この記事の執筆・監修
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執筆:笹野 皓平(ささの こうへい) 弁護士法人ブライト|労災事業部 部長 大阪弁護士会(登録番号45457)|弁護士登録2011年・修習64期 |
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ) 弁護士法人ブライト|代表弁護士 大阪弁護士会|顧問先130社以上の実名公開 |
この記事のポイント(先に読む)
- 会社から「見舞金」を提示されても、すぐにサインしない。見舞金は会社の「恩恵的支払い」であり、法的な損害賠償とは別物です
- 骨折の労災事故で弁護士が損害賠償請求した場合、見舞金の数倍〜10倍以上の金額になるケースが実務では珍しくありません
- 見舞金受領時に「示談書」や「免責条項」に署名していると、後から損害賠償請求できなくなるリスクがあります
- 労災骨折の損害賠償は着手金0円・完全成功報酬。費用リスクなしで弁護士に依頼できます
無料相談:0120-931-501(労災専用)|LINE・メール相談はこちら
「見舞金」と「損害賠償」はまったく別物——混同が招く致命的ミス
労災の骨折事故が発生すると、会社の上司や総務担当者が病院へ来て「お見舞い金をお渡しします」と現金や振込を提示するケースが少なくありません。
しかし、弁護士として実際に相談を受けていると、この「見舞金」が後の損害賠償請求に深刻な影響を与えている事案に繰り返し直面します。問題は金額だけでなく、見舞金受け取り時の書面にあります。
見舞金の法的性質
見舞金は法律上の義務ではなく、会社が任意に支払う「恩恵的給付」です。金額に根拠はなく、「お気持ち」として2〜5万円程度のケースが大半です。これ自体は問題ありませんが、多くの場合、受け取りの際に以下のような書面を求められます。
- 「今後、本件に関していかなる請求も行いません」という免責条項入り同意書
- 「解決済み」と記載された書類への署名
- 示談書(損害賠償権を放棄する合意文書)
こうした書面に署名してしまうと、後から弁護士を立てて損害賠償請求しようとしても「既に解決済み」として請求権が制限される可能性があります。見舞金を受け取ること自体は問題ありませんが、示談書や免責条項にはサインしないでください。
見舞金の書類、サインする前に必ず確認を
会社から見舞金と一緒に書類を渡された場合は、弁護士に内容を確認してもらってください。免責条項の有無・示談書かどうかを判断します(相談料無料)。
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骨折の労災で会社に請求できる損害の全項目
労災保険(国の保険給付)とは別に、会社の安全配慮義務違反を根拠として以下の損害を会社に請求できます(労働契約法5条・民法415条・709条)。
| 損害項目 | 内容 | 労災保険でカバーされるか |
|---|---|---|
| 慰謝料(入通院慰謝料) | 入院・通院の精神的苦痛に対する賠償 | されない |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺症が残った場合の精神的苦痛 | されない |
| 逸失利益 | 後遺症により将来の収入が減少する損害 | 一部のみ |
| 休業損害の差額 | 休業補償給付60%+特別支給金20%=合計80%。実収入との差額・慰謝料等の不足分 | されない(差額分) |
| 治療費・交通費 | 実費。労災保険でカバーされない自費診療分など | 概ねカバー |
特に慰謝料・逸失利益は労災保険では一切補償されません。骨折で後遺症が残った場合、この2項目だけで数百万円になることが実務でも多くあります。
損益相殺——労災保険給付と損害賠償の調整
労災保険から給付を受けた場合、その分は損害賠償額から差し引かれます(損益相殺)。ただし慰謝料と将来の障害補償年金は損益相殺の対象外であるため、労災保険給付を受け取っていても、慰謝料等については会社に全額請求できます。
見舞金と損害賠償——実際の金額差(3事例で比較)
弁護士法人ブライトが実際に対応した事案をもとに、会社から提示された見舞金と最終的な損害賠償額の差を示します(個人情報を保護するため詳細は匿名化しています)。
事例A:建設現場での足場崩落・肋骨3本骨折(後遺障害なし)
- 会社の提示:見舞金3万円+「労災保険で十分」という説明
- 弁護士介入後の請求:入通院慰謝料(入院28日・通院4ヶ月)約110万円+休業損害差額約38万円=合計148万円
- 差額:約145万円
事例B:フォークリフト接触・脛骨骨折(後遺障害14級)
- 会社の提示:見舞金5万円と治療費負担の申し出
- 弁護士介入後の損害賠償:入通院慰謝料96万円+後遺障害慰謝料110万円+逸失利益36万円+休業損害差額52万円=合計約294万円
- 差額:約289万円
事例C:機械への巻き込みによる指骨折・可動域制限(後遺障害12級)
- 会社の提示:見舞金10万円と「これで解決にしてほしい」という口頭での申し出
- 弁護士介入後の損害賠償:入通院慰謝料105万円+後遺障害慰謝料290万円+逸失利益約134万円=合計約529万円
- 差額:約519万円
これらは実際の相談をもとにした匿名化事例です。見舞金は「お気持ち」であり、骨折の損害賠償として支払われるべき金額とは桁違いであることが分かります。
骨折の労災事故で「これで解決」と言われた方へ
会社から見舞金を提示され「これで解決にしてほしい」と言われた場合でも、弁護士に相談するだけで本来受け取れる金額が分かります。相談料・着手金はゼロです。
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骨折後遺症の等級と損害賠償額の目安
骨折が治癒した後も可動域制限・神経症状(痛み・しびれ)が残った場合、後遺障害等級が認定されます。等級によって損害賠償額は大きく変わります。
| 等級 | 主な症状(骨折関連) | 後遺障害慰謝料 (弁護士基準) |
逸失利益の目安 (年収400万・40歳) |
|---|---|---|---|
| 7級 | 関節の可動域が健側の1/2以下に制限 | 1,000万円 | 約480万円 |
| 9級 | 一手の拇指以外の二本以上の指が用を廃した等 | 690万円 | 約265万円 |
| 12級 | 関節の可動域が健側の3/4以下に制限、局部の頑固な神経症状 | 290万円 | 約111万円 |
| 14級 | 局部の神経症状(痛み・しびれが持続) | 110万円 | 約28万円 |
※逸失利益の計算式:年収 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数(就労可能年数対応)。上記は年収400万円・40歳時点での概算例。
重要なのは、後遺障害等級はゴールではなく「スタートライン」だということです。等級が認定された後に損害賠償請求を行い、慰謝料・逸失利益を会社から受け取ることが本来のゴールです。
後遺障害等級の申請タイミング
骨折後遺症の等級申請は「症状固定」後に行います。症状固定とは、これ以上治療を継続しても症状が改善しない状態のことで、主治医が判断します。症状固定前に弁護士に相談することで、通院頻度・検査記録の整備方法について適切なアドバイスが得られます。
会社が「労災だから会社は関係ない」と言う場合の対処法
骨折の労災事故で相談を受けると、会社が「労災保険は国の制度だから、会社には責任がない」と説明しているケースがあります。これは誤りです。
労災保険は国(政府)が運営する保険制度ですが、業務中の事故で会社に安全配慮義務違反があれば、労災保険とは別に、会社に損害賠償を請求する権利があります(労働契約法5条・民法415条)。
実際、専門書(労働災害補償法の解説・厚生労働省監修)でも「労働者は労災保険給付を受けた上で、民事上の損害賠償として不足する部分について事業主に請求することができる」と明記されています。会社の「関係ない」説明を鵜呑みにする必要はありません。
会社が任意保険に加入している場合
多くの会社は「使用者賠償責任保険」や「労働災害総合保険」に加入しています。この場合、損害賠償交渉は会社の保険会社が窓口となりますが、交渉の相手方が保険会社に変わるだけで、請求権は変わりません。むしろ保険会社は賠償額を低く抑えようとするプロですので、弁護士への依頼がより重要になります。
「会社には関係ない」と言われた方へ
労災保険とは別に、会社への損害賠償請求ができます。弁護士が請求可能かどうかを無料で判断します。
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弁護士に依頼すると見舞金とどれだけ変わるか——着手金0円の仕組み
「弁護士費用が高そう」というイメージが、相談をためらう最大の理由です。しかし弁護士法人ブライトでは、労災損害賠償について相談料無料・着手金0円の完全成功報酬制を採用しています。
| 比較項目 | 見舞金のみで解決 | 弁護士に依頼(成功報酬制) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円(相談料・着手金なし) |
| 受け取れる金額 | 2〜10万円(会社の裁量) | 数十万〜数百万円(事案次第) |
| 慰謝料の請求 | なし | あり(弁護士基準で算定) |
| 後遺障害の評価 | 考慮されない | 等級に応じた逸失利益を請求 |
| 失敗した場合の費用 | なし | 0円(解決できなければ報酬なし) |
成功報酬は解決金(会社から受け取る金額)の一定割合です。解決できなければ弁護士費用は発生しません。
弁護士特約が使える場合はさらに有利
労働者が加入している自動車保険や火災保険に「弁護士費用特約」が付いている場合、弁護士費用(成功報酬を含む)を保険でカバーできます。骨折労災の損害賠償においても弁護士特約は利用できるケースがありますので、確認をおすすめします。
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骨折の種類別・会社への請求で押さえるべきポイント
肋骨骨折・胸椎骨折
落下物による肋骨骨折、転落による胸椎骨折は建設業・倉庫業で多発します。骨折そのものが治癒しても「呼吸時の痛み」「胸椎圧迫による変形」が残存した場合、後遺障害12級や変形障害(11級以上)が認定される可能性があります。入院期間が長い分だけ入通院慰謝料も高額になります。また、脊椎圧迫骨折については専用の解説ページ(脊椎圧迫骨折の労災損害賠償)もご参照ください。
上肢(腕・手・指)の骨折
機械への巻き込み・フォークリフト接触による上肢骨折は製造業・物流業で頻発します。指・手首の可動域制限が後遺障害12〜14級に該当するケースが多く、精密な関節角度測定(ゴニオメーター計測)記録が等級認定の鍵になります。弁護士が早期から関与することで、適切な検査記録の確保をサポートします。
下肢(大腿骨・脛骨・足首)の骨折
大腿骨骨折・脛骨骨折は転倒・転落事故で多く、入院期間が長くなる傾向があります。入院慰謝料は「入通院慰謝料算定表(弁護士基準)」に基づき、入院月数が増えるほど高額になります。3ヶ月入院の場合、入通院慰謝料だけで100万円を超えることもあります。
証拠保全——骨折事故直後にやるべきこと
会社への損害賠償請求において、事故状況を裏付ける証拠が決定的に重要です。骨折の治療と並行して、以下の証拠を確保してください。
- 事故現場の写真・動画:転落場所・機械の状態・安全装置の有無を撮影。スマートフォンのジオタグ付き写真が有効
- 目撃者の氏名・連絡先:同僚・現場作業員の証言を早期に確保
- 労災5号用紙(療養補償給付請求書)の記載確認:事故状況の記載に誤りがないか確認。誤記は後の訴訟で会社に有利に使われるリスクがある
- 診断書・画像(レントゲン・MRI)の保存:骨折の程度・治癒の経過を記録する医療証拠
- 就業規則・作業マニュアルの入手:会社の安全管理義務違反を立証するために必要
事例4(工場勤務初日の脛骨骨折事案)では、弁護士が会社提出の事故動画の内容を精査し、実際の作業方法と相違があることを指摘。依頼者本人の現地説明と組み合わせて、過失ゼロを主張する証拠戦略を構築しました。証拠の確保・精査は弁護士にしかできない専門作業です。
よくある質問(FAQ)
労災の骨折で会社から見舞金をもらいましたが、今から損害賠償請求できますか?
見舞金を受け取っただけであれば、原則として損害賠償請求は可能です。ただし、受け取り時に「免責条項」や「示談書」に署名している場合は請求が制限される可能性があります。受け取った書類を弁護士に確認してもらうことをおすすめします。
骨折の労災で損害賠償請求できる時効はいつまでですか?
会社に対する損害賠償請求(生命・身体侵害に基づく場合)の時効は、2020年4月1日以降の事故については、損害及び加害者を知った時から5年(改正民法724条の2・166条1項1号)です。ただし時効の起算点は事案によって異なりますので、早めに弁護士に確認することをおすすめします。
後遺障害が残らなかった骨折でも損害賠償請求できますか?
できます。後遺障害がなくても、入通院慰謝料・休業損害(労災保険給付でカバーされない実収入との差額)は請求できます。骨折で入院した場合、入通院慰謝料だけで数十〜百万円超になるケースがあります。
見舞金を断ると会社の態度が悪くなりますか?
見舞金の受け取りを断ることと損害賠償請求の是非は別の問題です。実務上、見舞金を受け取った上で損害賠償請求に進む事案が多いです。ただし示談書等に署名しないことが重要です。会社との関係悪化を心配される場合、弁護士が代理人として交渉しますので、依頼者が直接交渉する必要はなくなります。
労働者が一部悪かった(過失がある)場合も請求できますか?
請求できます。被災者に一定の過失があった場合でも、会社の安全管理義務違反が主な原因であれば損害賠償請求は可能です。過失相殺により請求額が減額されることはありますが、会社の義務違反が大きい事案では被災者の過失割合が低く評価される傾向があります。弁護士が証拠を集めて会社側の責任を最大化する交渉を行います。
骨折の労災で弁護士に相談するタイミングはいつが最適ですか?
症状固定前(治療中)の段階が最適です。症状固定後の相談でも対応できますが、早期相談によって①通院頻度・検査記録の方針、②会社との交渉タイミング、③証拠保全の指示を受けることができ、最終的な賠償額に大きく影響します。入院中でもZoom・LINE相談に対応しています。
まとめ:見舞金はあくまで「お気持ち」、本来の請求額とは別物
労災の骨折事故で会社が提示する見舞金は、法的な損害賠償義務とは無関係の任意支払いです。骨折の重さ・後遺症の程度・休業期間によって、本来請求できる損害賠償額は数十万〜数百万円以上になります。
弁護士法人ブライトでは、労災部部長・笹野皓平弁護士(登録2011年・修習64期)を中心とした専門チームが、骨折労災の損害賠償請求を着手金0円・完全成功報酬で担当しています。会社の顧問先130社以上の実名公開という実績が示すとおり、会社側の論理を熟知した上で被災者側の交渉に臨む点がブライトの強みです。
相談の段階で請求できる概算金額をお伝えできます。見舞金の書類を渡された方・示談を迫られている方・症状固定を告げられた方は、ぜひ早めにご連絡ください。
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見舞金をもらった・示談を迫られている・症状固定を告げられた——どの段階でもご相談いただけます。着手金0円・完全成功報酬制ですので費用の心配は不要です。
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受付:平日9:00〜18:00(土日祝も事前予約で相談可)
この記事の執筆者
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|労災事業部 部長・パートナー弁護士
大阪弁護士会(登録番号45457)|弁護士登録2011年・修習64期
専門:労災事故・安全配慮義務違反・損害賠償・後遺障害等級




