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労災死亡事故で会社が「労災ではない」と主張|ご遺族による損害賠償請求【解決事例】

笹野皓平 弁護士

この記事の執筆者

笹野 皓平(ささの こうへい)

弁護士法人ブライト|パートナー弁護士

大阪弁護士会/京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了

和氣良浩 弁護士

この記事の監修者

和氣 良浩(わけ よしひろ)

弁護士法人ブライト|代表弁護士

大阪弁護士会

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「持病で倒れただけ」と会社に言われたとき、遺族に本当に必要な支え

業務中に大切な家族を突然亡くし、目撃者もいない状況で会社から「労災ではなく、本人の持病が原因で倒れただけだ」と告げられたとき、多くのご遺族が本当に恐れているのは、賠償金額そのものだけではありません。亡くなった家族の死が「会社のせいではない」という結論のまま片づけられてしまうこと、その悔しさと、家族の名誉が回復されないまま終わってしまうことへの深い絶望です。

多くの記事は「労災認定を受ければ遺族補償給付が受けられます」という制度の説明で終わります。しかし目撃者のいない死亡事故で会社が『私病(本人の持病)が原因』『事故ではない』とゼロ回答の姿勢を示してきた場合、そこから会社の安全配慮義務違反をどう立証するかが最大の壁になります。ここで諦めてしまうご遺族が少なくありません。

結論

目撃者のいない労災死亡事故で会社が「労災ではない」「私病が原因」と主張し、損害賠償にゼロ回答の姿勢を示してきたとしても、諦める必要はありません。発見時の状況・負傷部位・現場の設備状況などの客観的な事実を積み重ね、専門家の力を借りて事故態様を立証することで、会社の安全配慮義務違反を認めさせられる可能性があります。ご遺族には、死亡逸失利益・死亡慰謝料など高額な損害賠償を請求する権利があります。

事案の概要(属性)

  • 業種:建築業(会社に所属する作業員)
  • 被災者:50代女性
  • ご依頼者:被災者のご遺族(配偶者・お子様)
  • 事故態様:業務中、足場付近で頭部から出血して倒れているのが発見され、その後死亡。目撃者なし
  • ご依頼内容:会社の安全配慮義務違反を根拠とした損害賠償請求(事故か私病かが争点)

相談時の状況「会社は最初から取り合ってくれなかった」

ご遺族は、会社側から「業務中の事故ではなく、持病による体調不良で倒れたものだ」と説明を受け、損害賠償には一切応じないという、いわゆる「ゼロ回答」の姿勢を示されていました。目撃者がいないため、事故の状況を客観的に証明する材料が乏しく、「本当に会社の責任を問えるのか」という強い不安の中での相談でした。

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最大の争点「転落だったのか、体調不良だったのか」

本件で最大の争点となったのは、次の点です。

  • 事故原因の特定:業務中の転落・接触等によるものか、会社が主張するように私病(持病)によるものか
  • 安全配慮義務違反の有無:昇降設備の設置状況、保護具の使用指導など、会社側の安全管理体制に不備がなかったか
  • 発見時の状況(体勢・負傷部位)と事故態様の整合性
  • 過失相殺・生活費控除率:損害額算定における各種控除の妥当性

ブライトの方針・対応

ブライトは、会社側が「私病が原因」とする主張に対し、発見時の状況(頭部からの出血、体勢等)が、平らな場所で体調不良により倒れた場合には通常生じない態様であることを、専門家の協力を得て具体的に検証しました。人が高所や作業床から転落する際にどのような体勢になるかを客観的に分析し、発見時の状況と矛盾しないことを合理的に説明する材料を組み立てました。

あわせて、現場の昇降設備の設置状況や保護具の使用指導の実態を精査し、会社側の安全配慮義務違反を主張。事故状況が完全には解明できない中でも、責任を認めさせる現実的な着地点を探りながら、粘り強く交渉・訴訟活動を進めました。

【ブライトの判断基準】

目撃者のいない死亡事故で会社が「私病」と主張したとき、多くの事務所は「立証が困難」として消極的な判断をすることがあります。しかしブライトは、専門家の力を借りてでも、事故の事実を立証する道を探ります。

「ブライトは『立証困難』で諦めない。専門家の力を借りてでも、依頼者・ご遺族の正当な権利を取りに行く。」
これが、ブライトが労災死亡事故で一貫して大切にしている考え方です。

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解決までの結果

訴訟での粘り強い立証活動の結果、事故態様に関する当方の主張が認められ、会社の安全配慮義務違反を前提とした訴訟上の和解により3,000万円台の損害賠償金を獲得しました。当初は損害賠償に一切応じない姿勢だった会社から、大きく前進した解決となりました。解決までの期間は相談開始から約2年半でした。

Before(ご相談時点) After(解決後)
「持病のせい」と会社から取り合ってもらえず、夜も眠れないほど悔しい思いを抱えていた 故人の死が業務上の事故であったことが認められ、3,000万円台の損害賠償金を獲得
目撃者がいないことで、事故の事実を証明できるのか大きな不安を抱えていた 「家族の死が正当に認められた」という気持ちの整理にもつながった

※本事例は複数の解決事例を組み合わせた典型例です。同様の結果を保証するものではありません。

担当弁護士のコメント

💬 担当弁護士のコメント
「目撃者のいない死亡事故は、立証のハードルが高いのは事実です。しかし、発見時の状況や現場の設備状況を丁寧に積み上げれば、会社の『私病』という主張を覆せる可能性があります。ご遺族の悔しさに向き合い、最後まで諦めずに立証活動を行うことが弁護士の役割だと考えています」(笹野 皓平 弁護士)

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労災死亡事故・会社が責任を認めないケースで知っておきたい法的知識

会社の安全配慮義務(労働契約法5条)と死亡事故

会社は労働者の生命・身体の安全を確保する義務(安全配慮義務、労働契約法5条)を負っています。作業現場における昇降設備の設置、保護具の使用指導、安全教育など、会社が講じるべき安全対策に不備があり、それが死亡事故につながった場合には、民法415条(債務不履行)または民法709条(不法行為)に基づき、会社の安全配慮義務違反による損害賠償責任が認められる可能性があります。

目撃者がいない事故の立証方法

目撃者がいない事故では、発見時の状況(体勢・負傷部位・出血の状態等)、現場の設備の状況、労働基準監督署の災害調査記録などの客観的な証拠を積み重ねて事故態様を立証していくことになります。必要に応じて専門家の分析・鑑定を活用することもあります。

死亡労災の損害賠償項目と労災保険給付との調整

死亡労災の場合、ご遺族は死亡逸失利益・死亡慰謝料(本人分・近親者固有分)・葬儀費用などを会社に請求できます。労災保険から支給される遺族補償年金等は、損益相殺として損害賠償額から調整されますが、遺族特別支給金・遺族特別年金などの特別支給金は福祉的給付であるため損益相殺の対象とはならず、会社への損害賠償額から差し引かれません。労災保険の給付だけではカバーされない部分について、会社に対して請求することができます。

会社への損害賠償請求権の消滅時効

会社への損害賠償請求権には消滅時効があります。生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、不法行為に基づく場合は損害及び加害者を知った時から5年、安全配慮義務違反(債務不履行)に基づく場合は権利を行使できることを知った時から5年(行使できる時から20年)です。ご遺族が手続きに時間を要する場合も、早めに弁護士へご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 目撃者がいなくても、会社の責任を追及できますか?

はい、可能です。発見時の状況や現場の設備状況などの客観的な証拠を積み重ねることで、事故態様を立証できる場合があります。専門家の分析を活用することもあります。まずは弁護士にご相談ください。

Q2. 会社から「私病が原因」と言われ、労災と認められるか不安です。

労働基準監督署における労災認定の手続きと、会社に対する損害賠償請求は別の手続きです。労災認定が争われている段階でも、会社への責任追及に向けた証拠収集を並行して進めることができます。

Q3. 会社が損害賠償に一切応じない姿勢(ゼロ回答)です。それでも進めるべきですか?

会社が当初ゼロ回答であっても、訴訟を通じて安全配慮義務違反を立証できれば、賠償が認められる可能性は十分にあります。諦めずにまずはご相談ください。

Q4. 遺族が複数いますが、全員で請求する必要がありますか?

共同相続人全員での請求が原則ですが、状況によって進め方は異なります。ご家族間の意見が分かれる場合の対応も含め、弁護士にご相談ください。

Q5. 弁護士費用はどのくらいかかりますか?

ブライトは完全成功報酬制を採用しており、着手金をかけずにご依頼いただける場合があります。初回相談は無料です。

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まとめ

  • 目撃者のいない死亡事故で会社が「私病」を主張しても、諦める必要はない
  • 発見時の状況・現場の設備状況などの客観的な証拠の積み重ねが立証の鍵になる
  • 会社が損害賠償にゼロ回答の姿勢でも、訴訟を通じて責任を認めさせられる可能性がある
  • ご遺族には死亡逸失利益・死亡慰謝料など、労災保険給付とは別に会社へ請求する権利がある

労災死亡事故で会社が責任を認めない、あるいは対応に納得できないご遺族の方は、まずは弁護士法人ブライトの無料相談をご利用ください。

【本記事について】本記事は、弁護士法人ブライトが実際に受任し解決した事案をもとに作成しています。もっとも、依頼者の秘密保持義務および個人情報保護の観点から、ご本人が特定されることのないよう、性別・年齢・ご職業・地域・後遺障害等級・賠償額・時期などの事実を変更し、また複数事案の要素を組み合わせるなどして再構成しています。ご紹介する法的な考え方・手続き・解決の方針は当事務所の実務に基づくものですが、記事中の具体的な属性や数値は、特定の個人・事案を示すものではありません。

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笹野 皓平

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本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。

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開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 06-4965-9590(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

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