工事代金を払ってもらえないときの対応|建設業の売掛金回収手順

工事代金を払ってもらえないときの対応|建設業の売掛金回収手順

工事代金を払ってもらえないときの対応|建設業の売掛金回収手順

工事は終わった。でも代金が入ってこない。

督促しても「もう少し待ってほしい」「確認中です」という返事が続くだけ。建設業や工務店の経営者なら、一度はこの状況に直面したことがあるはずです。

工事代金の回収は、一般的な売掛金と少し違います。「追加工事の扱い」「完工の認定」「元請・下請の多重構造」など、建設業固有の論点が絡むため、早めに手を打たないと回収できる金額が大きく変わります。

この記事では、工事代金未払いへの対応を順を追って解説します。


「払う意思はある」は要注意サイン

取引先が「払う気はある」「資金繰りが厳しいだけ」と言っているうちは、まだ関係を壊したくない気持ちが働きます。しかし、その間にも相手の資産は減り続け、他の債権者が先に動いている可能性があります。

建設業の未払い案件では、次の状況が重なると一気に回収が困難になります。

  • 工事から半年以上が経過している
  • 元請業者が経営難に陥っている
  • 追加工事の合意が口頭だけで書面がない
  • 分割払いの約束だけで公正証書を作っていない

「もう少し様子を見よう」という判断が、後から大きなコストになります。


まず整理すべき3つのポイント

1. 工事完了の証明はあるか

工事代金の請求には「工事を完了したこと」の証明が必要です。完成引渡書・検収書・竣工検査記録などが手元にあるか確認してください。

相手が「まだ完工を認めていない」「追加工事の分は合意していない」と主張してくることがあります。この場合、写真・日報・メールのやり取りで「いつ・何が完了したか」を客観的に示せるかどうかが勝敗を分けます。

2. 追加工事の取り扱いはどうなっているか

建設業では、工事途中に「追加・変更」が発生するのが日常です。問題は、この追加部分を書面で合意していないまま着工してしまうこと。

追加工事の金額が口頭合意だけの場合、相手が「そんな合意はしていない」と言い出すと立証が難しくなります。メールで「追加工事のご指示、確かに承りました。金額は○○円で進めます」と送信しておく習慣が、後の紛争を防ぎます。

3. 元請・下請の関係を整理する

下請業者として元請から工事を請け負った場合、お金の流れが複雑になります。元請が発注者から代金を受け取っているのに下請に払わないケース、発注者自体が支払い不能なケース、それぞれで対応が変わります。

発注者が元請に支払い済みであれば、下請は元請に対して直接請求できます。元請が支払い不能の場合は、債権者代位権を使って発注者への請求権を行使する手段もあります(民法423条)。


よくある相談例

建材・資材を供給する会社が孫請業者への代金を回収できなくなったケースがあります。孫請業者が支払い不能になったため、元請業者への債権者代位通知を行ったところ、元請から一定額を先行回収できました。残債権については代理人弁護士との交渉・訴訟準備を並行して進めています。

このケースでは、「孫請が払えなくても元請への代位が使える」という知識があったかどうかで、回収できる金額に大きな差が出ました。


回収のステップ

STEP1:内容証明郵便で催告

口頭や電話での督促は証拠になりません。まず弁護士名義または自社名義の内容証明郵便を送り、支払い期限を明確にします。「○月○日までに支払いがない場合は法的措置を取る」と明記することで、相手に本気度を伝えます。

STEP2:財産の仮差押えを検討する

相手が支払いを引き伸ばしている間に財産を処分・隠匿するリスクがあります。口座・不動産・売掛債権への仮差押えは、訴訟の前でも申し立てることができます。

申立には「保全の必要性」と「権利の疎明」が必要で、通常は担保金(保全額の1〜2割程度)も必要です。早期に弁護士へ相談することで、仮差押えのタイミングを逃さずに動けます。

STEP3:訴訟・支払督促

交渉が決裂した場合は、訴訟または支払督促を申し立てます。工事代金の請求は証拠が整っていれば比較的認められやすい類型ですが、追加工事の合意や完工の認定に争いがあると長期化します。

判決が出れば強制執行で差し押さえが可能になります。


弁護士が入るだけで相手の態度が変わる

「法的措置を取る」と自社で言っても、相手が本気にしないことがあります。弁護士名義の通知書が届くと、相手の対応が一変するケースは少なくありません。

工事代金の未払いが続いているなら、まず一度ご相談ください。証拠の整理から仮差押えの検討、交渉の進め方まで、状況に合わせてサポートします。

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相手が「待ってほしい」と言ってきたら

分割払いや支払猶予の話が出たときは、必ず書面に残してください。「口約束で合意した」では後から争いになります。

分割合意書には次の項目を入れておきましょう。

  • 残債権の総額の確認
  • 分割払いのスケジュール(期日・金額)
  • 期限の利益喪失条項(1回でも遅れたら一括請求できる)
  • できれば連帯保証人または担保の取得

この書面がなければ、「払う意思がある」という言葉だけで時間だけが過ぎていきます。


仕組みで防ぐ:工事代金リスクを減らすために

未払いが起きてから動くのではなく、取引の入口で予防することが最も効果的です。

  • 工事請負契約書を必ず締結する(口頭・口約束で着工しない)
  • 追加工事は書面(メールでも可)で合意を残す
  • 長期取引先でも定期的に与信状況を確認する
  • 支払いが遅れた時点でリスクを認識し、早期に弁護士へ連絡する

顧問弁護士がいれば、取引ごとの契約書チェックや回収戦略の相談を日常的にできます。「何かあってから」ではなく、「何かある前に」動ける体制づくりをお勧めします。


まずは相談を

工事代金の回収でお困りの方は、弁護士法人ブライトへご相談ください。初回相談は無料です。

電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00)

顧問弁護士・企業法務サービスの詳細はこちら



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よくある質問

Q. 追加工事の代金を口頭で合意しましたが証拠がありません。請求できますか?

A. 口頭での合意も法的には有効ですが、証明が困難なケースがあります。メールのやり取りや日報、写真など間接的な証拠を集めることが重要です。まず弁護士に証拠の整理を相談されることをお勧めします。

Q. 元請業者が倒産しました。発注者(施主)に直接請求できますか?

A. 一定の条件のもとで、債権者代位権を使って発注者への請求を行う手段があります(民法423条)。具体的な状況によって判断が変わるため、弁護士にご相談ください。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 事案の内容・複雑さによって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。


監修:弁護士法人ブライト

大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。

よくある質問

Q. 工事完了の証明がない場合、工事代金を請求できますか?

A. 完成引渡書などの証拠がなくても、写真・日報・メールで完工を客観的に示せれば請求は可能です。ただし立証が困難になるため、証拠の整理から弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

Q. 相手が「もう少し待ってほしい」と言ってきたら、どう対応すべき?

A. その間に相手の資産が減少し他の債権者が先に動く可能性があります。分割払いなら書面で残し、期限の利益喪失条項を入れることが重要です。早期の弁護士相談で対応戦略を立てられます。

Q. 工事代金回収で弁護士に相談する場合、どのくらい費用がかかる?

A. 事案の内容・複雑さによって異なります。弁護士法人ブライトでは初回相談が無料のため、まずは具体的な状況をご説明いただき、費用について確認されることをお勧めします。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。具体的な事案については弁護士にご相談ください。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。
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