「治療は終わったのに、なぜ請求できるのか分からない」——減収なき逸失利益という論点
フォークリフトに轢かれて骨盤や下肢を骨折し、幸い同じ職場に復帰できたとしても、多くの方が抱える不安は「見た目には治ったのに、本当に会社に請求していいのか」「給料が減っていないのに賠償を求めるのは図々しいのではないか」という迷いです。後遺障害が残っているのに収入が変わらない場合、賠償を諦めてしまう方が少なくありません。
多くの記事は「後遺障害等級に応じて逸失利益が認められます」と一般論で終わります。しかし実務では、事故後も同じ職場で働き続け、給料が下がっていないケースにおいて、会社側(保険会社)が「減収がないのだから逸失利益は認めない、あるいはごくわずかしか認めない」と強く主張してくることが典型的な争点になります。ここで請求を諦めてしまうかどうかが、賠償額に数百万円単位の差を生みます。
結論
フォークリフト事故で骨盤・下肢を骨折し後遺障害が残った場合、事故後も同じ職場で働き続け給料が下がっていないとしても、後遺障害逸失利益をあきらめる必要はありません。裁判例上、減収がなくても「労働能力の一部喪失」自体が損害として認められる実務があり、会社側の低い提示額に対して裁判例に基づく反論をすることで、賠償額を大きく増額できる可能性があります。
事案の概要(属性)
- 業種:倉庫業(会社員)
- 被災者:40代男性
- 事故態様:勤務中、同僚が運転するフォークリフトに下肢を轢かれる
- 負傷内容:骨盤・下肢の骨折(後遺障害等級10級相当)
- ご依頼内容:後遺障害認定後、会社への損害賠償交渉(減収がない状況での逸失利益の主張)
相談時の状況「給料は変わっていないのに、請求していいのか」
ご依頼者は治療を続けながらも同じ職場で就労を継続しており、幸い大きな減収は生じていませんでした。しかし後遺障害の症状(可動域の制限・違和感)は残っており、将来的な影響も懸念していました。労災の後遺障害等級が認定された後、会社に対してどこまで請求できるのか分からず、「給料が減っていないのに賠償を求めるのは図々しいのではないか」という迷いを抱えたままの相談でした。
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最大の争点「減収がないのに逸失利益は認められるのか」
本件で最大の争点となったのは、次の点です。
- 減収がない場合の後遺障害逸失利益:事故後も同じ職場で就労を継続し給料が下がっていない状況で、労働能力喪失をどの程度認めるべきか。
- 会社側(保険会社)の反論:「減収が生じていないのだから、逸失利益はごくわずか(数%程度)しか認められない」という主張。
- 傷害慰謝料の算定期間:固定具による治療期間の評価方法。
ブライトの方針・対応
ブライトは、会社側が提示した「減収がないため労働能力喪失率はごくわずか」とする低額な提示に対し、安易に妥協せず、法的な根拠に基づいて反論する方針を取りました。
具体的には、減収が生じていない後遺障害等級10級相当の事案について、それでも相応の逸失利益が認められた裁判例を複数収集・分析。単に裁判例を並べるだけでなく、「なぜ減収がなくても逸失利益が認められるのか」という法的なロジック(現に生じている業務への支障、将来の昇給・転職等への影響を考慮する実務があること)を明確に整理し、交渉の場で会社側に示しました。
【ブライトのポリシー】
「給料が減っていないのだから賠償はわずかでよい」という会社側の主張を、多くの方はそのまま受け入れてしまいがちです。しかし後遺障害等級が認定されている以上、労働能力の一部喪失自体が損害であるという考え方が実務上確立しています。
「ブライトは、見た目の減収の有無だけで賠償額を決めさせない。後遺障害が残った事実そのものを正当に評価させる。」
これが、ブライトが後遺障害事案で一貫して大切にしている考え方です。
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解決までの結果
交渉の結果、会社側(保険会社)は当初の低額な提示(数百万円台)から大幅に増額し、示談交渉により900万円台の解決金を獲得しました。当初の相手方提示額を大きく上回る金額での解決となり、示談成立までの期間は相談開始から約2年でした。
| Before(ご相談時点) | After(解決後) |
|---|---|
| 「給料が減っていないのに賠償を求めるのは図々しいのでは」と請求をためらっていた | 裁判例に基づく主張により、会社側の低額提示から大幅に増額した賠償金(900万円台)を獲得 |
| 会社側の「減収がないから逸失利益はわずか」という主張にどう反論すればよいか分からなかった | 後遺障害が残った事実そのものが正当に評価され、納得のいく解決に至った |
※本事例は複数の解決事例を組み合わせた典型例です。同様の結果を保証するものではありません。
担当弁護士のコメント
💬 担当弁護士のコメント
「事故後も同じ職場で働き続けているケースほど、逸失利益の請求を諦めてしまいがちです。しかし後遺障害等級が認定されている以上、労働能力の一部喪失は損害として評価されるべきです。裁判例に基づいた粘り強い交渉が増額の鍵になります」(笹野 皓平 弁護士)
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フォークリフト事故・骨折の労災で知っておきたい法的知識
フォークリフトの労働安全衛生法上の義務
労働安全衛生法上、フォークリフトの運転には技能講習修了資格が必要であり、作業通路のマーキング・最高速度の制限・作業区域への立入禁止措置など、会社側に具体的な安全管理義務が課されています。これらの義務違反があれば、会社の安全配慮義務違反(労働契約法5条)が認められやすくなり、民法415条(債務不履行)または民法709条(不法行為)に基づき損害賠償を請求できます。
減収がなくても認められる後遺障害逸失利益
後遺障害による逸失利益は、原則として「事故がなければ得られたはずの収入」と「事故後の実際の収入」の差額(差額説)で計算されます。もっとも、事故後に減収が生じていない場合でも、労働能力の一部喪失が現に業務への支障として生じている場合や、将来の昇給・転職に影響が及ぶ可能性がある場合には、相応の逸失利益が認められる実務があります。
労災保険給付との調整(損益相殺)
会社への損害賠償請求が認められた場合、既に受け取った労災保険給付(障害補償一時金・年金等)は損益相殺として損害賠償額から控除されます。ただし、国から支給される特別支給金(障害特別支給金等)は、損害のてん補を目的とするものではなく、被災労働者の社会復帰の促進等を目的とする給付であるため、損益相殺の対象外とされており、控除されません。また、労災保険給付でカバーされない慰謝料や逸失利益の一部は、会社に対して別途請求することが可能です。
会社への損害賠償請求権の消滅時効
会社への損害賠償請求権には消滅時効があります。生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、不法行為に基づく場合は損害及び加害者を知った時から5年、安全配慮義務違反(債務不履行)に基づく場合は権利を行使できることを知った時から5年(行使できる時から20年)です。事故から時間が経っている場合も、早めに弁護士へご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 事故後も減収がありません。それでも会社に賠償請求できますか?
はい、可能です。後遺障害等級が認定されていれば、減収がなくても「労働能力の一部喪失」自体が損害として評価される実務があります。会社側から「減収がないから賠償はわずか」と言われても、諦めずにご相談ください。
Q2. 会社の対応が誠実で、あまり強く言いたくありません。
円満な関係を保ちながら適正な賠償を求めることは可能です。弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避けつつ、法的根拠に基づいた交渉を進めることができます。
Q3. 後遺障害等級10級の場合、賠償額の目安はどれくらいですか?
等級・年齢・収入・減収の有無などによって大きく異なります。減収がない事案でも、裁判例を根拠に相応の逸失利益が認められることがあります。正確な試算は個別の事情によるため、無料相談でご確認ください。
Q4. 保険会社から低い金額を提示されました。そのまま応じるべきですか?
保険会社の当初提示額は、裁判基準よりも低いことが一般的です。安易に応じる前に、弁護士に相談して裁判例に基づく適正額を確認することをお勧めします。
Q5. 弁護士費用はどのくらいかかりますか?
ブライトは完全成功報酬制を採用しており、着手金をかけずにご依頼いただける場合があります。まずは無料相談でご確認ください。
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まとめ
- フォークリフト事故で後遺障害が残っても、減収がなければ賠償を諦めてしまう方が多い
- 裁判例上、減収がなくても後遺障害逸失利益が認められる実務があり、諦める必要はない
- 会社側(保険会社)の低額提示に対しては、法的根拠に基づく反論が増額の鍵になる
- 労災保険給付とは別に、会社への損害賠償請求で慰謝料・逸失利益を追加で受け取れる可能性がある
フォークリフト事故で後遺障害が残った方は、減収の有無にかかわらず、まずは弁護士法人ブライトの無料相談をご利用ください。
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