監修:和氣 良浩(わけ よしひろ) 弁護士法人ブライト|代表弁護士|大阪弁護士会 大阪で20年以上、中小企業の企業法務・顧問弁護士サービスを提供。顧問先130社以上に透明性の高いリーガルサポートを実践している。 懲戒処分は「就業規則の根拠+段階的手続き」で行える。しかしブライトは”処分できるか”から入らない。 懲戒処分を行うには、①就業規則に懲戒事由が明記されていること、②問題行動の証拠・記録があること、③段階的な対応(注意→改善期間→処分)を踏むことが必要です。ただしブライトが顧問先から「社員を懲戒処分したい」と相談を受けたとき、最初に「処分できるか」を答えることはほとんどありません。なぜなら懲戒処分は経営者の目的を達成するための手段の一つであり、ゴールではないからです。まず「なぜ処分したいのか」の目的を整理し、懲戒が本当に最善手かを確認することが先です。 「社員を懲戒処分したいが本当に正しい選択肢か判断してほしい」 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・企業法務部の弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 問題社員対応・懲戒処分を弁護士に相談する 無料で相談する(0120-929-739) 「どこまで処分できるのか」——よくある相談の入口 大阪の顧問先企業から届く相談の中で、懲戒処分に関するものは毎月必ずあります。その入口となる声は、おおむね次のようなパターンです。 「遅刻・無断欠勤が続いているが、どこまでやれば解雇できますか」 「横領が発覚した。すぐ懲戒解雇していいですか」 「SNSで会社の悪口を書いた社員を処分したい。どうすれば」 「問題行動を繰り返しているのに本人が反省しない。次の手は懲戒ですか」 「就業規則はあるが、懲戒処分の手続きをちゃんとやったことがない」 共通しているのは、「処分したい気持ちは固まっているが、手順が分からない」という状態です。ただし、ブライトが受け取るこれらの相談には、共通する本音があります。「懲戒処分をしたい」のではなく、「この問題をどうにかしたい」「組織の秩序を取り戻したい」——その手段として懲戒処分を思い浮かべているケースがほとんどです。 まず、自社の状況を整理してみてください 当てはまる項目が多いほど、懲戒処分の準備が整っています。空欄が多い場合は、処分を急ぐ前に「整える」段階です。 ☐ 就業規則に、今回の問題行動に対応する懲戒事由が明記されている ☐ 問題行動の日時・内容・関係者を記録した書面(メモ・始末書・報告書等)がある ☐ 本人に対して口頭または書面で注意・指導をした記録がある ☐ 改善の機会(期間・目標・フォロー面談等)を与えたことがある ☐ 処分の重さ(譴責・減給・出勤停止・諭旨解雇・懲戒解雇)が問題行動の程度と均衡している ☐ 過去に同種の問題行動で処分した前例と、今回の対応が一致している 空欄が多いなら、まず「記録」と「就業規則の確認」から。チェックの数より、空欄の埋め方が結果を分けます。 チェックリストで空欄が多い方へ——動く前に「整える」段階です 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・企業法務部の弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 問題社員対応・懲戒処分を弁護士に相談する 無料で相談する(0120-929-739) ★ そもそも、なぜ懲戒処分をしたいのか——目的を言語化する ブライトが相談を受けたとき、「懲戒処分したい」という言葉の裏にある目的を最初に確認します。社長の本音は、おおむね次の3つのレベルに分かれます。 目的のレベル 社長の本音 懲戒処分との関係 レベル1:問題行動をやめさせたい 遅刻・無断欠勤・ハラスメント・就業規則違反を止めたい。辞めさせるまでは望んでいない 懲戒処分(譴責・減給)は有力な手段。ただし指導・書面注意で目的を達せられるケースも多い レベル2:組織の規律を保ちたい 周囲の社員が見ている。「あの人だけ許されている」という空気を断ちたい 懲戒処分の記録化・就業規則の整備が直接効く。処分そのものより「会社が動いた事実」が重要 レベル3:辞めてほしい 改善の見込みがない。もう一緒に働けない。会社から出ていってほしい 懲戒解雇・諭旨解雇は選択肢だが、退職勧奨・合意退職の方が紛争リスクが低い場合が多い 目的が曖昧なまま「懲戒処分」という言葉だけで動き始めると、「重すぎる処分で無効」「軽すぎて何も変わらない」のどちらかに陥ります。ブライトはまずここを整理してから、手段の話に移ります。 ブライトが顧問先で繰り返し見てきたのは、「処分したい気持ちは強いが、目的は『改めさせたい』レベルだった」ケースです。セクハラを繰り返す社員に対し、会社は懲戒解雇を考えていました。しかし過去に一度「和解」に至っていた経緯があり、かつ就業規則の懲戒事由の記載が曖昧でした。ブライトが整理したのは「今の目的は辞めさせることではなく、次のトラブルを抑止し、周囲の社員を守ること」という点。処分の重さよりも、記録の積み上げと就業規則の明文化を先行させる方針に切り替えました。 ※プライバシー保護のため、複数の事例をもとに内容を一部変更して紹介しています。 前提として、懲戒処分は問題社員への対応手段の一つにすぎません。退職勧奨・解雇・配置転換など他の手段との使い分けを含む全体像は「問題社員への対応手順|タイプ別5つのステップ」で解説しています。 ★ 懲戒処分は、あなたの目的に最適な手段か——手段の比較 社長が「懲戒処分」を思い浮かべるとき、他の選択肢との比較をしていないことがほとんどです。ブライトはここで、目的別に手段を並べて検討します。 手段 向いている目的 紛争リスク 準備コスト 口頭指導・書面注意 問題行動をやめさせたい(レベル1) 低 低(記録さえ残せば) 配置転換・部署異動 当人を問題環境から切り離したい。辞めさせるまでは不要 低〜中(業務上の必要性が必要) 中 人事評価への反映・降格 規律維持・公平感の担保(レベル2) 低〜中(就業規則の根拠が必要) 中 懲戒処分(譴責・減給・出勤停止) 問題行動の抑止+記録化。周囲への規律シグナル 中(就業規則・手続き・量定が三点セット必須) 高(要件確認・手続き遵守が必要) 退職勧奨・合意退職 辞めてほしい(レベル3)かつ紛争を避けたい 低〜中(任意性の確保が前提) 中(交渉設計が必要) 懲戒解雇 重大な非違行為(横領・傷害等)への制裁。辞めてほしい(レベル3) 高(最も無効リスクが大きい) 高(根拠・証拠・手続きが三点セット必須) この比較から見えてくるのは、「問題行動をやめさせたい(レベル1)」「組織の規律を保ちたい(レベル2)」であれば、懲戒処分よりも先にやるべきことがあるという事実です。記録の蓄積・就業規則の整備・書面注意の積み上げをせずにいきなり懲戒処分に踏み込むことは、後の紛争リスクを高めるだけです。 「懲戒処分か、別の手段か」——判断に迷うならまずご相談ください 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・企業法務部の弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 問題社員対応・懲戒処分を弁護士に相談する 無料で相談する(0120-929-739) ★ 懲戒処分が向いているケース/向いていないケース 懲戒処分が最適な手段になる場合と、そうでない場合を整理します。懲戒処分が向かない場合でも、社長の目的(規律維持・問題解決)は否定しません。別ルートで目的を実現する道があります。 懲戒処分が向いているケース 就業規則に明確な懲戒事由が記載されている——「SNS投稿禁止」「機密情報の持ち出し禁止」等が明文化されており、今回の行為がそれに該当する 問題行動の記録・証拠が揃っている——書面による注意歴・業務ログ・始末書等が保全されている 段階的な指導の記録がある——口頭注意→書面注意→改善期間の付与というステップを踏んでいる 重大な非違行為がある——横領・傷害・ハラスメントなど、一発アウト水準の行為。この場合は段階を省略できる場合がある(ただし手続きは要遵守) 懲戒処分が向いていないケース——別ルートで目的を達成する 就業規則の懲戒事由が曖昧・なし——まず就業規則を整備する。懲戒処分は根拠が命。整備を急ぐなら弁護士と一緒に着手する 指導の記録がまったくない——「口頭で何度も言った」だけでは証拠にならない。まず書面注意から始め、記録を積み上げる 目的が「改めさせたい(レベル1)」だけ——書面注意・改善面談・評価への反映で足りる場合が多い。懲戒処分に踏み込む必要がない 目的が「辞めてほしい(レベル3)」で紛争を避けたい——懲戒解雇より退職勧奨・合意退職の方が紛争リスクが低い。交渉設計を先に行う 「懲戒処分ができない・向いていない」と判断しても、会社が問題を放置する理由にはなりません。ブライトは、どの場合でも「目的を実現する別ルート」を提案します。記録の積み上げ設計・就業規則の急速整備・退職勧奨の交渉設計——いずれも顧問として伴走できます。 (懲戒処分が向く場合)実際の進め方——ブライトが確認する5つのこと 懲戒処分が最適と判断した場合、ブライトは次の5つを確認してから手続きに移ります。 ① 就業規則に懲戒事由が明記されているか 懲戒処分は、就業規則に根拠がなければ行えません(労働契約法7条)。「常識的に問題だから処分できるはず」という感覚は通用しません。たとえば「SNSで会社の批判を書いた」という行為でも、就業規則に「職場秩序を乱す行為を禁止する」旨の懲戒事由がなければ、処分は法的に無効とされるリスクがあります。ブライトがまず確認するのは「今回の問題行動は就業規則の懲戒事由のどれに当たるか」です。 ② 問題行動の証拠・記録が揃っているか 懲戒処分が争われたとき(労働審判・訴訟)、処分の有効性を主張する側は会社です。日時・内容・関係者を記した書面(上司のメモ・始末書・カメラ映像・業務記録)が必要です。「口頭で何度も注意した」だけでは証拠として弱く、書面で注意したか・本人が受領したかがポイントになります。 ③ 段階的な対応を踏んでいるか 労働契約法15条は懲戒権の濫用を禁じています。最高裁も「懲戒処分は、問題行動の性質・態様・影響・本人の反省の有無・過去の処分歴などを総合的に考慮して相当性がなければならない」と繰り返し判示しています(最判昭和54年10月30日・日本電気事件ほか多数)。書面注意→改善期間の設定→軽い懲戒処分→重い処分という段階が必要です。 ④ 弁明の機会を与えたか 就業規則に「懲戒委員会を設ける」「本人に弁明の機会を与える」旨の規定がある場合、その手続きを省略した懲戒処分は手続的瑕疵として無効になるリスクがあります(最判昭和58年9月8日・倉田石炭事件)。就業規則にそこまで書いていない場合でも、「本人に事情を聴いた」という記録はあった方が望ましい。 ⑤ 処分量定は問題行動と均衡しているか 「遅刻が3回あったから懲戒解雇」は量定が重すぎて無効になります(東京地判昭和48年9月17日・小川商事事件)。横領・傷害・重大な機密漏洩など一発でアウトになりうる行為と、繰り返しの服務違反では、相当する処分の重さが当然に異なります。 懲戒処分の種類と相場——5段階の選択と使い分け 日本の企業で採用される懲戒処分は、重さの順に次の5種類が標準的です。就業規則に記載のない種類の処分は行えません。 種類 内容 主な対象行為 賃金への影響 譴責(けんせき) 始末書の提出を求め、将来を戒める最も軽い処分 遅刻・無断欠勤1〜2回、軽度の服務違反 影響なし 減給 賃金の一部を減額する処分。上限は法定 繰り返しの服務違反、軽度の職務懈怠 1回の額が平均賃金の1/2以下かつ総額が1賃金支払期の賃金総額の1/10以下(労基法91条) 出勤停止 一定期間の出勤を禁じる。その間の賃金は不支給 重度の職務違反、ハラスメント、繰り返す問題行動 停止期間中は無給(就業規則に要定め) 諭旨解雇(ゆいじかいこ) 退職を促し、本人が応じれば退職扱いにする準解雇 重大な非違行為があるが情状酌量の余地がある場合 退職金は就業規則の規定次第(一部減額が多い) 懲戒解雇 即時に雇用契約を終了させる最も重い処分 横領・傷害・重大な機密漏洩・重大なハラスメント等 退職金は就業規則の規定次第(全額不支給の規定も可能だが要件あり) 減給の法定上限(労働基準法91条)は中小企業で最も見落とされがちなルールです。「月給30万円の社員を5万円減給したい」という相談がありますが、1賃金支払期(月)の賃金総額30万円の1/10=3万円が上限となります。5万円は違法です。繰り返し違反があっても、月をまたいで複数月処分する方法を取る必要があります。 実際の意思決定プロセス——ブライトが伴走するとこうなる 顧問先の社員(営業職・勤務歴4年)が、業務中に競合他社への情報を持ち出していたことが発覚したケースがあります。本人は最初は否定しましたが、会社側のシステムログと本人のメール調査(就業規則に規定済み)で事実が確認されました。 ※プライバシー保護のため、複数の事例をもとに内容を一部変更して紹介しています。 ブライトが最初に確認したのは「目的は何か」です。会社の回答は「同様の行為を二度と起こさせたい、かつできれば辞めてもらいたい」(レベル2+3)。この目的確認を踏まえ、懲戒処分(諭旨解雇)が適切な手段と判断し、次のステップで進めました。 就業規則の確認:「秘密情報の漏洩」「電子データの不正持ち出し禁止」が懲戒解雇事由として明記されていた。事由の根拠は確保。 事実の確認と記録化:ログデータ・メールを証拠として保全。情報を持ち出した日時・件数・送り先を文書化。 弁明の機会の付与:就業規則に「懲戒委員会による弁明機会を付与する」旨の規定があったため、弁明書の提出を求め、本人ヒアリングを実施。本人は情報持ち出しの事実は認めたが「競合への提供はしていない」と主張。 処分量定の決定:情報漏洩の量・意図の悪質さ・業務上の地位を総合評価。競合への実際の提供は確認できなかったものの、持ち出し行為自体は重大。「諭旨解雇(退職金は一部支給)」を処分量定とし、弁護士名義の通知書を作成。 本人への通知と退職手続き:本人が諭旨解雇を受け入れ、退職届を提出。トラブルなく終結。 このケースで重要だったのは、就業規則に電子データの不正持ち出し禁止と弁明機会の規定が事前に整備されていたことです。これがなければ、証拠があっても処分の有効性が争われた可能性がありました。 法律上のポイント——懲戒権濫用法理と処分が無効になる典型パターン 懲戒処分が無効になる典型的な理由は、次の4つです。 ① 就業規則に根拠がない(労働契約法7条・9条) 労働契約法7条は「就業規則で定める労働条件が労働契約の内容となる」と定めています。懲戒事由の根拠が就業規則になければ、懲戒権の行使自体が認められません。就業規則が存在しない会社(常時10人以上の労働者を使用する場合は作成・届出義務:労基法89条)では、懲戒処分は原則として不可能です。 ② 懲戒権の濫用(労働契約法15条) 労働契約法15条は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は懲戒権の濫用として無効」と規定しています。遅刻3回でいきなり懲戒解雇は「重きに失する処分」として争われた判例があります(東京地判昭和48年9月17日・小川商事事件)。 ③ 手続的瑕疵(就業規則所定の手続き省略) 就業規則に「懲戒委員会の審議を経る」「本人に弁明の機会を与える」と定めている場合、その手続きを省略した懲戒処分は無効となります(最判昭和58年9月8日・倉田石炭事件)。実体的に適法でも手続き違反で無効になります。 ④ 二重処分の禁止(一事不再理) 一つの問題行動に対して、すでに懲戒処分(例:譴責)を行った後、再度同じ事実を理由に懲戒解雇することはできません。問題行動が新たに続く場合は、「今回の問題行動」として別の事実として扱う必要があります。 参考条文・判例 労働基準法第91条(制裁規定の制限):減給の1回の額は平均賃金の1日分の半額以下、総額は賃金支払期における賃金総額の10分の1以下 労働基準法第89条(就業規則の作成・届出義務):常時10人以上の事業場は必須 労働契約法第15条(懲戒):「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とする」 最高裁判所昭和54年10月30日判決(日本電気事件):「懲戒処分は、問題行動の性質・態様・影響・本人の反省の有無・過去の処分歴などを総合的に考慮して相当性が必要」 最高裁判所昭和58年9月8日判決(倉田石炭事件):就業規則所定の手続きを省略した懲戒処分の無効 「懲戒解雇を考えているが本当に有効かどうか確認したい」 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・企業法務部の弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 問題社員対応・懲戒処分を弁護士に相談する 無料で相談する(0120-929-739) 再発防止——就業規則の懲戒規定整備と記録設計 懲戒処分が一度終わった後、同じ問題を繰り返さないために何をすべきか。ブライトが顧問先に必ず勧めるのは次の3つです。 ① 就業規則の懲戒規定を現状に合わせて整備する SNS・情報漏洩・テレワーク中の服務違反など、就業規則が数年前に作られたままで現状と乖離しているケースが非常に多い。今回の処分で問題になった行為を、明文で懲戒事由に追記することが有効です。ケースZ2(運送業の事例)のように、就業規則の整備が遅れたために退職社員から大規模な残業代請求が来るケースも実在します。就業規則は「処分が起きてから慌てて整備するもの」ではなく、「問題が来る前に整えておくもの」です。 ※プライバシー保護のため、複数の事例をもとに内容を一部変更して紹介しています。 ② 問題行動の記録フローを設計する 管理職が問題行動を把握した時点で、その日のうちに記録を残す仕組み(報告シート・メール報告ルール等)がなければ、いざ処分のときに証拠が集まりません。顧問弁護士と一緒に記録フローを設計し、管理職研修で周知することが再発防止の核心です。 ③ 法務ドックで就業規則・記録体制を定期診断する 弁護士法人ブライトの「みんなの法務部」では、「法務ドック」という定期診断サービスを提供しています。就業規則の現状確認・問題となりうる条文の指摘・記録フロー設計の支援を、顧問弁護士が継続的に担います。懲戒処分が発生してから急いで対応するのでなく、発生する前に体制を整えることが最善策です。 懲戒処分を弁護士に相談すべきケース 次のいずれかに当てはまる場合、自社で判断を進める前に弁護士に相談することを強く勧めます。大阪のブライトに連絡いただければ、無料でご対応します。 懲戒解雇・諭旨解雇を検討している(最も重い処分は無効リスクが大きい) 就業規則の懲戒規定が曖昧・古い、または存在しない 本人が処分に異議を唱えている・弁護士をつけてきた 過去の処分との均衡が取れているか判断に迷う 処分後に未払い残業代・労災申請・ハラスメント申告が来た(報復的申告のパターン) パワハラ・セクハラを理由に懲戒処分したい(事実認定が争われやすい類型) 懲戒処分をすべきか、退職勧奨・配置転換など別手段にすべきか判断がつかない ブライトの顧問先(大阪・130社以上)では、このような相談が来た時点で即日ご連絡いただき、処分の有効性確認・通知書作成・交渉代理まで一気通貫で対応しています。 よくある質問 懲戒解雇と普通解雇の違いは何ですか? 普通解雇は、能力不足・病気・整理解雇など「会社都合・本人の能力上の理由」による雇用終了です。懲戒解雇は、本人の非違行為(横領・傷害・重大な服務規律違反等)に対する制裁として行う解雇で、退職金の一部または全部を不支給とする規定を就業規則に置くことができます(ただし就業規則の規定が必要)。どちらも解雇予告(30日前の通知または予告手当の支払い)が原則必要ですが、懲戒解雇の場合は所轄労働基準監督署長の認定を受ければ即時解雇が可能です(労働基準法20条3号)。 就業規則がない会社でも懲戒処分はできますか? 常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則の作成・届出が法律上の義務です(労働基準法89条)。就業規則がない状態で懲戒処分を行うと、処分の根拠がないとして無効になります。10人未満の事業場であっても、懲戒処分を行うには何らかの形で懲戒事由と手続きを文書化しておくことが必要です。「就業規則がないまま問題社員を処分したい」という状況は非常にリスクが高く、まず就業規則の整備を優先することをお勧めします。大阪のブライトでは、就業規則の作成・整備についても顧問として対応しています。 懲戒処分をした後、社員に訴えられる可能性はありますか? あります。労働審判・地位確認訴訟・損害賠償請求という形で争われる可能性があります。特に懲戒解雇・諭旨解雇は紛争化しやすい。対策は、①就業規則に明確な根拠を持つこと、②証拠・記録を十分に保全すること、③弁明の機会を与えること、④処分量定が問題行動と均衡していること、の4点を事前に確保することです。紛争になった場合でも、顧問弁護士がいれば初動から一貫した対応が可能です。単発の事後対応より、顧問として事前相談できる体制が、結果的にコストを大きく抑えます。 懲戒処分より退職勧奨の方が良いケースはありますか? あります。目的が「辞めてほしい(レベル3)」で、かつ紛争を避けたい場合は、懲戒解雇より退職勧奨・合意退職の方がリスクが低いことが多い。懲戒解雇は無効リスクが最も高い処分であり、争われた場合に解雇期間中の賃金支払いが命じられる可能性があります。退職勧奨は任意の交渉であり、合意さえ得られれば紛争に発展しません。ただし退職勧奨も「強迫的に行う」「何十回も繰り返す」などの態様があれば違法になるため、交渉設計は弁護士と行うことを勧めます。大阪のブライトでは、懲戒か退職勧奨かの判断から、実際の交渉設計・通知書作成まで対応しています。 懲戒処分の通知書は書面で渡さなければなりませんか? 法律上、懲戒処分を書面で行わなければならないという明文規定はありません(解雇予告は書面が求められています)。ただし、口頭だけでは「そんなことを言われた記憶がない」と争われる余地を残します。実務上は、懲戒処分の種類・理由・日付を明記した書面を交付し、本人の受領確認(署名または受領書)を取ることが強く推奨されます。特に出勤停止・諭旨解雇・懲戒解雇については、書面での通知が事実上必須です。 「次の一手」を弁護士と一緒に決める——懲戒か別手段かの判断から伴走します 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・企業法務部の弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。懲戒処分の手順確認から通知書作成まで、顧問として一気通貫で対応します。 顧問弁護士サービス「みんなの法務部」を見る 無料で相談する(0120-929-739) 関連記事 問題社員への対応完全ガイド|解雇・懲戒・退職勧奨の手順 退職勧奨の進め方|違法にならない手順と経営者が知るべき判断基準 問題社員の解雇で「会社が負けた」4つのパターン 就業規則がない会社のリスクと解雇無効判決の実例 無断欠勤・音信不通の社員を解雇する正しい手順 ⚠️ 問題社員への対応は、手順を間違えると”不当解雇”として会社が訴えられるリスクがあります 弁護士法人ブライトの「みんなの法務部」は、顧問先130社以上・企業法務部の弁護士歴平均14年以上の体制で、御社の外部法務部として日々の判断を支えます。まずは無料の実務資料をご覧ください。 無料の実務資料をダウンロード みんなの法務部に相談する(0120-929-739) この記事の内容は「問題社員対応の全体フロー」の一部です。目的別の手段選択フローや他の対応手段については以下のハブ記事で解説しています。 → 問題社員対応|辞めさせたいなら目的から考える【意思決定フロー付き・大阪の弁護士解説】 参考文献(当事務所蔵書) 懲戒処分に先立つ弁明の機会は形式的に設ければ足りるものではなく、弁明の中で新たな説明が出た場合には、改めて事実関係を調査したうえで処分を判断すべきと解説されています(労務行政研究所『実務Q&Aシリーズ 懲戒処分・解雇』(労務行政、2017年))。 労務行政研究所『実務Q&Aシリーズ 懲戒処分・解雇』(労務行政、2017年) 佐々木宗啓ほか『類型別 労働関係訴訟の実務〔改訂版〕Ⅱ』(青林書院、2022年)