取引先との契約解除を申し入れたい会社が確認すべきこと 「もうこの取引先との関係を終わらせたい」と思っても、やり方を間違えると、損害賠償を請求される側に回ることがあります。 契約解除は、手順が命です。感情的に通知を送ったり、一方的に取引を停止したりすると、相手から「不当解除だ」と主張される材料を与えてしまいます。 まず確認すること:契約書に解除条項はあるか 契約書があるなら、最初に「解除条項」を確認してください。 ①解除事由が限定されているか 「○○の場合のみ解除できる」と書かれている場合、その事由に該当しなければ一方的な解除はできません。無理に解除すれば債務不履行(契約違反)になります。 ②予告期間は設けられているか 「30日前に通知する」「3ヶ月前に申し入れる」といった規定がある場合、その期間を無視して即時解除すると、予告なし解除に対する損害賠償が発生することがあります。 ③違約金・損害賠償条項の内容 解除した場合の金銭的な責任が条項に書かれているか確認してください。違約金条項がある場合は、解除コストを計算した上で判断する必要があります。 契約書がない場合、またはカバーされていない場合 契約書がなかったり、解除事由が定められていない場合は、民法の原則に戻ります。 継続的取引の場合:相当の予告期間を置いた申し入れで解除できるのが原則です。ただし「相当な期間」の長さは取引の性質・依存度によって変わります。 相手方に債務不履行がある場合:まず「催告」(期限を定めた是正要求)をして、それでも改善がなければ解除できます。催告なしの即時解除は、よほど重大な違反がない限り無効とされる場合があります。 手順:解除申し入れの正しいステップ ステップ1 解除の根拠を整理する 「なぜ解除するか」を法的に整理します。相手の債務不履行なのか、経営上の都合なのかによって手順が変わります。 ステップ2 催告書を送る(債務不履行がある場合) 相手に問題がある場合は、まず「○月○日までに改善してください。なければ契約を解除します」という催告書を送ります。この催告がなければ、解除が無効とされるリスクがあります。 ステップ3 解除通知を送る 催告期間が過ぎても改善がなければ、正式な解除通知を送ります。内容証明郵便を使えば、いつ・どんな内容で通知したかを証拠として残せます。 ステップ4 残務・清算の処理を決める 解除後も、進行中の業務・代金・在庫・秘密情報の扱いを取り決める必要があります。口頭だけで処理を終えると、後から「聞いていない」と言われるリスクがあります。 こんな相談がよくあります あるIT・SaaS系サービスの会社が、取引先との途中解約をめぐりトラブルになったケースがあります。 解除の申し入れ前に弁護士に相談したところ、契約書の解除条項・損害賠償条項の読み込みが最重要だという整理ができ、感情的な動きで損害賠償リスクを負わずに済みました。「払いたくない気持ちはわかるが、契約書上の根拠整理が先決」というのが実際の判断でした。 取引先との契約解除について、まずご相談ください。 解除が有利かどうか、リスクをどう最小化するかを、契約書の内容を踏まえて判断します。 → 企業法務・取引先トラブルのご相談はこちら:/corporationlaw/ 電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00) 解除後の損害賠償リスクをゼロにするために 損害賠償のリスクをゼロにできないケースもあります。しかし、手順を正しく踏めば、リスクを最小化することはできます。 特に以下の場合は、弁護士に確認してから動くことを強くお勧めします。 取引金額が大きい 取引期間が長く、相手の依存度が高い 解除後も業務上の接点が残る 相手が法的手続きに精通している 内容証明の作成・送付から、解除後の清算交渉まで、一貫して対応できます。 → 顧問弁護士サービスの詳細はこちら:/corporationlaw/service/ 電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00) 関連記事 取引先から契約解除通知が来たときの対応 取引先から提示された契約書の6つのチェックポイント 内容証明を送る前に会社が確認すべきこと よくある質問 Q. 催告なしに契約を解除するとどうなりますか? A. 相手方に債務不履行がある場合でも、原則として催告(期限を定めた是正要求)を先に行う必要があります。催告なしで解除した場合、解除が無効と判断されることがあり、逆に自社が損害賠償を求められるリスクがあります。 Q. 解除後の未払い代金はどう回収しますか? A. 解除の申し入れと並行して、未払い代金の請求を進めることが可能です。解除後の清算条件を書面で合意したうえで、必要に応じて内容証明・法的手続きを検討することが一般的です。弁護士にご相談ください。 Q. 費用はどのくらいかかりますか? A. 事案の内容・複雑さによって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。 監修:弁護士法人ブライト 大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。 本記事は一般的な法的情報の提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な案件については、弁護士にご相談ください。 よくある質問 Q. 契約書に解除条項がない場合、いつでも自由に契約を解除できますか? A. いいえ。契約書がない場合でも、民法の原則に基づき「相当の予告期間」を置いた申し入れが必要です。取引の性質や依存度によって予告期間の長さが変わるため、弁護士にご相談ください。 Q. 解除の申し入れにはいくらくらいの費用がかかりますか? A. 事案の内容や複雑さで異なります。内容証明の作成から清算交渉まで一貫対応も可能です。弁護士法人ブライトは初回相談無料でご案内しているため、まずはご相談ください。 Q. 相手の債務不履行を理由に契約を解除する際、催告は必須ですか? A. 原則として必須です。催告なしで解除した場合、解除が無効と判断され、逆に自社が損害賠償を求められるリスクがあります。手順を正しく踏むことが重要です。