が大きく変わる(後遺障害12級なら自賠責94万円/弁護士基準290万円)
- 保険会社の提示額は弁護士基準より低いことが多く、示談書にサインする前の確認が重要
- 軽微な事故では弁護士に依頼すると費用倒れになる場合もある——その見極めまで含めて無料相談で正直にお伝えします(着手金0円・完全成功報酬制)
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交通事故の慰謝料は3種類ある
交通事故の「慰謝料」とは、事故によって受けた精神的苦痛に対する賠償金のことです。治療費や休業損害とは別に請求できるもので、被害の内容に応じて次の3種類に分かれます。
| 種類 | どんなときに請求できるか | 金額を左右する主な要素 |
|---|---|---|
| 入通院慰謝料 (傷害慰謝料) |
ケガをして入院・通院した | 治療期間・実通院日数・ケガの重さ |
| 後遺障害慰謝料 | 治療を続けても後遺症が残り、後遺障害等級(1〜14級)が認定された | 認定された等級 |
| 死亡慰謝料 | 被害者が亡くなった | 家庭内での立場(一家の支柱かどうか等) |
このほか、重傷事案では入通院慰謝料が増額されたり、後遺障害が残った場合には慰謝料とは別に逸失利益(将来の収入減に対する賠償)を請求できたりと、「慰謝料+α」の損害項目が積み上がっていきます。まずは自分のケースがどの類型に当たるかを確認してください。
慰謝料の3つの基準——同じケガでも金額が変わる理由
交通事故の慰謝料計算には、次の3つの基準があります。どの基準で計算するかによって、同じケガ・同じ通院期間でも金額が変わります。
| 基準 | 内容 | 水準 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 自賠責保険(強制保険)が支払う最低限の補償基準。傷害分は上限120万円 | 最も低い |
| 任意保険基準 | 相手方の任意保険会社が社内で定めている基準(非公表)。示談交渉で最初に提示されるのは通常この水準 | 自賠責基準に近いことが多い |
| 弁護士(裁判)基準 | 過去の裁判例をもとにした基準(いわゆる「赤い本」等)。裁判をした場合に認められる水準で、弁護士が交渉に入るとこの基準をベースに主張できる | 最も高い |
重要なのは、保険会社の提示額=適正額ではないということです。相手方保険会社は営利企業であり、支払額を抑える方向で示談案を作るのが通常です。提示された金額が弁護士基準でいくらになるのかを確認してから示談する——この一手間で結果が変わることがあります。

入通院慰謝料の相場早見表(弁護士基準)
入通院慰謝料は、治療期間(入院・通院の長さ)をもとに算定します。弁護士基準では、他覚所見のある重傷(骨折等)とむちうち等の軽傷(他覚所見なし)で別の表を使います。通院のみの場合の目安は次のとおりです。
| 通院期間 | むちうち等(軽傷) | 骨折等(重傷) |
|---|---|---|
| 1ヶ月 | 19万円 | 28万円 |
| 3ヶ月 | 53万円 | 73万円 |
| 6ヶ月 | 89万円 | 116万円 |
※「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(いわゆる赤い本)の別表I・IIをもとにした通院のみの場合の目安です。入院を伴う場合や通院頻度が低い場合は金額が変わります。
一方、自賠責基準の入通院慰謝料は「日額4,300円 × 対象日数」で計算します(対象日数は「治療期間」と「実通院日数×2」の少ない方)。例えば通院3ヶ月(90日)・実通院30日なら、4,300円×60日=25万8,000円。上の表の弁護士基準(むちうち53万円)とは2倍以上の差が出ます。
むちうちで保険会社から治療費打ち切りを打診されている方は、対応を誤ると慰謝料の算定期間まで縮んでしまいます。治療費打ち切り通告への対応も参考にしてください。
後遺障害慰謝料の等級別相場
治療を続けても症状が残った場合は、後遺障害等級の認定を受けることで、入通院慰謝料とは別枠の後遺障害慰謝料を請求できます。主な等級の相場は次のとおりです。
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士(裁判)基準 | 主な症状の例 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 1,150万円 (要介護は1,650万円) |
2,800万円 | 四肢麻痺・遷延性意識障害など |
| 9級 | 249万円 | 690万円 | 高度の醜状障害・片眼の視力低下など |
| 12級 | 94万円 | 290万円 | 画像所見のある神経症状・関節機能障害など |
| 14級 | 32万円 | 110万円 | むちうち後の神経症状(自覚症状)など |
どの等級に認定されるかで、慰謝料だけでなく逸失利益も含めた賠償総額が数百万円単位で変わります。等級認定の仕組み・流れは後遺障害認定の完全ガイドで、認定を左右する後遺障害診断書の書き方もあわせて確認してください。
【簡易計算】あなたの慰謝料の目安を試算
上記の早見表と同じ基準で計算します。約10秒・入力した内容は送信されません。
死亡慰謝料の相場
被害者が亡くなった場合の死亡慰謝料は、弁護士基準では亡くなった方の家庭内での立場によって目安が異なります。
| 立場 | 弁護士(裁判)基準の目安 |
|---|---|
| 一家の支柱 | 2,800万円 |
| 母親・配偶者 | 2,500万円 |
| その他(独身者・子ども・高齢者等) | 2,000万〜2,500万円 |
これは本人分と遺族固有の慰謝料を合わせた総額の目安です。死亡事案では慰謝料のほかに逸失利益・葬儀費用等も請求でき、賠償総額の計算はご遺族だけで行うには複雑です。詳しくは死亡慰謝料の相場と計算で解説しています。
慰謝料以外に請求できる損害——「慰謝料だけ」で計算しない
示談金の総額は、慰謝料だけでは決まりません。次のような損害項目を漏れなく積み上げることが、適正な賠償への近道です。
- 治療費・通院交通費:実費。付添が必要な場合は付添費用も
- 休業損害:仕事を休んだ分の収入減。パート・専業主婦(主夫)でも請求できます
- 逸失利益:後遺障害や死亡により将来得られなくなった収入。等級・年齢・収入によっては慰謝料より大きくなることも多い項目です
- 物損関係:修理費・評価損(格落ち)・代車費用など
特に逸失利益は、労働能力喪失率や喪失期間の設定しだいで金額が大きく動き、保険会社との交渉で争点になりやすい項目です。「慰謝料はこの表のとおりだから」と総額で妥協する前に、内訳を確認してください。示談交渉の全体像は示談・保険会社対応の完全ガイドにまとめています。
慰謝料が増える・減るポイント
増額されうる事情
- 加害者に飲酒運転・ひき逃げ・著しい速度違反などの悪質な事情がある
- 重傷で手術・長期入院を要した、傷跡が残った
- 被害者側に扶養家族が多い等の生活上の事情がある
減額されうる事情
- 過失相殺:被害者側にも過失割合が付くと、その割合分だけ賠償額全体が減ります
- 素因減額:もともとの持病・既往症が損害の拡大に影響したとされる場合
- 通院頻度が極端に低い・整骨院のみ:治療の必要性を争われ、慰謝料の算定期間を縮められることがあります
これらは「主張の仕方」で結論が変わりやすい論点です。例えば既往症を理由とする素因減額は、過去の裁判例を精査すると本件には当てはまらないと反論できるケースもあります。保険会社の説明を鵜呑みにせず、根拠を確認することが大切です。
弁護士に依頼すべきケース・しない方がよいケース
正直にお伝えすると、すべての事故で弁護士に依頼すべきとは限りません。
- 依頼で増額が見込みやすいケース:後遺障害等級が認定された(またはその可能性がある)/死亡事故/入院を伴う重傷/保険会社の提示額が弁護士基準と大きく乖離している
- 費用倒れになりうるケース:ごく軽微な物損のみ/通院期間が短く増額幅が小さい事案で、弁護士費用特約もない場合
当事務所では、無料相談の段階で増額見込みと弁護士費用を試算し、費用倒れが見込まれる場合はその旨を正直にお伝えしています。また、ご自身やご家族の自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、自己負担なく依頼できるケースがほとんどです。特約は本人の保険だけでなく、同居家族の保険に付いているものが使える場合もあるので、まず保険証券を確認してみてください。
通勤中・仕事中の交通事故は「労災」も使える
通勤途中や業務中の交通事故では、相手方への損害賠償請求とあわせて労災保険を使える場合があります。労災には治療費の自己負担がない・休業補償が長期で受けられる等のメリットがあり、加害者側の対応が悪いケースでは特に重要な選択肢です。手続きの流れは通勤災害の認定基準と補償で詳しく解説しています。当事務所は労災事故の損害賠償を集中的に扱っており、交通事故×労災が交差する事案への対応は特に力を入れている分野です。
【解決事例】保険会社提示額から弁護士基準への増額例
実際にどれくらい差が出るのか、慰謝料を中心にした解決事例をご紹介します(守秘義務のため詳細は一部変更しています)。
【会社員男性・30代/追突事故・むちうち(他覚所見なし)】
通院期間6ヶ月・後遺障害14級9号が認定された事案。相手方保険会社からの当初提示額は、本記事の早見表でいう自賠責基準に近い水準でした。
| 保険会社提示額(目安) | 弁護士基準(当方主張) | |
|---|---|---|
| 入通院慰謝料 | 約51万円 | 89万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 32万円 | 110万円 |
| 合計(慰謝料部分) | 約83万円 | 199万円 |
弁護士が介入し、通院実態の資料と後遺障害等級の認定資料をもとに弁護士基準での主張を行った結果、示談額(慰謝料部分)は提示額の約2.4倍で成立しました(逸失利益・休業損害等は別途)。上表の弁護士基準の金額は、本記事の早見表(6ヶ月・むちうち等=89万円/14級=110万円)と同一の基準です。
※事案の性質上、依頼者を特定できないよう一部内容を変更・簡略化しています。示談額は事案ごとの個別事情(過失割合・通院実態・症状の内容等)により異なり、本事例と同じ結果を保証するものではありません。
よくある質問
Q1. 慰謝料はいつ支払われますか?
示談成立後、通常1〜2週間程度で振り込まれることが多いです。治療中に慰謝料の一部を先払いしてもらえる制度(自賠責の仮渡金等)もあります。
Q2. 保険会社の提示額に不満がある場合、必ず裁判になりますか?
いいえ。弁護士が交渉に入ることで、裁判をせずに弁護士基準ベースの金額で示談がまとまるケースが多くあります。交渉で折り合えない場合に、訴訟や紛争処理機関(ADR)の利用を検討します。
Q3. むちうちで後遺障害は認定されますか?
自覚症状のみでも、通院実績や症状の一貫性等によっては14級9号が認定される可能性があります。認定のポイントは後遺障害認定ガイドを参照してください。
Q4. 事故から時間が経っていても相談できますか?
可能です。ただし損害賠償請求権には時効(人身損害は原則5年)があり、証拠の散逸も進むため、早めのご相談をおすすめします。
まとめ——示談書にサインする前に、一度だけ確認を
交通事故の慰謝料は、①3種類のどれに当たるか、②どの基準で計算するか、③慰謝料以外の損害を漏らしていないか——この3点で金額が大きく変わります。保険会社の提示額はスタート地点であってゴールではありません。示談書にサインしてしまうと、原則としてやり直しはできません。
弁護士法人ブライトは、着手金0円・完全成功報酬制で交通事故のご相談をお受けしています。増額が見込めない場合はその旨を正直にお伝えしますので、「この金額でサインしていいのか」を確認する目的だけでも、無料相談をご利用ください。
交通事故の慰謝料について無料相談
着手金0円・完全成功報酬制。弁護士費用特約で実質負担なく依頼できる場合があります。
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