「お前の不注意だ」——会社の決めつけにどう反論するか
工場の機械に手を巻き込まれ指を切断する重傷を負ったとき、多くの方がまず突きつけられるのは「操作を誤った本人の責任だ」という会社の言葉です。指を失ったショックに加え、会社から責任を押し付けられることで、正当な補償を求めること自体を諦めてしまう方が少なくありません。
多くの記事は「指を切断した場合の後遺障害等級はこうです」という等級の説明で終わります。しかし実務で本当に重要なのは、会社が主張する『本人の不注意』が本当に妥当なのか、安全装置やメンテナンス記録を精査して反論できるかという点です。同僚の証言や機械の点検記録という一次証拠を押さえられるかどうかで、過失相殺の割合、ひいては最終的な賠償額が大きく変わります。
結論
工場の機械に手を巻き込まれ指を切断した場合、会社が「本人の不注意」を理由に責任を否定・軽減しようとしても、諦める必要はありません。安全装置の設置・作動状況、点検記録、同僚の証言といった客観的な証拠を集めることで、会社側が主張する過失割合を大きく圧縮できる可能性があります。労災保険では支給されない慰謝料や、労災保険の給付だけでは不足する逸失利益について、会社に損害賠償として請求することで、最終的に受け取る補償を大きく増やすことができます。
事案の概要(属性)
- 業種:製造業(工場勤務)
- 被災者:50代男性
- 事故態様:工場の機械(プレス機・巻き込み式機械)に手を挟まれる
- 負傷内容:指の切断(複数指、後遺障害等級7級相当)
- ご依頼内容:会社の安全配慮義務違反を根拠とした損害賠償請求(過失相殺への反論)
相談時の状況「会社は最初から本人の不注意だと言ってきた」
ご依頼者は事故直後から、会社側より「本人が危険な操作をしたことが原因」と説明を受けており、損害賠償交渉が難航することを懸念していました。後遺障害が残ることはほぼ確実な状況でしたが、「会社にどこまで責任を追及できるのか」「不注意を理由に賠償額を大きく減らされてしまうのではないか」という不安の中での相談でした。
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争点となったポイント「安全装置は本当に『正常』だったのか」
本件で争点となったのは、次の点です。
- 会社側の安全配慮義務違反の有無:機械の安全装置(両手操作式・光線式等)が実際に機能していたか、形骸化していなかったか
- 過失割合:会社側は事故原因が本人の不注意・マニュアル違反にあるとして、大幅な過失相殺を主張
- 安全教育・管理体制の不備:会社が適切な安全教育を行っていたと言えるか
- 後遺障害逸失利益の基礎収入の算定
ブライトの方針・対応
ブライトは、会社側の「本人の不注意」という主張に対し、まず同僚からの陳述書の取得を進めました。当時の作業状況について、安全装置が実際にどのように使われていたか、上司がその状態を黙認していなかったかを具体的に確認。あわせて、機械のメンテナンス記録の開示を会社側に求め、安全装置が形骸化していなかったかを客観的に検証しました。
過失割合についても、会社側が主張する大幅な過失相殺(労働者側に重い過失があるとする主張)に対し、安全装置の不備や安全教育体制の不足という会社側の一次的な義務違反を前面に立てて反論。訴訟移行も辞さない姿勢を示しながら、現実的な着地点を見据えた交渉を進めました。
【ブライトのポリシー】
「お前の不注意だ」という会社の言葉を、被災者本人が正面から否定するのは簡単ではありません。しかし、安全装置が形骸化していた・安全教育が不十分だったという事実があれば、責任の所在は変わってきます。
「ブライトは、会社の『不注意』という決めつけを、同僚の証言と記録という客観的な証拠で覆しにいく。」
これが、ブライトが機械事故労災で一貫して大切にしている考え方です。
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解決までの結果
交渉の結果、会社側は安全装置の不備・安全教育体制の不十分さを一部認め、過失相殺の割合も当初の主張から大幅に圧縮されました。損害賠償金として、示談交渉により2,000万円台の解決金を獲得しました。示談成立までの期間は相談開始から約1年半でした。
| Before(ご相談時点) | After(解決後) |
|---|---|
| 「本人の不注意」と決めつけられ、正当な補償を求められるか不安だった | 安全装置の不備・安全教育の不足が認められ、賠償金(2,000万円台)を獲得 |
| 「一人ではどうしていいか分からなかった」と孤立感を抱えていた | 会社と対等に交渉してもらえたことで、納得のいく金額での解決に至った |
※本事例は複数の解決事例を組み合わせた典型例です。同様の結果を保証するものではありません。
担当弁護士のコメント
💬 担当弁護士のコメント
「機械事故では、会社側がまず『本人の不注意』を主張してくることがほとんどです。しかし安全装置の点検記録や同僚の証言を集めることで、会社側の管理体制の不備を具体的に示すことができます。証拠を丁寧に積み上げることが増額の鍵になります」(笹野 皓平 弁護士)
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機械巻き込み・指切断の労災で知っておきたい法的知識
会社の安全配慮義務と損害賠償請求の法的根拠
会社は、労働者が安全に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務、労働契約法5条)を負っています。これに違反して事故が起きた場合、被災者は民法415条(債務不履行)または民法709条(不法行為)に基づき、会社に損害賠償を請求できます。
プレス機・巻き込み式機械の安全基準
労働安全衛生法上、プレス機・せん断機等には安全装置(両手操作式・光線式等)の設置が義務付けられています。安全装置が未設置・不作動のまま使用させていた場合、会社の安全配慮義務違反は明らかになりやすく、作業開始前の点検・記録の有無も重要な証拠となります。
過失相殺への反論方法
会社側は「本人の不注意」を理由に大幅な過失相殺を主張することが多くありますが、安全装置の不備・安全教育の不足など会社側の義務違反が認められれば、過失割合は大きく圧縮されます。同僚の陳述書、機械のメンテナンス記録、災害調査に関する記録の開示請求などが有力な証拠になります。
指切断の後遺障害等級と逸失利益
指の切断(欠損障害)は、失った指の組み合わせ・本数に応じて、あらかじめ定められた後遺障害等級が認定されます。等級が認定されれば、後遺障害慰謝料に加え、労働能力喪失率に応じた逸失利益を請求できます。基礎収入の算定方法も賠償額を左右する重要な要素です。なお、労災保険から支給される障害補償給付は損害賠償額から損益相殺されますが、慰謝料は労災保険からは支給されないため、その全額を会社に請求できます。
会社への損害賠償請求権の消滅時効
会社への損害賠償請求権には消滅時効があります。生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、不法行為に基づく場合は損害及び加害者を知った時から5年、安全配慮義務違反(債務不履行)に基づく場合は権利を行使できることを知った時から5年(行使できる時から20年)です。事故から時間が経っている場合も、早めに弁護士へご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 会社から「マニュアル違反だ」と言われました。それでも請求できますか?
はい、できます。マニュアル違反があったとしても、安全装置の不備や安全教育の不足など会社側にも義務違反があれば、責任を追及できます。過失相殺の割合についても、弁護士が交渉で争うことができます。
Q2. 同僚に証言してもらうのは気が引けます。
同僚の方に負担をかけない形での証拠収集方法(陳述書の取得方法や、会社への開示請求の活用等)について、弁護士がサポートします。まずはご相談ください。
Q3. 指を切断した場合、後遺障害等級はどう決まりますか?
切断された指の本数・部位(関節から先か等)によって等級が異なります。複数指を切断した場合は、失った指の組み合わせ・本数に応じて、あらかじめ定められたより重い後遺障害等級が認定されます。
Q4. 会社の安全装置が壊れていたかどうか、どうやって確認するのですか?
機械のメンテナンス記録・点検記録を会社に開示請求することで確認できます。会社が任意に開示しない場合でも、労働基準監督署の災害調査記録等から状況を把握できることがあります。
Q5. 弁護士費用が心配で相談をためらっています。
ブライトは完全成功報酬制で対応しており、着手金をかけずにご依頼いただける場合があります。まずは無料相談でご確認ください。
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まとめ
- 機械巻き込みによる指切断の労災では、会社が「本人の不注意」を主張してくることが多い
- 安全装置の不備・安全教育の不足を、同僚の証言や点検記録で立証できれば過失割合を圧縮できる
- 労災保険では支給されない慰謝料や、不足する逸失利益を会社に請求することで補償を上乗せできる
- 証拠収集は弁護士に任せることで、被災者本人・同僚の負担を抑えられる
機械事故で指を切断するなどの重い後遺障害が残った方は、まずは弁護士法人ブライトの無料相談をご利用ください。
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