医療・介護事業でよくある法律トラブルと弁護士が必要なタイミング

医療・介護事業でよくある法律トラブルと弁護士が必要なタイミング

医療・介護事業でよくある法律トラブルと弁護士が必要なタイミング

医療・介護業は、スタッフの安全と患者・利用者の権利が同時に問われる業種です。

職場内のハラスメント対応、未払い残業代の請求、許認可が絡むM&Aの後処理——こうしたトラブルは、対応が遅れるほど会社と関係者双方へのダメージが大きくなります。

弁護士への早期相談が、問題の長期化を防ぐ鍵です。


医療・介護事業でよくある法律トラブル5選


1. 職場内性加害・ハラスメントへの対応

医療・介護現場では、職員間のハラスメントが発覚したとき、会社として迅速に対応しないと「使用者責任」を問われます。

使用者責任とは、従業員の行為によって生じた損害を会社が賠償する責任のことです。

被害者対応・加害者への処分・就業規則に基づく懲戒——これらを適切な順序で進めなければ、被害者からの損害賠償請求に加え、労災申請・行政指導といった対応も必要になります。

「加害者の処分は当然として、会社側の補償はどうするか」「被害者はまだ在職中でどう配慮すべきか」——弁護士と一緒に整理しながら対応することが重要です。


2. M&A(事業譲渡)における許認可・スタッフ承継問題

医療・介護事業のM&Aでは、許認可の承継が最大の落とし穴の一つです。

事業譲渡では、医療・介護関連の許認可(指定事業者としての認定等)は原則として承継されません。

買収後に新規申請が必要なため、行政のスケジュールを考慮して取引の完了時期を設定しなければ、事業が停止するリスクがあります。

また、従業員は個別の同意なしに承継できません。

承継を拒否した従業員への対応(解雇か新規採用か)も事前に弁護士と整理しておく必要があります。

医療機器のリース契約も要注意です。リース会社が承継を拒否した場合の残債処理をDDの早期段階で確認しておくことが必須です。


3. 就業規則の解釈トラブルと未払い残業代請求

介護・福祉施設では、就業規則の文言が曖昧なまま運用されているケースが少なくありません。

夜勤・待機時間の扱い、変形労働時間制の適用——これらが明確に定められていないと、退職した元スタッフから未払い残業代を請求されるリスクがあります。

就業規則の内容を「社労士が作ったから問題ない」と思い込んでいると危険です。

経営者が就業規則の内容を理解・承認していることが求められており、「丸投げ」は会社のリスクになります。

就業規則を弁護士と社労士が連携してチェックし、現場の実態と合わせて整備することが、将来の請求リスクを大幅に減らします。


4. 安全配慮義務違反をめぐる損害賠償請求

労働災害が発生した場合、「会社が安全管理を怠った」として損害賠償請求を受けることがあります。

安全配慮義務とは、従業員が安全に働けるよう会社が適切な措置を講じる義務のことです。

請求のパターンとして多いのは、「労災認定を受けた元従業員が、さらに民事上の損害賠償を求めてくる」という場面です。

このとき、会社が損害保険(訴訟費用保険)に加入しているかどうかによって、対応コストが大きく変わります。

会社側として対応するには、労働実態の記録・安全管理体制の証拠・既往症の有無など複数の要素を整理する必要があります。

弁護士が早期に関与することで、対応方針が明確になります。


5. 著作権・商標のトラブルと経営幹部による問題行動

医療・介護事業者が展開するグループ企業では、商標の無断使用・使用許諾の取消しといったトラブルが起きることがあります。

また、経営幹部や役員が社内の情報・資産を私物化していた場合、退職後に問題が発覚するケースもあります。

横領・背任・競業避止義務違反——これらは証拠の確保と早期の法的措置が重要です。


よくある相談例

ある医療法人では、幹部職員による性加害が発覚しました。

被害者が在職中という状況で、加害者への処分・会社としての補償・労災申請の3方向を弁護士が整理しながら対応した事例があります。

別のケースでは、介護事業のM&Aで事業譲渡が完了した後、許認可の再申請スケジュールと従業員の承継同意取得が課題となりました。

弁護士が早期に関与することで、事業の空白期間なく移行できた事例があります。

また、介護・福祉施設の就業規則の曖昧な条文をめぐり、元従業員から未払い残業代を請求された事案では、就業規則の作成経緯と実際の運用を整理して対応した事例もあります。


弁護士が必要なタイミング

以下のいずれかに該当する場合は、早めにご相談ください。

  • 職場内でハラスメント被害の申告があった
  • 元従業員から未払い残業代の請求が来た
  • 医療・介護施設のM&Aを検討しており法務DDが必要
  • 労災認定を受けた従業員から損害賠償請求が来た
  • 就業規則が実態と合っているか不安
  • 経営幹部の不正行為が疑われている

ご相談・お問い合わせはこちら

→ 企業法務・顧問弁護士サービスの詳細はこちら:/corporationlaw/

電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00)


医療・介護業に強い顧問弁護士とは

医療・介護業は、スタッフと利用者の双方に対して高い法的責任を負う業種です。

就業規則の整備・ハラスメント防止規程の作成・M&Aの法務サポート——顧問弁護士は、日常的な相談から重大案件まで幅広く支援します。

許認可を含む行政法規・労働法・民法が複雑に絡み合うのが医療・介護業の特徴です。

業種の実態を理解した顧問弁護士が、法的リスクを事前に減らしながら経営をサポートします。


まずはご相談ください

→ みんなの法務部サービスの詳細はこちら:/corporationlaw/service/

電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00)


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よくある質問

Q. 患者・利用者からクレームを受けた場合、どのように対応すればよいですか?

A. まず事実確認と記録保全を行い、誠実に対応しながら法的責任の有無を見極めることが重要です。医療・介護の専門的な判断が絡む場合は早めに弁護士にご相談ください。

Q. 介護スタッフのハラスメント問題は会社として対処が必要ですか?

A. 職場環境の整備は事業者の義務とされており、利用者からのハラスメントへの対応方針を整備することが求められます。マニュアル整備の方法についても弁護士にご相談ください。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 事案の内容・複雑さによって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。


監修:弁護士法人ブライト

大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。


本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、特定の事案に対する法律アドバイスではありません。個別の対応については弁護士にご相談ください。

よくある質問

Q. ハラスメント被害の申告があった場合、会社はまず何をすべきですか?

A. まず被害者と加害者を分離し、双方から事実確認を行います。調査は公平性を保つため、第三者(弁護士等)を交えることが望ましいです。調査結果に基づき就業規則に沿った懲戒処分を検討し、被害者への配慮措置(配置転換・休職対応等)も並行して進めます。対応が遅れると使用者責任を問われるリスクが高まります。

Q. 元従業員から未払い残業代を請求されました。時効はどのくらいですか?

A. 2020年4月以降に発生した残業代の請求権は原則3年間行使できます(労働基準法第115条)。退職後であっても請求は可能です。夜勤・待機時間が労働時間に該当するかどうかが争点になることが多く、タイムカードや業務記録の保存状況が会社側の対応に大きく影響します。早期に証拠を整理することが重要です。

Q. 介護事業のM&Aで事業譲渡を選んだ場合、従業員はどうなりますか?

A. 事業譲渡では、従業員は自動的に譲受会社へ移転しません。一人ひとりから個別に同意を得る必要があります。同意を拒否した従業員については、譲渡会社側での雇用継続か退職処理かを事前に整理しておく必要があります。承継を前提とした説明・交渉のタイミングと方法について、事前に弁護士と方針を確認することが重要です。

Q. 顧問弁護士と社労士の役割分担はどのように考えればよいですか?

A. 社労士は就業規則の作成・給与計算・社会保険手続きなど日常的な労務管理を担います。一方、弁護士はハラスメント対応・損害賠償請求・訴訟・解雇の適法性判断など法的紛争への対応が主な役割です。就業規則の整備では、社労士が作成した内容を弁護士が法的リスクの観点から確認する連携体制が、トラブル予防に効果的です。

具体的な対応手順・ケース例

【ケース例】介護施設で元職員から未払い残業代を請求された場合の対応手順

  1. 請求内容の確認:内容証明郵便や労働審判の申立書を受領したら、請求期間・金額・根拠となる主張を整理します。感情的な反論は避け、まず事実確認を優先します。
  2. 証拠の収集・保全:タイムカード・シフト表・業務日誌・給与明細など、当該期間の労働実態を示す資料を速やかに収集します。電子データは改ざん防止のため適切に保管します。
  3. 就業規則・労使協定の確認:変形労働時間制・夜勤手当・固定残業代の規定が実態と合致しているか確認します。規定の不備が会社側の不利につながるケースがあります。
  4. 請求額の試算と交渉方針の決定:労働時間の実態をもとに請求額の妥当性を検証します。全額争うか、一部和解で解決するかを、証拠の強弱を踏まえて判断します。
  5. 労働審判・訴訟への対応準備:労働審判は申立てから約3か月で審判が出るため、早期に証拠と主張を整理しておくことが不可欠です。

まとめ・確認チェックリスト

  • □ ハラスメント被害の申告があった際、被害者と加害者を速やかに分離する体制を整えている
  • □ 就業規則に夜勤・待機時間・変形労働時間制の扱いが明確に規定されている
  • □ タイムカード・シフト表など労働時間の記録を適切に保存・管理している
  • □ 医療・介護関連の許認可(指定事業者認定等)の更新・承継手続きを把握している
  • □ M&Aを検討する際、法務DDの段階で許認可・従業員承継・リース契約を確認している
  • □ 労災事故発生時に備え、訴訟費用保険等の加入状況を確認している
  • □ 経営幹部の不正行為が疑われる場合の証拠保全手順を事前に確認している
  • □ 就業規則の内容を経営者自身が理解・承認しており、社労士・弁護士と定期的に見直している

監修・著者情報

和氣良浩弁護士

和氣 良浩(わき よしひろ)弁護士

弁護士法人ブライト 代表弁護士|大阪弁護士会所属
弁護士登録:2006年(弁護士歴 20年)
取扱分野:企業法務・労務問題・契約トラブル・M&A・債権回収

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。
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